2024年8月13日火曜日

キャラ設定覚書V2

改訂版再び。総勢71人。 


①演劇部組

結月ゆかり

高校2年生。茜、マキ、六花と同じクラス。

両親とは不仲で一人暮らし。多少関係は改善され盆と正月のみ帰省。

演劇部の部長。長らく廃部となっていた演劇部を復活、脚本を担当。

趣味と性格は悪いが顔と頭はいい。

演劇への勧誘のためなら誰にでも絡みに行く謎の行動力がある。


紲星あかり

高校1年生。千冬と同じクラス。

叔父夫婦の家に同居。高校進学前に両親は他界。

演劇部の部員。ゆかりに誘われ演劇部に、ゆかりに惹かれ始める。

天真爛漫な性格だが行き過ぎて不思議ちゃんになってる時もある。

クラスに特別仲のいい相手はおらず、演劇部以外では超然としている。


琴葉茜

高校2年生。

妹の葵と共に両親と暮らす。父は建設業、母は看護師。

演劇部の副部長。ゆかりの相棒的存在と葵の保護者的存在を兼任。

他者には温かく思いやりがあるが自分自身には冷めてる。

ゆかりや葵が自立していったことで目的意識を失っている。


琴葉葵

高校2年生。ずん子、モカと同じクラス。

姉の茜と共に両親と暮らす。父は建設業、母は看護師。

演劇部の部員。これまでの自分を変えるためゆかりの誘いに応えて演劇部に入った。

周囲への劣等感が強いが頑張って耐えている。

最近は演劇部以外とも交友を広げている。


弦巻マキ

高校2年生。

カフェを営む父親と二人暮らし。母親は小学校高学年の頃に他界。

演劇部と軽音楽部を兼部。人数合わせのために演劇部に入部。

ゆかりとは幼馴染であり、あかりからは敵視されている。


東北ずん子

高校2年生。

両親とは疎遠で姉妹3人とプラスアルファで暮らす。

弓道部と生徒会所属。演劇部の面々とは親交が深いが実際のところ葵以外とは友達の友達くらいの関係。

きりたんが演劇部の活動に興味を持ったため付き合いで参加。


夏色花梨

高校3年生。

生徒会長、弓道部部長。

花梨、六花、千冬の3人で一緒にいることが多い。

ずん子のどこかギラついた所が苦手。


小春六花

高校2年生。

生徒会所属。会計。

ゆかり、茜、マキのクラスメート。ゆかりからは認知されていなかった。

不憫な扱いを受けることが多い。


花隈千冬

高校1年生。

生徒会所属。書記。

あかりのクラスメート。あかりのクラスと部活での様子の違いに戸惑う。

才女であるずん子に憧れを抱き、花梨や六花のことも何だかんだ尊敬している。


宮舞モカ

高校2年生。

新聞部所属(暫定)。

ずん子、葵のクラスメート。クラスではあまり喋らない。

マキの実家の喫茶店の常連。飼い猫のワトソン君とよく話している。


ギャラ子

高校3年生(暫定)。

ガラの悪い先輩。生徒会所属にするかは未定。

花梨のクラスメート。


桜乃そら

教師。ゆかり、茜、マキの担任。17歳ではない。

演劇部の名ばかり顧問。普段はバレー部の顧問にかかりきり。

ゆかりの精神状態とセイカの不摂生が悩みの種。


京町セイカ

無職。そらの家に居候中の自称未来人。23歳。

パチンコで稼いだ金でイタコと飲み歩いている。

世間のしがらみから解放され自堕落な生活を送る。


月読アイ

演劇部のOB。職業不詳、年齢不詳。

幼児にしか見えないが態度や物言いには老獪さを感じる。

年の離れた演劇部の後輩たちがかわいい。


フィーちゃん、ユニちゃん

高性能な汎用アンドロイド。

試験運用の一環でフィーちゃんはゆかり達の高校へ。

ユニちゃんはひまり達の学校へ(暫定)。

ユニちゃんは本部で待機。各学校に行っているカリカチュア達のマネージャー的な役職。


アリアル、ミリアル

不法滞在者。森の奥の屋敷で勝手に暮らしてる。

胡乱な姉と健気な妹。同じ双子である琴葉姉妹とは仲が良い。

海外から移住してきたらしいが素性はよくわかっていない。


朱花、青葉、銀芽、金苗

地元大学の演劇サークル。銀芽が大学生は無理がありそう。

オープンキャンパスで仲良くなる。

ゆかり、ひまりの進学予定先。


②東北組

東北ずん子

上述。

東北三姉妹の次女。

きりたんには過保護。イタコには複雑な感情を向ける。


東北きりたん

小学5年生。ウナと同じクラス。

東北三姉妹の末妹。イタコとずん子に育てられ、両親のことはよく知らない。

年齢不相応に賢く度胸もあるが、小学校では浮き気味。

子供扱いしてこない演劇部の面々を気に入っている。


東北イタコ

家事手伝い。20歳。

東北三姉妹の長女。青森でイタコの専門学校を卒業後、帰郷し妹たちと同居。

家庭内ではかなり難しい立場だが当人は気楽な様子。妹たちも気にしていない。

街角で占い師をやったりしてる。


ずんだもん

ずんだの妖精。3歳。

東北家の居候。庭に犬小屋が用意されているが基本的には屋内で生活させて貰えている。

交友関係の多くは三姉妹の繋がりであり、実はずんだもん自身の友達はいない。


四国めたん

ホームレス。17歳。

ずん子の腹心的存在。同居も提案されているが基本的には公園でテントを張って暮らしている。

ずん子に対して客観的な視点を保つため、一定の距離を置いている。


九州そら

アンドロイド。5歳。10歳?

製造理由や普段の活動については謎が多い。たまに東北家やめたんのテントに泊まっている。

ずん子を主として崇め、忠誠を誓っている。


中国うさぎ

高校2年生。飛び級で高校2年生になった14歳。

因幡で巫女をしている。家や仕事の重圧が厳しく遠い土地で一人過酷な日々を送る。

家出して東北家に来てから作中時間を止めているのでたぶんもう帰らない。


音街ウナ

小学5年生。

明るく元気なクラスの人気者できりたんの親友。

コウとはきりたんのフォローを通じて仲良くなり、将来アイドルになったらマネージャーとして引き抜こうと企んでいる。


水奈瀬コウ

小学校教師。きりたんとウナのクラス担任。

きりたんの態度が悪いという教師や生徒からの苦情を一身に受ける。

心身ともに大変だが教職者の矜持によって立っていられる。


如月ついな(役追儺)

中学2年生。

天涯孤独の少女。鬼を狩り、生き肝を喰らう人の子?

鬼である後鬼よりも人間社会に馴染めてない。


伊織弓鶴

高校1年生。

琴葉姉妹の従兄弟。親元を離れて一人暮らし中のため時々様子を見に来る。

ブログ運営や動画投稿などでそれなりの収入がある。


黒朱乃宮・ティンティナーブルム・リリン

中学2年生。

金持ちの娘。本人は普通に話してるだけなのにメスガキっぽくなってしまうという生まれながらのカルマを持つ。

孤立していたつくよみやついなに積極的に話しかける良い子。


つくよみちゃん(夢前月夜)

中学2年生。

夢前月夜という偽名で暮らす人外。リリンを気に入り共に学校に通う。

肉体年齢を自由に変えられるため、大人形態では夢前月夜の姉として振る舞う。


黒聡鵜月

黒朱乃宮家の執事。

液状の体を持ち、声や体を変幻自在に変える事が可能だそう。

黒朱乃宮邸が人外ハウスになってしまう。


カナ、マナ

カナは中学2年生。マナは小学5年生。

カナはついな、リリン、つくよみちゃんとクラスメート。マナはきりたん、ウナとクラスメート。

姉妹みたいな幼馴染。


春歌ナナ

中学2年生。

ついな、リリン、つくよみちゃんのクラスメート。

名前とキャラが色々と被りがち。


あいえるたん(藍田ノエル)

中学校教師。

ついな達のクラス担任。そんなに出番はない。

声がアナウンサーみたいで綺麗。


夜語トバリ

組織のエージェント。古株。

めたんとは旧知の仲。

後鬼の捕獲を狙っている。


虚音イフ

組織のエージェント。組織では新参だが業界内では息が長い。

トバリが敬意を払う数少ない相手。

本当に人間なのかは怪しい。


クロワ

組織のエージェント。新参。

やる気が空回り気味でトバリの手を焼かせている。

本名が黒朱乃宮・セプテントリオーネス・ラ・クロワであることは覚えていない。


†聖騎士紅桜†

組織のエージェント。新参。

甲冑姿で往来を闊歩する狂人。

中身は中学2年生の少年。


大江戸ちゃんこ、中部つるぎ、関西しのび、北海道めろん、沖縄あわも

秘密結社「大都会」。

東京郊外にある老舗旅館を隠れ蓑にしている。

ずん子達とは因縁がある。


③私立高校組

冥鳴ひまり

高校2年生。

常にゴス服を着用している、ユーチューバーとして界隈では有名な人。

学校は休みがちで、割と問題児。


春日部つむぎ

高校2年生。

ギャル。マキと音楽関係の親交があり演劇部と縁ができる。

ひまりとは良い仲で、クラスではひまりちゃん係になっている。


雨晴はう

高校2年生。

常にナース服を着用している、面倒見の良い優等生。

かつて剣崎に命を救われ、将来は看護師を目指している。


櫻歌ミコ

高校2年生。

小柄な犬っぽい少女。通称みこちー。

小夜とペアを組むことが多い。ひまりとの距離感が怪しい。


小夜

高校2年生。

小柄な猫っぽい少女。通称さよちー。

ミコとペアを組むことが多い。ミコのことが好きでひまりのことが嫌い。


波音リツ

高校2年生。

長身で絢爛な出で立ちの少女?

ミコとは幼馴染。一人でいることが多いが孤立しているわけではない。


WhiteCUL 雪

高校2年生。

和風な出で立ちの少女。

クラスでは浮いているがそれなりに受け入れられている。


猫使アル、ビィ

高校2年生。

猫っぽい双子の少女たち。

あまり絡みのないクラスメート。


玄野武宏

高校2年生。

全体的に特徴のない平凡な男子高校生。

ごく普通の感性が作中では逆に珍しい。


白上虎太郎

高校2年生。

小柄な男子高校生。帽子で高さを盛っている。

いじられキャラであり、ツッコミ役。


青山龍星

高校2年生。

大柄な男子高校生。天性のガタイの良さ。

外見や声音の印象ほど落ち着いた性格ではない。


雀松朱司

高校2年生。隣のクラス。

終盤で裏切りそうな見た目の男子高校生。

男友達3人とクラスが別れたのが寂しくてよく廊下をウロウロしている。


瑞澤タクト

高校2年生。隣のクラス。

クールでストイックな青年。武宏をライバル視しており、女性が苦手。だそう。

どんな立ち位置になるか私もわかっていない。


紡乃世詞音

高校2年生。隣のクラス。

ミステリアスな大人びた少女。

龍星とは恋仲。


双葉湊音

高校2年生。隣のクラス。

青春に囚われた狂気の少女。

青春というワードを出すと召喚できるので使いやすい。


麒ヶ島宗麟

高校教師。隣のクラスの担任。

年配だが若者文化や子供の感情に理解がある。

特に男子生徒からの信頼は厚い。


後鬼(如月)

高校教師。つむぎ、はう、ひまり達のクラス担任。

若い女の姿で社会に溶け込んでいるが、正体は千年以上生きた鬼。

ついなに仕え、共に暮らしている。


もち子さん(モチノキョウコ)

模型店店主。

子どもには刺激が強すぎるとされ、保護者によって彼女との接触は禁止されている。

もっと子どもたちがお店に来てほしい。


剣崎雌雄

医師。

極めて真っ当な医者だがそのルックスと思わせぶりな態度で女性患者や看護婦を誑し込む。

メスの付喪神である設定はたぶん採用されない。


ナースロボ タイプT(TTちゃん)

医療用アンドロイド。

剣崎の勤める病院には3機配備されている。もうちょっと居ても良さそう。

その内の一機は勤続年数が長く雨晴はうとも旧知。


No.7(ナナさん)

フリーター。

ミニマリスト。ロウソクの灯りで暮らし、カイワレダイコンを育てる。

セイカとイタコと職歴なし同盟を結成しているが、無職である彼女たちよりフリーターの自分の方が上だと思っている。


豪徳貞江

隠居老人。

何も設定が決まっていないが短編ホラーには出演してるので知り合いでないといけない。


霊感少女雪ちゃん

出番がない人たちを出しつつサクッと見れるホラーシリーズ。


①霊感少女雪ちゃん

ある日の通学路、雨晴はうは友達の雪ちゃんが物陰を覗き込んでるのを見つける。

はうに声をかけられると雪は大したことじゃないと笑った。

はうは不安だった。雪には霊感があるようで幽霊の姿が見えるのだ。

その日の放課後、ふらふらと通学路を外れる雪。

追いかけると、今にも用水路に落ちようとしている雪の姿があった。

はうは雪を正気に戻そうと無理矢理引っ張る。困惑した様子の雪の手には小さなお守りが握られていた。

今朝の場所へと帰る二人。物陰で泣いていた子供の霊はお守りを受け取ると嬉しそうに笑って消えた。

たとえ幽霊だからと言って困ってる人を放っときたくない。ちゃんと満足できるまで付き合うからね。

雪はそう言って笑った。

つられて笑うはうの姿はうっすらと透けていて、他の人たちには見えないのだった。


②今日はもう来ない

春日部つむぎは学校の屋上から飛び降りようとしている少女を腕を掴んで食い止める。

必死に説得するつむぎにその少女、冥鳴ひまりは事情を語る。

曰く、彼女は死ぬと時間が巻き戻る体質であると。

到底信じられないつむぎ。錯乱していると考え無理矢理彼女を拘束する。

騒ぎに気づいた先生が駆けつけてくる。遠くからサイレンの音が聞こえてくる。

押さえつけられながらもひまりは、必死に死のうとしていた。

その日、少女が一人屋上から飛び降りて死んだ。


③なすりつけパーリナイ

ある夜、結月ゆかりは電話の音で目を覚ます。

相手は友人の茜だった。苛立ちながらも事情を聞く。

震え声の彼女は肝試しに行った恐怖体験を語る。

廃墟で幽霊を見かけ逃げ出した。見間違いだと信じ込もうとしてたが、家に帰って眠ろうとしたら布団の中からあいつが…

固唾を飲んで聞き入るゆかり。それでどうしたのかと尋ねる。

茜は答える。

「ゆかりの所に行ってください…」

そう言ったと。

「はぁ?!」

驚愕するゆかり。

玄関の戸が激しく叩かれ始める。

電話口の茜に罵声を浴びせ、ドアの向こうの存在に茜の所に行くように要求する。

負けじとゆかりの所に行くようにと騒ぐ茜。

ゆかりも堪忍袋の緒が切れる。

ドアを開け放ち、ちょっと待ってろと言い放つと隣に住んでいる茜の部屋のドアを叩き始める。

互いに相手の所に行くようにと言い合いを続ける二人とそれを見つめる黒い影。

騒がしい夜はまだ始まったばかりだ。



最後のはホラーじゃないね。

まぁでも私ホラーシリーズにはほっこり回とかギャグ回が挟まってた方が好きだから良し!!

シチュエーションは思いついたが内容はまだなのが何個か。

「独り言」

深夜のバス、自分以外の乗客は一人。彼女の独り言が嫌でも耳に入ってくる。

うんざりしていた主人公だったが独り言の内容が自分の身近なことを話してるのに気づいて…

「同窓会」

同窓会で久々に再会した5人。小さい頃にいじめてた相手を最近見たという話になる。

それから一人また一人と殺されていく中、主人公はいじめられっ子と再会を果たすが…

「ノツゴ」

ある日、駅のホームで誤って突き落とされ事故に遭う主人公。

目覚めるとホーム下のスペースに蹲っており、隣には見知らぬ男がいた。

男は自分たちは「ノツゴ」になったと語る…


みたいな感じ。

メモ書き程度ですがミステリの舞台として立て籠もり事件の現場。

犯人と一対一でも、犯人の目を盗みながらの多人数でも面白そう。

肝心の中身が何もできてないので何ともですが。

ホラーシリーズのネタもたくさん用意できたので安泰ですね。後はブログに転がってる「直葬」辺りも使えそう。

てところで長文駄文失礼しました。


2024年8月12日月曜日

犯人はこの5、40…後どれくらい残ってたっけ…?

「犯人はこの59人の中にいる!!」の詳細なあらすじ。


第零派閥「探偵」

ゆかり、あかり、茜、葵。

探偵のゆかりと助手のあかり、成り行きで一緒に行動するようになった琴葉姉妹の4名。

当初は探偵として期待されたり疎まれたりしていたが、犠牲者数が増えてからはただの泡沫犯人候補として警戒されるようになる。

事件の解決に固執するゆかりと派閥争いに注力すべきと言うあかりで揉めるようになる。


第一派閥「一家」

ずん子、めたん、イタコ、きりたん、そら、うさぎ、ずんだもん、ウナ。

ずん子のリーダーシップや他メンバーの折衝能力により最も影響力の大きい派閥となる。

当初は捜査に協力的だったが3人目の犠牲者が出た時点で鎖国を宣言。

以降はフロアの一部を占拠し従業員グループとの食料調達以外の接触を拒否する。


第二派閥「学校」

宗麟、あいえるたん、詞音、湊音、カナ、マナ、みこ、小夜。

小学校と中学校が一緒になった田舎の学校の修学旅行。

あいえるたんが情緒不安定になり、宗麟が一人で全てを切り盛りしていたため他の宿泊客や従業員が手助けするようになる。

犯人捜し、派閥争いの両面で安全地帯となる。


第三派閥「大学生」

龍星、武宏、虎太郎、朱司、タクト。

同じ大学に通う男子五人組。

当初から捜査に非協力的で疎まれていたが、「一家」の鎖国を受けて同様にフロアの一部を占拠。

「一家」ほど閉鎖的ではなく周囲と交流はあるが、そのせいで却って反感を招く。


第四派閥「独身」

アイ、剣崎、もち子、トバリ、イフ。

派閥化が進んだことで一人客が結託した派閥。

大人が少なく機能していない「学校」の助けに入る。

自分勝手な「一家」「大学生」とは敵対的。


第五派閥「従業員」

朱花、青葉、銀芽、金苗、ギャラ子、ナナ、雪、フィー、ユニ、TT。

中立の派閥。あくまで職務に忠実。

被害者と離脱者が相次いだことで崩壊する。

以降は残存者と他の派閥で食料の取り分を協議。


3人以下のグループ。

・コウ、そら、セイカ

・花梨、六花、千冬

・ひまり、つむぎ、はう

・リリン、夢前、黒聡

・弓鶴、ついな

・アリアル、ミリアル

・リツ

・後鬼

・モカ


一日目

雪に閉ざされたホテルの大広間で物語が始まる。

ゆかりが殺人事件が起こったことと、この中に犯人がいることを宣言する。

人数が多すぎて奥まで声が届かず、マイクを持ち出して口上を述べるゆかり。

ふざけた姿に宿泊客の一人、茜はツッコミを入れる。

一部部屋に戻った人間も居たが、ゆかり達はそのまま宿泊客と従業員の取り調べを行う。

ほとんどの人間は自分のいる場がミステリの舞台となったという認識でいた。

初日は和やかな雰囲気で終わる。

60人のうち1人が死んだだけなら他人事だった。


二日目

ゆかり達は犯人捜しのため聞き込みと現場検証を続ける。

共に閉じ込められてることもあってかホテル内での人間関係も固まってきていた。

最も影響力の大きなグループは「一家」。「学校」の子供たちの面倒を見て、率先して従業員の手伝いをしていた。

次に悪い影響力を持ったグループが「大学生」。取り調べを受けずに部屋に戻った者達であり、横暴な態度で反感を招いていた。

他の客もある程度仲のいい集まりを見つけ始めていた。

被害者のマキと前から知り合いだった人物を見つけ出そうとするゆかり達。

動機は怨恨だろうと誰もが考えていたのも混乱が起こらない理由だった。


三日目

朝、厨房で従業員の金苗が殺されているのが発見される。

第二の殺人が起こるとは思っていなかったゆかりは動揺する。

それと同時刻、上階ではセイカがそらを殺害した事件が発覚していた。

痴情の縺れによる無関係の殺人だったが、タイミングが悪かった。

三人を殺した犯人が野放しになっているという情報と、それとは別の殺人鬼がいるという情報が錯綜し、ホテル内は混乱に包まれる。

「一家」「大学生」の立て籠もりもあり、宿泊客内での諍いが起こる。

動乱の中、医師の剣崎、自称研究員のトバリが影響力を持ち始める。

憔悴状態だったセイカとコウを確保。セイカを倉庫へ監禁し、コウを監視する。

一先ず状況は安定したが、マキ、金苗を殺害した犯人は不明のままだった。

疑心暗鬼の状態でこの日は別れる。


四日目

チラホラと大広間に集まり始める宿泊客たち。

口数は少なく、不審げな視線を交わし合う。

ゆかりは朝食の用意がされておらず、従業員の姿も見えないことに気づく。

固まってホテル内を探索する一同。

扉の外へ続く引きずられた後と、冷蔵室で倒れている銀芽を発見する。

ゆかりは何者かが従業員を襲った後、遺棄しようとしたと結論づける。

朱花、青葉は外へと捨てられたが、銀芽だけは体重の関係で運ぶことを断念し冷蔵室に隠したのだろうと。

剣崎とTTちゃんの尽力もあり銀芽は一命を取り留めたが、犯人の顔は見ていないそうだった。

ホテルの内部に詳しい古株の従業員4人が真っ先に潰されたことで、姿の見えない殺人鬼は本気で自分たちを狩るつもりなのだということを思い知る。

これを受けて従業員のナナは職務放棄。ある程度の食料を持って自室に籠ろうとする宿泊客に同調する。

ゆかりは従業員が襲われた以上、犯人がマスターキーを所持している可能性を指摘し、固まっていた方が安全と主張する。

結果的にナナ、リツ、後鬼、アリアルとミリアルが部屋へと戻り、それ以外のメンバーは大広間で生活することになる。

この時点で最上階にリリン、夢前、黒聡。その下の階に「一家」。二階に「大学生」。他の階の客室にナナ、リツ、後鬼、アリアルとミリアル、話し合いに参加できていないコウとモカが閉じ籠る。

倉庫に閉じ込められたセイカはフィー、ユニが従業員の寝室から見守り、それ以外は1階大広間を中心に二人ないし三人一組で生活する。


五日目

よく眠れずに大広間で目覚める一同。交替で見張りを立てていたこともあってか犠牲者はいない。

離れのセイカ、フィー、ユニも無事であった。

てことは上の階の誰かが殺されただろうなとトバリが笑う。

ゆかりは生存を確かめつつ、事件の聞き込みを続けるよう提案する。

ゆかり、あかり、茜、葵の4人で各部屋を周る。

コウ、リツの生存を確かめた後、弓弦とついなが後鬼の部屋を訪ねている所に出会う。

事情を聞いたところ、後鬼がついなの育ての親だったことが判明する。新婚の二人をこっそり尾けてきたのが後ろめたく、顔を隠していたそうだ。

有力な容疑者の一人だった後鬼の秘密がしょうもないことで肩透かしを受けるゆかり達。

三人は今後は大広間で一緒に生活するそうで階下に降りて行った。

その後一同はアリアル、ミリアルの寝室を尋ねるが二人は不在だった。あの人たちもやっぱり下で一緒に暮らすことにしたのかと判断する。

その時食料調達のために上階からずん子、めたん、黒聡が下りてくるのを見かける。

トラブルが起こることを懸念し階下に戻ろうとするあかりと琴葉姉妹だったが、ゆかりはこの隙に「一家」の他メンバーとリリン、夢前に聞き込みに行こうとする。

ゆかりを一人にするわけにもいかず、ゆかりとあかりは上階へ、茜と葵は一階へと別れる。

バリケード前で呼びかけると、きりたんが顔を出した。事件が起こった日の話を聞こうとするも、逆に下の階の様子を尋ねられる。

話し声を聞きつけ、そら、うさぎもやって来たが、ずん子ほど強硬な態度をとることも無く情報交換を行う。

彼女たちは最上階のリリン達とある程度結託しているようだった。

死者が2人、怪我人が1人増えたことを告げると彼女たちは驚いた様子で、自分たちも下に降りて協力した方がいいんじゃないかと言い出す。

ゆかりは人数が増えても混乱が増すだけだと断り、またずん子とめたんが不在の時に来ると告げて去る。

一方、一階では案の定揉め事が起こっていた。

食料だけ持って上階に閉じ籠ろうとするずん子に剣崎が食ってかかる。他の宿泊客たちの視線も冷ややかだ。

別にずん子達が閉鎖を解いたからといって事態が好転するわけでもないのだが、安全圏にいるようなのが気に食わないのだ。

子供だけでもそちらで保護してほしいという宗麟の訴えを拒否したことで、一触即発の事態になる。

未だ従業員としての矜持を保っていた雪とギャラ子の言葉によってその場は収まるが、わだかまりは残るのだった。

その日の夜、大広間に集まったメンバーの中に月読アイの姿は無かった。てっきり合流したと思われていたアリアルとミリアルの姿も無い。

いつから居なくなったのかと話し合うが要領を得ない。複数人での行動は厳格なものではなく、この人数の所在を常に確認するのは困難だった。

ゆかりもナナとモカの生存を確認していないことを思い出す。

二人行動を提案された誰かにそのまま殺されたんじゃないかとトバリが言い出し、また疑いの目が飛び交う。

明日はもっと別の方法を考えようと決め、その日はまた寝ずの番を立てて眠った。


六日目

翌朝、全員の無事を確かめ朝食をとりながら会議を始める。

今度こそ完全に大広間に閉じ籠り、外出の際は人数と行き先を記録すべきと主張する剣崎。

トバリは窮屈になるだけだと反対する。

冷静さ賢明さこそ評価されていたトバリだったが、人の命を軽んじる発言が多くこの頃には疎まれ始めていた。

他の連中が殺されていた方が自分が生き残りやすいと考えてるだけなんじゃないかと糾弾される。

トバリは完全に全員が固まって誰も狩れなくなった時、犯人は強硬な手段に出ると主張する。

ホテルに火を放たれたらどうしようもないが、少なくとも電気は守るために自分とイフは別の場所に陣取るともっともらしい理屈を述べる。

それは暗にこの集団から離脱したいと言っているのだと受け止められた。

数の安心感が揺らぎ始めた中にトバリの言葉は波のように広がっていった。

犯人が何人いるのかもよく分かっていないのに、多人数での行動が信頼できるものだろうか。それならばいっそ見知った者同士だけで。

そんな流れを汲んでか、ギャラ子が別の意見を出す。吹雪が止むのを待たずに、自分が町まで強行して助けを呼ぶと。

雪で鉄塔が倒れたようで、事件発生日から電話は繋がっていない。トラックで無線が通じるところまで走れば救助を呼べる。

呼んだところでこの吹雪じゃ来れるかわからないとトバリが嫌味を言う。しかし、ギャラ子の言葉は皆に希望を与えていた。

ギャラ子、雪、TTはガレージに向かい、他は大広間に残る。

トバリ、イフ、ギャラ子が抜けたら大人の数が少なくなる。部屋に閉じこもってる連中を引っ張り出さないといけないと話し合う。

ガレージにて、トラックに乗り込んだギャラ子は雪、TTに後を任せる。

ギャラ子がエンジンを回した時、トラックは爆発を起こした。

ゆかり達が駆けつけた時ガレージは火の手に包まれていた。

3人の安否を確かめることもできず、逃げ出した一同はガレージへと続く通路の防火扉を閉める。

唯一の脱出手段に細工が施されているのは当然であった。

爆発音と火の手に気づいた「大学生」、ずん子、めたん、黒聡も駆けつけてくる。

消火という共通の目的のためまとまりかける一同だったが、雪で火が自然に収まって行ったことで解散の流れになる。

ゆかりは空気を読まずに聞き込みを行う。若干呆れられながらもこれで全員のアリバイを確認する。

その後ろでタクトが花梨、六花、千冬にちょっかいを出したことでトラブルが起こる。

龍星の一喝でタクトは引き下がるが、再び険悪な雰囲気になる。

また少し人数が減った大広間で、残った者たちは今後の方針を協議する。

大広間には24人。ゆかり、あかり、茜、葵、剣崎、宗麟、もち子、ひまり、つむぎ、はう、花梨、六花、千冬、弓鶴、ついな、後鬼の16人が壮健。怪我人の銀芽、心神耗弱状態のあいえるたん、子供6人が庇護対象。

そこから少し離れた従業員スペースに5人。倉庫内にセイカ、通路にトバリとイフ、従業員室にフィーとユニがほぼ固まっている。

リツ、コウは自室で生存を確認、ナナ、モカは現在地と生死が共に不明。

何人かがグループを離脱したい雰囲気を漂わせながらも、その日は眠りにつく。


七日目

不要な外出を禁じたい剣崎だが、この中に犯人がいるかもしれない以上固まっていても安全とは言い難い空気になってしまっていた。

そんな中、ゆかりはこれまで停止させていたエレベーターを使って現場検証を行いたいと言い出す。

この後に及んでまだそんなことを言ってるのかと詰られるゆかり。「一家」と「大学生」の許可を取れたらいいと半ば無理難題を吹っかけられる形で許される。

閉じこもるより犯人特定に取り組んだ方がいいと同調したのはこれまで多くを語っていなかった冥鳴ひまりだった。

彼女はホテル内に隠し部屋や隠し通路があるのではないかと考えており、先日からその探索を行っていた。

ゆかり、あかり、茜、葵は事件の調査、ひまり、つむぎ、はうはホテルの調査によって真実を明らかにすることを誓う。

「一家」「大学生」の許可を得るのに苦心するも、ゆかりはこれまでの行動で犯人にしてはお粗末すぎると判断されていた。

結局エレベーター前で監視してる間ならやっていいという許可を得る。

現場検証によって自分の仮説に間違いがないと確証を得たゆかり。再びエレベーターで6階に戻り、事件のあった部屋を開けようとする。

鍵が掛かっていた。開けっ放しだったと記憶していたゆかりはあかりにも確認のため問いかける。

反応がなく、振り返るゆかり。そこには誰もいなかった。

二人で行動し、一人が消えて一人が戻った。であればその一人を疑うのは当然だった。

怪しすぎて逆に怪しくないがそれでも信じきれない、そんな視線がゆかりに刺さる。

ひまり達も三人行動していたにも関わらず全員が帰らなかったことで、隠し通路の存在が現実的なものになる。

しかしゆかりをこのまま置いておくことはできず、食料を持って自室に行くことが決まる。

大広間メンバーはこれで5人減り、19人。銀芽が復帰して見張りに参加する。

ゆかりはこの日初めて一人の夜を体験する。

殺人鬼のいるホテルで過ごす孤独な時間は耐え難いものだった。


八日目

大広間メンバーの空気は最悪だった。

剣崎の意見を無視して出歩いたことで犠牲者が4名も増えたため、完全に閉じこもることになる。

剣崎、宗麟が威圧的なリーダーになっていき、もち子、銀芽が付き従う。

大人にも関わらずろくに動けないあいえるたんへの当たりはきつくなっていった。

茜、葵、花梨、六花、千冬、弓鶴、ついな、後鬼は離脱したい気持ちを抱きながらも子供たちを置いて行けずにいた。

詞音、湊音、カナ、マナ、ミコ、小夜も険悪な雰囲気は感じ取っており、一つの部屋で3つのグループが対立しているような構造になる。

一方、ゆかりはマキの部屋に向かっていた。

ノックをし、声をかける。反応はない。

ゆかりは構わず最初の殺人事件の謎解きを始める。

第一の真相へ。

扉の向こうの宮舞モカに語りかける。

ゆかりはこの極めて臆病で気の小さい犯人が、二件目以降の殺人の犯人とは別であることを確信していた。

一人で過ごす夜はさぞ恐ろしかっただろうと、よく今まで耐えたねと笑う。

扉が開き、久々に見たモカの姿はひどくやつれていた。

そのまま二人は抱き合い、ゆかりはモカを必ず生きて警察に引き渡すことを誓うのだった。

そして8回目の夜が来る。


九日目

まだ夜が開ける前、千冬と銀芽は交替のため目を覚ます。

大広間では全員が眠っていた。見張りをしているはずの花梨と六花の姿はない。

異常を察知した千冬は全員を起こす。確かに花梨と六花の姿がどこにも見当たらなかった。

半ば絶望的な気になりながらも、千冬、銀芽、茜、葵は捜索に当たる。

女子トイレにて血痕に気づく。そこにはめった刺しにされた二人の変わり果てた姿があった。

実際に死体を見るのは初めてで、4人ともショックを隠せない。だがもちろん最も強い衝撃を受けたのは千冬だった。

絶叫を上げどこかに走り去る千冬。銀芽、茜、葵は慌てて追いかける。

調理場に飛び込んだ千冬はナイフを手に取り、追いかけてきた3人に刃を向ける。

憎悪と怨嗟に燃えた瞳。復讐を誓う殺人鬼の誕生だった。

騒ぎを聞きつけ剣崎、宗麟、トバリ、イフ、ゆかり、モカがやって来る。

何とか彼女を説得しようとするも聞く耳を持たない。あの場所にナイフを持って立て籠もられると食料のある冷蔵室にアクセスできなくなる。

千冬確保のため、調理室前にて緊急会議が行われる。

一先ず花梨、六花が殺されたことが共有される。ゆかり、トバリはこれまでとは違う手口に違和感を持つ。

恐怖心を煽るよう揺さぶりをかけてきているのか、それとも別人の犯行なのか。

剣崎は「大学生」らの犯行であると主張する。見張り中の彼女たちを誘い出し、襲おうとしたが抵抗されたため殺害したと。

筋は通っているが何故彼らが見張りの担当を知っているのかという疑問が指摘される。

尚も「大学生」犯人説に固執する剣崎と宗麟に別の何かから気を反らせたい意図を見出す。

仲間割れを避けるため追及をやめたゆかりに対し、トバリは笑いながら推測を語る。

見張りの順番は剣崎と宗麟、花梨と六花、千冬と銀芽。花梨と六花が見張りの時間に勝手に持ち場を離れたことにしたがってるんじゃないかと。

花梨と六花がトイレに向かったのは剣崎と宗麟が見張りをしていた時間。剣崎と宗麟は外出を知っていた。

二人が帰ってこないのに何の行動も起こさなかったのは、眠っていたからだ。

見張りの途中、交替の前にも関わらず眠ってしまった。そして次の次の番の千冬と銀芽が起きるまで何もしなかった。

あんなにルールを守る重要性を説いていたのに。

剣崎と宗麟は何も答えない。

トバリはそのまま千冬の説得に移行する。

そこに閉じこもっていても仇は取れない。

武器を持って徘徊し、襲ってきたところを返り討ちにする。あるいは誰かを襲おうとしているところを逆に襲う。

その方がまだ可能性があると。

千冬はナイフを持ったまま調理室から出てくる。そのまま上階へと消える。

鬼気迫る雰囲気に声をかけることはできなかった。

こうなってしまった以上しょうがないと全員武装することになる。

イフの言葉で刃物より鉄パイプの方が扱いやすく事故も起こりにくいとして倉庫にあった鉄パイプが分配される。

セイカはコウを仲間に入れてやってほしいと頼む。

ゆかりは了承し、ゆかり、モカ、茜、葵は人数分の鉄パイプを持って客室へ向かう。

剣崎、宗麟、銀芽は大広間に戻る。表情は暗く罪悪感と焦燥感が浮かんでいた。

戻って早々あいえるたんが出ていったことを知らされる。ついにおかしくなったようで授業の準備をしなければと言っていたそうだ。

剣崎はもうどうでもいいと頭を抱える。

もち子、弓鶴、ついな、後鬼にも鉄パイプが配られる。

詞音、湊音も武器を要求する。武器を持った大人たちに囲まれてるこの状況が恐ろしくてしょうがないと。

武装したことで殺人鬼であるかどうかに関わらずこの場の全員が殺人鬼になり得るということが表面化していた。


ゆかりは茜と葵にモカがマキを殺害した犯人であることを明かす。

茜と葵は驚愕しつつも他の殺人はやっていないことを信じる。

コウ、リツを仲間に加えるが、ナナの居場所だけはわからなかった。

従業員であるナナはマスターキーを持ち出し、客室のどれかに閉じこもってると思われる。

一切の呼びかけに反応せず、存在の痕跡を見せないナナ。

もう死んでいるのか。あるいは彼女が…

そんな時、階下から咆哮が響いた。


剣崎、宗麟、銀芽、もち子はあいえるたんを探すため階段を上がっていた。

敵意の向き合った大広間の雰囲気に耐えられなくなった側面も大きい。

もち子は3人の重苦しい雰囲気の理由を知らず困惑する。

3階廊下にてタクトを発見する。

こちらに気づいた彼は手を振って呼びかける。足元には血を流したあいえるたんが倒れていた。

様子がおかしくて後を追いかけたら何者かに首を切られていた。そいつを殴りつけたがどこかに逃げ去ったと。

動揺しながら状況を説明するタクトだったが、鉄パイプで武装した4人が黙ってるので段々言葉が続かなくなっていく。

自分を疑ってるのかと問うタクト。信じる理由がないと返す剣崎。

ジリジリと距離を詰めてくる4人にタクトはナイフを向ける。

懐から取り出されたサバイバルナイフ。

血の一滴もついていないそれが凶器ではないだろうことを考える余裕はなかった。


龍星は階上から響く騒音に眉をひそめる。

先ほど階下で騒ぎが起こったばかりだった。ナイフを持った千冬がホテル内をうろついていることは知らされていた。

自分たちの性格と評判的に仲間に加わらない方が平和的と考えていたが、もう限界かもしれないと武宏と話す。

部屋に入ってきた虎太郎と朱司がタクトが見当たらないことを告げる。

また面倒事を起こしたのかと重い腰を上げる。

そして3階通路にて、タクトを発見する。

全身の殴打痕、広がる血溜まり。タクトはピクリとも動かない。

彼を取り囲んだ4人はこちらに気づくと鉄パイプを強く握りしめた。

龍星の咆哮はホテル中に響き渡った。


足を震わすような男の咆哮とそれに続く大勢の叫びと金属音。

ゆかり、モカ、茜、葵、リツ、コウの6人は6階にいた。

慌てて駆け下りようとするゆかりと茜をリツが止める。

身長190cm体重100kg超、あの大男が暴れているなら我々では止められない。7階に上がりずん子、めたん、黒聡らの助力を求めるべきだと。

ゆかり達は動けない。どう対応するのが正解かわからなかった。

トバリはついに始まったと笑みを浮かべようとするもいつものように笑えない。

こうなる予感はしていたがいざ実際になると恐怖心が湧いていた。

フィー、ユニが大広間へ向かおうとするのを止める。

生存者同士の争いだからこそ電気室の守りを緩めるわけにはいかなかった。

その後ろでゆっくりと倉庫の扉が開いた。

弓鶴、ついな、後鬼は大広間でそれを聞いた。

3人では6人の子供を守り切れるわけがない。

このまま立てこもるか分散してどこかに隠れるかの選択を迫られる。

カナはマナの手を引いて飛び出した。


ずん子、めたん、リリン、黒聡とバリケードを挟んで対応を協議するゆかり達。

龍星達と剣崎達がぶつかったのだろうと予想はつくが、どれほどの事態になってるかはわからない。

未だ守りを固めようとするずん子と黒聡だったが、めたんとリリンはもう無理だろうと対立する。

これまでのペースで人を殺し続けても全滅までは程遠い。向こうが勝負を仕掛けてくるならこのタイミングだと。

そんな時、きりたんが反対側のバリケードを突破し階下へ向かったと知らせが入る。

友達になった「学校」の生徒たちを見殺しにするのを許せなかったのだ。

ゆかりは鉄パイプをずん子に渡す。

二手に分かれて階段を下る。

きりたんが駆け下りた西階段をずん子、めたん、そら、うさぎ、イタコ、ウナ、ずんだもん、リツの8人が。東階段をゆかり、モカ、茜、葵、リリン、夢前、黒聡、コウの8人が。

3階に到着する。既に騒ぎは収まっていた。

ずん子、めたん、リツと、ゆかり、黒聡、コウが挟み込むように足を踏み入れる。他のメンバーはそのまま1階へ向かう。

窓ガラスが幾つも割れ雪風が吹き込む中、立っているのは一人だけだった。

龍星は首から血を流した虎太郎を寝かせると、今頃来たのかと呟いた。

ゆかりが何があったのかと問いかける。

タクトが剣崎達4人に殺されて、殴り合いになって、気づいたら全員死んでたと龍星は説明する。

緊張が走る中、ゆかりはあることに気づく。

虎太郎は首から出血して亡くなっていた。鉄パイプで殴られたにしてはおかしい。

龍星は笑う。虎太郎は自分たちのようには殴りかかれなかったと。

後ろで立ち尽くしていて、誰かに首を切られて死んだ。

そう、お前たちの中の誰かに。

龍星が突っ込んでくる。ゆかりの華奢な体で受け止められるはずもなく、吹っ飛ばされたゆかりを受け止めた黒聡もそのまま押し飛ばされる。

鉄パイプを振りかざしたコウを左手で軽く薙ぎ払うと、背後から殴りかかってきたずん子を蹴りで止める。

ずん子の横をすり抜けためたんの一撃は龍星の右肩に直撃したが、龍星の肉体に損傷を負わせることはできずそのまま殴り飛ばされる。

リツはこんな化け物に勝てるわけがないと逃亡。もっと人数と武器を集めようと助けを呼ぶ。

1階は1階で混乱状態にあった。

きりたんが大広間に向かったのを見たトバリは彼女が殺されたらもっとまずいことになると葛藤していた。

電気室に繋がる通路から離れたくない。しかしこれ以上生存者同士の争いが激化したらまずい。ていうか青山が暴れてるところに近づきたくない。

悩んでいるとそら、うさぎ、イタコ、ウナ、ずんだもんがぞろぞろと下りてくる。

最終局面に至ったことを悟るトバリ。

リツが駆け下りてきて人も武器も足りないと叫ぶ。

倉庫から出てきたセイカが手を貸そうかと笑った。


調理室からナイフを持ち出し、鉄パイプの先端に結びつける。

大広間に集結した一同は即席の槍の作製を行い、龍星の襲撃に備えていた。

リツ、セイカ、そら、うさぎ、茜、葵はできた槍を持って3階に増援に向かう。

きりたんが飛び出していったカナとマナの保護に向かったとは聞いていたが、そちらに人員を割く余裕はなかった。

3階ではコウとゆかりは既にのびており、ずん子、めたん、黒聡が龍星と戦っていた。

3対1にも関わらず鬼神の如き戦いを見せる龍星。しかし、槍を構えているのを見ると流石に引き下がる。

降伏するかと思われたのも束の間、窓に手をかけ外にぶら下がると下の階の窓を蹴破り、2階へと逃亡する。


隠れていたカナとマナを見つけ出し、広間に戻るよう説得するきりたん。

窓ガラスが割れる音が響き、彼女たちの前に巨大な影が降り立つ。

龍星の手がきりたんに伸びる。

カナとマナは彼女を客室に引っ張り込み、鍵をかける。

客室の扉は龍星の蹴り2発で破壊された。

龍星がこの窮地を脱するには人質を取るしかない。きりたんを捕まえようとした時、彼女の手から小さな包が放たれる。

粉塵が飛び散る。ただの目くらましだったが時間を稼ぐには十分だった。

ずん子とめたんによって龍星が扉から引き剥がされる。

そのまま二人掛かりで押し込むように彼が突き破った窓へ。

巨体は白い吹雪の中へ消えた。


1階へとほぼ全ての生存者が集結する。

居ないのは千冬とナナ、セイカとコウの4名。

セイカとコウは立場上一緒にいられないと判断したんだろうと認められる。

虎太郎が殺された時、誰とも一緒じゃなかったのは千冬とナナのみ。

十中八九ナナで決まりだろうとまとまる。

このまま大広間で守りを固めようとした時、玄関の扉が叩かれる。

龍星だった。

吹き荒ぶ雪の中、頑丈な玄関扉を破壊することはできないようで開けてくれと懇願する。

急に仲間が全員死んで気がおかしくなってしまったのだと。

開けるわけないだろとトバリが笑う。

だが他の宿泊客の表情は複雑だった。

友人が殺されておかしくなったのは千冬もそうだ。自分たちも今隣にいる家族や友人が殺されたら冷静で居られるだろうか。

あの衝突が起こらないようにするために何かできることがあったのではないか。

ゆかりは開けてもいいんじゃないかと提案する。

チラホラと賛同する声が上がり、多数決が取られる。

反対に挙げたのはトバリだけだった。イフが多勢に無勢だと微笑む。

扉を開けるなり倒れ込んだ龍星をずん子とめたんが大広間に引きずっていく。

その時、全ての電灯が消え暗闇に包まれた。

仕掛けに来たと全員が臨戦態勢に入る。停電を起こされたのは厄介だがこれで犯人の現在地が割れた。

リリンの命を受けて黒聡が電気室へ駆ける。ゆかり、モカ、茜、葵が後に続く。

遅れて追いつき懐中電灯を向けると、黒聡と何者かが争っていた。犯人かと思われたがナナにしては小柄すぎる。

二人ともその人は違うとゆかりが叫ぶ。ハッとしたように黒聡と千冬が止まる。

その時、電気室の扉から誰かが飛び出す。手にはギラリと輝く刃物が握られていた。

ゆかりとモカの腕力ではリーチの差を活かせず距離を詰められる。

セイカとコウが割って入り、犯人を止める。

揉み合いの中コウが刺されるもそのまま凶器を奪い取り、セイカが犯人を切りつける。

血を流しながらも逃走を図る犯人。隠し通路に逃げ込まれたらまた狩られる側になる。

絶対にここで捕まえるとゆかりは覚悟を決める。


階段を駆け上がる影に追いすがる。

犯人の目的地は3階だった。通路に転がっていたタクトのサバイバルナイフを拾い上げる。

ゆかりとモカは犯人にしがみつく。モカが刺してみろと叫ぶ。

先程のコウのように凶器を奪われることを警戒し、二人を切りつける犯人。だがゆかりもモカも離さない。

モカはマキを殺してしまった罪悪感と他のみんなを守る使命感から。

ゆかりは探偵としての義務感と純粋な怒りから。

これまでに死んでいった者たちの顔が脳裏に浮かぶ。相棒のあかりの姿も。

こんなに人を踏みにじってただで済むなよと叫ぶ。

時間を稼がれたことで黒聡と千冬が到着する。他にも大勢の足音が向かってくるのがわかる。

ようやくゆかりとモカを振り解いた犯人を千冬は刺殺しようとする。しかし、小柄な彼女ではそれには至らず、必死の抵抗で弾き飛ばされる。

もはや正体不明の殺人鬼としての風格も無く、死に物狂いで逃げ出す犯人。

既にある程度隠し通路の入り口の場所は割れており、黒聡が行く手を阻む。

いつの間にか吹雪は止んでおり、月明かりが通路を照らした。

犯人の姿が闇から露わになる。死んだはずの従業員、青葉だった。

これまでと悟った青葉は最後に一番近くに倒れていた千冬を殺そうとする。

ナイフを振りかざした青葉を横から突っ込んできたセイカが突き刺す。

脇腹にねじ込むように刺し込んだナイフを2度、3度と突き入れる。

仇討ちってのはこうやるんだとセイカが千冬に笑いかける。

セイカは割れた窓に足をかけ飛び降りた。二人を殺し、コウも死なせてしまった以上もう生きる理由は無かった。

最後に脳裏によぎったのは、コウの顔ではなくそらの顔だった。

殺したいほど憎いわけではなかった。セイカの目に後悔の涙がこぼれた。


十日目

日の高くなった頃、救助が到着した。

死亡者多数の状況を見た彼らは至急警察に連絡し、すぐに大勢の警官がやって来る。

ゆかりは警官らと共にホテルの客室を周りながら、助けが来たことを叫ぶ。

ナナは誰の言葉も信じず、一人隠れ続けるのだった。


「一家」と「学校」の子供たちが救急車に乗り込んでいく。イタコ、そら、うさぎに付き添いを任せ、ずん子とめたんは事件現場の案内と死体の捜索のため残る。

見送りを済ませた後、ずん子とめたんの表情は暗くなる。生還を喜ぶような気持ちは湧いてこなかった。

私たちが協力していればもっと犠牲者は少なくて済んだんじゃないか。ずん子の問いにめたんは今更言っても意味のないことだと返した。


トバリはイフの姿が見当たらないことを訴える。さっきまで確かにここに居たはずだったのに。

フィーとユニが虚音イフの宿泊客名簿を持ってくるが、そこに書かれていた情報は全て出鱈目だった。

トバリは空を眺めながら正体不明の飲み友達の達者を祈るのだった。


龍星が警官に連れて行かれるのを見たモカは自分もそっちだと手を挙げる。

困惑するリツに自身が最初の事件の犯人であることを明かす。その顔はどこか晴れやかだった。

迷惑をかけたと頭を下げるモカ。茜と葵はいつかまたと笑いかける。

モカは困ったように笑い返すだけだった。


リリン、夢前、黒聡と、弓鶴、ついな、後鬼は10日目にして初めてまともに顔を合わせた。

ほとんどずっと閉じ籠っていたリリン達に嫌悪感を見せる弓鶴達。

夢前は事件に関係なく吹雪で59人が閉じ込められた時点で人同士の争いが起こると思っていたと語る。

その中で有効なのは信頼の置ける相手だけで集まり、他の者達とは関わらないこと。

常に身内で固まり、リーダーシップを発揮するわけでもなく事件解決のため調査に当たるわけでもなく暴漢の鎮圧や犯人の確保に向かうわけでもない。

あなたたちは正しかった。その言葉に弓鶴たちは何も答えられない。

あるいは全てただの運か。夢前の誰に向けたとも知れない問いが物語を結んだ。


千冬は雪に埋もれた彼女の体を掘り起こす。

セイカはゆっくり瞼を開けると呟いた。

「死に損なった。」



リザルト

宿泊客及び従業員 計60名

死亡 27名

(マキ、金苗、そら、朱花、アイ、アリアル、ミリアル、ギャラ子、雪、TT、あかり、ひまり、つむぎ、はう、花梨、六花、あいえるたん、タクト、剣崎、宗麟、銀芽、もち子、武宏、朱司、虎太郎、コウ、青葉)

行方不明 1名

(イフ)

生存 32名

(ゆかり、茜、葵、ずん子、めたん、イタコ、きりたん、そら、うさぎ、ずんだもん、ウナ、詞音、湊音、カナ、マナ、ミコ、小夜、龍星、トバリ、ナナ、フィー、ユニ、セイカ、千冬、リリン、夢前、黒聡、弓鶴、ついな、後鬼、リツ、モカ)


第一の真相

宮舞モカが弦巻マキを殺害した事件。

大広間前にて結月ゆかりは従業員の金苗が慌てた様子で駆け寄って来るのを目撃する。

青葉と話してる内容が耳に入り、殺人事件が起こった事を知る。

エレベーターを待っている金苗と青葉に探偵であることを告げ、助手のあかりと共に事件現場へ。

6階客室にて弦巻マキが刺殺されてるのを発見。凶器は見当たらない。

その後ゆかり、あかり、青葉は現場に留まり、金苗が再び1階へ。全員を大広間に集める。

謎解きのプロセス。

事件発覚の流れを確認する。夜10時ごろ朱花がマキの部屋にワインとグラスを届ける。この時点でマキの生存が認められる。

青葉、朱花が朝食会場の受付と配膳を担当。その際マキの姿がいつまでも見えないことに朱花が気づく。

深酒による体調不良も考え様子見がてら金苗が空き瓶とグラスの回収に向かう。朝10時ごろ。

血を流して倒れているマキを発見、文頭へ。

事件当夜のアリバイを調べようとするも、深夜帯のため多くが部屋で寝ていた。二人客以上の宿泊客も居たが、夜中にこっそり脱け出した可能性は否定できなかった。

初日はここまで。

以降は場当たり的に事情聴取を行っていく。ゆかりは動機の面からマキと繫がりのある人物を探そうとしているように見えた。

事件当夜の重要な情報は3つ。

瑞沢タクトが西階段2階にて煙草を吸っていた。煙草の残り香の証言と本人からの自白あり。

東北きりたんと音街ウナが最上階への侵入を試みる。黒聡に咎められ、その後ずん子らに叱られたことで騒ぎになる。

6階の他の宿泊客の一人、もち子が騒ぎで目を覚ます。目が冴えてしまったため1階にジュースを買いに行く。その際マキの部屋の扉が閉まるのを目撃する。

もち子がエレベーターを使う際、エレベーターが何階に止まっていたかの証言は無し。覚えていなかった。待った記憶が無いような気がするという証言。

事件翌朝の重要な情報が多数。金苗が青葉を呼びに来た朝10時過ぎ。

吹雪で外に出られないこともあって宿泊客らはゆっくりとした朝食や歓談を行っていた。

「一家」「学校」は全員が一緒に居たことを証言。

二人客、三人客も同様に一緒に行動していたと証言。

従業員らはある程度どこで何をしていたのか互いに把握していた。持ち場を離れた者は無し。

一人客のうちアイ、剣崎、もち子、トバリ、イフは世間話をしていた。

ファッションデザイナーのリツは春日部つむぎに認知されており、目撃情報があった。

あからさまに見た目が怪しかった後鬼も目撃情報あり。

「大学生」らは2階の自分たちの部屋の前で駄弁っており、一階で従業員が大広間に集まるよう呼び掛けてるのを聞いて階段で下りてくる。

従業員は呼びかけの際、客室を訪れてはいない。宿泊客は全員1階もしくは2階にいた。

描写されているが触れられていなかった要素が二つ。

ゆかり、あかり、青葉、金苗が1階から7階に向かう際、エレベーターは降りてきた。

宮舞モカの部屋は2階、「大学生」らの部屋の隣だった。

ゆかりはエレベーターの動きに疑問を持つ。

客が1階から自分の部屋の階に戻ったのでないなら、上階にいた誰かが1階以外に移動したことになる。

ゆかりは犯人がそのタイミングで事件が起こった6階から自分の部屋の階に移動したという仮説を立てる。

事件当夜のアリバイとその後の人間関係の推移を調べるふりをしながら、実際は事件翌朝のアリバイを確かめていた。

それが可能だったのは宮舞モカだけだった。

モカがなぜそのタイミングで降りてきたのか。ゆかりは推測を語る。

最初モカは階段でマキの階まで向かうつもりだった。エレベーターでは誰かと鉢合わせる危険性があると思ったからだ。

しかし西階段ではタクトがタバコを吸っていたため、止むなく東階段もしくはエレベーターで6階に上がる。

その後マキと部屋で会い、彼女を殺害。事件現場を立ち去ろうとする。

西階段にまだタクトがいる可能性がよぎり、東階段で降りようとする。

その際きりたん達の騒ぎを耳にし、東階段を使用することを躊躇する。

もち子が部屋から出てきたため慌ててマキの部屋に戻る。音でもち子がエレベーターを使用したことに気づく。

西階段、東階段、エレベーター、いずれの手段も人の気配を感じてしまったことで使用できなくなる。この犯人はとても臆病だったのだ。

だからずっとマキの部屋にいた。金苗が死体に気づき、助けを呼びに行ったタイミングが最後のチャンスだったのだ。

モカは急いでエレベーターを呼び戻し2階に帰るも、自室の前では「大学生」らがたむろしていて近寄ることはできなかった。

そのため、犯人は殺人に用いた凶器を遺棄できていない。凶器を持ったまま取り調べを受けるような度胸のない犯人は必ずどこかに隠したはず。1階のどこか、そう探すのが難しくないところに。

そこまで話した時点でモカは罪を認めた。


第二の真相

青葉の父はホテルの創業者だった。

20年前、ある事件が起こる。同じような吹雪の夜、宿泊客の一人が他の宿泊客を次々と襲ったのだ。

幸いあるいは残念ながら二人を殺し、三人目に襲いかかったところで犯人は取り押さえられる。動機はミステリ小説のような殺人事件を起こしたかったからというものだった。

青葉の父は当初その巫山戯た動機に憤っていたが、徐々に自身もそうした妄想に取り憑かれるようになる。

改装の際、ホテル内に秘密の部屋と秘密の通路を作り出し、時たまそこに閉じこもっては妄想に耽っていた。

そんな日記を発見した息子の青葉。結局父はその妄想を実行に移すことはなく亡くなった。

自分も同じように秘密の部屋に籠もりながら残酷非道な殺人鬼となる妄想に耽る。父同様に実行に移す気はなかった。

ある日、20年前と同じような吹雪の夜、ホテルで殺人事件が起きる。

あくまで従業員として真摯に対応しようとする青葉だったが、秘密の部屋への入口がある場所に一つのバッグが置かれているのを発見する。

中には血のついたナイフが一振り。青葉はこれを自分たち親子への挑戦状だと受け取る。

見知らぬ殺人者の意志に応えた青葉は、ミステリ小説のような殺人事件を起こすことを決意する。


2024年8月11日日曜日

犯人はこの59人の中にいる!!

そりゃこんだけ居たら一人くらい。


あらすじ

吹雪で閉ざされたホテル。宿泊客の一人が部屋で殺される。

外部の人間が立ち入れないこの状況下、犯人はホテル内にいた人物に限定される。

そう、この59人の中に…

「もうちょっと絞れなかったんか?」


登場人物

1.弦巻マキ

被害者。自室で胸を刺されて死亡しているのが発見される。

部屋のロックを解除し招き入れていることから顔見知りの犯行と思われる。


2.結月ゆかり

探偵。たまたま現場に居合わせ、捜査の指揮を執る。

人数が多くて被疑者の顔と名前を覚えきれない。


3.紲星あかり

探偵助手。ゆかりの補助役を行う。

ゆかりよりは被疑者の情報を覚えてる。


4.琴葉茜

一般人。妹とスキーに訪れホテルに閉じ込められる。

ゆかりにツッコミを入れていたところ目をつけられる。


5.琴葉葵

一般人。姉とスキーに訪れホテルに閉じ込められる。

ゆかりに常識的な指摘を入れるも聞いてもらえない。


第一派閥「東北家」(8名)

6.東北ずん子

家族と友人と一緒に宿泊。第一派閥のリーダー。

捜査に協力的な穏健派。


7.四国めたん

同上。第一派閥の副リーダー。

武闘派で他派閥に睨みを利かせる。


8.東北イタコ

同上。ずん子の姉。

きりたん等子供の面倒を見ている。


9.東北きりたん

同上。ずん子の妹。

特に怯えてはおらず他の子供たちと交流を深める。


10.九州そら

同上。ずん子の友人。

機械関係に強く、従業員から信頼を置かれる。


11.中国うさぎ

同上。ずん子の友人。

イタコと共に子どもたちの面倒を見ている。


12.ずんだもん

同上。きりたんの友人。

状況を警戒しきりたんに外部との交流を控えるよう言い聞かす。


13.音街ウナ

同上。きりたんの友人。

少し不安を感じているが身内が多いため安心している。


第二派閥「なんとか(未定)小中学校」(8名)

14.麒ヶ島宗麟

年配の教師。第二派閥のリーダー。

修学旅行の引率で訪れる。


15.あいえるたん(藍田ノエル)

新米の教師。第二派閥の副リーダー。

不測の事態に混乱しており、職務に支障をきたす。


16.紡乃世詞音

中学3年生。

生徒の中では最年長のため、湊音と共に皆をまとめる。


17.双葉湊音

中学3年生。

生徒の中では最年長のため、詞音と共に皆をまとめる。


18.カナ

中学2年生。

状況に不安を感じ、マナを心配している。


19.マナ

小学5年生。

危機感は無く、この機会にきりたん達と仲良くなろうとする。


20.櫻歌ミコ

小学3年生。

状況がよくわかっていない。


21.小夜

小学3年生。

状況がよくわかっていない。


第三派閥「なんとか(未定)大学」(5人)

22.青山龍星

大学生。第三派閥のリーダー。

捜査に非協力的で取り調べを拒否する。


23.玄野武宏

大学生。第三派閥の副リーダー。

同じく捜査に非協力的。


24.白上虎太郎

大学生。

唯一他派閥と交流を持つ。


25.雀松朱司

大学生。

あまり喋らず何を考えているかわからない。


26.瑞澤タクト

大学生。

横柄かつ無神経な態度が他派閥の反感を招く。


その他グループ(2~3人)

27.水奈瀬コウ

同僚の女性二人と旅行中。

事件とは関係ない諍いを起こす。


28.桜乃そら

コウ、セイカと旅行中。

三角関係。


29.京町セイカ

コウ、そらと旅行中。

三角関係。


30.夏色花梨

大学生。後輩二人と宿泊。

無駄に取り乱し周囲に不安を振りまく。


31.小春六花

大学生。花梨、千冬と宿泊。

無駄に取り乱し周囲に不安を振りまく。


32.花隈千冬

大学生。花梨、六花と宿泊。

先輩二人を抑えつつ、状況を見定める。


33.冥鳴ひまり

一般客。つむぎ、はうと宿泊。

事件の真相に興味を持ち、独自で捜査を進める。


34.春日部つむぎ

一般客。ひまり、はうと宿泊。

好奇心を抑えきれず、ひまりと共に聞き込みに回る。


35.雨晴はう

一般客。つむぎ、ひまりと宿泊。

危機感を持っており、どこかの派閥に入ろうとしている。


36.黒朱乃宮・ティンティナーブルム・リリン

黒朱乃宮家ご令嬢。

捜査には非協力的で夢前、黒聡と部屋に籠る。


37.夢前月夜

リリンの食客。

あまり喋らずリリンに付き従う。


38.黒聡鵜月

リリンの執事。

周囲との仲介役を務めるが、社交的ではない。


39.伊織弓鶴

アベック。ついなと宿泊。

協力的だが二人での行動を崩さない。


40.ついなちゃん(伊織ついな)

アベック。弓鶴と宿泊。

協力的だが二人での行動を崩さない。


41.アリアル

外国人旅行客。妹のミリアルと宿泊。

事件が起こっても観客気分でいる。


42.ミリアル

外国人旅行客。姉のアリアルと宿泊。

姉よりは不安がっているがまだ観客気分。


一人客

43.月読アイ

一人で滞在。常連客。

20年前の事件について知る。


44.剣崎雌雄

医師。

死因の分析、怪我人の治療に当たるようになる。


45.もち子さん(モチノキョーコ)

模型屋店主。

状況に不安を感じ、どこかの派閥に所属したがってる。


46.波音リツ

ファッションデザイナー。

自分には関係ないと捜査を面倒がっている。


47.後鬼(如月)

職業不詳。

マスクとサングラスで顔を隠し、挙動不審な態度を見せる。


48.夜語トバリ

職業不詳。自称研究員。

この状況を面白がってる節がある。


49.虚音イフ

職業不詳。

一切取り乱すことなく超然としている。


50.宮舞モカ

職業不詳。

極度の上がり症でコミュニケーションが取れない。


従業員

51.朱花

フロント担当の正社員。

青葉と共に客への対応に追われる。


52.青葉

フロント担当の正社員。

朱花と共に客への対応に追われる。


53.銀芽

バックヤード担当の正社員。

厨房と倉庫で業務にあたる。


54.金苗

バックヤード担当の正社員。

厨房と倉庫で業務にあたる。


55.ギャラ子さん

バックヤード担当の正社員。

運送と機械関係を担当している。


56.ナナさん

アルバイト。

ミスの多い雪のフォローに追われる。


57.雪ちゃん

アルバイト。

働き始めて日が浅く、ミスが多い。


58.フィーちゃん

フロント担当。受付。

受付業務は停止しているため朱花、青葉の補助に当たる。


59.ユニちゃん

フロント担当。受付。

受付業務は停止しているためホテル内の維持管理に当たる。


60.TTちゃん

医療担当のスタッフ。

医師である剣崎のサポートに当たる。


2024年7月29日月曜日

祟り、願い、救い

前回の三種の神器に加え幾つか思いついたのでメモ。

在庫が増えてホクホクである。


①藁小屋と狼

ゼミの研究の一環でとある漁村を訪れた結月ゆかり。

村長の老婆と孫娘のミナトに勧められ、古い祠を訪れる。

興味本位で祠に触れたところ、老朽化が進んでいたのか倒壊。

村長に「あの祠を壊したんか!」される。


村の外れにある小屋に閉じ込められ、一夜を明かすことになる。

ミナトから鍵を手渡され、何があっても朝まで扉を開けてはいけないと言われる。

開けなければ大丈夫という言葉に不安げなゆかり。

一人になった後、小屋の中を調べると血痕が見つかる。


翌朝、村長とミナトが小屋を訪れる。

表情の暗いミナトを村長は叱咤する。

1年に一度は人を捧げないと村の誰かが襲われることになる。

余所者を犠牲にするのは仕方のないことだと。

鍵の壊された扉を開けると、中には誰もいない。

今までにないパターンに動揺しながらも、別の場所に連れて行かれただけかもしれないと互いに言い聞かせる。

ミナトが何かに気づき、小屋の中へと足を踏み入れる。

切り離されたノートの紙片、そこには一言…

「やっぱり帰ります」

背後で獣じみた唸り声と老婆の悲鳴が聞こえた。


逃げたのはまずかったかなぁと悩みながら歩くゆかり。

だってあんな扉と鍵で何かの侵入を防げるようには思えないし、それを抜きにしても居座ってたら祠の修繕費とか請求されるかもしれないし。

まぁなんとかなるだろと自分を納得させる。

帰ったらお祓いに行こうと心に決めるのだった。


ミナトは鍵のかからない扉を必死に押さえつける。

向こうからは祖母の絶叫と助けを呼ぶ声が響き渡る。

絶対に開けてはならない。一人食べれば終わるはずだから。

開けなければ大丈夫…開けなければ大丈夫…



②三顧の願い

路上で弾き語りをする弦巻マキ。

「いい歌ですね。」

視線を挙げると着物姿の少女が立っていた。

マキは久々に褒められたことにはにかむ。

少女は少し考えた後、歌のお礼に3つ願いを叶えてあげると言う。

冗談を言っていると思ったマキは、何の気なしにプロになりたいと答える。


それから暫くして偶然プロデューサーの目に留まったマキは、ミュージシャンとしてデビューすることになる。

人気が出始めサイン会を開くようになった頃、あの少女が再び現れる。

願いが叶ったのが彼女のおかげかはわからないが、感謝を伝えるマキ。

それを見て満足そうな笑みを浮かべた少女は、次の願いを尋ねる。

マキは躊躇いながらも、半分愚痴交じりにプライベートの悩みを口にする。

自分の活動を親に認めてもらえていないこと、好きな人に興味を持ってもらえていないこと。

少女は頷いた。


数年が経ち、マキの人生は順風満帆そのものだった。

ミュージシャンとしての人気は確立され、親や恋人にも応援してもらえるようになった。

しかし長年のオーバーワークが祟ってか、喉を痛め歌声を出せなくなってしまう。

思い悩む彼女の前に三度あの少女が現れる。

困ってると思って助けに来たと笑う少女。これが最後の願いになる。

考え込むマキに少女は明るく語る。病気を治してほしいじゃなくて、一生健康な体にしてほしいと願えばいい。そしたら死ぬまで安泰な生活だと。

少女の健気な様子にマキは笑みをこぼす。

「それもいいかもしれないけど…やっぱり…」

マキはしゃがれた声で呟いた。

「夢から覚ましてほしい。」


「…いいのですか?」

少女は戸惑いと悲哀の表情を浮かべる。

マキは穏やかに笑うだけだった。

気づくと二人が最初に出会ったあの場所に戻っていた。

ギターを抱きながら路傍に立ち尽くすマキ。

彼女を見ているのは少女だけだった。

誰も足を止めることも目をやることすら無い。

「わかってた…」

マキが絞り出すように呟く。

「私を認めてくれないってことくらい…私を好きになってくれないってことくらい初めからわかってた…!」

「それでも…!」

涙を流すマキの瞳は強く輝いていた。

「明日も歌うから…また聞きに来て。」

少女は4つ目の願いを叶えると約束した。



③傘差し様

学童の建物の向かい。古めかしい木塀の続く路地には傘を差した女の幽霊が出るという。

背の高いその女性は傘を忘れた子どもの前に現れると、傘を差して家まで送ってくれるのだ。

彼女は「傘差し様」と呼ばれ、子どもたちの間では昔から親しまれていた。


妹のきりたんから「傘差し様」に送ってもらったと聞かされた東北ずん子は、毎日彼女を迎えに行くことを決める。

高校生になったずん子にとって「傘差し様」の存在は不審者以外の何者でもなかった。

最近反抗的になっていたきりたんは姉の過保護にうんざりした様子を見せる。

お姉ちゃんだって昔「傘差し様」に送ってもらったことがあったはずだと訴えられ、ずん子は遠い記憶を辿る。

スーツ姿の女性に傘を差して送ってもらったことが確かにある。だがあれはただの親切な人、あるいはやっぱり不審者だ。

ずん子の決定は覆らなかった。


それから数日後、雨空の下二人は口論になる。

きっかけは些細なことだった。

今日の朝、雨が降るという予報を見たずん子はきりたんに傘を持つように言いつける。きりたんは晴れた空を見て雨なんか降らないと言ってつっぱねた。

その答え合わせがどうだったかというと、小雨だった。

だから傘を持っていけと言ったのにとずん子。この程度なら傘なんかいらないときりたん。

意地を張って言い合いを続けた二人はつい熱くなりすぎてしまう。

もし雨が降ってもまた「傘差し様」に送ってもらえばいい!お姉ちゃんなんかいらない!

ああそう!じゃあ勝手にしなさい!あんたなんか知らない!

雨の中、傘も持たずに駆けていくきりたん。

遠ざかっていく背中を睨んでいたずん子だったが冷静さを取り戻して彼女を追いかける。

どうしてこんな風になってしまったのだろう。前はあんなに仲良しだったのに。あの子がもっと小さい時は…

雨足が強くなっていく中、速度を速める。速足から駆け足へ。

きりたんが赤信号を突っ切っていくのが目に入り、そのままずん子も横断歩道を駆け抜けようとする。

傘を差したままのずん子の視界では、横から迫ってくる車には気づけなかった。


ぼやけていく意識の中、目に映るのはきりたんに渡すはずだった傘と、気づかずに走り去っていく彼女の背中。

そんなに濡れたら風邪を引いてしまうかもしれないから…

傘を…あなたに…


学童の建物から出てきた少女が一人、不安げに空を眺める。

雨の勢いは衰えることなく、傘を忘れた彼女の行く手を阻む。

視線を下ろすと、向かいの路地に傘を差した女性が立っていた。

少女と目が合うと、制服姿のその人は優しく笑った。



④一人の帰還者

おまけ。ヘンゼルとグレーテルを意識したけどほぼ原形無し。


まずはこうして無事に助かったことをお喜び申し上げます。あの事故の生存者は残念ながらもう諦めていました。

なんせ冬の雪山への墜落事故です。救助活動もままならず、生き残りが居たとしても見つけられたかどうか…

一点質問があります。あれから一週間になりますがどうやって麓まで辿り着いたのですか?


警官の質問に彼女は虚ろな目で一言だけ答えた。

「二人だったから。」



2024年7月28日日曜日

鏡、勾玉、剣

夏に向けたホラー三枠。

最初に思いついた鏡に連想され勾玉、剣に関する話も作成。


①姿写しの鏡

テーマは複製。


4時44分ちょうどに踊り場にある姿見を覗くと鏡の世界に引きずり込まれる。

音街ウナの語るありがちな怪談を東北きりたんは鼻で笑い飛ばす。

不満げなウナにきりたんは昔からある話だと告げる。自分も小学三年生の時に聞いて試したが何も起こらなかったと。

がっかりした様子のウナを尻目にきりたんは読書に戻る。


放課後、委員会の仕事で遅くなったウナは例の姿見の近くを通りがかる。

どうせ何も起こらないよねと姿見の前へと立つ。

ゆらゆらと踊ってみせるが普通に自分の姿が映っているだけである。

そのままクルリと回ってみる。

視界の端、一瞬だけ捉えた鏡には立ったままこちらを見つめている自分の姿が映っていた。

驚いて離れようとしたウナの腕を鏡の中から伸びてきた手が掴む。

引きずり込まれそうになるのを耐えながら、必死に助けを呼ぶ。

その時、鏡の割れる音が響き渡った。


鏡の破片と投げつけられた単行本が踊り場に散らばる。

きりたんはウナの手を引き、姿見の前から引き離した。

礼を言うウナを横目に、単行本を拾うきりたん。

ひびの入った姿見からはもう腕は伸びてこなかった。

鏡を割ってしまったことをどうするのかと問われ、逃げるしかないと笑うきりたん。

ウナは自分がやったことにしていいから謝った方がいいと笑う。

ふときりたんから表情が消える。

鏡を見つめるその目は何かを考えているような、何かを思い出したような。

また鏡に映る姿が動き出したのかと身構えるウナに、きりたんは優しく笑いかける。

姿見の前を離れ、階段を下りるきりたんとウナ。

あの怪談には続きがあるんですよ。

きりたんが口を開く。

鏡の中に引きずり込んだ後、代わりに鏡の中の自分が出てくるんです。

それを思い出してました。


割れた鏡にきりたんの姿が映る。

涙を流しながら手を伸ばしていた彼女の姿は、4時45分になると同時に消えた。



②一連なりの勾玉

テーマは融合。


ネットショッピングで不思議なアクセサリーを見つけた花隈千冬。

白と黒の対となった勾玉のイヤリングで、互いに片方ずつ身につけることでその二人は結ばれるというものだった。

友情にも恋愛にも。そんな謳い文句に苦笑しながらも千冬はそれを購入する。


千冬には気になっている相手が居た。同じクラスの紲星さんだ。

高校からこの町に引っ越してきたという彼女はクラスでは高嶺の花だった。

新雪を思わせる白い髪と物憂げな青い瞳。

彼女とどうにかお近づきになりたかった。

買ったはいいもののプレゼントを渡すような間柄ではなく、彼女を目で追うしかない千冬。

そんな折、紲星さんが先輩の女子と話している姿を目撃する。

クラスでの姿とは異なり、人懐っこい様子で先輩に絡む紲星さん。

言い知れない失望と嫉妬心を覚えた。


それから千冬は先輩と紲星さんの仲を裂こうとし始める。

しかしその目論見は上手くいかず、やがて紲星さんには嫌われるようになる。

降り積もったフラストレーションは、いつしか紲星さんへの敵意に変わった。

ある日、階段を降りようとしていた彼女を後ろから…


動かなくなった紲星さんを前に我に返る千冬。

ただ仲良くなりたかっただけなのにどうしてこんなことをしてしまったのか。

後悔の涙を流しながら、あれからずっと持ち歩いていた勾玉のイヤリングを彼女の耳につける。

自分には黒の勾玉、彼女には白の勾玉。

世界がぐにゃりと歪んだ。


次の日の朝、何事も無かったように学校が始まる。

教室の席が一つ少なくなっていることに気づく者はいない。

放課後、いつものように先輩が彼女に声をかける。

右耳に黒の勾玉、左耳に白の勾玉。

黒と白の入り混じったその少女は嬉しそうに笑った。



③縁断ちの剣

テーマは分離。


これは「エンダチノツルギ」だと四国めたんが語る。

良縁だろうと悪縁だろうとその人との因縁を確実に断つことができる。

夏色花梨はそんな御託はいいから早くあの男との縁を切ってくれと頼む。

自分にずっと付き纏ってるあの男との縁を…


高校3年生の夏、ちょっとしたきっかけで付き纏われるようになった他校の男。

地域の有力者の息子のようで強硬な手段も取れず困り果てていた頃、友人の伝手で胡散臭い霊能力者を頼ることになった。

半信半疑だったが駄目で元々と縁切りをしてもらった。

それから驚くことに一度もあの男の姿を見ていない。

噂によると彼は交通事故に遭い入院しているそうだ。

めたんの話を思い返す。

因縁を断ち切った相手とはどれだけ近づこうとしても近づくことはできず、それでも尚近づこうとすれば災いが降りかかる。

もう生涯あの男に付き纏われることは無いのだと思うと清々しい気分だった。


それから10年、そんな出来事もすっかり忘れた頃、花梨には付き合っている男性が出来ていた。

近々結婚も考えていて順風満帆な人生だった。

ただ一つ懸念点があるとすれば彼の持病だった。

ある夜道、発作を起こし路上へ蹲る彼。花梨は携帯で救急にかけようとする。

繋がらない。

見ると画面は暗くなっていて電源ボタンを押しても何の反応も返さなかった。

こんな時に故障かと焦りながら公衆電話を探す。

誰かに助けを求めようとするが辺りはしんと静まり返っていて人の気配はない。

結局離れた公衆電話まで辿り着き、電話をかけようとする。

繋がらない。

怒りと悲しみで取り乱し、電話機を蹴りつける花梨。

尚も助けを呼ぶ方法を探そうとする彼女の耳に、ブレーキ音が届く。

突っ込んできたトラックは電話ボックスごと彼女を押し潰した。


運び込まれてきた患者を悲しげに見つめる白衣の青年。

首を振り、死亡診断書の作成に取り掛かる。

まだ若いその女性の損傷は激しく、身元確認すらできていない状況だった。

かつては恋情に振り回されストーカー行為にまで手を染めた彼も、10年の月日を経て立派な救命医へと姿を変えていた。



④呼び声トンネル

おまけ。小春六花の出番が無かったから。


ランニング中、「おーい、助けてくれー!」という声に足を止める小春六花。

声の出所を探していると小さなトンネルに行き着く。

「大丈夫ですかー!」と声を返しながらトンネルに踏み入れる六花。

すると反対側の出入り口から走り去っていく人影が見えた。

いたずらだったのかと呆れる六花。

踵を返し立ち去ろうとする。


気づいたらトンネルの反対側に立っていた。

状況を理解できない六花。

今度は反対側の出入り口から出ようとする。

再びトンネルの反対側へ、元々入ってきた方へと移動していた。

ループしていることに気づいたのはそれを何度か繰り返した後だった。

得体の知れない状況に混乱し、取り乱す六花。

「誰か!誰かいませんかー!助けてくださーい!」と叫ぶ。

「大丈夫かー!?」と遠くから声が返って来る。

人に見つけてもらえたことがわかり安堵する六花。

だがその時あることに気づく。


「おーい、助けてくださーい!」と引き続き声を上げながらタイミングを見計らう。

トンネルの向こうから誰かが足を踏み入れたのを見届け、走り出す。

出入り口がループすることは無く、そのまま脱け出せた。

六花はそのまま振り返らずに走って行った。

「いたずらだったのか?」と怪訝な顔をする少女。

彼女がトンネルから出られなくなったのに気づくのは、もう少し後のこと…



2024年7月26日金曜日

オーバーレトロ

新社会人になって早4か月、大して何もしないまま時が過ぎ去ってしまった。

8月になるとついにプロジェクトに配属され、忙しくなるだろうがさてどうなるか。

振り返ると4月に「そろそろチャンネルを伸ばしに行こうか」の雑談回が1本、「再」「睨」「憶」のショートホラー3本を合わせた4本。

5月に「あんまり仲良くない二人」「カスみたいな言説を垂れ流す結月ゆかり」の日常系2本、琴葉葵の「補遺」前編の1本を合わせた3本。

6月に「小ネタ集6」「肝試しに行く演劇部」の劇場系2本、琴葉葵の「補遺」後編の1本を合わせた3本。

7月に「月喰」の単発劇場が1本、「魂を分けた他人」「黒塗りの王子様」「青春の茜い海」の青春系3本を合わせた4本。

意外とコンスタントに動画投稿を続けることはできた。

再生数の方は1000~3000を前後。登録者数は増えたり減ったりしてたが微増していよいよ8000人に到達しそう。

チャンネルを伸ばすようなことはほぼできず、増加傾向を保つだけで精一杯といったところ。

ニコニコ動画がサイバー攻撃で吹っ飛んだこともあってか「肝試しに行く演劇部」で再生数が増えたが、特にその後波に乗ることも無く今に至る。

全体を見るとニコニコ動画からの移住組の動画再投稿もあってちょっとだけ活気が出てきたようには思える。このまま勢いを盛り返すかは不明。

最近はずんだもん一辺倒な傾向はなくなったが、ピンク系の短尺動画が主流でやはりアウェー感はある。

逆張りしたいという思いが出てるわけではないが、キャラの掘り下げ、世界観の掘り下げという昨年から取り組んでるテーマに気を持ってかれすぎなきらいは感じる。

結局のところそれらの動画群は続き物であり、視聴のハードルがどんどん高くなってしまう。ついでに作る側のハードルも上がる。

5月の日常系動画くらいなら何の予備知識もない人でも楽しめるかもしれないが、「補遺」は言わずもがな、最近の青春系三部作などは完全に身内向けになってしまってるだろう。

一概にそれが悪いというわけではないが、増加傾向を保つためには初見が入り込める動画を絶やしてはならないということが今後の留意点だと考える。

正直言って単発の気軽に作れる動画はネタ切れ気味である。劇場系のホラー路線も日常系のギャグ路線もあまりグッとくるのが思いつかない。

一度気分を変えるためにかつて手をつけずに放置した脚本でも掘り起こしてみようかと思う。

まとめ。

これまで通り月3~4本の投稿頻度をキープ。内1~2本は初見でも理解できる内容のものにする。

現在はストックを切らしてしまっているので、できれば短尺動画を作るか、分割して前後編にすることで時間を稼ぎ、長尺動画を作る。

動画のラインナップは以前の記事で記載の通り、気分や再生数と相談して制作していく。

また、ニコニコ動画も来月には一応復旧できるそうなのでこれまでの動画も徐々に出していく。

Youtubeとニコニコ動画で時間差投稿にするいい機会なので一気には出さない。

そんなところ。短いのでメモ書き程度に最近新登場の、紡乃世詞音、双葉湊音、まだ買ってないけど宮舞モカに関する雑感を書いとく。


①紡乃世詞音

当初の想定だと天真爛漫な少女のつもりだったが、思ったより声の調子が上がらなかったためややミステリアスの少女になる。

あまりテンションが高いわけでもなくチャラついてるわけでもないが、なんとなく上位カーストの人間だろうなと感じる。

誰に対しても分け隔てなく接し仲良くなれるが、本気で楽しんだりぶつかったりすることは無さそう。射に構えてるわけではないが超然としてる印象。

特に悲惨な過去や鬱屈した感情が描かれることは無い。

青山探偵事務所シリーズがちゃんと作成された場合はヒロインになる。その時はもう少しテンション高めかつバカっぽく。

青山龍星、白上虎太郎と共に高校1年時の青春ミステリで補完予定。詳細はまだ詰め切れていない。

青山と恋仲になったことで、他の女子よりは一歩リードしたお姉さん的な扱いを受ける。


②双葉湊音

こんな雑なキャラづけでいいのかという気もするが、他にないだろという気もする。ひたすら「青春」に執着する青春妖怪。

声はよく通り使いやすいが少し嘘っぽい気もする。単純に変な子にするか本当はちょっと無理してる子にするかは未定。

CevioAIの画面に映ってるアイコンの顔が怖い。目がイっちゃってる。

「なあお前、青春しろよ。」とか「どうして青春できないのか一緒に考えてみよう!」とか異様な詰め方をしてきそうな気迫がある。

実際にギャグでそう言わせても面白そうではある。

私立高校2年で詞音と同じクラスを想定。詞音には「青山君とはどこまで青春したの?」とかウザ絡みしてそうな印象。

どんな役回りにするかは考え中。同じく雑なキャラづけをされてるWhiteCul雪と双璧を為す存在になるか、学校の枠にとらわれず他のキャラを引っ張り回すイベントメーカーになるか。

使い勝手は良さそうだが来るべき時まで温存しておく。


③宮舞モカ

陰キャっぽい少女(悪口ではない)。作中世界では居そうで居なかったキャラ。

今一つ他キャラとの絡みが湧かない弦巻マキの掘り下げ要因になるだろうと思われる。

公式設定として高校進学時にイギリスから帰国、喫茶「マキ」の常連とのことで、まだゆかりに避けられてた頃のマキを知る人物となり得る。

個人的には新聞部辺りに所属してくれてると扱いやすいがそうするかは未定。

同学年でずん子、葵と同じクラス。これで多少はバランスがとれる。

まだ作中世界でどういう存在なのかわからない初っ端で「私はオタクじゃありませんっ!!」をぶっこむ予定。

弦巻マキの「補遺」を作る時に結月ゆかり「雫」と一緒に購入予定。


こんなとこです。まだあんまり書き過ぎないようにしてるとことホントに思いついてないとこがありますね。

無節操にキャラを増やし続けるのも問題ですが、居るからには出さないわけにはいかないというのが投稿者心理。地道に頑張っていきましょう。

そんなこんなで今日は終わります。

長文駄文失礼しました。


2024年7月17日水曜日

誰が何をどこまで知ってるんだよ

作中世界の作り込みがだいぶ進んできてはいるが、私のキャパシティの上限も見えてきている。

今週の動画は途中までミリアルちゃんとうさぎちゃんに接点があるの忘れててヤバかった。そうだ去年の夏の動画で会ってたじゃん。

やらかさないように1回整理しておこうと思う。


現状ある程度のキャラクター性を持っているのは約50名。とんでもない人数だがこれでも主要な音声合成キャラを網羅できているわけではない。

大きく3つの派閥に分類される。

一つ目が結月ゆかりを中心とした演劇部組。最も出番が多く、演劇部シリーズと補遺によって掘り下げられている。

二つ目が東北ずん子を中心とした東北組。補遺、拾遺、日常系とシリアスとギャグどちらにも対応し得る。

三つ目が冥鳴ひまりを中心とした私立高校組。日常系でギャグ中心でやるつもりではあるが他のにも出ないわけではない。

時系列順に整理しようとすると1年がループしているという問題が出てきてしまうが、なるべく順番に記載していく。

演劇部結成時。ゆかり等が高校2年生。この時点での関係性はゆかり、あかり、茜、葵、マキ、ずん子の6人。教師の桜乃そらは既知。同級生として小春六花、宮舞モカ、花隈千冬が存在。弓道部の先輩として夏色花梨とずん子には接点あり。

演劇部黎明期。東北きりたん、イタコと繫がりができる。この際ずんだもんと接点ができたかは未定。音街ウナ、水奈瀬コウの存在を知る。

演劇部中期1。マンネリ打破のための外部人材の応募が行われる。アリアル、ミリアル、四国めたん、ずんだもんと出会う。同時期、マキを仲立ちに春日部つむぎ、雨晴はうと接触。

演劇部中期2。九州そらを認知するが特に接点は無し。私立高校組と距離が近づき、出演依頼が行われるようになる。ほぼ同時期、京町セイカ、月読アイとも接点ができ、出演依頼が行われるようになる。

演劇部最新期。中国うさぎが家出し、冥鳴ひまりが登校しだす。演劇部、東北組、私立高校組の交流が活発化する。


便宜上全てのキャラを3グループのいずれかに分ける。一部重複あり。

①演劇部組

2年:結月ゆかり、琴葉茜、琴葉葵、弦巻マキ、東北ずん子、小春六花、宮舞モカ

1年:紲星あかり、花隈千冬

3年:夏色花梨

学内:桜乃そら、フィーちゃん

学外:アリアル、ミリアル、京町セイカ、月読アイ

②東北組

東北家:東北ずん子、東北きりたん、東北イタコ、ずんだもん、四国めたん、九州そら、中国うさぎ

小学校:音街ウナ、水奈瀬コウ

大都会:大江戸ちゃんこ、中部つるぎ、関西しのび、北海道めろん、沖縄あわも

関係者:夜語トバリ、役ついな、伊織弓鶴、後鬼、リリン、つくよみ

③私立高校組

1組:冥鳴ひまり、春日部つむぎ、雨晴はう、青山龍星、玄野武宏、白上虎太郎、櫻歌ミコ、小夜、波音リツ、WhiteCul雪、猫使アル、猫使ビィ

2組:雀松朱司、紡乃世詞音、双葉湊音

教師:麒ヶ島宗麟、後鬼(偽名:如月)

街の人:剣崎雌雄、ナースロボタイプT、もち子さん、No.7


これらを踏まえて現状の整理。

結月ゆかりが演劇部の活動に勧誘するかどうかで関係性を整理していく。

初期段階。琴葉茜、琴葉葵、紲星あかり、弦巻マキ、東北ずん子、桜乃そらの6人。小春六花、夏色花梨、花隈千冬は認知してはいるが勧誘はしない。

第二段階。東北きりたん、東北イタコ、音街ウナ、水奈瀬コウが追加。アリアル、ミリアル、四国めたん、ずんだもん、春日部つむぎ、雨晴はうが追加。きりたん、イタコ、ウナ、めたん、ずんだもんは接点あり。アリアル、ミリアルとめたん、ずんだもんは接点あり。

第三段階。京町セイカ、月読アイ、青山龍星、玄野武宏、白上虎太郎、櫻歌ミコ、小夜が追加。セイカは演劇部、桜乃そら、東北イタコとのみ接点あり。アイちゃん先輩は演劇部と桜乃そらとのみ接点あり。冥鳴ひまり、波音リツ、WhiteCul雪、雀松朱司、麒ヶ島宗麟、後鬼、剣崎雌雄は存在を認知。一部音声提供を依頼する。

第四段階。九州そら、中国うさぎ、冥鳴ひまりが追加。役ついな、伊織弓鶴の存在を認知。フィーちゃん、夜語トバリ、リリン、つくよみと接触予定。


昨年4月より補遺にて演劇部5人と東北ずん子の掘り下げを開始。夏までに結月ゆかりの補遺が完了。

昨年8月の夏の日常系により東北家と私立高校組の掘り下げを実施。主要メンバーの描写を終える。

昨年10月、琴葉茜の補遺を完了。

今年3月、拾遺、及び日常系により京町セイカ、月読アイ、雨晴はう、剣崎雌雄、青山龍星、紡乃世詞音の補完を終える。更に拾遺にて四国めたん、中国うさぎの補完と役ついな、伊織弓鶴の描写を終える。

今年6月、日常系にて紲星あかりと弦巻マキ、結月ゆかりと琴葉茜の関係性を補完。琴葉葵の補遺において琴葉葵と東北ずん子の補完を終える。

今年7月、結月ゆかり、琴葉葵、琴葉茜の補完を終える予定。同時にグループの垣根を超えた新たな繋がりを描写。

今後の予定。

東北ずん子の補遺にて、東北ずん子、東北きりたんの補完を終える。

日常系にて東北きりたん、音街ウナ、水奈瀬コウを補完。東北きりたん、音街ウナ、ずんだもんの関係性を描写。

拾遺にて夜語トバリ、リリン、つくよみと接触。琴葉葵→中国うさぎ→夜語トバリ。琴葉茜→役ついな→リリン、つくよみ。

拾遺にてフィーちゃん、ナースロボタイプTを補完。生徒会に所属する小春六花、夏色花梨、花隈千冬と、病院に勤める剣崎雌雄、ナースロボタイプTを描写。


こんなところです。全然終わりが見えない。今年中に弦巻マキと紲星あかりの補遺まで終わらせられるのだろうか。

宮舞モカを参入させるならどのタイミングかな。高校1年生のまだマキとゆかりが仲違いしていた頃に喫茶店に通う描写はやりやすい。あと個人的には新聞部みたいなのに所属してくれていると動画的に助かる。

さすがに後回しですけどね。来週の動画で使うので双葉湊音とついでにフィーちゃん、小春六花、夏色花梨、花隈千冬は購入予定。

全てを作り終えた時はいよいよ引退ですからまぁのんびりやっていきましょう。

ということで長文駄文失礼しました。


2024年6月29日土曜日

葵編振り返り

終わった。

割と初期の頃から考えられていたストーリーでしたが、3年の月日を経てついに動画化することが出来ました。

テーマは「本心」。自分でも気づかないような本当の気持ちという奴ですね。

葵ちゃんがイヤホンを盗んだのは表層的には単なる物欲、あるいは不平等の解消、あるいは東北ずん子への嫌がらせですが、深層的には自己表現です。

犯行の発覚を恐れてみたり自らの正当化に努めてみたりしますが、それは心の底からの思いではありません。

葵ちゃんにとってこの出来事は言ってしまえばノベルゲームにおけるイベントなわけです。

これによって自己の心情を開示する機会を獲得し、他者との関係性が大きく変化する。そういうターニングポイントになると期待しているんですね。

私は常々、ていうか昔ですね、話を考えた当初。人間が自発的に何かを行うとき、その動機は楽しいからと仕方なくの2つしかないと考えていました。

喜び、怒り、哀しみ、その他もろもろの感情。それらは全て楽しいで括ってしまって差し支えないでしょう。

どんな感情も脳が刺激を受けてホルモンが分泌されている状態でしかないわけです。

常識的には喜びの感情は好ましいものであり、怒りや悲しみの感情は誰しも好き好んで獲得するものではないとされています。

ですが負の感情が娯楽になり得ないというのは現実にはそぐわない考えです。

映画や小説のような表現物は言わずもがな、日常生活においてもそれらを積極的に取りに行っている者は別に珍しくもない。

毎日クレームを入れるために店や役所に通ったり、ネットで気に入らない出来事を見つけては誹謗中傷を書き込んだり、目を皿にして部下の失敗を探しては怒鳴り散らしたり…

悲劇の主人公ぶってる、なんて表現は古今東西で言われてますね。

偏見ですが女に多い。

粗暴な恋人やホスト、芸能人に貢いでは報われない恋を嘆いたり、多忙な夫や反抗期の子供に頼まれてもない献身をしては煙たがられる自分を哀れんだり…

男で言えば…

自ら進んで孤立している癖に社会との隔絶を嘆いたり、己の主義主張を一切曲げる気もないのに誰からも受け入れられない自分を哀れんだり…これは私か。

じゃあやめるかとはならないのは、実はその状態に満足しているからですよ。

怒ったり泣いたりするのはとても気持ちがいい。もしかしたら笑うことよりも。

仕方なくというのはまぁ、仕方なくです。自己の生存と安全のため否応なしに行う行為。

腹が減ったから飯を食べて眠くなったから寝るとか、殴られたくないから愛想笑いして命令に従うとかそういう感じの。

それを除けば、人間の行為は全部ただやりたいからやってるだけでしかない。

将来のために努力するのも娯楽だし、毎日を怠惰に過ごすのも娯楽。

人助けするのも娯楽だし、人をいじめるのも娯楽。

子どもを作るのも娯楽だし、子どもを殺すのも娯楽。

笑ってる奴も怒ってる奴も泣いてる奴も中身は一緒。脳内ホルモンがドバドバ出てるだけ。

年を取った今ではそこまで尖った考え方に共感することはできませんが、論理的に否定できるわけでもありません。


話を戻しますが葵ちゃんもやってはいけないことをやってしまった時間を楽しんでいました。

ずん子さんの期待や信頼を裏切ってしまったんじゃないかと悲しんだり、ゆかりさんに自分だけが悪いわけではないと怒ったり、自分は悪い奴だと開き直って何食わぬ顔で遊びに出かけたり…

あの時間だけは確かに葵ちゃんは自分のことを物語の主人公だと思っていられたでしょう。

最終的に葵ちゃんは自分の本心に気づき、罪を告白しました。それは精神的に成長したからなのか、刺激が足りなくなったことで冷めてしまったからなのかは定かでありません。

それに対するずん子さんの返答が、極めて物語のギミック的なものになっています。

「そんなこと別にいいのに。」

それは四国めたんと九州そらが東北ずん子に向けた感情であり、琴葉葵が琴葉茜に向けた感情でもあります。

めたんとそらにとってずん子との学校生活はさほど重要なものではなかった。うさぎとの別れもそうです。

どれだけ離れても友情は揺るぐことは無く、いずれまた共に過ごす日が来ると確信しているから。

ずん子は仲間だからいつも一緒じゃないと駄目という価値観で、めたんは仲間だからいつも一緒じゃなくても大丈夫という価値観で、そらはそもそも大人になるまでは単なる準備期間だからどっちでもという価値観です。

ずん子さんの思いは「そんなこと」で切り捨てられたわけです。

茜ちゃんが幼少期の事故によって人格と今後の人生を決定づけられたのは、茜編でやりましたね。

茜ちゃんが葵ちゃんをいじめてたことに対して葵ちゃんがどう思ってるのかのアンサーがこれです。

そんな事実は無いと思ってるし、口にこそ出しませんが姉に向けられる罪悪感にはうんざりしています。

茜ちゃんの思いは「そんなこと」で切り捨てられたわけです。

そして最後。

葵ちゃんがイヤホンを盗んだこと、その背景にある心理や感情もまた、ずん子さんに「そんなこと」で切り捨てられた。

この「自分にとって大切なものが相手にとっては全く大切ではない」というのがもう一つのテーマとなっています。

ずん子さんも別に嘘つきというわけではなく、葵ちゃんと仲良くなりたいというのも本心ではあります。

ですが葵ちゃんを評価しているのは表層心理だけであり、深層心理では「凡人にしては」という注釈がついていた。

もし四国めたんが、九州そらが中国うさぎがイヤホンを盗んだと告白したら。

ずん子さんは驚き、戸惑い、なぜそんなことをしたのかと問いただしたことでしょう。

でも葵ちゃんだったから「そういうこともあるか」で済ませてしまった。そして当然のように宥め、慰める方向に進んでしまった。

これはゆかりさんとの対比になっています。

ゆかりさんは散々間違えながらも肝心な場面でマキさんへの答えを間違わなかった。これまで様々な葛藤や苦悩があったからです。

ずん子さんは間違えた。迷わないし悩まないし躊躇わないから。これまで間違えたことが無いから。

実際葵ちゃんがずん子さんと比べて精神的に未熟であるというのは正しい認識ではあるのですが、直前に対等な関係を築けると語っておきながらこの返答は葵ちゃんを馬鹿にしています。誤りではありませんが過ちです。

この瞬間、二人が対等な友達になる可能性が完全に断たれてしまいました。

とまぁそんな過去を受け止めて、葵ちゃんは一人歩みを進めます。

私も忘れかけてましたが「あんまり仲良くない二人」と「カスみたいな思想を垂れ流す結月ゆかり」と同じ時間帯でしたね。エンディングに入れときました。

茜ちゃんがゆかりさんを変え、ゆかりさんがマキさんと和解し、ゆかりさんがあかりちゃんを勧誘し、ゆかりさんと茜ちゃんは今も相棒同士で、マキさんとあかりちゃんもいがみ合いながらもなんだかんだ仲が良く…

ずん子さんは相変わらずで弓道部では次期部長として後輩たちに慕われ、生徒会でも頭角を現している。

葵ちゃんは今も余った一ピースのまま。という終わり方です。

葵ちゃんが流した涙はどういう意味でしょうね。

現状への不満か、自分への失意か、あるいは報われない人生を楽しんでいるのか。

葵ちゃんはそこまで自己分析能力が高くないのでその答えを明確にできることは無いでしょうね。


今回で私の分身であった主要キャラ、結月ゆかり、琴葉茜、琴葉葵の過去編が終わりました。

掘り下げが進んだことで彼女たちの人格もはっきりしたものになり、私との乖離も進みましたね。

今の私の精神状態だと、一番好きなのは葵ちゃんです。

葵ちゃんだけはまだ諦めていない。

ゆかりさんも茜ちゃんも自分自身や世の中を受け入れてしまっており、等身大の生き方をしてしまっている。それは賢いことではあるけれど、尊敬できるものではない。

葵ちゃんは足掻いている。現実とは違うものを見て現実をそれに追いつかせようとしている。

動画にすることは無いでしょうが、将来的に先を行くのは葵ちゃんです。

受験勉強して、都会の大学に進み、新たな交友関係を築き、大きな企業に入り、そこでもまた新たな交友関係を築き、恋愛して、結婚して…

真っ当にライフステージを進めるのは葵ちゃんみたいな人です。現実への解像度は低くても、自分が望む現実をつくろうとする意欲がある。

ゆかりさんと茜ちゃんはもう時計の針が止まって動き出すことは無いですからね。

書き忘れてましたがテーマ曲は「Blue Star」。有名なのですね。

全般的に色合いも雰囲気も合ってる。闇のゆりかごの中から何度もずっとほんとの星に届かない、まではフリー音源だといけないのは残念。

葵ちゃんが本当の星を手にする日を祈ってますよ。いや私のさじ加減なんですけど。

次はこの前出した「そろそろ関係性を説明しよう」で3人の人間性を振り返りつつ、他の人たちとの関係を描写していきたいと思います。その前に「月喰」かもしれないけど。

さてそんなこんなで今日はもう終わります。「補遺」もようやく折り返しです。残り3人はもっと短くなるはず。

長文駄文失礼しました。


2024年6月15日土曜日

動画に出てない初期設定

動画制作が進まないので気分転換にメモ。

補遺の進捗が完全に止まってる。やはり難物であるこのシリーズ。

いったん置いといて少し手を動かす。

私の動画シリーズでは初期設定にも関わらず全然触れられていないものが幾つかある。

それらをメモしておこうと思う。


・あかりの両親

あかりの両親は昨年亡くなっており、親戚の家に引き取られる形でこの町に越してきている。

あかりの補遺で掘り下げられる予定だが、その事実をどこまでの人間が知っていることにするかは未定。

結月ゆかり、教師の桜乃そらは知っている。茜、葵、マキは知っているかは未定。それ以外の人は知らない。

あかりは特に秘密にしているわけではないが公言するようなことでもないので黙っている。

基本的に触れられることは無い話だが、その関係であかりが「親の顔を見てみたい」「親の顔より見た」みたいな慣用句を発したら変な空気が流れそう。

本人が気にしてるわけではないが設定上あかりちゃんの周囲、またマキの周囲において親の話題はなかなかセンシティブであることは動画を作る上で忘れないでおきたい。


・茜の関西弁

茜が関西弁話者であることの理由、つまり琴葉姉妹の身の上について。

いつだかブログでちょろっと書いたが茜の関西弁は父親譲りのもので、関西圏で暮らしたことがあるわけではない。

キャラづけのために関西弁を話しており、真剣に話してるときは標準語に近くなる。

いつか関西しのびと話す機会ができた時、サラッとエセ関西弁であることをカミングアウトしてもらおうと思う。

ついなちゃんも標準語で話しているため本物の関西弁キャラは現状いない。


・ずん子の超人体質

ずん子は生まれつき身体能力が異常に高い体質である。

ずん子の強さに関しては冗談のように触れられることはあったが、ほとんどの人はガチで人間離れした強さであるとは思っていない。

昔『鬼切丸』って漫画で見た話なんですが、ある所に病に犯された少年が居ましてね。

生死の境を彷徨った後に奇跡的に復活、幼馴染の少女の待つ学校にも通えるようになる。

ですが段々あまりにも元気過ぎるということで気味悪がられていくんです。

強すぎるんですよ。本当は人間じゃなくなって鬼に堕ちてしまっているから。

そんな周囲の態度に苛立って、ある日窓ガラスを叩き割って教室から飛び出すんですが、その時の描写がよく印象に残ってます。

幼馴染の少女だけは彼のことを心配するんですが、他の人はもはや怯えています。

窓ガラスだけならわかるが、窓枠までへし折っている。それなのにあいつは傷一つない。

これちょっとやりたくなっちゃうんですよね。ずん子さんがこんな感じで窓枠へし折ったり壁をぶち抜いたりしちゃって、これまで強者に対する羨ましさや疎ましさだったのが怪物に対する恐れに変わっちゃう瞬間。

ずん子さんはそんな時何もできないと思うんですよね。めたんちゃんだったらこれぞ武の極致よとかドヤ顔で言って空気を変えれるでしょうが。

守り導くべき対象である民衆から恐怖を向けられた時がずん子さんのターニングポイントになりそうなのでそう易々とは切れない展開ですが。

ずん子さんが強すぎること、重すぎることはまぁ当分の間はギャグで済む範囲でしか開示されないはずです。


ついでなんでネタバレしてしまいますが、その後鬼としての力を抑えきれなくなった少年は偶発的に幼馴染の少女を殺めてしまいます。

後悔と自責の念に苛まれながら、少女の亡骸を抱き締め一人待ち続ける。

同族殺しを天命とし、名前は無く、頭に生えない角の代わりに一振りの刀を携えた鬼。

『鬼切丸』を。

やっと現れた鬼切丸を前にし、かつて少年だった鬼は涙をこぼしながら襲い掛かる。

どうしてもっと早くに来てくれなかったのかと。

斬り伏せられ、崩れ始める鬼の体は徐々に人だった頃の体へと変わっていく。

痩せ細り、立って歩くことすらままならないあの体。

なんでかっこ悪いと思ったんだろう。病魔に侵されながらもこんなにも懸命に戦っている。

ああ、かっこいいぜ。

少年の最後の言葉に鬼切丸はそう返した。


て感じだったと思います。『鬼切丸』個人的名作回の一つです。

他には嘘吐鬼、双子の鬼、あと葛葉さんとかが印象に残ってます。

久々に見返してみようかしら。

てところで今日は終わります。なんか最後だいぶ脱線しちゃった。

長文駄文失礼しました。


2024年5月30日木曜日

そろそろ関係性を説明しよう

アリアルさんとミリアルの出番から一年が経過しそうなので何か動画を出す。

ついでなのでいい加減学外の人たちとどういう関係なのか動画内で説明しようと思う。

ブログを見てる人なら設定集で知ってるかもしれないけれど、動画しか見てない人たちだと絶対わかってないだろう。思い返すとよくこれまでなあなあでやって来たものだ。

いつもの4人に分散して他の人たちと絡みに行ってもらい、会話の中でお互いの出会いと関係性を説明しよう。


①普段絡みがない人と絡んでみよう

登場人物:結月ゆかり、紲星あかり、冥鳴ひまり、春日部つむぎ、京町セイカ、東北イタコ

とある休日、ゆかり、あかり、ひまり、つむぎの4人で喫茶店に集まる。

一度ひまりと話してみたかったと語るゆかり。

動画投稿者であること、実家を半ば追い出される形で一人暮らししていること、頭と口はよく回るが身を立てられるほど才覚や熱意があるわけでもないこと。

似た者同士であることを確かめ合う二人と、除け者にされて若干やきもきする二人。

会話の中でマキとつむぎの交友により縁ができたことが語られる。

互いのチャンネルについて話しているうち、ひまりが動画投稿で生計を立てていけると思ってるわけではないことを口にこぼす。

そのまま話題は将来のことへ。

ゆかりはとりあえず進学予定であると語り、ひまりもとりあえず大学に行くことを検討する。つむぎはひまりと、あかりはゆかりと同じ大学に行くと宣言する。

それ以上の将来像が見えない4人は身近な大人たちを思い浮かべる。

ゆかり達は教師の桜乃そら、水奈瀬コウをまず挙げる。

ひまり達も同じく教師の後鬼、麒ヶ島宗麟に加えて医師の剣崎雌雄、模型店のもちこさんを挙げる。

あかりが月読アイに電話をかけ、何をしてる人なのか尋ねる。

自分の素性に関してはいつも秘密にしていたアイだったが、将来について悩む若人のためならと現在運営している慈善団体の活動について語り、人生のアドバイスを行う。

謎に包まれていた月読アイの思わぬスケールのデカさに面食らったゆかりとひまりは急速に将来の不安に襲われる。

もっとダメな大人に会うために喫茶店を出て街へと繰り出す。


ゆかりに連れられた先ではセイカとイタコが昼間から飲んでいた。

ヒモの無職と実家暮らしの無職だと紹介するゆかり。

唐突に失礼な扱いを受けながらも一切動じぬセイカとイタコの姿にひまりは感銘を受ける。

小馬鹿にするつもりで来ていたゆかりも、もしかしたら自分たちのように斜に構えた半端者にとっては一つの目指すべき形なのではないかと考え始める。

あかりとつむぎはそんな二人をワルっぽい生き方に憧れるありがちな中高生だと叱咤し、強引に連れて行く。

セイカとイタコは特に気にする様子もなく笑って見送る。


色々と互いに知らないことを知れたといい感じにまとめる一同。

動画に出演してもらう時はまた声をかけると言い別れる。

帰り道、少しやきもちを妬いたと唇を尖らせるつむぎに、ひまりは違うところも多かったと語る。

ゆかりは自分で部活を設立したり、交友を広げて演劇への出演を打診したりと高い行動力と社交性があった。

人と正面から向き合うことから、真っ当なやり方で勝負することから逃げている私なんかとは違う。

ひまりは自嘲気味に笑った。

もう一方の帰り道、ゆかりはあかりに語る。

ひまりは自分を面白く見せ、視聴者を楽しませることに全力で取り組んでおり、結果を出していた。

現実を諦め創作に逃げ、その創作の世界においても本気で取り組もうとはしていない私なんかとは違う。

ゆかりは自嘲気味に笑った。


②恋人持ちの人に話を聞いてみよう

登場人物:琴葉葵、ミリアル、中国うさぎ、雨晴はう、紡乃世詞音

普段絡みが無い人と絡んでみようというゆかりからの提案を受け、アリアルたちが住み着いている洋館を訪れた琴葉姉妹。

葵とミリアル、茜とアリアルの二手に別れてそれぞれ知り合いに会いに行くことになる。

葵はこの機会にと以前から気になっていたうさぎ、はうと待ち合わせる。

葵、ミリアル、うさぎ、はうの4人はこの世界では数少ない異性愛者であった。

念願叶い恋バナに花を咲かせることができた葵。

しかし、葵ミリアルうさぎは白馬の王子様を夢見るだけであり、はうの恋愛対象も恩人の医者で現実味が薄かった。

はうは恋人持ちの友人を呼ぶことを提案する。


詞音が合流する。

まだ恋人ではないと否定する詞音だったが、ホワイトデー以降、青山と下の名前で呼び合うようになったことを指摘される。

その日の甘酸っぱい思い出を語る詞音に4人は大いに盛り上がる。

真っ当な恋愛観と常識的な感性を持っていることがわかり、すっかり打ち解けた5人。

何か浮いた話があったら報告するようにと連絡先を交換して別れる。

詞音、はう、うさぎと別れ、ミリアルと共に洋館へと帰る葵。

帰り道、少し寂しくなってしまう。

詞音はほぼ恋人と呼んでいいような異性が居る。

はうは憧れの相手が居てその人の傍で働く夢がある。

うさぎは飛び級で高校生になるような神童で、きっといつか彼女に恋をする誰かが現れるだろう。

みんな進んでるな…

また良くない考え方をしてしまっていると首を振る葵。

ミリアルがみんな羨ましいなぁと声を上げる。

葵が笑いながら言う。

私を置いて行かないでね。

ミリアルはそうしたくても出会いが無いよと笑い返す。

そのまま二人で笑い合いながら帰る。

脳裏によぎった白馬の王子様の顔は黒く塗り潰されていた。


③置き忘れた青春を取りに行こう

登場人物:琴葉茜、アリアル、四国めたん、九州そら、双葉湊音

葵、ミリアルと別れ、知り合いを探す茜とアリアル。

足取りは自然と手近な所、めたんの暮らす自然公園へと向かう。

いつもの場所でめたんとそらと出会い、普段絡まない人と絡むという目的を達成したこととする。

茜、アリアル、めたん、そらの4人は良く言えば大人びており、悪く言えば枯れていた。

茜、そらは補佐役に、アリアル、めたんはお調子者になることが多かったが、このメンバーではその役割分けが機能しなかった。

けして仲が悪いわけではないが今一つ盛り上がらない会話が続く。

会話の中で演劇に参加する校外の人間を募集した際、縁ができたことが語られる。

4人は互いの出自や展望について語り合う。

茜は人の役に立つことをしたいと思うが、自分自身がどうしたいかみたいなのは思いつかないと語る。

アリアルは興味を持って取り組んでいることはたくさんあるが、別にその結果どうなるかみたいなのは考えていないと語る。

めたんは家を再興させたり能力について研究したりといった目標はあるが、基本的に世の中には関与せず己の道を往くと語る。

そらは共存共栄という夢があるが、詳しくは話せないと語る。

ずん子に王になってほしいというそらの願望は、自分の人生の意味を他人に押し付けるようなものではないかと突っ込む茜。

そらはあなたがそれを言うかとムッとしたように言い返す。

めたんは強固な自我が無いから他者との関わりの中で自分を定義しようとすると二人を批判する。

アリアルはそんな彼女たちの様子を華が無いと評する。

年若い乙女がやりたいこともなく、斯く在るべし斯様なことを為すべしと雁字搦めで実に嘆かわしい。

もっと自由に、奔放に生きようじゃないかと語る。

そう言われるとそうかもなぁと気まずくなる3人。特にめたんは自分がいつの間にか頭が固くなっていたと謝り、青春を探しに行こうと提案する。


青春を探しに行くというフワフワした動機で街へ繰り出す4人。

いったい青春とは何なのか。いったい何をすればいいのか。

青春青春と騒いでいると一人の少女が話しかけてくる。

双葉湊音と名乗るその少女は共に青春を探しに行こうと告げた。

4人はノリで快諾する。

海へ行こうと提案する湊音。

軽い気持ちで承諾した茜だったが、すぐに後悔することとなる。

海まで徒歩で3時間、最初に脱落したのはアリアルだった。

なぜ自信満々で参加したのか。あっと言う間に体力が尽き動けなくなる。

めたんがアリアルを背負って進むことになるが、茜も体力の限界が訪れていた。

そらに助力を求めるも、先ほどのやり取りを根に持っていたそらは協力を拒否する。

あまりの子供っぽさに呆れるめたんと茜。

湊音は仲間同士の衝突にテンションが上がる。


諸々のやり取りで時間が押して3時間半後、一行は海へと辿り着く。

疲労困憊で意識が朦朧としている茜をめたんが労う。背負ったアリアルにも声をかける。

返事は無かった。

めたんがアリアルを砂浜に横たえる。彼女は穏やかな微笑を浮かべていた。

どうか安らかに…

めたんとそらが悲し気に目を伏せ、湊音の目から大粒の涙が溢れる。

さすがに死んではないだろと茜は突っ込まなかった。

アリアルは置いておき、茜、めたん、そら、湊音の4人は海を眺める。

ちょうど夕日が沈むところだった。

青春だね。

ええ、青春ね。

湊音とめたんの意味の分からないやり取りも何だかしっくり来た。

青春やな…

茜も呟いてみた。

湊音が茜とそらに仲直りするよう要求する。

そらはバツが悪そうに謝り、茜もついでに謝った。

なんで揉めていたのかもお互いよく覚えていなかった。

湊音が感謝を述べる。

自分の青春に付き合ってくれたのはみんなが初めてだと。

めたんはまたいつでも呼びなさいと答える。

茜はもう来ないと答えた。


沈む夕日を見届けながら考える。

さてどうやって帰ろうか。

潮風が頬を撫でた。


2024年5月25日土曜日

ちょっと休憩

なんとか投稿日に間に合った。意外と余裕なかった。

次はほぼ完成してる小ネタ集と「肝試しに行く演劇部」を仕上げて2~3週間稼ぎ、その間に後編を終わらせる。

別荘旅行2日目と夏休みの残り、そして告白の日まで。15分あれば終わるだろう。


まぁそれは置いといて最近の雑記を少し書いとく。

研修期間も2か月が過ぎようとしており、慣れを通り越してダレてきた。

プログラミング初心者だったが全然何とかなった。やっぱり私お勉強ができる子だわ。

後2か月も研修あるのでそれまでのらりくらりやっときます。楽できるのも今のウチだけだろうしね。

来月試験の予定がありますのでそれだけ落とさないように。余裕ブッコいて落ちるのが一番ダサいですから。

次。素材関係。

この前初めてCDを買いました。LosstimeLifeの「アカイユビサキ」。

私も給料入って色々自由に使えるようになりましたからね。日頃お世話になってるお礼も兼ねてってのです。

CDがDVDプレーヤーで再生できるのを初めて知りました。同じディスクだったんですね。

表題曲の「アカイユビサキ」が気に入っています。今はもうYoutubeのトピックで聞けるので聞いてみてください。良かったらCDも買ってね。

果たしてフリーで使えるようになるのか。それが問題ですね。

上で挙げた二つの動画のエンディングにしようと思ってるんですが見切りをつけた方がいいかも。

それと背景素材を結構仕入れました。

DLsiteで背景素材屋さんってところから洋館と和風家屋を買いました。アリアルさん達が住んでるところとずん子さん達が住んでるところの背景になる予定です。

雰囲気がこれまで使ってた他の素材とも合っていて違和感なく併用できそうです。洋館の地下に広がる謎の施設の素材は「肝試しに行く演劇部」で使いました。

そろそろアリアルさん達の最後の出番からまたしても一年が経過しそうなので出番をやりたいところです。

初期の構想でめたんちゃん達が超能力者、アリアルさん達が魔術師という設定があり、どっちも同じくらい膨らんでもおかしくないと思うのですが、めたんちゃん達の方しか話が作れませんでした。

やはり他キャラとの絡みが無いのが弱点ですね。あとCoefontがちょっと使いにくい。

背景素材についてはいつものきまぐれアフターさん、その有料素材。みんちりえさん、そのFANBOX。イラストACの歩夢さん、Yoseiさんとかなりラインナップが充実してきました。

これなら青山探偵事務所シリーズも作れそうです。私の労力を度外視すれば。

音楽関係ももう少し。

甘茶の音楽工房、ノスタルジアのピアノ曲も一通り使ってしまい、Dova-syndoromeに帰ってきました。

再び暗めのピアノ曲を探す旅を続けてます。探せば幾らでもあるはず。

この前の動画で雑に使ってしまった「ゴーストタウン」を歌ってるゆうりさん。あの方はボーカル曲だけでなくピアノ曲も充実しており、かなり在庫に貢献していただけました。

当分の間は擦らせていただきます。Youtubeチャンネル、Webサイトもあるので気になった方はぜひ見に行ってください。


こんなところかな。なんか最近指が重くてタイピングが遅くなってきてしまった。疲労が蓄積されてるのかもしれない。

メカニカルキーボード熱もお金が無くて我慢してるうちに冷めてしまった。趣味が減ると寂しくなるから今度買おうかな。赤軸の静かで軽いタッチの奴。

お金と言えばと趣味と言えばの2つの話題が思いついたので順番に。

お金と言えば給料。初任給はまだ8000円くらいしか引かれなくてホクホクでしたが今月に入ってそっから3万円も引かれてしまった。

これでまだ住民税という追撃が待ち受けてるんだから確かにたまったもんじゃない。元々3割引かれるというのはわかっていたが実際に減らされてみるとだいぶ腹立つ。許せねぇよ政府。

今はまだそんな余裕もないですが貯金や資産運用もボチボチ考えていかないといけないかもしれません。面倒くさいですね。

趣味と言えばカードゲーム。やる相手が居なくなって数年。まだ私は情報は追ってるし時々カードも買ってます。

デュエプレは引退しました。先月のランクマが終わった頃に。

近代デュエマに近づいて来るにつれてカードパワーのインフレが進み、ストレスが増えてしまった。インフレが進むと先に動いたもん勝ちになってきて運の要素が大きくなっていく。それに耐え切れなかった。

まぁでも超次元に入った頃にも一度引退したので半年後くらいにまた復帰するかもです。

でまぁその反動で昔の環境への熱が再燃しまして昔のデッキを組んで遊んでました。黒緑速攻とか青黒グランドデビルとか。

昔の地味なゲーム展開にノスタルジーを感じるようになってしまった。子どもの頃はジャンクデッキだから言うほど世代じゃないのに。

その流れでバトスピの方でも昔のデッキを組んでました。デュエマと違って昔のカードが手に入りにくい。

実家に置いてきてしまったカードを回収すればまだまだ遊べそうです。今年いっぱいは熱が冷めないといいな。

最近いよいよ来てますよ老いが。始まっちゃってますよ。

あの頃は良かったなおじさんになってしまうとは思いませんでした。お前のあの頃は別に良くないだろうに。

私も感受性の低下を知識と経験で補わなければいけない段階に来ています。

動画制作においてどこまで持ち応えられるか、ここ1、2年を超えられるかどうかで今後やり続けられるかが決まるかもしれませんね。

チャンネルも寿命を迎えかかってるので自分との戦いに入ってる場合じゃないんですけどね。

てところで今日はもう寝ます。

長文駄文失礼しました。


2024年5月15日水曜日

青山探偵事務所(仮)

青山が探偵、紡乃世が助手の推理モノの構想。 

後でちょっとずつ埋めとく。


1.冒涜者

登場人物:冥鳴ひまり、春日部つむぎ

依頼者:つむぎの両親

テーマ:肝試し

オカルトユーチューバーのひまりとつむぎ。

肝試しに向かった空き家にてひまりが刺殺。つむぎが容疑者として警察に拘留される。

つむぎはひまりが包丁を持った幽霊に殺されたと証言。

つむぎの無実を証明するため、青山と紡乃世は幽霊の正体を探る。


2.這う女

登場人物:ついなちゃん、つくよみちゃん

依頼者:オカルト雑誌の編集

テーマ:都市伝説

オカルト記事の取材のためとある町を訪れた青山と紡乃世。

上半身だけの女が道路を這っているという噂の真相を調べる。

噂の元凶となった悲惨な事故。

刑事の玄野と共に隠された真実へと迫っていく。


3.烽火

登場人物:東北きりたん、音街ウナ

依頼者:玄野武宏

テーマ:狐火

玄野からの依頼により青山と紡乃世は連続放火事件の調査に当たる。

玄野は犯人が子供なのではと考えており、穏便な解決を望む。

犯行の手口を突き止め、現行犯で捕まえようとする青山ら。

姿の見えない放火犯との知恵比べが始まる。


4.悪魔が来りて喉笛を

登場人物:小春六花、夏色花梨

依頼者:花隈千冬

テーマ:祟り

オカルト研究会に所属する六花と花梨。

花梨が何者かに殺害されたことで六花は過激な研究へと没頭していく。

後輩の千冬はそんな彼女の姿を見かね、青山に事件の調査を依頼する。

果たして祟りは存在するのか、花梨の死の真相を探っていく。


5.無数のあなたへ

登場人物:桜乃そら

依頼者:卒業生ら

テーマ:ドッペルゲンガー

高校教師のそらがとある殺人事件の容疑者として逮捕される。

捜査が進む中でそらの目撃情報が上がり、彼女のアリバイが成立する。

しかし、そらはその証言を否定した。

誰が本当のことを言っているのか、青山は迷走する。


6.共振の森

登場人物:琴葉葵、琴葉茜

依頼者:琴葉葵

テーマ:双子

行方不明になった姉を探してほしい。

青山と紡乃世は実に探偵らしい依頼を受ける。

双子である自分たちは近づけばわかると語る葵。

ダウジング方式で片割れを探す不思議な物語。


7.月の都

登場人物:結月ゆかり、紲星あかり

依頼者:あかりの両親

テーマ:新興宗教

怪しげな宗教にはまってしまった娘を助けてほしい。

そんな依頼を受けた青山と紡乃世は新興宗教「月の都」へと潜入する。

依頼者の娘あかりは教祖のゆかりを信奉しきっていた。

青山はあかりの目を覚ますため教団の闇を暴こうと奮闘する。


8.

登場人物:青山龍星、紡乃世詞音

依頼者:

テーマ:


2024年5月2日木曜日

月次振り返り

ての職場でやらされたんでこっちでもやっときます。

社会人生活が始まって早1か月、研修して勉強してテスト受けてって感じであんまり働いてる感じはしませんがだいぶ慣れてきました。

ぬるい環境ですが週5で活動してればそれなりに疲れる。明日からの4連休でゆっくり休みたいものですね。

とか言いつつ動画のストックが全然作れてないのでそっちの予定を少しメモ。

「再」「睨」「憶」の短編ホラー3連は終了。ちょっとずつ時間が伸びて行ってそこまで楽には作れなかった。「憶」はかなり端折ったんですけどね。

ストックとして完成してるのは「月喰」「あんまり仲良くない二人」の2本のみ。

「月喰」はブログに埋まってるつくよみちゃんの短編。思ったより満足のいく出来になった。立ち絵が良かったね。

「あんまり仲良くない二人」はついに来た演劇部組の日常系動画。あかりちゃんとマキさん。今週の動画はこれになると思う。

ほぼほぼ完成してるのは小ネタ集とゆかりさんと茜ちゃんの日常系動画。タイトルとエンディングをちょっと悩んでるので保留している。

LosstimeLifeのニューアルバムが発売予定でその表題曲「アカイユビサキ」が気に入っている。フリー楽曲として使わせてもらえるならそれで新しくエンディングを作ろうかと思ってる。

日常系動画2本からの流れでそのまま葵ちゃん編の補遺に入る予定。始め方で迷ってたが葵ちゃんがずん子さんの手伝いをしているシーンから回想で入ろうと思う。

合間に小ネタ集ともう1個「肝試しに行く演劇部」を挟むか、「月喰」と中学生編の日常回を挟むかは未定。補遺を作り始めるより先にそっちを作っちゃうかも未定。

色々と未定が多い。今結構やる気が湧いてる方だが向き先を決め兼ねてる。

他に作りたいなと思った動画メモを少々書いて終わる。


「静寂をあなたに」

結月ゆかりを主人公とした演劇部の動画。

いつにも増して奇行を繰り返すゆかり。普通に雰囲気が悪くなって邪険にされるもそのまま街へと繰り出していく。

ゆかりに負の歴史を増やさないため同行する茜。ゆかりはそんな彼女に声が聞こえないのだと語る。

頭の中の声を取り戻そうと奮闘するゆかりの演劇か現実かわからない感じの動画。


「旅館に泊まる演劇部」

多人数の視点で物語が進行する動画。

腰をやってしまった結月ゆかりに東北ずん子は湯治を勧める。

ゆかり、茜、葵、マキ、あかり、ずん子、めたん、そら、うさぎ、ずんだもんの10人で大江戸ちゃんこが営む旅館に泊まりに行くことになる。

大所帯に苦戦しつつもグループ間交流を楽しむ一行。普段話したことのない人たちとも親睦を深めていく。

ホラーかミステリどっちで行くか未定。ホラーだと能力者組が勝っちゃうので幽霊が出たとしてもミステリ寄りの方へ行きそう。死体探しとか。

5分ぐらいで切りつつ連載する構想。たぶん形にはならない。


「私はオタクじゃありませんっ!!」

宮舞モカのデビュー作。買ったら作る。

モカマキ動画。一見ギャグっぽい奴。


2024年4月14日日曜日

ベッドにニスを塗ってたら休日が終わった

やりたいこといっぱいあったのに…なんにもできなかった…

すのこベッドを使ってるがやはり無垢材はダメだ。すぐにカビが生える。

ホームセンターで1000円くらいのニスを買って塗ったので暫くは持ってほしい。もう1回くらい塗らなきゃかも。


それはさておき。

入社式を終えてから2週間、まだまだ研修期間なこともあり思ったよりは時間がある。

ある程度動画投稿の見通しを立てておきたい。

とりあえず短い動画を幾つか作り貯めして投稿間隔が空かないようにするのを初手とする。

今はとりあえず「再」と「睨」を作った。「再」は昨日もう出しちゃったけど。

どっちもちょっとわかりにくいショートホラー。ブログに書いた時はもっと単純なイメージだったけど動画にするにあたり説明不足な印象のある仕上がりになった。

「再」はイヤリングが落ちるという事象が2回目であると同時に、押し倒されて首を絞められるという事象も2回目であることを悟るという落ち。

「睨」は隣室の男をストーカーしていたのではなく、隣室に囚われた少女を助け出そうとしていたという落ち。

どっちもこう書けばそれだけの話だが完成形の動画を見るとパッと意味が分かるかなぁと思ってしまった。

本当に分かりにくい話なのか、自分の中の勘が鈍ってるからそう感じるのか。わからん。

次は「憶」を作る予定。これももう半年くらい前にブログに書いた奴か。

今一つ老婆の絵をどうするか決め兼ねてるがなんかいい感じに見繕う。

他にも何個かショートホラーを作ろうと思うがあまりまだ纏まりきってない。

きりたんとウナちゃんが主人公で学校の怪談的なのをベースにしたホラー…なんだがゾッとする感じがない。もう少し練っとく。


小ネタをメモ。

誰も居ないはずの家。ご機嫌で帰宅しふざけて「ただいまー!」と口にする。「おかえりー」と声が聞こえる。

心霊スポットに遊びで入り込む。「連れていけ」と耳元で声が聞こえる。姿の見えない誰か、幽霊だと思い慌てて逃げだす。その場を離れて安心した途端耳元で「出られた」

小ネタ集は没ネタ集と同じく5で終了にさせるつもりだが1本分くらい貯まったら6かExで消化する。


細々とした動画で合間を繋ぎつつ長めの動画も作っていく。

予定としては「補遺」の続き、「長編ミステリを作る演劇部(仮称)」を考えてる。

後者はこの前出した「そろそろチャンネルを伸ばしに行こうか」の流れから結月ゆかりの演劇部や動画投稿に対する心境の変化や葛藤を描いた劇場版。

このブログに埋まってる「ダークゾーン」に書いてるネタが元になる。

長編ミステリを進めつつ、その舞台裏も同時進行で描きゆかりがどういう意図でこの動画を撮っているのかがわかるような構成にする。

不気味な洋館に閉じ込められ、一人また一人と死んでいくミステリシーンと自分の出番が終わった後、出演者たちが次の展開を考察しつつ談笑している舞台裏シーンが交互に入る。

つい勢いで作ろうと思ったけどさすがにグッと堪えて後回し。先に「補遺」の葵ちゃん編を作る。

昨年初期はきちんと行えていた短い奴、短い奴、長い奴のサイクルを復活できるように頑張る。

葵ちゃん編は茜ちゃん編と同じように2話で終わらせる。前編が高校入学から夏休みにずん子さんの別荘にアルバイトに行くまで。後編が夏休みの終わりまで。

心情描写が多くなるので今の精神状態でできるか不安だが最善を尽くす。

ショートホラーだけでは数が足りないので日常系の動画も作っていくつもりだがちょっと詰まってる。

順番的にきりたん、ウナちゃん、ずんだもん辺りをやりたいのだがあんまり内容が思いつかない。

きりたんとウナちゃんは小学校ではどんな感じなんだろう。

思いつかなかったら私立高校組の職場体験編かついなちゃんたちの中学校編にしとく。

中部つるぎが来たら新戦力編でちらっと顔見せする。

予定としてはこんなものか。

ホントは「冒涜者」「這う女」を作りたいけどめちゃくちゃ時間かかりそうだからもう暫く寝かせとく。

青山探偵事務所シリーズとして5本くらいネタが貯まったらやり始めよう。

そんなこんなで今日はおしまい。明日はまた仕事だからもう寝る。

チャンネルを伸ばさないとまずいと言いつつ伸ばす気あるのかという感じのラインナップだがまぁボチボチやっていこう。

おしまい!


2024年4月2日火曜日

チートを使ってゲームの世界で無双する奴

数年ぶりに風邪を引いて寝込んでた。

この初っ端で休んだら絶対面倒くさいことになるので頑張って出社したがしんどかった。

ようやくちょっと楽になってきた。

寝てるとき考えてた奴。


「チートを使ってゲームの世界で無双する奴」

交通事故に遭い、命を落とした主人公。

目が覚めると西洋風のファンタジーの世界に来ていた。

チートを使って魔王を倒し、一日でエンディングを迎える。

それから彼の長く孤独な日々が始まるのだった。


第1章「最後から」

ステータス画面を開き、そこにチートの項目があることに気づく。

どうやら自分は勇者のようで、城に招かれ魔王を倒す旅の始まりを告げられる。

チートを使用し魔王城まで瞬間移動して魔王を即死魔法で倒す。

すると突然周囲の景色が変わり、祝勝パレードの最中に移る。

そのまま姫との結婚式が始まり、彼女との初夜へ。

主人公は自分の幸運と幸福を噛み締め眠りにつく。


城での生活が始まってすぐおかしなことに気づく。

国王も姫も町の人々も、会話が微妙に嚙み合わない。

まるで予めセリフが決められたNPCのように。

嫌な予感は実感へと変わっていった。

誰ともまともにコミュニケーションを取れないストレスは心を荒ませていき、主人公を蛮行に走らせる。

侍女や女騎士、町の女性たちへと次々と手を出していく。

しかし誰も反応が変わらず満たされない思いが募っていく。


第2章「変わらない日々」

会話パターンを知り尽くしてしまい、もう口を利くことが億劫になる。

何を言っても何をやっても嫌がる振りをするだけ。すぐに何事もなかったような態度に戻った。

ある日、姫を殴ってみた。

何をするんですか!やめてください!

もう一度殴ってみる。

何をするんですか!やめてください!

もう一度。

何をするんですか!やめてください!

全く同じセリフ、同じ素振りを繰り返すだけの彼女。

血や痣の様子からダメージが無いわけではないと考え、何か変化が現れないか試してみたくなる。

彼女を殴りつける。何度も。何度も。

死んだ。

動かなくなった彼女を前にして急に現実感が戻ってくる。本当にそんなつもりはなかったのだ。

取り返しのつかないことをしてしまったと気づき、城外へと逃げ出す。そのまま町を抜け森へ。

恐怖と罪悪感に慄きながらも、どこか安心感を覚えた。これで少なくとも今の生活は変わる。


すぐに王国に厳戒態勢がしかれ追手がやってくると思っていたが、いつまで待っても誰も来なかった。

恐る恐る城に様子を見に行く。

姫は何事もなかったように夫である主人公の帰りを笑顔で迎えた。

その後の幾つかの実験により以下のことが分かった。

この世界の住人は攻撃されても制止の言葉を投げかけるだけで抵抗もしないし逃げようともしない。

この世界の住人にも体力パラメータはあり攻撃を受け続けると死亡する。

この世界の住人は死んでも自分と一定距離離れると所定の位置にリポップする。

このゲームの仕様について理解が進むほどキャラへの愛着が薄れていった。

ここは自分のための箱庭なのだと気づいてしまった。

チートを使い暴虐の限りを尽くすようになる主人公。

人々を焼き尽くし、町を吹き飛ばし、最初は爽快だった。

だけどすぐに退屈さと空しさが芽生えてしまった。

無敵、無双。当たり前である。自分しかいないのだから。


第3章「最初から」

主人公はこの世界からの脱出を目指す。

手慰みに女騎士を一人捕まえ、各地を周る旅に向かう。

初めて訪れる町にも関わらず、再会を喜ばれる主人公。

本当はあったはずの出会いと冒険の日々が、初日で魔王を倒してしまったことでスキップされたことを知る。

無理やり連れて来たはずの女騎士も知らぬ間に仲間ということになっており、身の回りの世話をしてくれるようになった。

その町固定のモブ的なキャラではなく、仲間にするという選択肢のあるキャラだったことに驚きを覚える。

もしかしたら自分は、人々がどういう反応を返すかということにばかり気を取られ、人々がどういうことを話しているかをよく聞いていなかったのではないかと気づく。

旅を続けながら、仲間の女騎士や行く先の町の人々と対話を重ねる。

自分が話したいことではなく、相手の言葉に合わせて会話が進むように反応を返すと、まだ聞いたことがないセリフが返って来る。

これもプログラムによるものなのかもしれないが久々に誰かと会話しているような気分になれた。

聞き込みにより、魔王を倒したことで魔物はいなくなったはずが、巨大な魔物の姿が目撃されたという情報を得る。

そいつが裏ボス的な存在であり、真のエンドコンテンツだと推測する。

今度こそゲームを完全クリアすることでこの世界から脱出できることを願い、主人公は最後の戦いに向かう。


その魔物が強いのかどうかは他に比較対象を知らないのでわからなかった。

ただチートによる即死魔法は無効で、他の属性魔法もあまり効いていないようだった。

それでもダメージ無効の魔法を発動している主人公にとっては脅威ではなかった。

これまで戦闘を経験していない主人公には味方を守るという意識が無かった。

魔物に斬りかかったことで攻撃対象が女騎士に切り替わり、彼女が引き裂かれる。

同じく戦闘経験のない彼女は裏ボスに挑めるレベルではなかった。

動揺しつつも人の死に慣れ切ってしまっていたこともあり、魔物の討伐を優先し完遂する。

魔王を倒した時のように突然場面が変わることはない。

外れだったかと落胆しつつも傷ついた女騎士の元へ歩み寄る。

チートには自分の回復はあるが味方の回復はなかった。どうにもならない。

どうやら私はもうダメみたいだ…

死に際の女騎士が口を開く。

仲間の死亡時の特殊演出だろうと冷めた気持ちを抱えつつも、神妙に耳を傾ける。

あの日お前が私を連れ出した時…

女騎士の目に涙が浮かんでいるのを見て驚く。他のどんな場面でもこれまで泣いたキャラはいなかった。

腹を立ててはいたが本当は心の奥底では嬉しかった…

心臓が早鐘を打つ。問題ない。この場面でこの言葉を言うと決まっているだけだ。

なぁ…

初めて彼女と真っすぐに顔を合わせたような気がする。

姫様じゃなくて私を選んでくれ…


死んだ。


動揺してしまっている自分に動揺する。

もう何度も検証して彼女は心のないゲームのキャラだとわかっているはずなのに、本当に仲間を、大切な人を失ってしまったような感覚になる。

本当にそうなのだろうか。

自分の判断が間違っていた可能性は?仲間になったことで性質が変わった可能性は?

生じてしまった疑念を払拭しなければ先に進めない。

彼女を生き返らせる方法を考える。

この場所を一度離れればリポップするだろうか。

町から連れ出し旅の仲間にしたことでそういうキャラではなくなったと思う。

仲間を生き返らせるなら教会だ。

彼女の亡骸を抱え、城下町の教会へとワープした。


彼女の葬儀は恙なく行われた。

勇者を守り命を落とした勇敢な最後だったと讃えられた。

キャラロスト。

ゲームの仕様として女騎士が永遠に失われたことを悟った。

後悔が募る。

どうして彼女を戦闘に連れて行ったのか。どうして味方を守らなかったのか。どうして回復手段を用意しなかったのか。

考えずともわかる。無知故にだ。

チートになんか頼らなければ…手順を踏んで説明を聞いて経験を積んでいれば…こんなことには…

ステータス画面を開き、並んだチートの一覧を憎々しげに睨む。

どうしてこれだけあって一つも仲間のための効果が無いのか。

こうなることを想定して作られた罠のようにさえ思う。いやあるいは本当にそうなのかもしれない。

ふと気づく。チートが増えている。

一番最後に1つ。きっと裏ボス討伐の報酬だろう。

…これまでのことが仕組まれたことなのではという疑念を裏付けるようなものだ。

それでも乗っからずにはいられない。

『最初から』

最後のチートを使った。



【解説】

生前チートでゲームを荒らした人間が送られるタイプの地獄。

これ全員NPCだったらエロくねと全員NPCだったら怖くねの2つが掛け合わされたもの。

チートに頼り身勝手に振る舞ってる間は孤独と退屈の日々で、真心をもって接すれば相手にも心が芽生えて幸せを得られる。

ていう話にすれば綺麗にまとまった説話的なのになりますが、果たしてどうなんでしょうね。

エロとグロを派手に描写できないと話としてつまらないので動画になることはない。

個人的に清楚なお姫様より凛々しい女騎士の方が好み。



2024年3月20日水曜日

年度末決算報告用メモ2023

今年度の収入が確定したのでそろそろ決算報告します。それ用のメモ。

2022年度(昨年度) 180,975円

2023年度 80,070円

半分以下まで落ち込みましたね。ひょえ~。

まぁ再生数の落ち込みは半分どころじゃないのでそりゃそうかというところですね。

来年度は10万円くらい。できれば20万を目指したい(強気)。

伸ばすための手立ては…特に無い!!

ニコニコのクリエイター奨励プログラムの方。

10月くらいに存在を思い出してそこからはたぶん登録してる。

昨年度が2000円くらい、今年度が3000円くらい。

今年は通勤用の鞄になりました。内定式の時は手ぶらで行って気まずかった。

Youtubeでもニコニコでもちょくちょく投げ銭が貰えてありがたいんですが、3、4割持ってかれるのが渋い。ホントに金が余ってる人だけでいいですよ。

あんまり広告単価とかは触れちゃいけないんですが、大体10分以上の動画は1000再生当たり300~400円、5分くらいの動画だと150~200円くらいですね。

つまりまぁ年20万、ちょっと妥協して年18万とすると月1万5000。

この額を広告収入で得るには10分以上の動画なら月4本で平均再生数1万、5分くらいの動画なら月8本で平均再生数1万とかになるのかな。

無理くね?

諦めそうになってきたのでいったん休憩。


休憩から復帰。3日後。

1年の振り返りと今後の展望。

54本の動画を投稿。平均再生数は3000~4000回くらいから1年かけて1000~2000回くらいまで下落。ほぼ底。

上半期の講評。

「愚蛇愚蛇」から始まり「補遺」シリーズを作成。合間に短編や没ネタ集を挟みながら3か月かけてゆかり編を完結。

シリーズ物を作る時はそのシリーズを見ないことを決めた視聴者のために別の動画を挟むべし。Fラン大学就職チャンネルの教えに従い再生数の下落を防いだ。

思ったより「補遺」が再生されたのも大きかった。

7月に没ネタ集、小ネタ集、短編を投稿。あまりぱっとしないネタが多く再生数は落ち込む。個人的にも今の気分はこれじゃないなと思った。

7月の終わりから8月。日常系の動画を投稿。

ハートフルな「家出してきた中国うさぎ」、ギャグテイストな「もうなんでもいい東北きりたん」、その中間の「ねぇ、出てきてよひまりちゃん」等の5本。

久々に作ってて楽しい動画だった。再生数はそれなりに伸び、新規視聴者の獲得にも貢献した。しかし5連発したことで既存の視聴者離れを招いた負の側面もあった。

8月半ばで精神好調ブーストが切れ力尽きる。末に2周年記念動画を投稿。魂の供養をする。

心機一転とも行かずずるずると動画制作を続ける。「補遺」の茜編を始めるが大苦戦。ゆかり編と比べて話の展開にも欠け数字は振るわなかった。この頃から再生数の下落が始まる。

合間に挟む用の「なかよしの魔法」につい手をかけてしまい8分を超える。やはり動画が長いと再生されなくなった。

仕方ないのでショートホラーで伸びやすさを意識。「ちょっといい?」は短く再生されやすい上に高評価だった。shortsでも新規を少し呼び込みチャンネルの延命を果たした。

下半期の講評。

「補遺」の茜編を終わらせる。数字は悪かったが終わらせられたことに安堵。もう今年は宿題を終わらせることに力を注ぐことを決める。

過去の負債「虜囚」を完結させることを決定。これまでの動画をまとめた短編集でお茶を濁しつつ一から作り直す。6まで立て続けに投稿。

シリーズ物の合間に別の動画を挟むことを意識。単発動画を3本上げる。ギリギリ盛り返す。

1月に「虜囚」の7、8を上げて完結。再生数は伸びなかったが評価は悪くなかった。

この頃には再生数が2000を超えるのも難しくなってきていたので輸血を試みる。

「学校に入ってきちゃうセイカさん」の時点では一瞬息を吹き返したと思われたがそこまでの成果は上がらず、そこから1か月に及ぶ怒涛の日常系動画12連発により既存視聴者の流出と新規視聴者の流入でプラスとマイナスを反復横跳びする。

超能力者編の本番「夜の帳が下りる頃、語るは鬼の後影」のために間が空く。結果はプラス30でやや勝ち、ついに登録者7500人に到達。

新規視聴者の獲得や昔見てたけど見るのやめちゃった人のカムバックが目的だったので概ね計画通りと言える。できれば平均再生数2000台まで戻したかったけど。

総評。

方針がブレブレ過ぎる。

創作者として一つ区切りをつけるために「補遺」や「虜囚」を作ったが、チャンネルも諦めきれず再生数が落ち込むたび延命を図った。

その結果チャンネルが生き残れたとも言えるが、無用な既存視聴者の流出を招いたとも言える。

最初から色々な動画をバランスよく出せていれば二兎を得られた可能性はあった。

だがまぁこれには私の精神状態も強く影響するのでしゃーなしとも思う。

もう少し突っ込んだ話。

この1年で再生数が1万を超えたのは「家出してきた中国うさぎ」のみである。この結果は端的に言って惨敗である。

この動画が伸びたのも某中毒うなぎの影響と思われるので私の手腕が発揮された動画は皆無と言える。

ただそれにつられてか日常系夏の部である5本の動画は比較的再生され続けたので私のチャンネル内では数少ない勝機となった。先月になってようやくそこを攻めに行ったが秋頃からちょっとずつ出し続けていればもっと伸ばせたんじゃないかと思う。

既存視聴者の流出について。

残念ではあるがこれも致し方なしと言える。

私の作風の変化についてこれないというのもわかるしそれを抜きにしても時と共に人が減るのは自然なことである。

明るい動画を出したせいで見るのをやめる視聴者が目につくが、長い動画、暗い動画のせいで見るのをやめた視聴者も多いということは念頭に置くべし。やめると言ってやめる奴より黙ってやめる奴の方が多い。

あと個人的なこと。「演劇部を追放される結月ゆかり」や「2周年記念動画」で見せたような自虐的悲観的なシーン。ああいうのは積極的にはやらないということは明言しておきたい。

正直求められてるのはわかるが適切な文脈で用いられる場合を除いてああいうのを入れる気はないし再びテーマにすることも無い。

あくまで表現したいテーマのためにダークな作風になっているだけでダークな作風自体が目的というわけではない。私のこと鬱展開ぶっ込みボットだと思ってる人が居そうだったので。

ダークサイドみたいな表記を入れないのもそれが理由。そのうち「ポルノ的という批評」みたいなタイトルでブログに書くかも。

特定の感情を想起させることを目的としたコンテンツ作りはしないようにと決めてる。

今後の予定。

とりあえず「補遺」は終わらせる。葵編はすぐに取り掛かれるが、他の人たちは使用素材の関係でいつになるかわからない。それでもできれば今年中には…

日常系の動画は気分が乗ったらちょくちょく作っていく。ある程度ラインナップは決めてるので気ままに。

新規獲得チャンス。正直もう無理だろ感があるが諦めずにトライしていく。

可能性があるのはこれまでもやってた日常系と短い単発動画。これは継続。

新しい取り組みとしては逆に30分以上ある長尺動画。劇場版演劇部や青山探偵事務所を考えてる。でも作るの大変なので予定は未定。

没ネタ集を継いで「新春トークショー」みたいな感じでお話を紹介しつつ付加価値を持たせるようなのも可能性はありそう。話の方はガチでそれ以外はおふざけに寄せると思う。

引き続きキャラの掘り下げ、世界観の作り込みを主軸に置きつつも受けを狙った動画もちょこちょこ挟んでいくと思います。それも気分次第、仕事の忙しさ次第ですけどね。

今言えるのはこのくらいです。それでは2024年度決算報告でお会いしましょう。

長文駄文失礼しました。


2024年3月12日火曜日

炎上事件備忘録

先達に学べ。


①「中毒うなぎ」氏

ずんだもんがイキ顔をしているLINEスタンプを販売。改めて文字にするとなんだこの事例。

同イラストは「あぎりさんぽ」氏が知り合いの絵師の「みやち」氏に有償依頼したもので、確か「あもとっと」氏が問題提起。

ずんだもんイラストのスタンプ販売は東北ずん子プロジェクトの規約にも反しており炎上。

LINEスタンプの販売はすぐに取り下げられ「中毒うなぎ」氏は謝罪。

その際なぜか女性であることがわかる胸元を写した写真を添付。男性視聴者を囲おうという意図が勘繰られ再度炎上しかけるもネタに昇華。

多くの関係者に呆れられつつも既存の視聴者には認められ現在も活動中。

一見悪手とも見える対応が功を奏した珍しいパターン。元々の評判がアレだったためダメージが少なかったとも言える。

個人的にはYoutuberなんてものはこのぐらい太々しい方がいいと思う。


②「mini」氏

「miniのドカ食い気絶部」運営者。

「VOCALOMAERKETS」との公式企画「麺処きずな」において「山栗鼠」氏の絵柄に似せたイラストを「すき」氏に有償依頼、それを企画に使用し炎上。

「mini」氏は兼ねてより「山栗鼠」氏の立ち絵を動画で使用しており、以前のコラボにおいても「すき」氏に絵柄を寄せたイラストを依頼していた。

「山栗鼠」氏の似せた絵を他人に頼むくらいなら自分に頼めよという最もな意見により炎上が始まる。

もともと公式の企画と思われた「麺処きずな」が一投稿者とのコラボだったことで燃え気味だったこともあり炎上は加熱。

「mini」氏は今後紲星あかりを使わないことを宣言、事実上の引退表明を行う。

本件においては絵柄の著作権を巡り「山栗鼠」氏、「すき」氏の両名にも飛び火した。

そもそも公式の2次創作である立ち絵、及び絵柄という曖昧なものに著作権が認められるのか。

人の絵柄に似せたイラストの依頼を受けるのは倫理的にどうなのか、許可を得ていないことを知っていたのか。

様々な議論や推測が為されたが、こと炎上事件において事実や法律はあまり意味を持たないので割愛。

その後「VOCALOMAERKETS」側の声明により以前のコラボにおける「すき」氏のイラストが紲星あかりの無断使用であり、特例的に事後承諾していたことが判明。

「mini」氏のコンプラ意識の低さ、「VOCALOMAERKETS」のリスク管理の甘さが露呈した。

「mini」氏は以前から問題行動が多く、親交のあった投稿者仲間からも不満が噴出。

「mini」氏と仲が良かった「めるろう」氏、「青海」氏にも延焼する。

「青海」氏は「mini」氏に代わり弁明。誹謗中傷および住所特定などをやめるように呼び掛ける。

「miniのドカ食い気絶部」における疑惑について、「青海」氏が「mini」氏の替え玉を行っていたことに関しては否定。「mini」氏が料理を食べずに捨てていたことは一部肯定した。

その際「miniのドカ食い気絶部」が「mini」氏と「あんぐら本舗」氏の2名で運営されていることが認められる。

「あぎりさんぽ」氏が「mini」氏の炎上を受けて自身の火種について見解を表明。次項の炎上事件につながる。


私も「麺処きずな」の企画が行われた「じゃぐら高円寺」に足を運んだ。平日ということもあり盛況とはいかなかったが隣の席の人もコラボメニューを頼んでいて安心した。

公式と企業のタイアップ企画の先駆けにケチがついてしまったのは非常に残念だが、今後も臆することなく商業展開が行われることを願いたい。


③「あぎりさんぽ」氏

メンバーシップの特典バッジに「坂本アヒル」氏の絵柄に似せたずんだもんのイラストを使用したことで炎上。

「mini」氏の炎上を受け自身の火種を取り去ろうとした結果逆に藪蛇をついた。

東北ずん子プロジェクトにずんだもんのイラストを使う許可は取っていたが、そのイラストは「坂本アヒル」氏の絵柄に似せて「みやち」氏に依頼したものだったため「坂本アヒル」氏が苦言を呈する。

それを受けて「あぎりさんぽ」氏は謝罪。メンバーシップを停止し一部動画を削除。「坂本アヒル」氏に和解を申し込もうとするもブロックされていたとして引退を表明。

即日の対応であり翌日に「坂本アヒル」氏が帰宅して言葉足らずだったと弁解。進退にまで言及するものではないと補足する。

現在水面下で「あぎりさんぽ」氏と「坂本アヒル」氏の話し合いが行われているかは不明。

「あぎりさんぽ」氏引退の余波は大きく「坂本アヒル」氏に不満を述べる視聴者や後を追って引退しそうになる投稿者も現れる。

所感を述べる。

「あぎりさんぽ」氏の対応について。

自身の火種を取り除きたかったことはわかるが無理筋だったと思われる。

そもそも当イラストは「中毒うなぎ」氏がLINEスタンプとして販売しようとして炎上したものであり、絵柄のトレースは「mini」氏の炎上の原因となったことである。

東北ずん子プロジェクトがずんだもんの使用を許可し、「坂本アヒル」氏が立ち絵の扱いを公式に委ねているとはいえ、「坂本アヒル」氏の立ち絵に寄せたずんだもんイラストを自分のチャンネルの商品としていいとは言われていない。

完全に黒とは言えないが白とも言えない事例であり、「坂本アヒル」氏の目に入る場所で自身の潔白を表明するのは悪手だったと言える。

その後の対応においても初期対応の早さ、的確さは流石だったと言えるが、引退までするのはやり過ぎだし早過ぎである。

阿漕な稼ぎ方をする以上やらかしたら腹を切ると決めていたのだろうが、1週間、少なくとも3日は空けるべきだった。

視聴者や他の投稿者どころか「坂本アヒル」氏本人すら受け入れられない謝意はもはや攻撃である。

「坂本アヒル」氏の対応について。

あくまで苦言を呈しただけであり、「あぎりさんぽ」氏および視聴者の反応が過剰だったと言える。

立ち絵のトレースやその商用利用に関して私は認めていないと意思表明しただけであり、「あぎりさんぽ」氏の作風への嫌悪やイラストの使用の差し止めなどは一言も言及していない。

言質取ったりといったように「あぎりさんぽ」氏を攻撃しに行った奴は「あぎりさんぽ」氏のアンチなだけでなく「坂本アヒル」氏のアンチでもある。

最大限言葉を選んだであろうあの投稿でも燃え上がってしまうのはネット炎上の難しさを感じる。

邪推になるが「坂本アヒル」氏は元々「あぎりさんぽ」氏のことが嫌いだったと認識している。

2年前「腰振りへこへこずんだもん」以来、過激なキャラづけやBB素材が流行したことは周知の事実だが、「坂本アヒル」氏は許容はするが歓迎はしていないという印象を受けていた。

直接苦言を呈したのは私の知る限り一度きりだが、ずんだもんの立ち絵を作り直したりと思う所はあったのではないかと感じる。

その過激派の筆頭である「あぎりさんぽ」氏が行った表明は、まぁ頭にきたんだろうなと思われる。

「あぎりさんぽ」氏は自身がヘイトを向けられている自覚のある人だと信じていただけに、今回の件は残念である。

数字を持ってる人間がこんなポンポンやめてたら業界が持たないので何とか和解してほしいと切に思う。



以上3件の炎上事例を受け、所感をまとめる。

まず、いずれも登録者数10万人以上の大手チャンネルである。

規模が大きくなると燃えやすくなるのか、規模を大きくする上で燃えかねないこともしなければならないのか。謎である。

いずれの事例も金銭関係、著作権関係の問題が発端でありボイロ(広義)の扱いの難しさが感じられる。

金目当ての投稿者は問題を起こすという言説もあるが、いずれの事例においても広告収益と比べたら端金である。

お金に目が眩むというよりは金銭感覚がガバった結果、少額であっても金銭の授受が発生することに関しては権利関係を徹底しなければならないという意識が薄れたと考えられる。

個人的にはメンバーシップやLINEスタンプのような商売は最初から禁止してしまった方がいいと思う。

次に、元々ヘイトを集めていたチャンネルである。

人気を集めている一方、過激な作風で嫌悪感を持っている人も多かったチャンネルである。

特に「mini」氏に関しては以前から匿名掲示板で多くの誹謗中傷が行われており、いつ発火してもおかしくなかったと思われる。

動画自体への嫌悪、投稿者自体への嫌悪、それにも関わらず人気がある、お金を稼いでいることへの嫌悪が根底にあると考えられる。

これは有名になる以上どうしても避けられないことなので言及は避ける。

好悪と是非は切り分けられるべきであり、多くの立ち絵製作者、投稿者、視聴者もわかっていると信じている。わかってない奴はわかれ。

最後に、業界全体への所感を述べる。

VOICEVOXやCoefontといった無料ソフトの出現、ずんだもんブームによる人口の増大は最近では落ち着きが見られる。

もう少し踏み込んで言えば再び衰退傾向になりつつあると言える。

新規を取り込めなければ先細りし続け、いずれ滅びるというのは私のチャンネルの動画の再生数を見るとよくわかる。

その中でチャンネルを伸ばし、新規視聴者を獲得し続けているチャンネルは業界の宝である。

「mini」氏の炎上の際、公式の対応の甘さが槍玉に挙がったがそれも無理からぬ事だと思う。

ここで言う公式というのは「VOCALOMARKETS」ひいては株式会社エーアイや株式会社AHSのようなメーカー側のことである。

分裂と対立というメーカー側の問題もあるとは言え、ユーザー側の危機感の無さは元々外様だった私には異常に思える。

ボイスロイドは商品であり、業界に貢献するというのは売上を伸ばすということである。

身内でワイワイすることではないしキャラを愛でることでもない。

投稿者は使わせてもらう立場だがメーカーは投稿者に使ってもらう立場である。動画が出て知名度が上がり人気が出ることを期待されている。

ソフトが売れる、グッズが売れる、イベントが成功する。そういった実利を伴う成果だけが意味を持つ。

無意味なことをやって何かをやった気になっていないか。貢献したつもりになっていないか。

金目当て人気目当て大いに結構である。それで参入者が増えてソフトが売れるなら万々歳ではないか。

再生数や登録者、そして収益。そういったものに無関心な人間は結局のところ業界の未来に無関心なのだ。

ゆっくりならばアクエストークは年間使用料があり、維持費は賄える。

東方プロジェクトはゆっくりが伸びようが伸びまいが関係ない。

だがボイスロイドは買い切り型の商品であり、継続的なキャッシュフローがない。

だから新型や新キャラを買ってもらったり、グッズやイベントで収入を得る必要があるのだ。

キャラの版権元だって趣味でやってるとこばかりじゃない。利益が上がらなければいつまでも続けられないかもしれない。

年々商品の販売スパンが上がっていることに何も感じないか?

年々商品の値段が上がってることに何も感じないか?

今こうしている間にも従業員の賃金は発生してるし開発コストだって積み重なってる。

そういう現実的な部分に目を向けずモラルがどうこうリスペクトがどうこう幼稚な自説を垂れ流す連中が目に余る数週間だった。

ドカ食い気絶もずんだもんのオナニーも嫌いだったが、こういう人間が一番嫌いだ。

品行方正じゃなくても成果を上げているなら優遇すべきだし庇護すべきだ。だって他に代わりがいないんだから。

あの規模の投稿者が生まれるのに何年かかった?これからまた生まれるのに何年かかる?

何も考えずに叩いて潰してハイ終わりだ。後に続く者なんて出やしない。

だから滅びる。

もっとキャラ本来の魅力を引き出したり、ミーム的じゃないストーリーで魅せたり、そういうのが好きなのはわかる。

だが好きなやり方で成果を出せないのはこっち側の問題であり、あっち側を引きずり下ろしたところで共倒れになるだけだ。

ニコニコの衰退っぷりはさすがに看過できないレベルになってるしYoutubeで伸ばすしかないのにこの様だ。

業界の未来は暗い。



2024年3月11日月曜日

採用されるかわからない裏設定2

大江戸ちゃんこ

相手を支配する能力。ランクはB。

能力者による秘密結社『大都会』の総帥。年齢は未定だがずん子達よりは年下。

予め念を込めた塩をぶつけることで対象を洗脳、支配できる。

強力な能力者だがちゃんこ本人の戦闘能力は乏しいため、力士を模したロボットに乗り込んで戦う。

力士ロボは彼女の自作であり、能力の反射など高い技術力を持っている。

『大都会』を設立した経緯、組織上層部との因縁などはまだ考えていない。たぶん明らかにされる機会も無い。

「能力者が優遇される社会」を理想とするが、その実態は超能力の存在が明らかにされ人々のために超能力が活かされる社会である。

露悪的な言動や態度を好むが部下からは見透かされ慕われている。

普段は旅館の若女将として働いている。児童労働とかは気にしてはいけない。


中部つるぎ

刀剣を操る能力。ランクはA。

ちゃんこの腹心。『大都会』の最大戦力。

妖刀を作り出し、ファンネルのように操れる。ビルを細切れにできるくらいの出力がある。

元々組織のエージェントだったが自身の力に驕った結果、初任務で民間人に怪我を負わせる。

その事実を知った剣術家の父から初めて殴られる。父は能力者ではなく、つるぎの能力を以てすれば殺すことなど造作もなかった。

それでもつるぎの父は一切物怖じすることなく、娘に力ある者の責任を説いた。

つるぎは己の不徳を恥じ、怪我をさせてしまった者たちへの謝罪に向かった。しかし彼らは記憶を消されており、何が起こったか覚えていなかった。

組織のやり方に疑問を抱きながら家に帰り、父にそのことを報告する。

父は何のことだかわからないといった顔をした。父も記憶を消されていた。

数少ないランクAのエージェント。その初任務での失敗を無かったことにしたのは組織からの気遣いだった。

その後つるぎは組織と決別、ちゃんこに感銘を受け『大都会』に入る。

「強さ」に重きを置き強者との戦いを望むが「強さ」以外の価値基準を持たないわけではない。能力に関しても単なる特技や長所の1つ程度としか捉えていない。

普段は旅館の庭師として働いている。仲居として働く同僚たちを尊敬している。


関西しのび

分身を作り出す能力。ランクはB。

ちゃんこの腹心。『大都会』ではつるぎとツートップ。

実体を持った分身を作り出せる。しのび自身が能力とは関係なく戦闘力が高いので数が増えるだけで脅威。

忍びの里出身で忍術もとい暗殺術を使いこなす。ずん子ほどではないが高い身体能力を持った特異体質者。

野良の能力者として認定を受けるもエージェントからの接触は煙に巻いていた。

一匹狼を気取っていたがちゃんこのことを気に入り『大都会』に加わる。

同じ理想を持った仲間というよりは純粋な友達として手を貸している。

普段は旅館の仲居として働いている。分身能力は客室を掃除する時とかめっちゃ便利。


北海道めろん

相手を魅了する能力。推定ランクはC。

『大都会』のメンバー。未登録の能力者でそんなに強くない。

魅了の能力は常時発動しており周囲の人間を欲望に正直にさせる。

自分に惚れさせて言うことを聞かせることもできるが本人が望んでいないことはやらせられない。

能力者には効き目が薄く能力者じゃなくても意志の強い相手には効かない。

ほとんど戦力外だがバトルではない対人トラブルを収める時は活躍する。

普段は旅館の仲居として働いている。客の財布の紐が緩くなって便利。


沖縄あわも

酔うと喧嘩が強くなる能力。推定ランクはC。

『大都会』のメンバー。未登録の能力者でそんなに強くない。

砂糖水で酔っ払い、酔拳で戦うことができる。

この背格好の少女にしちゃ強いが超能力者か?ってなるくらいの強さ。

余談だがこれまでの人たちが上澄みなだけで大半の超能力者はランクCのあんまり役に立たない能力の持ち主である。

本当の能力は相手を正気に戻す能力。

予め念を込めた砂糖をぶつけることで相手を正気に戻せる。

ちゃんこと対を成す能力だが出番があるかは不明。

普段は旅館の仲居として働いている。たまに魚を獲って来てくれる。


夜語トバリ

触れたものの記憶を操る能力。ランクはB。

古株のエージェント。少なくとも10年以上前から活動している。

元は物体の記憶を読み取るサイコメトリーの能力だったが、人の記憶を操作することに特化していった結果残留思念を読み取ることは難しくなっている。

組織の設立メンバーとも面識があり、色々と運営の覚束ない組織の尻拭いをする苦労人でもある。

上述の一件でつるぎからは嫌われており、一時期一緒に暮らしていためたんからも性格的な面から信用されていない。

本人の戦闘能力は皆無なため貸し出された式神や捕まえた妖魔を使役して戦う。

記憶を消去した場合はその時のことを思い出せなくなる。時間が経つと本人にとって最も妥当な内容に補完される。

記憶を改竄された場合は本人には自覚できない。他の記憶と矛盾する場合は改竄された部分以外が都合のいいように改変されて補完される。

どちらの場合も精神を不安定にさせる副作用がある。

国家転覆可能なレベルの能力だと思われるがランクはめたんやうさぎと同じBである。これはまだ人の記憶を覗ける能力だった頃から更新されていないためである。

記憶を全消去して廃人にする即死攻撃持ちだと思われているが実際は触れてから数秒はかかるのでブラフの側面が大きい。


組織の幹部

組織の設立メンバー。4人か5人を想定している。

①リーダー。純粋な戦闘系の能力者を想定している。

ずん子と互角に撃ち合えるレベルだと良さそう。

パクリだがエネルギーをチャージする能力。

②副リーダー。陰陽系の術師。

式神による補助や監視を行う。

この人物の家系が後ろ盾となり組織設立の一助となった。

③予知能力者。一番厄介な存在。

予知対象を絞るほど精度と頻度が上がり、リーダーのみを対象とした場合は完全予知を行える。

現在は日本全域を対象としてランダムに能力者や妖魔の出現情報を予知している。

④メカニック。あるいはサイエンティスト。

無人攻撃機や能力者を目覚めさせる薬の開発に携わる。「天恵」のハイドの製作者。

近年はアンドロイドの研究に熱心であまり組織には関わらない。

➄暗黒大将軍。入るか不明。


強力な能力者が複数人集まったらそれだけで天下が取れてしまうという社会問題のモデルケース。

十分な計画と準備を怠ったまま日本を牛耳ったことで国内外に無用な軋轢を多く生み出した。

日本を陰から支配する予定だったが人手が足りず政財界からは締め出され、超能力者や妖魔関連の調査と研究を担当する部門に成り下がる。

潤沢な資金を流し込まれながらも組織運営は上手くいかず、ちゃんこ、つるぎ、ずん子、めたんと有望な若者から次々と見放される。

原因としては秘密主義で縁故主義な上にプライドが高くデリカシーに欠けるという所である。

本当は超能力の研究がしたいトバリがエージェントに回され、未だに現場作業を行ってるあたりにヤバさが表れている。

能力者のピークは10代から20代であり、幹部陣は既に老化が始まっている。

戦力を拡充し、今度こそ海外進出をという動きはリーダーに花を持たせてやろうという意味合いが大きい。

悪の組織ってほどではないが糞みたいな組織。


黒朱乃宮・セプテントリオーネス・ラ・クロワ

直線を高速で移動する能力。ランクはB。

新米のエージェント。めたんの後輩。

黒朱乃宮・ティンティナーブルム・リリンとの関係は不明。

目標地点を目視で決めそこまで高速移動することができる。めたん同様火力不足を補うため魔装が供与されている。

エージェントに選ばれるだけあって結構強いが調査官としての仕事ぶりは芳しくないらしく、トバリの悩みの種となっている。

実は…


†聖騎士紅桜†

鎧と剣を操る能力。ランクはB。

新米のエージェント。めたんの後輩。

鎧と剣を生成し騎士のような恰好をしている。

かなりの耐久力と攻撃力を誇り、めたんからは自身と互角にやり合えると期待される。

クロワと比べて思考力や判断力も高く、戦力としての信頼は大きい。

欠点としては絶対に鎧を脱がないので移動が困難であり、エージェントとしての働きも絶望的である。

実は中身はまだ中学2年生の少年。



2024年3月10日日曜日

深海で揺れる炎

第n+1話「深海で揺れる炎」

めたん、つるぎの二人は組織の上層部と接触するため東京に来ていた。

かつて組織の一員だった二人だが、幹部と会ったことは一度もなかった。

旧知のエージェント、夜語トバリと連絡を取っためたんは、うさぎに何が起こったのか、うさぎをどうするつもりなのか問いただす。

しらばっくれるトバリだったが彼女が幹部に準ずる立場の人間であることはわかっていた。

観念したトバリは隠れ家にめたん、つるぎを招く。そこには護衛としてクロワもいた。

つるぎとは過去に因縁があり、居心地の悪そうなトバリ。事情をわかっていないクロワは場を和ませようと空回る。

うさぎの能力が暴走し、島内に彼女以外の生存者はいないだろうことが告げられる。

めたんは動揺を隠し、どうやって知ったのか問う。

連絡が途絶えた時点で偵察機を送り、状況を確認。現在対応を協議中だと答える。

めたんとつるぎは手際の良さに違和感を覚える。

カマをかけられボロを出したトバリは、送られたのは偵察機ではなく攻撃機であり、捕獲を試みるも失敗。島内の船舶を破壊して隔離状態にしたことを白状する。

初めからうさぎを覚醒させ、捕まえることが目的だったような対応にめたんとつるぎは憤る。

そもそも能力者を目覚めさせる薬をなぜ作ったのか、それをむざむざ奪われてなぜ平気でいるのか。

問い詰められたトバリは組織の現状について話す。

幹部陣は世界征服の夢を諦めておらず、ここ数年戦力の拡充に力を注いでいる。能力者を目覚めさせる薬もその一環である。

薬を奪った過激派とグルだったわけではないが、それで強力な能力者が生まれるならと見過ごした可能性はある。

怒りを露わにするめたんとつるぎに、トバリは協力を申し出る。

組織の増長と腐敗は目に余り、世代交代が必要だと説く。

クロワも交え、今後はずん子達や『大都会』と手を組み「組織」の打倒を目指すと話がまとまりかける。

めたんだけは賛同しなかった。


らしくない。そう思った。

つるぎは過去の遺恨は忘れ今はトバリと手を組むのが最善と語る。

クロワはこれまで何も知らなかったが今後は一人の能力者として正義を貫くと語る。

トバリは道理を捨てた組織にこれ以上義理を立てる理由はないと語る。

何もおかしいことはない。そのはずなのに。

めたんはトバリに問う。

夢はどうしたのかと。

虚を突かれたようなトバリ。

めたんの知るトバリはこんな人間ではなかった。人命や倫理よりも自身の興味を優先するはずだった。

いつからか盲目的な組織人になり、今それもやめて献身的な良識人になろうとしている。

こんなのはらしくない。

トバリはそんなのは昔のことだと笑う。若い頃は向こう見ずな情熱もあったが、年を取れば落ち着きを得て世のため人のためと考えだすのは自然なことだと。

トバリの言うことももっともだ。めたんの目に映るトバリの姿も確かにそのように見える。

それでも違和感が拭えないのは、めたんもトバリも超能力者だからだ。

凪いだ海のような心の奥底で熱い炎が揺れているように思えてならなかった。

自分もそうだから。

どうすれば信じてくれるかと尋ねるトバリに、めたんは幹部の情報を教えるように迫る。

トバリは設立メンバーである4人の能力を開示する。

めたんの疑り深さにつるぎとクロワはうんざりした様子を見せる。トバリはどこか楽しげだった。

これ以上トバリを追求する材料もなく、とりあえずは協力関係を結ぶことを承諾する。

求められた握手に応じようとしたつるぎの手を払いのける。

トバリの能力の発動には身体接触が必要だ。

めたんは初めて会った日以来一度もトバリに触れさせていない。


クロワはトバリがめたんが思っているような人物ではないと説得する。

幼いクロワを引き取り、育ててくれた。家族のような存在だと。

めたんはその言葉に引っかかる。

クロワは自分より年上だ。いったいいつの話だろうか。

トバリはそれは人に言いふらすようなことではないと口止める。

脛に傷のある者も多いこの界隈では過去を詮索することは厳禁だった。

めたんはその不文律を破った。

クロワに続きを話すように促す。つるぎは空気が変わったのを感じ取り身を固くする。

クロワは場の張りつめ始めた空気には気づかないようで、自身の過去を語る。

裕福な家の生まれで物心ついた頃から能力者だった。

生家が没落してからはトバリに引き取られ、一緒に暮らしながら能力について教えられた。

その恩義もあって今ではエージェントとして働いている。

めたんにとってそれは聞き覚えのある話だった。その人生は自分が辿ったものと同じだったから。

めたんが天恵のハイドを構える。トバリは何も答えない。

状況のわかっていないクロワにめたんが自身の過去を明かす。

二人がトバリと一緒に暮らしていたと記憶している時期は被っていた。

どちらかが記憶の改竄を受けている。

トバリは両手を上げて降参し、記憶を弄ったのはクロワの方だと告げる。

これまでの人生を全部忘れたいという願いに応え、エージェントになる際に記憶を消して新しい記憶を植え付けた。

一から都合のいい記憶を考えるのは難しかったので、めたんとのエピソードを利用したと。


不信感を隠せないめたんとつるぎ。クロワも困惑した様子だった。

明らかに倫理的な一線を超えた行動。もはやトバリを信用することはできなかった。

記憶を元に戻せないのかという問いかけに、トバリは無理だと答える。

テープに別の録画を入れたようなものだ。トバリの記憶を元にクロワの記憶を再現してまた入れることはできるが、それも上書き保存に過ぎない。

クロワは忘れたい記憶だったなら仕方ないとトバリを庇うが、本当にクロワが望んだことだったのかはわからない。

めたんは魂に関する自説を述べる。

肉体と重なるように霊体が存在し、同じ働きをしている。脳から消し去られた記憶も魂には残存している。

めたんはずっと魂に関する研究と修練を続けてきた。それは自分の能力をもっと効率的に利用するためだけでなく、トバリの能力を対策するためでもあった。

エネルギー譲渡によって霊体を刺激し、記憶を蘇らせられるかもしれない。

めたんがそう語り終えた瞬間、トバリは既に行動を起こしていた。

めたんが牽制に繰り出された式神を切り裂いた時には既にトバリの両手はクロワの頭に添えられていた。

育ての親を守るため、家にやって来た襲撃者を迎え撃つ。

そういうことになった。


トバリは使役していた全ての妖魔と式神を放ち、逃走を図る。

クロワの速度に反応できなかったこともあり、物量に押されためたんとつるぎは苦戦を強いられる。

勝てない相手ではなかったが、長引けばトバリを取り逃がすことになる。

逃げたということは後ろめたい事情があったということだ。

簡単に記憶を書き換えられるクロワは便利な手駒だったろう。知られたらまずいようなことにも協力させていた。

だからこそ記憶が戻る可能性が出てきたことで逃げるしかなくなった。

めたんとつるぎはそう判断した。

トバリの能力は危険だった。ここで逃がして敵となった場合、どれほど厄介な事態になるか想像もつかない。

めたんは躊躇わなかった。

つるぎに防御を任せ、遠ざかっていく気配に集中する。障害物など関係ない。距離と方向さえわかれば。

めたんは天恵のハイドを投げた。

「投擲」。最大の威力と貫通力を誇る文字通りめたんの必殺技だった。


全ての妖魔と式神を倒し、クロワを捕まえた二人はトバリの元に歩み寄る。

めたんの投擲は正確にトバリの胴体を貫き、致命傷であることは誰の目にも明らかだった。

めたんの治癒能力ならば延命させられるかもしれない。ただトバリと接触することは同時に記憶の改竄を受ける可能性もはらんでいた。

めたんが死ぬ前に何故こんなことをしたのか答えるよう求める。

トバリは答えない。答える気が無いのか答えられるような状態に無いのか。

つるぎがクロワに記憶を返すように求める。

クロワにとっては突然現れた謎の女達に恩師を殺されたような状況だった。

トバリが片手を上げる。つるぎは警戒しながらもクロワに触れさせた。

記憶の上書きではなく記憶の譲渡。トバリが見たクロワの記憶が継承される。

それは見覚えのない走馬灯のような体験の伴わない記憶だったが、クロワの目にはなぜか涙が溢れた。

トバリは尚も手を上げ続けている。

めたんは何を求められているかわかっていた。

初めてトバリに触れられた時、記憶を改竄できると聞かされて幼いめたんは能力の怖さを思い知った。

自分が自分で無くなることは、めたんにとって唯一の恐怖だった。

だが数年の研鑽によりトバリに能力を行使されても抵抗できるだけの目途はついていた。後は実践あるのみ。

めたんはトバリの手を握った。

トバリの記憶が流れ込んでくる。

古びたワンルームのアパートで目覚める。台所を見ると小さな女の子が朝食を作っている。

振り向いたその子はちょっと不機嫌そうに早く起きなさいと言った。

めたんとトバリが一緒に暮らしていた頃の、ほんの何気ない出来事。

なぜトバリがこんなものを見せてきたのか、めたんにはわからなかった。



記憶は情報の蓄積でしかない。その根底にどのような心情が存在したのかまではわからない。

それは私が自身の能力について出した結論だった。

彼女にできる限り全ての記憶を見せようとする。きっと彼女は混乱しているだろう。

私の記憶をどれだけ覗いても、私の心の奥底まではわからない。

「私を困らせようとしてるのね。」

彼女が呆れたように言った。どうやらバレてしまったようだ。

「目的を果たすためなら手段は選ばなくて、好奇心を満たすためなら危険はいとわなくて、いつも何を考えてるかわからなくて…」

彼女の声が止まる。

「そんなあなたのことが好きだった。」

その言葉に私は瞳を閉じる。

蘇るのは一番幸せだった頃の記憶。幼い彼女と一緒に暮らし、能力について教えていたあの頃。

怪訝そうに胡散臭そうに、ちょっと警戒しながらも興味を隠せずにこちらを見るあの顔。

私も君のことが好きだった。

その言葉は口にはしなかった。

「いい人生だった。」

深海で揺れる炎はもう消えていた。



時々出るモブ

別に視聴者が覚える必要は無いが、一応私は覚えておいた方がいいかもしれない。 今この場で適当に名前を決めておいた。 ・カンザキ COEIROINK:青葉 公立高校3年生。 これまで所属する部活から付き合う友人、毎日の自由時間の使い方まで決められていたにも関わらず、進路を決める土壇場...