2023年1月30日月曜日

雪山の怪

私は休日を利用して登山に来ていた。

澄み渡るような晴天の下、真っ白く染まった雪山の景色が良く映える。

重そうに雪を背負った常緑樹の合間を縫い、頂上へと歩を進める。

行程は順調そのものだった。

最初のうちは…


天気が崩れ始めたのは頂上付近に到達した後だった。

初めは少し日が陰ってきたかな程度だったが、瞬く間に吹雪が視界を覆った。

山の天気は崩れやすい。そんなこと飽きるほど聞いていたのに。

私は下山を急いだがすぐに道がわからなくなり、ビバークを覚悟した。

不自由な視界の中、丁度良さそうな場所を探していた時、それを見つけた。

山小屋だ。

私はこれ幸いにと中に転がり込んだのだった。


下調べの際にはこの辺りに山小屋は無かったはずだが…

不思議に思いながら小屋の中を見回す。古びてはいるが荒れてはいない。

「おい。」

不意に声をかけられ、息が止まる。

暗闇の中に誰かの気配を感じる。どうやら先客がいたようだ。

「あんたも吹雪で下りられなくなったのか。」

「ええ。残念ながら。」

姿はよく見えない。声から察するに中年の男だろうか。

同じ境遇の相手が居たことに安心感が芽生える。

「お互い難儀なものですね。」

「…そうだな。」

声が暗い。当然か。遭難しているようなものなのだから。

湿っぽい床に毛布を敷き、腰を下ろす。

バッグの中からコーヒーの入った水筒を取り出し、一口含む。冷たい。

「いつ頃からこちらに?」

「もうずいぶん前だ。」

携帯を開く。やはり圏外だ。

ラジオをつける。やかましい機械音が響き、ノイズ交じりの音声が…

「消せ!!」

「え?」

「すぐに消せ!!」

男の突然の怒声に驚き、ラジオの電源を切る。

私も男も何も喋らない。

山小屋に吹きつける雪と風の音だけが残った。

「…あの、何ですか?」

困惑と少しの苛立ちを込めて問いかける。

こういう時はちょっとでも外部の情報を得なければ…

「二人目だ。」

「は?」

「二人目の男はそれで出て行った。ラジオからそいつのお袋が危篤だってニュースが流れて、ベッドに伏せながらお前の名前を呼んでるって…」

何を言ってるんだ?

男の方を見る。相変わらず姿は見えない。

声からはふざけている感じはしない。むしろ怯えているような。

「何の話をしているんですか?」

「…最初は4人いたんだ。他の奴らはみんな出て行った。」

男が暗闇の中で大きく身じろぎするのがわかった。

「あいつは俺らのことを誘い出そうとしてる。この小屋の中から引っ張り出そうとしてるんだ。ここに居れば安心なんだ。あいつはこの中までは…」

うわごとのように男が語りだす。どうやら錯乱しているようだ。

「落ち着いてください。他にも仲間がいらっしゃったんですね。」

「ああ。」

「そして彼らは出て行った。」

「ああ。」

この吹雪の中で下山を試みるのは無謀だ。だが精神が追い詰められるうちに判断を誤ってしまったのだろう。

「不安な気持ちはわかりますがそう気を落とさずに。もしかしたら無事下山して今頃助けを呼んでくれているかもしれませんよ。」

「はっ!そんなわけないだろう!俺は見たんだ!外に出て行こうとする奴らの身体を真っ白い腕が掴んでるのを!」

…男も限界が近いようだ。

私はどうしたものかと考えあぐねていた。ラジオを聞きたいがあまり男を刺激すべきでないだろう。

2、3日閉じ込められても問題ない程度の食糧は持ってきているが、男はどうだろう。

「ところで食糧などは…」

バンッ!!

弾かれたように山小屋の扉を見る。

雪や風ではない。何かが扉にぶつかった音。

「来た!また来たんだ!お前が来たから!」

男は半狂乱になって叫び出す。

「…以前出て行ったあなたのお仲間かもしれませんよ。」

私は立ち上がり、扉に向かう。

「よせ!開けるな!お前も連れて行かれるぞ!」

「大丈夫ですよ。」

男を適当にあしらい、声をかける。

「誰かいますか?今開けます。」

やめろやめろと騒ぐ男を無視する。

「すまんな。やっぱり吹雪が酷くて進めたもんじゃないから戻って来たんだ。」

扉の向こうから誰かの声がする。男と同年代の声に感じた。

「ほら、やっぱりあなたのお仲間ですよ。」

男を振り返る。男はイヤイヤと言うように首を振っている。

「違う。そいつは違う。偽者だ。」

「そんなわけないでしょう。」

「そんなわけないだろ。」

扉の向こうの彼も同調する。

「三人目だ。そいつは決死の覚悟で出て行った。このままこの小屋の中で死ぬのを待つくらいなら山頂で死にたいと言って出て行った。帰って来るわけがない。」

男は絞り出すような声で語った。

「あの時はどうかしてたんだ。頼む、入れてくれよ。」

ふと違和感を覚える。

耳を澄ます。吹き荒ぶ雪と風の音が騒がしい。

「外はまだ吹雪いてますか?」

「ん、ああ猛吹雪だよ。」

「…そうですか。」

扉から離れ、抑えた声で話す。

「入りたければ自分で開ければいいじゃありませんか。」

「手がかじかんで動かないんだ。そっちから開けてくれよ。」

やっぱり変だ。耳が良すぎる。

外はもっと吹雪の音が大きいはずなのに、どうして小屋の中の声が聞こえているんだ。

それに声の調子もあまりに普通だ。震えてもないし、焦ってもない。

「どうした?早くしてくれないと凍えちまうよ。」

「…とっくに凍え死んでないとおかしいんだよ。」

男が呟く。

私も背筋が凍るような感覚だった。

じっと立ち尽くす。

私も、男も、扉の向こうの何者かも喋らない。

雪と風の音がうるさい。

「頼む。開けてくれ。寒いんだ。もう耐えられない。」

打って変わって泣きそうな声が扉越しに伝わる。

「頼むよ。一人は怖いんだ。中に入れてくれ。」

私はじっと目を閉じ、その時を待った。

「開けろ!開けろよ!なんで開けてくれないんだ!ふざけるな!裏切者!早く開けろよぉ…」

声はやがて怒声に変わり、最後には意味のわからない叫び声になって、途絶えた。


「あれは何なんですか?」

「知るわけないだろ。」

男がぶっきらぼうに答える。

それはそうだ。強いて何かと答えるならば山の怪だろう。もっともその名づけには何の意味もないが。

「これからどうします?」

「どうしようもない。吹雪が止めばあるいは…」

男は言葉を続けない。

自分たちはもう助からないんじゃないか。

お互い同じことを考えていることは容易に想像できた。

コンッコンッ。

軽いノックの音が響く。

「コウ君、聞こえる?」

若い女の声だ。聞き慣れた…

「恋人か?」

男の問いに頷く。

「コウ君、聞こえてるんでしょ?」

耳を塞ぎ、その時を待つ。

「一人目はこれでやられたんだ。」

男の呟きが聞こえる。

「ねぇ、コウ君。お願いだから…」

聞きたくない。なんて残酷なことをするんだ。

「お願いだから目を開けてよ。」

耳から手を離し、扉へと目を向ける。

「だから登山なんてやってほしくなかったんだよ。いつまで待っても帰って来なくて…病院から連絡が来たとき私がどんな気持ちだったかわかる?」

何…何を言ってるんだ…?

「目覚めたら絶対ひっぱたくからね。このまま死んじゃったら絶対許さないからね。だから…」

「聞くな!!」

男が叫ぶ。

「耳を貸すな!あいつはお前を騙そうとしてる!」

あの声は本物なのではないか。私は病室のベッドで眠っていて、今見えているのは幻覚。

いや、山の怪が見せた幻影だ。

「あれは偽者だ!!」

叫ぶ男を見つめながら後ずさる。少しずつ、少しずつ扉の方へ。

「あなたは…」

男の姿はまだ見えない。最初からずっと闇の中だ。

「待て!待ってくれ!お前が行ったら俺はまた一人になってしまう…一人は怖いんだ…」

扉の向こうの何者かは力尽くでは中に入って来れない。目の前の男も力尽くでは外に出ていくのを止められない。

人ならざる者には人ならざる者のルールがあり、それを破ることはできない。

何故だかそんな考えが頭に浮かんだ。

後ろ手が扉に触れる。私はそのまま振り返って扉を開けた。

真っ白い腕が私の眼前に伸びる。

判断を間違えた。

















とっさに閉じてしまった目を開く。

あまりの眩しさに目を細める。

目の前に広がる光景は病室の天井…ではなかった。

辺り一面に広がる雪景色。見上げると青空が広がっていた。

「お前も俺を置いて行くのか…」

男の声がした。

振り向いた先に山小屋など無かった。

どこからどこまでが幻影だったのか。

私は麓に向かって歩き出した。

踏みしめる雪は固く、足取りは軽かった。

振り返って山頂を見上げる。

澄み渡るような晴天の下、真っ白く染まった雪山の景色が良く映える。

山の神は女性だと聞いたことがある。あの白い腕は女性のものだったような気がした。

私は山頂に向かって深々と頭を下げた。

















…おかしい。

さっきも同じ場所を通った。

麓に向かって下っているはずがいつの間にか上に戻っている。

振り返って山頂を見上げる。

山の神は女…

女とはそういう物か。



【解説】

コウ先生用の怪談。想定より長くなっちゃった。

ありきたりな展開でもここまで詰め込めば逆に新鮮だろ。

誰が敵で誰が味方かわからなくなるけど、結局全員敵だったていうオチ。

小屋から出られないのと山から出られないの。どっちがマシかな?

 

ただの友達じゃない/瓶詰の楽園

しばらく忙しくて5分未満の動画くらいしか作れなそう。

てことでそれ用のネタを何個かまとめておきます。 

小ネタ集にするか短編単発にするかは未定。


①ただの友達じゃない

「ごめん、待った?」

彼女が息を切らせながら駆け寄ってくる。

私は首を振り、彼女に微笑みかける。

「ううん、僕も今来たところ。」

「いつも待たせちゃってごめんね。」

「いいよ。僕が呼んだんだから。」

彼女が息を整える様子を見つめながら、呟く。

「その服、似合ってるね。」

「ありがと。今日のために新しく買ったの。」

彼女がいたずらっぽく微笑む。


彼女と並んで街を歩く。

最近寒さが厳しくなってきたこと。駅前の書店が無くなってしまうこと。

他愛ない話が弾む。

こんな風に話せる相手は彼女だけだ。

そっと彼女の右手に私の左手を伸ばす。

触れてもいいのだろうか。わからない。

「お、デートか?」

不意に声をかけられ手を引っ込める。

私は恐る恐る声の主へと顔を向ける。

ニヤニヤと笑う顔。見覚えがある。

確か大学のゼミで一緒の…

「お前も隅に置けないな!」

快活に笑う男、名前は思い出せないが私も笑みを返す。

「ただの友達だよ。」

「ホントにか~?」

「ホントだって。」

少し焦りながら彼女の方に目をやる。

困ったような笑みを浮かべているが嫌そうな感じは見えない。

私はホッと一息ついてそいつを追い払った。

「はいはい邪魔者は消えますよ。」

男は首をすくめて去っていく。

知り合いに会うのは初めてだった。

今後はもっと遠くの場所に行くようにしよう。

そう心に決めた。


映画館。隣の席に座ってスクリーンを眺める。

古典的なデートプラン。

長い時間を喋らずに過ごせる利点にどうしても頼ってしまう。

チラリと彼女を覗き見る。

彼女の目は真剣にスクリーンを見つめている。

私は浮ついた自身の心持ちを恥じ、視線を正面に戻した。

その時、私の左手にそっと彼女の右手が重ねられた。

温かい感触に驚いて彼女を見る。

彼女は変わらずスクリーンをまっすぐ見つめている。

その目がどこか熱っぽく潤んでいるように感じたのは私の願望だろうか。


映画館を出ると辺りはもう薄暗くなっていた。

冷たい風が火照った体にちょうどいい。

楽しげに映画の感想を語っていた彼女が足と口を止める。

「そろそろ時間だね。」

名残惜しそうなその笑顔に胸の奥がざわめく。

「次はいつ会えるかな。」

「…2週間後くらいなら。」

「私、待ってるからね。」

彼女はぺこりとお辞儀すると、駅に向かって歩き出した。

私は彼女を追いたい気持ちを押し込め、寒空の下で立ち尽くしていた。

風が冷たい。


アパートに着いた時にはすっかり夜だった。

ベッドに飛び込み、天井を睨む。

彼女ともっと深い関係になりたい。友達なんかよりももっと。

どうすれば彼女との仲を深められるのだろうか。

…仲を深めたいと思ってもいいのだろうか。

スマートフォンの電源をつけ、画面に映る彼女の笑顔を見つめる。

予約画面に移るが、支払い残高が足りない。

彼女はタダの友達ではないのだ。


【解説】

無料と書いてタダと読む。了。

レンタル友達サービスのお話でしたね。ご利用は計画的に。

レンタル彼女なんて代物が実際にあるらしいですね。現実の方が生々しいな。

とりあえず形にはできましたがまだまだ想像が膨らむ余地がありますね。

最初は軽い気持ちで友達をレンタル。だけどやって来たのは女の子。緊張というか疑いというかそんな感情を募らせながらも共に過ごすうちに、いつしか友情を通り越して恋情が。

女の方はどうでしょう。男をたらし込んで金を搾り取る悪女か。仕事だってことを忘れて本気になっちゃう純情ガールか。

その辺りをはっきりさせるのは野暮ってもんですね。

デートの描写が思いつかねぇし小っ恥ずかしいですわ。


②瓶詰の楽園

真っ暗い路地での出来事だった。

深夜までの残業にはすっかり慣れたが、終電を逃したのは初めてだった。

もはや疲れたとも休みたいとも思わない。

ただ機械的に家へと歩く。

「…もし。」

誰かに呼び止められた気がして足を止める。

「もし、そこのお方。」

声の主は皺くちゃの老人だった。

薄汚れてみすぼらしい。ホームレスだろうか。

「ああやっと誰かに気づいてもらえた。年のせいかあんまり大きな声が出ないもんで。」

声量の問題ではないだろう。こういう時多くの人間は無視することを選ぶ。

「一つお願いがあるんだが聞いてはもらえんか。」

老人が縋るような目つきでこちらを見上げる。わずかな逡巡の末、頷く。

老い先短い人間の頼みを無下にするほど腐ってはいない。

「ありがとう。ありがとう。」

大げさに頭を下げて喜ぶ老人を見つめる。何かを探せばいいのか、どこかに連れて行けばいいのか。

老人の頼みは意外なものだった。

「お願いって言うのはな、これを貰って欲しいんだ。」

差し出された手の上には一つの瓶が乗せられていた。

ジャムを入れるような小さな瓶。暗くて中身は見えない。

「儂の最高傑作だ。これを閉じ込めるのにどれほどかかったか。」

得体の知れないその瓶に私は気圧される。中身はいったい何だろう。

老人はにっこりとこちらを見つめている。

私は恐る恐るそれを手に取り、眺める。

まだよく見えない。

「どうぞご覧になってください。」

老人が街灯を指さす。

私はそちらに歩み寄り、明かりに向かってそれを掲げた。

少しくすんだガラス越し、瓶の中をじっと見つめる。

青々とした草木が広がり、色鮮やかな鳥や蝶が舞い踊っている。

美しいと感じた。

ミニチュアだろうか。だけどこれはあまりに精巧で、生き生きとし過ぎている。

「これはどうやって…」

振り返った先にもう老人はいなかった。


それから私はその瓶を眺めるのに病みつきになった。

どうやって作ったのか、中はどうなっているのか。興味は尽きなかった。

毎日夜遅くまで仕事に出るのが億劫になった。一日中瓶を眺めていたかった。

いつしか私の頭の中をある考えが支配するようになった。

瓶の中に行きたい。

私はその固く閉ざされた蓋を開けた。


気づけば私は草原に立っていた。

青々とした草木が広がり、色鮮やかな鳥や蝶が舞い踊っている。

見上げると澄み渡るような青空が広がっていた。

私は楽園に辿り着いたのだ。









…おかしい。

最近草や木に元気がない。動かなくなってしまった鳥や蝶もいる。

空には厚い雲が広がり、空気も息苦しい。

いや…息苦しいというよりもこれは…

臭う。


閉め切った部屋の中、肉が腐った臭いが立ち込める。

腐乱した指が瓶から離れ、ベットリと黒い跡を残す。

開け放たれた瓶の口へと澱んだ空気が流れ込んでいく。

瓶詰の楽園は緩やかに朽ちていった。


【解説】

私にしちゃ珍しい傾向の話ですね。こういうのなんて言うんだっけ。幻想文学?

瓶詰めの食品って一回開けたら急激に悪くなっちゃうよねってことから考えました。

蓋を開けたことで魂は瓶の中に。外の身体は抜け殻だから蓋を閉められない。

体は腐敗を始め、澱んだ空気は開け放たれた瓶の中へ…て奴。

老人は誰なのかとか、瓶は何なのかとか、なんで男は瓶の中に行けたのかとか。論理的な説明は一切なし。

ぶっちゃけこういうタイプの話は好みじゃない。でも思いついたからには書いとく。

老人も瓶も素材がねぇから動画にしにくい。


以上2つ。いつもはこの形式だと3つやるけど結構長めだからまぁいいでしょう。

まだ形にしてないネタが何個かあるのでしばらくブログに色々書いてます。

追加のボイスロイドも買うか考え中ですね。水奈瀬コウ、京町セイカ、月読アイの3人。

コウ先生は役柄的に使い勝手が良さそう。男だからあんまり出したくないけど。

この前上げた「補講」って言う短編に使いたい。題名「旅立ちの日に」に変えようかと思ってるんだけどどう?

セイカさんも唯一無二。SF系の話に使いやすそう。未来から来たセールスマンの役とかできるかな。

アイちゃん先輩はまだ話が思いつかない。ここまで幼いと使いづらいよね。でもかれい先生の立ち絵があるというアドバンテージがデカい。

3人とも旧式だから合わせても3万行かないのはお財布に優しいですよね。いや別に優しくは無いか一月分の食費くらいだし。

これまでの活動でYoutubeから17万、ニコニコから1700円手に入れてる。ボイロで儲けた金はボイロに使うぞ。

そんなことよりてめぇは就職活動しろよって気もしますが、今は耳を塞いでおきます。いややってはいるよ、やってはいるんだよ一応。

そんなこんなで今日はおしまいさっさと寝ます。

長文駄文失礼しました。


2023年1月27日金曜日

ガガギゴゴゴガ ギゴゲグ?

書くだけ書いて投稿はしない奴。

間違って公開されてたら笑え。

追記)動画出したんで投稿します。やっぱ作ってみるとだいぶ内容変わるね。


ガガギゴゴゴガ ギゴゲグ?

それはいきなり始まった。

おはよう。

いつもどおり声をかけた私にあの子は首をかしげた。

何を言ってるの?


友達も、先生も、お父さんもお母さんも私の言葉がわからなかった。

私は頑張って話した。普通に話してるよって話した。

だけどみんな困った顔を浮かべるばかりで、ふざけないでと私に言った。

みんなおかしくなったと思った。


ある日、大きな病院に連れて行かれた。

白衣のおじさんは心の病気じゃないかと言った。

ストレスから言葉が話せなくなったんじゃないかと。

黙れ。私はストレスなんて感じてない。

私はちゃんと話しているのにお前たちが聞いてくれないんじゃないか。


私は話さなくなった。

変なこと言わないで、普通に話してと親が泣くから。

何も話さなくなった。

いつもだんまり。いつもへらへら。

私だってお話ししたいのに。


久々にあの子といっしょに帰った。

あの子は最近なんで話してくれないのと聞いた。

話してるよと答えた。

心の中で。

いつもだんまり。いつもへらへら。

あの子は怒って駆けだしちゃった。

危ないよって声が出そうになったけど、きっと伝わらないと思って口を閉じた。

そのとたん道からおっきな車が飛び出してきてあの子にぶつかった。

あの子はふわぁーって宙を舞ってアスファルトの上で動かなくなった。

車はちょっと止まったけどそのままどっかに行っちゃった。

私はあの子に近づいて大丈夫って声をかけたけど、それも聞こえてなくて。

誰か、助けて。

私は大きな声を上げて助けを呼んだ。

友達が車にはねられて大変なんです。

歩いている人に助けを求める。

その人はちょっと驚いた後、嫌そうな顔をして去って行った。

もしもし警察ですか?友達が車にはねられて大変なんです。

公衆電話で警察に電話をかける。

お巡りさんはいたずら電話はやめろって怒って切っちゃった。

誰か助けて。誰か。

町を駆け回る。

誰にも聞こえない。誰にも伝わらない。

どうして私の言葉がわからないんだ。


私は何もできなかった。

あれから一度も家を出ていない。

きっと私がおかしいんだ。

そっと呟く。

私の言葉、聞こえる?


【解説】

題名のインパクトだけで決めた。

わたしのことば、きこえる→ああいおおおあ、いおえう→ガガギゴゴゴガ、ギゴゲグ

これだけ~。ガ行に変更された理由とかは説明無し。

皆さんも感じたことがあるでしょう。

自分が話している言葉と他人が聞こえている言葉が同じなのかどうか。

声や活舌であったり意味合いであったり人によって色々でしょうが、この物語ではわかりやすい形で差異を生じさせてみました。

自分の話が理解されないから何も話さなくなるってのはあるあるですよね。

なんか久々にザ表現っていう話で不思議な感じですね。

最後タイトルが表示されるとき、セリフはちゃんと「私の言葉、聞こえる?」って読み上げる予定。

動画ならではの演出ですね。


2023年1月12日木曜日

どきどきマジックショー!!

レディーースエーーンドジェントルメ!

今宵皆様にお見せする手品には種も仕掛けもございません!

その名も人体切断マジック!

この通り台座の箱には何の仕掛けもございません!

中が空洞だったり、左右にずれたりなんてこともありません!

こちらのノコギリにも何の仕掛けもございません!

堅いヒノキの棒だってこの通り!ギコギコ切れちゃいます!

この世紀の奇術に挑戦するこの少女にも、もちろん何の仕掛けもございません!

特別な装備もありませんし、特殊な技能もありません!

家族も故郷もありませんし、戸籍も人権もありません!

このためだけに育てられましたから、生への未練も死への恐怖もありません!

さぁそれでは始めましょう世紀のマジックショー!

イッツショォーーターーイム!!



ふと思いついたやつ。

ホントに切るんじゃないかって違う意味でドキドキしちゃいますね。

それだけ。使い所がわからんね。

これじゃ短いから使い所がわからないのを何個か書いとく。


①リスカ

「こう見えて私だって脱いだら凄いんですよ。」

「嘘つけペラッペラやないか。」

「手首とか。」

「そういう凄さは求められてないねん。」


②手を出す

「据え膳食わぬは男の恥って言うじゃないですか。」

「私女ですけどね。」

「あぁ早く手ぇ出してくれないかなぁ、チラッチラッ。」

「グーでいいですか?」


③まだよくわかってない子供

「コラッ、悪いことした時はなんて言うの(怒)?」

「生まれてきてごめんなさい(泣)。」

「まったくあなたは本当にクズなんだから(笑)。」

「エへへ(喜)。」


どんなタイミングで使うんだって感じのですね。

4コマ漫画とかなら使えるかな?絵なんか描けないけど。

ネタ帳みたいなのにメモッときたい小ネタもたまに書いときましょう。

どんどんブログが雑多になってくぜ!

まだ小ネタ集も完成してないのにもう1月半ばですよ。

半失踪状態ですね。


2023年1月10日火曜日

新年あけおめ

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

途中まで作ってた振り返り動画は完成前に年が明けてしまったのでボツです。

就職先も決まらずもう1年職探しに奔走する羽目になりました。情けないね。

結局何一つ直接的なことは言えませんでした。

どっか入りやすそうな業界探さないとですね。

それはさておき。

年明けにPCを起動したらMicrosoftから通知が。クリックしていくと自動でOneDriveが起動。

次々と同期されていくファイルたち。私はすぐに同期を止め、OneDriveからファイルを取り戻しました。

これまで隔離するだけで放置してきましたが、こいつは生かしておいちゃいけない奴だと気づきましてCドライブからデリート。コントロールパネルからもアンインストールしました。

これでもう復活しないだろうと胸を撫で下ろしたのも束の間、おかしなことが起こりました。

ファイルが開けない。テキストファイルも音声ファイルも開けない。

インターフェイスがサポートされていませんとの表示。

なんのこっちゃわからないので調べてみたところ、dllファイルなるものがデリートされたのではないかと見当がついた。

全くもって消した覚えはないし、ゴミ箱からも発見されなかったのですが、まあ現に不具合が起こってるんだから消えちゃったんだろうってことになった。

そこから色々ネットに転がってる情報を調べて試しました。

コマンドプロンプトに何やら打ち込んでみたり、復元ポイントで回復させてみたり。

でもまぁ上手く行かなくていっぺん最初からやり直すしかないなってことで、Windowsを再インストール。アプリと設定を保持したままでの再インストールでは直らず、個人用ファイルのみを保持した再インストールでようやく直りました。

長く苦しい戦いだった。ていうかその後作業環境を再構築する方が長かったけど。

OneDrive。奴は触れてはならない存在だったのだ。

いやまあホントにOneDriveだけが悪いのかはわかりませんけど。私が勢い余ってメチャクチャなことやってたのかもしれませんし。

でももう触りたくねぇなってことでCドライブ上に奴はまだ残ってます。今は動きを止められてるけどまたいつか動き出すかも。

これまで不具合が起きる度やらなきゃやらなきゃと思いつつやらずにいましたけど、遂にバックアップをちゃんと取るようにしました。めんどくさいし邪魔くさいんだこれが。

でもいちいち再インストールとかやってたら時間がいくらあっても足りませんからね。コラテラルダメージって奴ですよ。違うか。

そう言えばなぜOneDriveを敵視しているのか書いてませんでしたね。まぁMicrosoftユーザーならこいつに辛酸を舐めさせられた人も多いでしょうが。

こいつはですね起動した瞬間、PCのドキュメントとピクチャを全てクラウドに同期しようとしてくるんです。クラウドってのはネットワーク上の倉庫みたいなもんですね。

クラウドに保存されてれば、別のデバイスからアクセス出来たりPCが吹っ飛んでもデータが無事だったりとまぁ色々と利点はあるんです。

ですがねこいつはマジで何でもかんでもクラウドに引っ張ってくんです。もう全部。

そんなことされたら通信量とんでもないことになるし、クラウド上での容量も足りないんですよ。

足りなかったらどうするか。そう足せばいいんです。

有料で。

買って買って容量足りないでしょ、ねぇ買って買って、買わないともう保存できないよ。

うるせ~~~~!!

まぁそういうことです。

Microsoft君はどうしてもOneDriveでお金稼ぎたいらしく、ことあるごとにOneDriveを起動させ、追加容量を買わせようとしてくるんです。

OneDriveは標準搭載、標準起動。PCを買った初っ端からこいつとの戦いが始まるわけです。

クラウドに同期するデータを選択できたり、容量がいっぱいになったらそれでおしまいにしてくれればいいんですけどね。

自動で同期されるからOneDriveがいっぱいになったらCドライブへの保存も差し止められるんですよ。これが意味が分からない。

ここで諦めて追加容量を買う人もいるでしょうが、別にクラウドに保存してもらわなくても結構って人が大半。だからもう黙ってろよって同期を切るわけです。

ここが落とし穴。同期を切られたOneDriveはなぜかCドライブからこれまで同期したデータを全て抹消します。

OneDriveが要らない。ということはOneDriveに保存されてるデータも要らない。じゃあPC本体からもそのデータ消しちゃいますねってロジックなのかな。

頭おかしい。これが原因でMicrosoftはユーザーのデータを人質に取って追加容量を買わせようとしてくるって言われてます。そういう意図もあるのかもしれん。

同期を止められてもOneDriveってモノ自体は残ってますからね。そこにアクセスすればデータは取り返せます。

でもコピーペーストしようとすると権限がないと言われる。元々俺のだぞ、権利がねぇってことは無いだろ、いったいどういうつもりだ。

怒ったユーザーはOneDriveを開きます。すると何が始まるか?

そう同期が始まります。

買って買って容量足りないでしょ、ねぇ買って買って、買わないともう保存できないよ。

うるせ~~~~!!

はい。

殿様商売じゃなかったら成り立たない所業ですね。

まぁ上手いこと点けたり止めたりしながらファイルを取り返し、Cドライブ上に新たに作成したドキュメント、ピクチャを既定の保存場所に変更(最初にそうするのが正解)。

OneDriveは同期を切られ、奥底に幽閉されるわけです。

こいつはデフォルトのアプリですからね。なんかアプリを消してもファイルが残ってたり、ファイルを消してもコントロールパネルには残ってたりします。

そんで完全に抹消しようとしたらこのザマですよ。

私ももっとPCに詳しくならないとダメですね。といってもこういうこと勉強するような場も中々無いですし。

失敗を重ねて学んでいくしかありませんか。

まあでも色々再構築したことで改善されたこともあります。12月ぐらいに買った時はやっつけ仕事でしたからね。

といっても私が弄るのなんてAviutl関連くらいです。

以前はLスマッシャーだとかPSDツールキットだとかごちゃまぜドロップスだとか、入れろって書いてあったもんを入れただけでしたが何個かUIを向上させるものを突っ込んどきました。

1つはDarkenWindow。編集画面が黒くなります。ノートPCの時は白でやってましたが画面が大きくなるとその分光も強くなりますからね。

なんか意識高そうで敬遠してましたがやってみたらとてもしっくり。ボイロやボイボ、ブラウザもダークモードにしときました。

私が今書いてるこれ。Bloggerはダークモードが無くて残念。早く導入してくれ。

もう1つがSplitWindow。編集画面が分割されます。

なんのこっちゃって思いましたがこれまで独立した複数のウィンドウを画面内に敷き詰めてたのが一つのウィンドウ上に集結。無駄な隙間も無く被りも無く操作性が増しました。

再生ウィンドウ、拡張編集、エクスプローラーでメインディスプレイを占有。サブディスプレイには各種設定とPSDツールキット、あとボイロとか。

使いやすいし何より見栄えが良くなったと感心してます。

あ、エクスプローラーをAviutl上に表示させるのにも専用のプラグインが必要です。名前は忘れたけど。

この辺りはAviutl使ってる人なら脳死で突っ込んでいいと思います。もう入れてるよって人も多いでしょうが。

ここまでするとかなりAdobeに近くなるって書いてましたね。やっぱりAdobeって使いやすいのかな。

Adobeも良さそうなんですけどね。高いのと単に売り方が気に食わないってのがあります。Wondershareとかもそう。

英語圏の連中の占有権に胡坐をかいた阿漕な商売には辟易します。

私のこういう所直さないと就職したとき苦労しそう。

IT系もいいですね。PCに詳しくなれそうですし人手不足で引く手数多って聞くし。

3月、4月くらいで早期決着を目指したい。ていうか早期決着できなかったら泥沼化しそう。

まだまだ呑気に動画作ってる余裕はつくれなそうです。悲しいね。

年始の挨拶をできるうちに小ネタ集は作ります。たぶん。

そんなこんなで終わりますか。

長文駄文失礼しました。


筆始め

いつも帰省中は色々ブログを書き進めてましたが今年は何にも書いてません。なので筆始めです。 昔のカードを引っ張り出して遊んでました。あと普通にダラダラしてた。 そのまま休み気分を引きずってモチベが上がりませんでしたが一応動画を一本作れました。日常系小ネタ集ていう5分くらいの軽いギャ...