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2026年10月10日土曜日

波乱の高校生活

5年以内にと言いつつ絶対間に合わない気はしている。ダメならもう5年延長。


・生徒会選挙編

東北ずん子と小春六花の一騎打ちとなる生徒会選挙。

生徒会のゴシップ記事で悪感情を煽る唯世かのん、反ずん子派の集会を開き出す結月ゆかりによって戦いの火は全校生徒へと広がっていく。

後の全ての波乱の原因となる一戦。


・部長会編

新生徒会長となった東北ずん子の元、それぞれ新体制となった各部の代表が集まる。

副会長である小春六花、新聞部部長である唯世かのん、集会に参加していた男子バスケ部の部長が冷ややかな目で見られる。

生徒会選挙編以降校内の雰囲気が格段に悪くなっているのは誰もが感じていた。演劇部部長である結月ゆかり、文芸部部長である宮舞モカ、吹奏楽部部長、野球部部長、サッカー部部長、科学部部長の梵そよぎの6人は今後の混乱に備えて同盟を組む。


・部長会編(若穂みのりの乱)

園芸部部長である若穂みのりによって園芸用地の拡大を求める決議が行われる。

部長会において過半数の賛同を得られれば認められる正当な手続きだったが、これまで実際に決議が行われることは無かった。生徒会選挙のいざこざを通して特定の目的のために集団を率いるという行為のハードルが下がった結果だった。

屋外での運動部以外にとっては関係ないためさっそく同盟には亀裂が入る。自陣の地盤固め、敵陣の地盤崩しといった政争に新部長たちも否応なく巻き込まれていく。


・修学旅行編

かつて六花派だった生徒たちは未だ難しい立場だった。

排斥するには数が多すぎるため表面上は受け入れられているが、悪評も偏見も残っており修学旅行の班決めのような場面では大半が余っていた。

結月ゆかり、琴葉茜、弦巻マキはその代表である小春六花を同じ班に誘う。元々友人だったこともあるが嫌な空気を払拭していきたい狙いもあった。


・代理戦争編(種火の章)

この学校限定のSNS「Didact」の噂が広まる。

「教えたがり」を意味するこのアプリでは、東北ずん子がいかにして小春六花の自滅を誘ったかの推測がまことしやかに囁かれていた。学校で居場所を無くしていた元六花派は「Didact」にのめり込み、再び反ずん子を掲げて集結しつつあった。

その推測は宮舞モカが立てたものと同じであり、内情に精通していないと知り得ない情報も含まれていた。部長会で組んだ同盟に裏切り者がいることが疑われる。


・代理戦争編(貰火の章)

東北ずん子に向かうかと思われた敵対心はなぜか同盟組の野球部、サッカー部、吹奏楽部に向かっていた。

部内の団結心によって六花派に流れるのを免れ、今は同盟を組んで自分たちの立場を守ろうとしているのがずるいという理屈だった。

手の届かない強大な敵ではなく、自分たちより良い立ち位置にいるように見える同格の相手に手を上げるというSNS力学の妙である。

同盟組の仲間であれど、部長のワンマンであるのが知られている演劇部、文芸部、科学部は槍玉に上げられずに済んでいた。助けに行くか、見捨てるか、宮舞モカは頭を悩ます。


・代理戦争編(業火の章)

「Didact」のユーザー数は急激に増加していき、SNS上で誹謗中傷するだけでなくリアルに飛び出していく者も出てきていた。

誰かが問題を起こせば連帯責任となり大会の出場などにも影響がある野球部、サッカー部、吹奏楽部とは異なり、元六花派は既に孤立しており失うものが無かった。自爆テロ気味の嫌がらせでも相手に落ち度をつくらせればSNS上での叩きどころをつくれる。元六花派の中ではそうした行為を行った者を英雄視する風潮もあった。

東北ずん子が提唱した蟻の群れの教訓の意味も解説されているにも関わらず、後先考えずに短期的な不満の解消を繰り返す元六花派はそのまま「蟻」と呼ばれるようになっていった。

同時に「蟻」の駆除を掲げる「自警団」が発足していくのも自然な流れだった。誰が「蟻」なのかを探ることがより対立を深めることになるとしても。


・代理戦争編(鎮火の章)

「蟻」は人間社会の害であり徹底的に排除すべきと主張する「自警団」は東北ずん子の代弁者を名乗り、どうせ自分たちは虫けらなんだと開き直る「蟻」は小春六花の代弁者を名乗った。

東北ずん子はまたしても我関せず、小春六花はフィーちゃんやバスケ部部長を始めとしたごく少数の支持者とともに再起を目指していた。当事者不在かつ当初の主義思想と反した形での代理戦争だった。

野球部、サッカー部、吹奏楽部は当然「自警団」の筆頭であったが、今自分たちが生徒会選挙において六花派が自滅した時と同じ轍を踏もうとしていることに気づいている者は少なかった。

事態を鎮静化させる方法がわからず途方に暮れる宮舞モカに、演劇部部長の結月ゆかりと「Didact」の運営者である科学部部長の梵そよぎがある提案をする。


・クランバトル編(転化の章)

「Didact」の大幅なアップデートが行われ、他ユーザーとのバトルとクランの結成が可能になる。

いつでもどこでも誰にでも喧嘩をふっかけることができ、勝敗は24時間以内の他ユーザーからの投票で決まる。実質的にどっちが好きでどっちが嫌いかを決める戦いであり、負けた方はスコアを減らされ24時間の書き込み禁止と投票禁止のペナルティを受ける。

バトルの性質上チーミングしている者が圧倒的に有利であり、運営からもクランの結成によるチームづくりが推奨されていた。特別枠として「自警団」「蟻」のクランは既に用意されていた。

「自警団」側も「蟻」側ももう相手を精神的に叩きのめしたくてしょうがなくなっていたが、これ以上はお互いの生活に支障をきたすことはわかっていた。毎日のように行われていた「Didact」上での罵り合いをそのままバトルに転化することに抵抗は無かった。

ネットから始まった火種が現実社会で燃え上がり、再びネットに戻されたことでようやく学校は表面上の平和を取り戻した。


・クランバトル編(軟化の章)

ついに3年生が卒業し、東北ずん子を筆頭とした新体制は最高学年になる。

「蟻」は「自警団」がそれなりにヘイトを稼いだことで「自警団」に嫌がらせをしているだけにも関わらず一定の支持を受けるようになっていった。

それによる周囲の態度の軟化から「蟻」側の態度も軟化し、対立構造はマイルドになっていった。ただこの変化は3年生が抜けたことも大きいとされ、受験期にも関わらず「Didact」上で過激な活動を続けていた生徒が大勢いたという何とも言えない事実を明らかにしていた。

進級を目前として生徒会選挙の大敗から半年かけて支持者を取り戻した小春六花がクランをつくるという噂が流れた。混沌とした状況を整理するチャンスだと見た宮舞モカは部長会を開き、派閥化によって「Didact」上での秩序を保つことを提案する。

「仁」を重んじる「春仁会」に生徒会、バスケットボール部、バレーボール部、ハンドボール部、剣道部、弓道部、柔道部。

「礼」を重んじる「夏礼会」に野球部、サッカー部、吹奏楽部、ソフトボール部、テニス部、陸上部、水泳部。

「義」を重んじる「秋義会」に園芸部、料理部、茶道部、美術部、写真部、新聞部、バドミントン部、卓球部、空手道部、ダンス部。

「知」を重んじる「冬知会」に文芸部、演劇部、科学部、軽音部、天文部。

「蟻」という危険分子は残しながらも、新入生が入ってきたらもう変な争いは起こさないようにと四勢力は協定を結ぶのだった。


・クランバトル編(硬化の章)

先輩からの口伝、「Didact」上での投稿によって新入生に対してもこれまでの経緯は伝わっていった。

新入生にはあまり実感が湧かず、在校生もかなり疲弊していたことで「Didact」でのバトルは急速に減っていった。代わりに新入生歓迎イベントの告知や体育館の使用予定の調整など真っ当な使われ方をし始めていた。

不良生徒を仕切っていたギャラ子がいなくなったことで若干素行が悪い生徒も現れたが、「自警団」から名を改めた「夏礼会」の生徒が睨みを利かせるようになっていた。

小春六花率いる「春仁会」も当初の理念に基づき生徒同士の助け合いを目指しており、紆余曲折を経て校内は安定した状態になっていた。

しかしこれは言い換えれば硬直状態であり、「Didact」のユーザー数も頭打ち。運営者である梵そよぎにとっては面白くなかった。

しかし不思議なことに「Didact」のユーザー数は増え続けていった。卒業生のアカウントが残ってるのを差し引いても、学校の生徒数より明らかに多くなっていた。


・クランバトル編(俗化の章)

本格的に他校への「Didact」の輸出が始まり、新たな機能であるグランクランが追加される。

グランクランは通っている学校ごとに必ず所属させられるクランの上位種だった。名目上は他校の内部のやり取りを覗けなくするためのものだったが、将来的にグランクラン間での対立が起こることが期待されていた。

「Didact」は特に私立高校で多く広まっていった。かつては実名晒し、誹謗中傷、脅迫、殺害予告が溢れていたバトル機能が、知的なディベートバトルの場として使われているという話は県立高校の生徒たちの耳を疑わせた。

梵そよぎは私立高校生徒の偏差値が高そうなやり取りに隙の無さを感じつつも、県立高校ではあまり重視されていなかったスコアに強い関心が向けられていることに気づく。

個人スコアとその合計値となるクランのスコア。 それが新たな争いの火種となるのではと考える。


・クランバトル編(鋭化の章)

スコアに関する仕様を大幅にアップデートし、「Didact」はハイスコアを目指す対戦型SNSとして生まれ変わった。

クランにおけるユーザー順位、グランクランにおけるクラン順位、そして全体におけるグランクラン順位が公開される。投票期間はバトル開始から1週間、敗北時のペナルティである書き込み禁止と投票禁止も1週間に延長。勝敗は単純な多数決ではなく投票ユーザーのスコアに応じた得点によって決まり、これが多いほど勝者のスコア増加、敗者のスコア減少も大きくなる。

スコアは新規ユーザーは一律1000ポイントとし、既存ユーザーにも一律1000ポイントが付与された。今後は新規ユーザーの増加によってしかポイントの総量は増えず、限られたポイントを奪い合ってハイスコアを目指すこととなる。

県立高校の生徒はなぜ急にルールが複雑化したかわからなかったが、私立高校の生徒はゲーム性が高まったことで加熱していった。グランクラン内での苛烈なポイントの奪い合いから、他のグランクランから奪って来る方向へと目が向くのに時間はかからなかった。

近隣の4校がグランクランとして登録されているが、スコアは1位が県立高校、2位が私立高校だった。母校を1位に押し上げるとともに、自分のクランのスコアを上げられる一石二鳥だった。

こうして束の間の平穏は終わり、再び争いの時代が訪れることとなる。


・クランバトル編(激化の章)

県立高校の生徒たちはポイントを奪われることに執着がなく、「Didact」でバトルを仕掛けられても何もしない者が多かった。四大クランの幹部陣ですらリスクを認識していないのが大半だった。

宮舞モカは力説する。そもそも「Didact」を四大クランで支配したのは「蟻」による嫌がらせ行為を潰すためであり、スコアが下がって支配力が弱まればまた「蟻」が出てきた時に対処できない。「蟻」から所属メンバーを守れなければそのメンバーも「蟻」化し、その悪意はクランに向けられ負の連鎖が始まる。

モカの主張はある程度受け入れられながらも、誰も外部勢力との戦いに際してどうすればいいかわからなかった。グランクランとして団結しつつ、攻撃を仕掛けてきているグランクランと協定を結ぶ必要があるのはわかっていたが誰がどうやってやるのか。

東北ずん子は話し合いの場に来てすらいなかった。


・クランバトル編(鈍化の章)

小春六花と私立高校の最大クランのトップになった双葉湊音の間で協定が結ばれたことで停戦を迎える。私立高校でも競争に敗れたことで「蟻」化の兆しがあるユーザーは現れており、互いに危機感を抱いた結果だった。

仲が深まった部分も溝が深まった部分もあれど、各クランの幹部たちは一様にやり切った感覚を抱いていた。

生徒会選挙からもうすぐ1年、引退の時が近づいていた。




2026年9月27日日曜日

鬼の居ぬ間の選択

ってのが中学生組シリーズでのターニングポイントとなる回のタイトルになる。

ちなみに内容は何一つ決まっていない。

以下はある程度決めているストーリー。



①『夜』の章

主人公:夜語トバリ

夜語トバリ14歳の頃の回想。

ごく普通の家庭で暮らしごく普通の学生生活を送る彼女だったが、いつからか暗闇から語りかける声に気づく。

君の居場所はここではない。君の力はこんなもののためじゃない。

声は夜の空、部屋の暗がり、自分自身の影からすら聞こえてきた。

トバリは声の正体を突き止めるため調査を始める。



②『暁』の章

主人公:暁記ミタマ

夜語トバリ16歳の頃の回想。

相棒である暁記ミタマと共に新米エージェントとして奔走する。

彼女は謎が多いがクールかつクレバーな仕事人であり、トバリは信頼を深めていく。

任務中に暁記ミタマが死亡し、トバリがソロになるまでの記録。

ちなみに10年前、四国めたん7歳に会った時にトバリは18歳。この時にはもうソロ。



③『鎧』の章

主人公:聖騎士紅桜

聖騎士紅桜こと紅桜ショウガ14歳の視点からのストーリー。

鎧で身を覆っていないと気が小さく、中学校にも通っていない。

めたんはその臆病さを否定せず、むしろ常に鎧状態でいられるよう鍛錬すべきと鼓舞する。

一方、トバリは鎧が無くても人と関われるようになるべきとアドバイスする。

鎧をまとって誰も必要としない戦士としてあるべきか、鎧を外して誰かと信じ合える普通の人としてあるべきか。紅桜は思い悩む。



④『剣』の章

主人公:クロワ

新米エージェントとして奔走するクロワ視点のストーリー。

トバリの命令によって紅桜とタッグを組まされている。二人とも恰好が奇抜なので調査には向いていない。

上司であるトバリ、先輩であるめたんの助力によって何とかエージェントとして成長していく。

同じ黒朱乃宮の一族であるリリンと出会うまでの記録。



⑤『紙』の章

主人公:つくよみちゃん

人の形を真似た妖魔。正体の性質は紙。

リリンとつくよみちゃんの暮らす街につくよみちゃん(原種)が現れる。

気に入った相手の願いだけを叶える派生種とは異なり、原種は誰の願いでも後先考えずに叶える。本人のためになるのか、周りの迷惑にならないのかは考慮されないため街には混乱と混沌がもたらされる。

つくよみちゃん(原種)を狩るつくよみちゃん(派生種)と共に元々いたつくよみちゃんと黒聡鵜月は事態の収拾を目指す。



⑥『泥』の章

主人公:黒聡鵜月

人の形を真似た妖魔。正体の性質は泥。

長らく黒朱乃宮の家に仕えており、現在はリリンの護衛を兼ねて東北の別邸で執事をしている。

人に願われ、その願いを叶えることを存在様式としているつくよみちゃんには口には出せない羨望がある。人の味方をしているだけで本来は人を捕食対象とした方が自然な存在。

黒朱乃宮の家に仕えるまでのエピソードを描くか、虚音イフとの交流を描くは未定。



⑦『骸』の章

主人公:虚音イフ

人の形を真似た妖魔。正体の性質は骸。

姿形をいじることで人に近づけているつくよみちゃん、黒聡鵜月とは異なり人の死体を取り込むことでその形を模している。

大陸から渡ってきた歴の長い化け物で世渡り上手。組織ではトバリ同様エリアマネージャーのような役割を果たす。

元は同じ不定形の怪物でありながら異なる進化を辿った黒聡鵜月を気にかける。



⑧『猫』の章

主人公:来果

猫の性質を持った半獣半人の存在なのか、人に化けている化け猫なのかは不明。

猫がちょっと目を離した隙にどこかにいなくなっている時のようなテレポート能力「猫のお散歩」を持つ。

戦闘力は乏しいがその能力を活かして装備の運搬や死体の回収を行う。組織に雇われているが、本人に雇われている感覚は無くお手伝いをしたらおやつが貰えるぐらいの認識。

来果の過去や心情が掘り下げられるわけではないが、それなりに組織で仲良く楽しくやっている様子が描かれる。



⑨『龍』の章

主人公:アメノちゃん

龍の性質を持った半神半人。父親が龍神、海神。

実は人間ではないことをカミングアウトした無職の父親を殴る。千年以上生きている癖に当時16歳だった母親を孕ませ、それから16年が経って娘が同じ年になってもまだ父親になった実感が湧かないとのたまったため。

その後は父親が神として祀られている故郷の島を出奔。九州地方の高校に通ったりサボったりしながら、組織からの依頼を受けて生活費を稼ぐ。

半神半人だけにあらゆる耐性があり身体能力も高いが、水を操る能力に関しては未発展。

神と人の間に子ができることは通常無く、人で言うところの親子とは異なり分身に近い。アメノが力を増すごとに父親は力を失っていき、力の継承による代替わりが終わると消滅する。



⑩『睡』の章

主人公:蓮鬼ねむ

知性を持った人型の鬼。

話は未定。



⑪『影』の章

主人公:サーラちゃんさま

異界に住む魔族の公爵「サーラちゃんさま」の影武者の一人。

とある農村で農作物が荒らされ、目撃されたのはなにやら羽と鱗が生えた人型の生物だったということで調査が行われる。

どうせ見間違いか低級妖魔だろうと暇そうだったクロワと紅桜が派遣される。

サーラちゃんさまとクロワの波長が合ってしまい魔王と聖騎士かのように盛り上がるが、深刻な戦いにはならない。

高次元の存在はこの世界に干渉して来れないが、影だけが現れることはあるという設定を解説するための章。



⑫『梅』の章

主人公:鳴花ヒメ、鳴花ミコト

梅の精霊。

アメノちゃんが九州勢のため接触しやすくなった。話は未定。



⑬『神』の章

主人公:タンゲコトエ

狐の性質を持った神。

アメノちゃんが九州勢のため接触しやすくなった。話は未定。



⑭『鏡』の章

主人公:カキョウヨサリ

鏡の性質を持った付喪神。

話は未定。





2026年9月26日土曜日

ジェンダーリスクマネージメント3

「アンタの帽子邪魔なのよ。」

ロサが魔女帽子を引っ張る。魔女服を着た女生徒は帽子を取られないように両手で力強くつかむ。


「そんなの私の勝手でしょ。」

「視界の邪魔になってるのよ。黒板が見えないでしょうが。」

教室内で起こったその喧嘩にやいのやいのと野次馬が駆けつける。

席替えによってロサは魔女服の女生徒の後ろの席になり、魔女帽子が邪魔になったことがトラブルになったようだ。


「確かにそうだね。すまないが席を替わってくれるかい?」

すかさず担任教師の松嘩りすくは仲裁に入る。

席替えはトラブルが起こりやすいイベントだ。配慮が漏れていたことに内心で苦い思いを滲ませる。


魔女服の女生徒は一番後ろの席の生徒と替わることになったが、ロサとはまだ険悪な雰囲気だった。

「そもそもなんで教室でもずっと帽子かぶってるのよ。屋内なんだから外しなさいよ。」

「別にいいでしょ。この学校は服装自由なんだから。」

「自由って言っても限度があるじゃない。アンタの魔女帽子いつも邪魔になってるのよ。視界を遮ったりぶつかったり。」

「…それは気をつけるわ。でもこれは私のアイデンティティだから譲れないの。」

「何がアイデンティティよ。自分のこと魔女だと思ってるの?」


そろそろまたボルテージが上がってきそうなことを察し、クラス委員のキタガワとイトウが茶化しに入る。

その場は有耶無耶になったが、りすくはロサの態度に危機感を抱く。

放課後、りすくはロサに声をかける。自分がお説教を受けることに納得がいかない様子だったが、ロサは大人しくついてきた。




「確かにこの学校は服装自由です。でも本当にどんなものでもいいわけではないはずです。周りの生徒の迷惑にならないようにというのは明記されています。」

ロサは訥々と語り始める。

この学校の生徒は頭が良く口が回り、先生相手だからと言って怯むことは無い。

教師陣からはやりにくいという声も多かったが、りすくは自分の意見を述べてくれることをありがたく思っていた。


「周りの迷惑になることもあるかもしれない。けれどだからと言って絶対に外すべきと言うほどではなかったはずだ。現に他の生徒も君の意見に同調はしなかった。」

「思っていても言わなかっただけでしょう。この学校は自由を校風にしています。1つ制限をかければ連鎖的に制限が増え自分にも影響が及ぶかもしれませんから。」

「君は奇抜な服装もしないし特殊なこだわりもない。だから制限を増やすことに抵抗が無いのはわかる。」

「私とてできれば締めつけは緩い方が良いと思っています。しかし自分に迷惑がかかるならやめてほしいことはあります。」

ロサはそこで言葉を切った。

こちらの主張を聞き、粗があれば突っ込んでやろうという腹積もりだ。

りすくは息を吸って言葉を吐いた。


「人の迷惑になるならやめるべきというのは私も同じ意見だ。けれど少なくとも今回の件については席を替えることで決着がついたんじゃないか?」

「では今後は彼女はずっと一番後ろの席で決まりと言うことですか?大した理由も無く特別扱いでいいんですか?これからは一番後ろの席になりたい人はトンガリ帽子をかぶってくればいいと?」

「…それはまた別の問題だ。自分も一番後ろの席がいいという人がいれば個別に対応する。」

「具体的には?希望する人数が増えて抽選になり、彼女が前の席にならざるを得なかった時は帽子を外すように言ってくれるんでしょうか。来年は松嘩先生が担任では無いかもしれませんがそのように引き継ぎなさるんですか?」

「面倒事の先送りなのは否定できないがね。なるべく無難に、なるべく穏便に済ますのが私のスタンスだ。他の先生にもそのように対応するよう伝えるだろうね。」

「理解に苦しみますね。帽子を外したぐらいで何だと言うんですか。生徒の個性に配慮し過ぎて頭がおかしくなりませんか。」

ロサが嘆くように両手を上げる。

実際生徒一人一人に配慮するのは苦行以外の何物でもない。ロサも生徒の一員ではあるがそういった苦痛は感じていることだろう。


「例えば脱毛症だね。」

りすくが言った言葉の意味がすぐには飲み込めなかったようで、ロサは固まる。

「帽子を外さない理由だよ。免疫機能の疾患やアトピー、精神的なストレスが原因と言われているね。若い女性でもなる可能性はあるし、若い女性だからこそ絶対に秘密にしたいと思うはずだ。」

「それは…」

「服装の自由は個性の尊重ではあるけれど、秘密を守りやすい環境づくりの意味合いもあるんだ。帽子をかぶっていれば普通の学校では浮いてしまうが、ここではそうでもない。より帽子をかぶることが自然に見えるようにいつも魔女の仮装をしているのかもしれない。」

ロサはその可能性について吟味していた。全く頭にない視点だった。


「キタガワさんやイトウくんが仲裁に入ったのは、君が意図せずその秘密を暴くのを防ぐためだったとは思わないかい。他のクラスメートが魔女帽子を邪魔に思いつつも外すように言わなかったのは、そういった事情を察していたからだと。」

「…私の考え足らずだと。」

「実際そうなのかはわからないし、一生徒である君がそこまで考慮するべきだとも思わない。しかし世の中には様々な事情が存在し、みんなその事情を誰にも教えられなくても推測して動く。これは単なるリスクの話だよ。」

「…危ういことをしました。」

ロサは自分が危ない橋を渡っていたことに気づいたようだった。

もし帽子を取って彼女の髪が酷い状態であれば、彼女とロサの学校生活は今後居たたまれないものになっていただろう。

この学校は賢く思いやりがある生徒が多いが、それ故に愚かで思いやりが無い生徒に対しては冷酷になり得る。いじめこそ起こらないだろうがロサは確実に集団から弾かれる。


「彼女の帽子が邪魔であるというのは事実だ。なんら否定することは無い。しかし帽子を外さない彼女が気に入らないというのは感情だ。事実と感情をごっちゃにするのは非常に危うい。」

ロサは真剣にりすくの話を聞いていた。

正しいかどうかがわかり、正しいことであれば受け入れる。りすくがこの学校の生徒が好きな理由だった。

「事実に対しては事実だけを積み上げて粛々と対処すればいい。邪魔だから外すのがもっとも簡単だが、席を後ろにするだけでも十分問題は解消される。それ以上のことはそれ以上のことが起こった時に考えればいい。感情をどう処理するかはまた別の話だ。」

「深刻な事情があることを疑って飲み込みますか。」

「それも一つの付き合い方ではあるけどね。私は気に入らないものは気に入らないでいいと思うよ。気に入らないからどうしてやろうかってことを考えるならもっと慎重かつ賢明にならないといけないってだけ。」

ロサが飲み込むだろうことはわかっていた。

相手の事情を無視して自分の機嫌で振る舞えるほど子供ではない。


「知ることが増えれば考えることの幅も広がる。けれど重要なのは脱毛症に関する知識ではなく、相手に深刻な事情がある前提で動くという処世術の方だというのはわかるね。私も君も知らないようなことが世の中には数え切れないほどあるだろうから、まずは疑うことから始めないといけない。」

「肝に銘じておきます。」

ロサは渋々と言った顔で頷いた。

叱られたことへの不服ではなく、自分の考えが甘かったことへの反省だった。




生徒指導室を出ると、廊下で魔女服の女生徒が待っていた。

「ロサちゃんが怒られるのも違うと思ったから…」

そう言った彼女は帽子を外していた。彼女の髪は綺麗に生え揃っていた。


「ムキになっちゃってごめん。」

「私こそムキになっちゃってごめん。」

仲直りする二人を眺めながら、りすくは今回も丸く収まったことにホッと胸を撫で下ろした。




その日、りすくは休んでいた。

重篤なものではないようだが病欠とのことだった。

ロサを始め生徒たちは心配するものの、ちょっといつもと違う1日くらいの感覚だった。


りすくが担当していた授業は自習でも良かったが、2年の如月という先生が空いていたので彼女が代行することになった。

授業は滞りなく進んだ。如月先生はあまり雑談を挟まずに淡々と進めるタイプの教師だった。

だからその話題に触れてしまったのは何とも噛み合いが悪かったとしか言いようがない。


「あなたは女でしょう。」

クラスに流れるように緊張が走る。

満別花丸と伊織弓鶴の性別については言及しないことになっていた。

そう言われた花丸は曖昧に笑っていた。


「如月先生、そのことはあんまり…」

弓鶴が苦笑いしながら話す。

「伊織くんは男です。満別さんは女でしょう。」

如月先生は迷いなく言い切った。

二人ともどっちかわからないというのが生徒も教師も含む大抵の人間の見解だった。

しかし如月先生は明確に弓鶴を女のように見える男であると、花丸を男だと言い張っている女であると断じたのだった。

その根拠がどこにあるかはわからなかったが、生徒たちは妙な説得力を感じていた。


「あなたは女でしょう。」

如月先生は再び言った。

ロサはりすくの教えを思い出していた。

相手に深刻な事情がある前提で軽はずみな行為は慎む。それに明らかに反することに思えた。

嫌な流れだ。ロサはクラスの空気が徐々に温度を下げていくのを感じていた。




人の記憶は嘘をつく

人の記憶は嘘をつく。


手塚治虫『落盤』

20年前の落盤の思い出を振り返る中年の鉱山長の男。

しかし10年前にインタビューで語った内容はかなり違っていた。

20年前、事件直後の新聞に載った内容もまた違い、男は自分の記憶が信じられなくなる。

そして新たな証拠が出るたび、男の記憶は本当にあった出来事に近づいていく。


ていう奴からのインスピレーション。

「戸惑いのエチュード」のブラッシュアップ版に近い。

なにげに演劇部プラス東北ずん子の主要メンバー6人が全員出た演劇は少なかったため作成。




起


とある居酒屋。ゆかり、あかり、茜、葵、マキ、ずん子の6人は集まっていた。

中学の同級生だった彼女たちも、10年の月日が経ち20代半ばになっていた。

6人は思い出話を振り返るも、その内容は微妙に喰い違っていた。

彼女たちは趣味も嗜好もバラバラの集まりで、どういうきっかけで仲良くなったかが不明瞭だった。

特定の誰かとだったらこんな出来事があった、こんな印象を持ったという記憶はあるのだ。しかし6人でグループになるようなきっかけは思い出せなかった。

中学2年生ぐらいにあった大きなイベントと言えばで、修学旅行で同じ班だったことが最初ではないかという話になった。


承


6人は当時のことを思い出そうとするも、10年の歳月によって記憶は断片的だった。

今はゆかりとずん子、あかりとマキが喧嘩しながらも仲がいいという関係だったが、昔は違ったことが思い出される。

元々は茜とマキ、ゆかりとあかり、ずん子と葵の2人組3つの集まりだった。そこからゆかりとずん子、あかりとマキが打ち解ける中で茜と葵も話すようになっていった。

その関係性の変遷から6人で絡むことが増え、いつしか仲良し6人組のつもりになっていたのだ。

一応は納得したものの、まだ何かがあったような気がする。

修学旅行で泊まった宿『忘憂荘』の名前と共に、あの日の出来事がちょっとずつ思い起こされる。


転


『忘憂荘』で検索をかけると、あるニュースがヒットする。

5歳の少年が宿からいなくなった後、川で遺体になって見つかったというものだった。

時期から見て自分たちが泊まっていたのと同じ頃に思えた。

宿にパトカーが来ていた様子や教師に知っていることがないか尋ねられた記憶が思い出される。

なぜか全員がすっかり忘れていたことで、何か忘れたい出来事があったのではという疑念が広がる。


まさか殺したんじゃという憶測が飛び交う中、彼女たちは当時の記憶を必死に思い返してみる。

マキがこっそり部屋を出て卓球で遊んでいた思い出を語る。

部屋から出ていないなら関わりようがないため、ずん子は自分は行っていないと主張する。ゆかりは自分だけ安全圏に行こうとする態度を非難する。

たぶんマキ、茜、ゆかりは行っているという結論になった。


問題はそこで何があったかだった。

何らかの事故で命を奪ってしまい、川から捨てたというストーリーが浮かぶ。

それを裏付けるようにマキが非常口の扉を開け、川の流れる音を聞いたことを話す。

マキは自分を信じられないようで、茜もまた後ろめたいことがあったという憶えだけはあるようだった。

ゆかりは真相を思い出そうとするが、ずん子は過去の追及を止める。


全員がこの6人を特別視している以上、直接的でなくとも関与しているはずだった。

ずん子は将来が約束された人間であり、不祥事を嫌って隠蔽を図った可能性は高かった。

揉めている2人の様子に、最初はこれだったのではという思いつきをあかりが語る。

正直に話そうとするゆかりと、黙っているように勧めるずん子。ゆかりはずん子のそんなところが気に入らなくて、噛みつくようになったのだ。


あかりもまた、最初にマキと言い争うようになった理由もこれなんじゃないかと続ける。

マキと自分でどっちに責任があるのかを擦り付け合った。何も思い出せないが自分もそこにいたはずだと。

結局のところ何があったかを思い出せない以上、争っても仕方が無いと葵が言う。

葵は一緒に卓球をしに行った可能性も、一人で部屋で本を読んでいた可能性もどちらもあり得るように思えた。


もし子供の死に関わっていたとしても、考えられるのは打撲、窒息、中毒など。

いずれの場合も心肺停止に陥ろうと蘇生の可能性があることを、ゆかりなら失念しないはずとずん子が語る。

マキと茜だけならパニックになって隠さなければと思うかもしれないが、ゆかりは冷静さを失わずに救助を試みたはず。

そうじゃなかったとしたら目の前で亡くなったのではなく、自分たちのせいで間接的に亡くなったのではという恐れだったのではないか。

ずん子の推測はそれらしかったが根拠はなかった。


記憶の糸をたぐる最中、あかりはふと当時のことを思い出す。

自分たち4人が卓球をしているのを、葵がベンチに腰掛けて眺めていた。手に持っている本には栞が挟まれている。自分が作って贈った押し花の栞だった。

なぜそんなことを思い出したのかはわからなかったが、忘れていたということは忘れたいことだったのではと気づいた。

あかりは葵に思い出すことは無いか尋ねる。葵とはずっと接点が無いはずだった。


葵は押し花の栞のことを憶えていた。どうやって手に入れたものかはわからないが、今も自宅にあると言う。

修学旅行を機に関係性が変わったのは合っていたが、それは修学旅行中の話ではなくグループが決まってからのことだった。

葵とあかりは仲良くなり、あかりは趣味の手芸で、読書が趣味の葵に押し花の栞を贈った。

仲良くなったことすら忘れていたのは、それが真相の根幹に関わる部分だったから。


ゆかりもまたその栞のことを思い出していた。

春から夏にかけて咲く小さな青色の花『ワスレナグサ』だ。

由来は「Forget me not」。

なんて因果な話だと思った。

記憶を蘇らせる鍵となったようで、全員が同時に何があったかを思い出していた。


ゆかり、あかり、茜、マキ、葵の5人が部屋を脱け出して遊びに行った。ずん子だけは部屋に残り、布団で眠っていた。

卓球をして暑くなったマキが非常口の扉を開けた。あかりも同じように暑くなっていたため、扉を開けたままにしておくように言った。

そこに小さな男の子がやって来る。亡くなった5歳の少年だった。

彼は葵が持っていた押し花の栞に興味を示す。ゆかりはその花は『ワスレナグサ』だと教え、宿の近くにも生えていたと話す。

卓球をしているうちに気づいたら男の子はいなくなっていた。自分の部屋に戻ったのだろうと思った5人はずん子の眠る部屋へと帰った。


翌日、子供がいなくなったことが教師から告げられる。

警察がやって来て生徒たちは待機を命じられる中、あの時の男の子ではないかという話になった。

宿から出て川に落ちたのではという線で捜索が進められていると聞き、ゆかりは『ワスレナグサ』を取りに行ってしまったんじゃないかという推測を立てる。宿のすぐ近くを流れる川沿いに咲いていたのだ。

まさにあの時、開いていた非常口から宿を出て行っており、自分たちは気づかずに帰った。

先生に言った方がいいのではとなったが、ずん子が止めた。既に警察は捜索に動いており、どのようにして宿を出たかを確かめる必要は無い。


言う必要がないのはその通りだが、どういう意図で言っているのかは皆わかっていた。

無事ならいい。でももし無事でなかったなら、自分たちにも責任の一端が出てくるのではないか。そういう恐れがあった。

ずん子はその場にいなかったが、自分だけがいなかったなんて話が信用されるとは思えなかった。だからその事実自体を無かったことにするように訴えた。

5人は同意し、昨夜は部屋から出ていないということにした。


その後は修学旅行も再開され、何事も無く地元に帰った。

ニュースで男の子が遺体で見つかったことを知ったが、改めて白状する気は誰にも起こらなかった。

黙っていればわからず、話したところで本当にそうだったかはもう確かめられないから。


結


6人は思い出す。

犯罪とは言えないまでも、自分たちの行動が子供の死につながった可能性があった。

しかしあくまで可能性の話であり、きっとそんなことはないだろうと口をつぐむことにした。そして他の者が口を滑らせないようにお互いを見張るようになっていったのだ。

いつしか都合の悪いことを忘れ、なぜ一緒に居るのかわからなくなった頃にはただの仲のいい友人になっていた。

しばらく沈黙が流れた後、ゆかりが別の話題を切り出した。他の者もそれに乗っかり、再び飲み会は旧友との再会を喜ぶ和やかな雰囲気に戻った。

きっとまた10年が過ぎる頃には、何があったか忘れられるはずだった。




ワスレグサ。忘れ草。萱草。金針。忘憂草。

ワスレナグサ。勿忘草。ヒメムラサキ。藍微塵。

ムカシガタリ。昔語り。昔騙り。




2026年9月23日水曜日

2026年度中間報告

2026年度上期の振り返り。


4月。

「幕開けのエチュード」「怒れる青春ガール」「なんかお前重くね」を投稿。

「幕開けのエチュード」は年度始めということで仕切り直しの意味も兼ねて練習回をつくることにした前哨。

「怒れる青春ガール」もいよいよ青春シリーズの最終章に向けて歩み始めた第一歩となる。

「なんかお前重くね」は息抜きで作った緩い動画。「青春わからせバトル」でずん子の身長に言及したが、画面上の比率と違うため説明が必要と思ったので。

5月。

「戸惑いのエチュード」「1年以上の付き合いですがぁ!?」「馬鹿だと思われ過ぎ問題に終止符を」「ジェンダーリスクマネージメント 前編」「友人探偵(仮)」を投稿。

「戸惑いのエチュード」は演劇部という要素を活かした特殊な動画だった。「夢と現の演劇部」しかり、入れ子構造を活用する方法はずっと模索されている。

「1年以上の付き合いですがぁ!?」はかれい先生のWhiteCUL雪立ち絵を使いたくて作った。私のイメージに合っていたので今後はこっちになるかも?

「馬鹿だと思われ過ぎ問題に終止符を」は黒沢冴白の掘り下げも兼ねている。冴白くんは新キャラ3人組の仲だと一番本筋に食い込んでいた。

「ジェンダーリスクマネージメント」は伊織弓鶴の存在を思い出してもらうために作成。後鬼が代打で担任になった時に、満別花丸が女性なのを指摘してからが本番。いつになるかは未定。

「友人探偵(仮)」は没ネタ紹介。AIを使って人をつくる練習もあった。エチュードもう1個はまた別の機会に。

6月。

「パワータイプコミュニケーション」「ジェンダーリスクマネージメント 後編」「海鼠」「青春とお泊り」を投稿。

「パワータイプコミュニケーション」で日常回は終了。「青春とお泊り」からは最終章に入る。

「海鼠」はだいぶ攻めた作風の動画。最近ゆかりさんから出力されるお話がお行儀よくまとまり過ぎな気がしたため冒険した。

7月。

「あなたと会えて良かった」「青春は嘘をつく」「赤い惑星の住人」を投稿。

「あなたと会えて良かった」は当初から考えられていた青山龍星と紡乃世詞音の馴れ初め話を青春シリーズに吸収した回。案の定コメントでは誰も詞音の本心には気づいていなかった。

「青春は嘘をつく」がこれまでの集大成兼ターニングポイント。「赤い惑星の住人」が最後のヒント回。

8月。

「青春の深きを知ろう」「さらば青春よ!!」「青春シリーズまとめ」「次の主役は誰だ!!」「補遺(総集編)」「夏の匂い」を投稿。

「青春の深きを知ろう」が最終回。「さらば青春よ!!」がエピローグ。別枠で振り返っているため省略。

「次の主役は誰だ!!」で軽くおさらいしつつAviutl2の使用感を確認した。「青春シリーズまとめ」や「補遺(総集編)」のような長い動画もエンコードしやすかった。

「夏の匂い」は四国めたんの過去話となる。作りやすいところから始めたが、こっからどう中学生組の描写に移行していくかは決まっていない。

9月。

「畳針」「ムカシガタリ」を投稿。

「畳針」は東北きりたんが考えた話。一応作風から誰が作った話か分けるようにしている。もう2年半以上前だが「新春トークショー」でゆかりが「不可触」、きりたんが「黒猫」、イタコさんが「捨六」だったのも当人たちの人物像に合わせている。

「ムカシガタリ」は「宝船」以降あのフォーマットで作品を披露してなかったので早めにやりたかった。10か月空いているのが早めなのかは謎。


8月の青春シリーズ完結までは気合いで投稿頻度を保っていたが、それ以降はペースを落としている。

仕事が忙しかったり試験勉強してたり、秋雨前線の低気圧で体をやられたりしていたため。

今後の予定はあまり決まっていない。毎週投稿は厳しい気もするが、あまり間隔が空くと視聴者も投稿者も気分が乗らなくなるもの。

青春シリーズ亡き後、お手軽かつ継続的に短い動画をつくれる当ては無いがどうにか見繕っていきたい。

今年度中にできれば仕上げたいネタを書き残しておく。


・生徒会の動画

「戸惑いのエチュード」等で夏色花梨、「次の主役は誰だ!!」で小春六花を出している。

いい加減この人たちの描写もしなければならない。けれど今一つ誰視点から話を描くか、オチをどうするかが決まっていない。

東北ずん子のホームの一つでもあるので、実は結構重要な場所。

生徒会選挙編まで行くのは来年か再来年か…


・劇場版演劇部「緋色の絆」

月読アイが初めて登場した頃から構想されているので、もう2年半以上放置されている。

尺的には30分、伸びても40分で作れると思うので今年中にはやりたい。

AIによって旧演劇部メンバー、顧問の男性教師の素材も簡単に作れるはずなので追い風は吹いている。後は私のやる気しだい。

ただちょっと過去に起こった出来事を推理していく構造が「ムカシガタリ」と被ってるか?


・中学生組の動画

ネタ自体はいくつかあるのだが入り方が決まっていない。案は3つ。

①開き直る

2年半以上前の動画だがと前置きして「夜の帳が下りる頃、語るは鬼の後影」のあらすじを語り、そのまま何食わぬ顔で続ける。だいぶストロングスタイル。

夜語トバリがさらっと語ってシームレスに入るパターン。サーラちゃんさま、来果あたりのまだ出てないキャラがメタ的に語るパターンのどっちか。

②四国めたんの人生をそのまま辿る

「夏の匂い」がめたんがエージェントになった初期の頃の話。ここからホームレス時代まで事件ファイルを拾っていき現在までやって来る。

四国めたんの事件ファイルはネタの宝庫であり、今後いくらでも増やすことができる。どのような経歴か確定させてしまうのはもったいない。

それと現時点でもかなりのネタがあるので青春シリーズ同様1年コースになる恐れがある。

③誰か別の人の視点から入る

弓鶴、ついな陣営、トバリ、めたん陣営のどちらから入っても不自然なら完全に別の陣営から描写を始めてしまえばいいという裏道。

妥当なのはリリンちゃん、つくよみちゃん、黒聡鵜月の陣営。どっちにせよいずれ絡むことが決まってる以上はこっちから入っても問題ない。ただリリンちゃん、つくよみちゃんがついなと会うのは学校なのでリリンちゃん制服無い問題がある。

組織の新人バイトのアメノちゃん。お供アイルー枠の来果。お助けキャラの虚音イフ。後輩エージェントのクロワ、聖騎士紅桜は役割を決めているが自然な導入は思いついていない。


・大都会の動画

中部つるぎがVOICEVOX化してから音沙汰がない。

ある程度メンバーが揃ってくれないと出番をつくりづらい。大江戸ちゃんこのVOICEPEAKも購入しているのだがまだ一度も使っていない

過去編をやるとかよりは、昔は色々あったけど今は仲良しだよねいやそんなことねーよの距離感で出ると思われる。

多人数動画のプロット案として彼女たちが経営する旅館に泊まる話もあるので選択肢の一つにできたら。


・多人数動画のプロット案

この前ブログに書いた「ゲームの世界に入り込む演劇部」など。

「犯人はこの59人の中にいる」がさすがに労力的に厳しいので人数を減らしたものを模索している。

2023年に「ダークゾーン」というタイトルで記事を書いている。これも多人数動画のプロット案の一つ。

2024年の「潮の音 他」で「犯人はこの15人の中にいる」の下に「デスゲーム(犯人はこの7人の中にいる?)」のメモもある。たしか米澤穂信「インシテミル」から着想を得たものだったか。しかし7人はちょっと物足りない。

個人的に閉鎖空間で勢力関係が次々塗り替わるような物語が好きで、1回やってみたい気持ちがある。覚悟を決めて「犯人はこの59人の中にいる」をやるか、別のものを考えるかは未定。


・セイカさんの動画

アイちゃん先輩の掘り下げ回をつくれるなら、同じタイミングで登場したこの人の掘り下げ回も作りたい。

元々はそら先生との友情、コウ先生との恋愛を描いた未来人編の本編があった。上手く作り込めずに空中分解している。

一応はゴミ捨て場で未来からやって来たロボ「Voidoll」を拾うSF読み切り、トバリに組織で働くようスカウトされる社会復帰編が構想されている。

いい子ちゃんでいるのが嫌でグレてみただけという本質部分は変わらないので、社会復帰編で描写は終わるだろうという気でいる。




2026年9月13日日曜日

ゲームの世界に入り込む演劇部ネタバレ

パーティーは4人まで。

パーティーを組むとパーティーを対象としたバフ、回復を受けられるようになる。また、パーティーメンバーに対してはフレンドリーファイアが無効になる。

通常では同じレアリティのアイテムの交換でなければプレイヤー間でアイテムを移動できないが、パーティー内では自由にアイテムを移動できる。

他のパーティーメンバーがどこにいるか知ることもでき、パーティーを組むことで攻略を優位に進めることができる。ただし、一度組んだパーティーは自由に解散はできず、定員に到達すれば増やすことも交代することもできないのは注意が必要。

しかし、『ドラゴネスクの怒槌』を受けるとパーティーが分断されることが大きな裏目となる。めたん、アリアルのプレイヤーキラー組はこれを警戒して協力関係にはあるがパーティーは組んでいない。

高額ではあるがパーティーを解散させられる『怒槌』、プレイヤーをキルできる『毒牙』が行商人から購入できるため、初めからプレイヤー間での戦いは推奨されている。


きりたんと塔エリアの村で合流したことで、ゆかり達4人のパーティーもプレイヤーキラー組の存在を知る。

その後、きりたんを守りながら5人で移動して海底エリア前の港町に到着する。

先に着いていた葵、ミリアルと共に海底エリアのボスを討伐することで、めたんの『腕甲』、アリアルの『風切羽』に匹敵する装備を獲得することを目指す。

一方、めたん、アリアルは遠巻きに彼女たちを監視。少人数での攻略が難しい海底エリアは任せ、ボスを倒したところを横取りする算段だった。

しかし海底エリアのボス『クアシダゴン』はギミック戦であり、港町の住人の協力によって海上で討伐され、そのまま一行は港町に帰投。めたんとアリアルは襲撃の機会を失う。

市街地でプレイヤーを襲撃し、住民に目撃されるとプレイヤーキラーらは指名手配される。指名手配された場合アイテムの購入や宿での宿泊ができなくなるため、まだその危険は冒さないだろうと一行は踏んでいた。

『クアシダゴンの外套』は『プロトゴレムの金貨』とは違い、戦闘面で強力なアイテムだった。葵とミリアルのパーティーに所有権があったが、ミリアルが装備する。

このゲームは感覚がリアルすぎることで、特殊なアイテムを装備しても容易には使いこなせないのがわかっていた。姉であるアリアルが自在に空を飛び回っていたことで妹のミリアルも適性が高いのではという判断だった。

実際ミリアルは『外套』の触手を器用に動かした。レベルが高く戦闘経験が豊富なミリアル、葵が戦力の要となる。

きりたんは葵とミリアルのパーティーに入るよう誘われるも辞退する。万一の事態に備えてということだった。


この時点でずん子、うさぎ、イタコ、ウナが死亡。

『プロトゴレム』がいた砂漠エリア最深部、『クアシダゴン』がいた海底エリア最深部に『毒牙』が置いてあったことで、他エリアでも同様にボス周辺に『毒牙』があることが推測される。

『ライオノイド』と『パラグリフィン』討伐時に得た2個がずん子、うさぎに使われ、ウナに使われたのは購入したものと思われる。報酬金の相場から考えてプレイヤーキラー組が持っているのはせいぜい後1、2個との見立てだった。

購入したものが1個、イタコがキルされた際に『デミゴルゴン』からドロップしたものを回収して1個で、めたんとアリアルの残り所持数は1個ずつだったためその見立ては当たっていた。


ゆかりがこのまま港町で行商人が来るのを待ち、『毒牙』を買い占めてしまおうという作戦を立てる。 

『プロトゴレム』の討伐報酬に加え、『金貨』によって倍加された『クアシダゴン』の討伐報酬があるため葵とミリアルの所持金は潤沢にある。

『毒牙』の生成スロットは12。既に使用されたものが3個、プレイヤーキラー組が持っているのが2個、葵とミリアルが持っているのが2個。残り5個をこちらで確保できればもう向こうは在庫を増やせない。

固まって行動し、誰かやられてもドロップした『毒牙』の回収を最優先にすれば人数差で勝てる。

どれだけ戦闘で強くても『毒牙』が無ければトドメは刺せないことに注目した勝算の高い作戦に思われた。


向こうは『金貨』の存在を知らないためこちらの所持金を見誤ってくれる。

ゆかりの言葉に背中を押され、一行は港町への滞在を決める。

この隙に残る雪山エリアの攻略に乗り出されることが懸念事項だったが、ボスからドロップしたアイテムの装備は1人1個までのため、既に『腕甲』『風切羽』で埋まっている彼女たちにとってはそれほど有益でない。

クリアに必要なアイテムがその3つで、揃った瞬間クリアになる可能性はあったがそこは賭けだった。




作戦は上手くいくかと思われたが、行商人が港町に訪れる前に葵、ミリアルが夜襲を受ける。

ゆかり達が騒ぎを聞いて駆けつけると、ミリアルがアリアルを拘束しているところだった。

アリアルの『風切羽』は開けた場所では無類の性能を発揮するが、屋内ではその機動性を十分に活かせない。

ミリアルはその特性を理解せず突っ込んできた不用心をあげつらいながらも、視線はもう一人のめたんから外さない。めたんもまた『外套』の拘束力と傍らに控えた葵の援護を警戒して動かなかった。


ミリアルはめたんに助けを求めるも、めたんは不敵に笑うだけだった。めたんが助けに動かないことを認識し、ミリアルは『毒牙』を使用してアリアルをキルする。

その瞬間、めたんは獣の速さでミリアルへと走った。その動きを読んでいた葵は自身とミリアルを守る防護スペルを発動する。

しかしめたんの狙いは攻撃ではなかった。アリアルが死亡したことでアリアルの所持アイテムはその場にドロップする。めたんの手と『外套』の触手が交差し、両者はアリアルが持っていたアイテムを手にする。

ミリアルはこれまでの作戦もあり『毒牙』を回収していた。めたんは目当ての『風切羽』を回収して満足げに微笑む。即座に自身の『腕甲』と交換で『風切羽』を装備する。


たった今アリアルが『風切羽』は屋内では使いにくいことを証明したにもかかわらず、めたんの選択に葵とミリアルは戸惑う。

めたんは飛ばなかった。『腕甲』の攻撃力強化から『風切羽』の速度強化に切り替えるだけの目的。おまけの効果であっても四国めたんという人間自体の性能を加味すると十分だった。

『外套』の複数の触手による攻撃をめたんは双剣で防ぐ。既にミリアルは『外套』の性能を十分に引き出し、レベル差があるゆかり達の目では捉えることができない領域に達していた。

しかしめたんはその全てに対応していた。レベルが上がれば動体視力も反射神経も上がるが、ゲームの世界でできるようになっても現実の世界でできない動きは普通できない。事実葵は同レベル帯の両者の攻防に割って入ることができなかった。

たとえレベルによって身体能力が変わるとしても、元から強い奴が強い。このゲームの明確な欠点であり、めたんが優先してずん子とうさぎを排除した理由だった。


めたんはミリアルに肉薄し、触手を掻い潜ると組みついた。アリアルがしたのとは逆に、部屋の中から窓枠に向かって飛行能力を使う。

空中に連れ去らわれる。ミリアルの頭には猛禽類に捕まれた鼠のイメージが浮かび、反射的に『外套』の触手を使って踏みとどまろうとする。

何とか窓枠から体を乗り出す形で止まったものの、めたんの狙い通りだった。

部屋の中からは窓枠に絡みついた触手で外が見えず、ミリアル本体は無防備な状態で外にはみ出していた。めたんは外壁に張り付きながら『毒牙』を使用した。


『外套』の触手が消失したことで屋内に残された者たちはミリアルがキルされたことを理解する。

葵が窓枠へと走る。『外套』を奪われればいよいよ勝ち目が無いことを察してだった。

そう来ると読んでいためたんはミリアルからドロップした『毒牙』を1つ拾いすぐに使用した。

葵は『外套』を拾うことはできずに息絶えた。


ゆかりは自分の認識が甘かったことを痛感していた。

キルされたプレイヤーからドロップしたアイテムを拾うのは早い者勝ち。キルした本人が最も距離が近い以上最も有利だった。

それを抜きにしてもプレイヤーキラーの方が戦いが圧倒的に上手すぎた。

めたんはミリアルの『外套』と葵からドロップした『毒牙』を拾わなかった。ミリアルが持っていた『毒牙』は2つ、まだ1つ残っているはずだ。

全員で行けば『外套』と『毒牙』どちらかは回収できるはずだった。しかしその後の勝ち目がないことは皆わかっていた。

めたんは窓枠から逆さにぶら下がりながらじっとこちらを見つめていた。


しばしの静寂が流れ、きりたんが口を開く。

めたんは『毒牙』を持っていない。ミリアルからドロップした瞬間に1個を取ってすぐに使った。もう1個を取る時間はさすがに無かったはずだ。

『外套』の近くに落ちていないのは窓の外に落ちたから。

その推測は確かにそれらしいものだったが、根拠はなかった。めたんの表情も動かない。


ああやって睨みを利かせているのはブラフ。

本当は突っ込んで来られたら『毒牙』を拾わないといけず、残りの2つを持っていかれる。

それは嫌だから何とか流れを変えようとしている。

きりたんの言葉にゆかりはハッとする。

ボスアイテムは葵が持っていた『金貨』もだ。クリアに必要なアイテムがどれかわからない以上、戦闘に使えなくても無視するわけにはいかない。

めたんが一番嫌なのは持っていかれた後てんでばらばらに逃げられ、見つからなくなること。


きりたんは確実に4人を逃がせると宣言する。

4人で突っ込み、めたんが『毒牙』を拾っているうちに『外套』と『金貨』を拾う。

その後は自分に任せてくれと言い、全財産をはたいて買っていたアイテムを取り出す。

『ドラゴネスクの怒槌』。これまで話題に挙がりながらも一度も使われなかった店売りのボスアイテムの1つ。

きりたんの意図を察したゆかり、茜、あかり、マキはめたんが待ち受ける窓辺へと突っ込む。


めたんもまた俊敏に動き、窓枠から飛び降りると『外套』を拾った。

『毒牙』を拾って1人キルするよりもボスアイテムを1つ確保した方が良いという判断だった。

ゆかりが『金貨』を、あかりが『毒牙』を回収すると同時にきりたんが『怒槌』を使用する。

何が起こるかわからず、対象ではないめたんまでも身構える。一瞬の硬直状態の後、屋内にも関わらず雷が落ちた。

ゆかり、茜、あかり、マキの4人は光の塊となり四方へと飛ばされていく。至近距離で受けた閃光と轟音によってめたんときりたんは放心していた。


気を取り直すとめたんは1本取られたことを褒める。

あなたは『外套』を拾うと思ったが、『外套』はクリアに必要なアイテムじゃない。

きりたんの言葉にめたんは不思議そうな顔をする。

『クアシダゴン』の攻略には港町で住人の協力を集める組と、海底から『クアシダゴン』を追い立てる組が必要だった。

プレイヤーキラー戦法を禁止していない以上、最終的に1人になったプレイヤーが攻略できないボスの討伐報酬をクリア条件にするわけがない。

めたんはその観点は無かったようで、きりたんの慧眼に大いに感心する。


手を組まないかというめたんの誘いにきりたんは苦笑する。

あの場でアリアルを見殺しにしなくても、いずれは背中から刺していたはずだと。

アリアルもその辺りはお互い様だったと言いつつも、めたんはその疑いを否定しなかった。

勝者は一人しかいらない。そう思うめたんの性格をきりたんは知っていた。

何よりまだ一勝負残っているのだ。

めたんが窓の外に落ちた『毒牙』を回収するまでに逃げて姿を隠す。それができなくても住人の前でキルされてめたんを指名手配させる。


めたんは微笑んだまま近づき、『毒牙』できりたんを刺した。

きりたんは自分の推測が間違っていたことへの驚愕と、であればなぜ使わなかったのかという疑念に顔を歪める。

あなたを先に排除したかったから。きりたんの頭に浮かんだ問いに答えるようにめたんは囁いた。

『毒牙』を見せて牽制しながら立ち回れば、『外套』も『金貨』も奪えるかもしれなかった。

ただそんな不確実な立ち回りより、ポテンシャルに溢れたきりたんを確実に排除する方が優先だった。

逃げられても関係ない。どのみち自分以外は全員始末するつもりなのだ。




ゆかりは砂漠エリアに飛ばされていた。

他の3人は別々のところに飛ばされていると想定し、ゆかりは次の手を考える。

『金貨』を奪われないように逃げ回るのはジリ貧だった。めたんの戦いぶりを目の当たりにした後では、かといって戦いを挑むのも無謀に思える。

ゆかりは悩んだ末、当初のプランである『毒牙』の独占を狙うことを決める。

塔でのレベリングの経験から『金貨』の報酬倍加があれば『毒牙』を2、3個買える目算はついていた。

時間さえあれば。


めたんは恐らくきりたんに『毒牙』を使っただろうから、現状『毒牙』を所持しているのはあかりだけだった。

いくら強いとはいえラッキーパンチで即死する危険をめたんは冒さないだろう。他プレイヤーを探すよりもまず、『毒牙』の確保に動くはず。

残るボスは塔、沼地、そして雪山の3体。ボスがいるエリア最深部には他エリア同様『毒牙』が置いてあることが見込まれる。

十中八九雪山だと思われた。塔の『ドラゴネスク』は伝聞を聞く限り最強格で、沼地の『デミゴルゴン』は本体からも『毒牙』が手に入るが、それ故に本体の攻撃でも『毒牙』を使われた時と同じくキルされる。

店売りで固有名称がついたアイテムが手に入る特殊なボスであり、もしこれらがボスを倒した時にドロップするアイテムと同じならクリアとは関係ないチャレンジ要素ということになる。

そうした諸々を加味すると雪山のボスエリアから『毒牙』を回収、そのままボスを倒して討伐報酬でボスアイテムを獲得しつつ『毒牙』を行商人から購入が最適解に思えた。


一切連絡の手段は無いが、ゆかりは各々が同じ判断を下して動いてくれることを期待することにした。

塔に行って金策に走る方と、雪山に行ってめたんの妨害をする方に別れる。現状ではめたんは『毒牙』を持っていないのでできなくはないはずだ。

めたんが雪山エリアで『毒牙』を使い切り、反撃できないところを『毒牙』を持った複数人で仕留める。

都合の良すぎる展開だが他に勝ち筋は思いつかなかった。


その頃、荒地エリアのあかり、森林エリアの茜も同じ結論に達していた。

現在地との距離からあかりは塔エリアに、茜は雪山エリアに向かうことを決める。

マキは雪山エリアに飛ばされており、最初と同じように村に辿り着けずにさまよっていた。

めたんは自分の動きがどこまで読まれているかわからなかったが、他に良い手も思いつかず出たとこ勝負で雪山へと向かった。


塔エリアにやって来たあかりの姿を見てゆかりは安堵した。

あかりが雪山エリアに行っていたら『毒牙』でキルされた後に持っていた『毒牙』を奪われ、優位がまた1つ減る可能性ができていた。

この2人は金策組に必須だった。問題は他の者が妨害組に回っているかだったが、悩んでも仕方ないため塔に登り始めた。


あかりは最上階まで行き、『ドラゴネスク』を倒してしまうプランは無いのかと尋ねる。

現在の我々の実力的に厳しいと答えながらも、ゆかりは思考を巡らす。

倒せないまでも近くにあるはずの『毒牙』だけ回収したい気持ちはあった。『デミゴルゴン』とは違ってキルされる心配もない。

ただし、『デミゴルゴン』と『毒牙』の関係性から考えて、『ドラゴネスク』も『怒槌』と同じ効果の攻撃を使えるはずだった。

つまりパーティーで行けばまた飛ばされる可能性が高い。


パーティーは組まずにこっそり最上階に侵入して『毒牙』を回収する。

パーティーを組んでいざという時は再び『怒槌』を喰らって逃走する。

塔の最上階の使い道は様々思いついたが、ゆかりとあかりは一旦保留とすることを決める。

結局のところ最上階の構造も『ドラゴネスク』の特性もどうなっているかわからないため、この土壇場で不要なリスクは取れなかった。


もしめたんが塔にやって来た場合は塔の最上階に向かう。

その不確かな逃げ道を支えに二人はレベリングに努めた。

他の状況が不明なのは不安だったが、意外にも何も起こることはなく目標の額を集めることができた。

行商人が塔エリアにやって来れば『毒牙』を買い占めることができる。

港で待っている時に行商人が来る直前だったことを考えると、今は砂漠エリア辺りでもうじき塔エリアに来る想定だった。




聞き慣れないシステム音が響き、ゆかりとあかりの前にホログラムで九州そらが現れる。

状況がわからない二人だったが、そらは申し訳なさそうに事情を説明する。

曰く、雪山エリアに調整が入るとのことだった。

めたんと茜が雪山エリアの村に到着し、ボスの討伐と妨害で争うところだった。

しかし雪山エリア最深部の道筋があまりにもわかりにくく、それどころではなかった。


いつまでも村に辿り着けないマキを助けるために、そらは茜にマキの位置情報を提供。茜は救助に向かうもマキが動き回ったことで二次遭難。

その隙にボスがいるという打ち捨てられた町の発見にめたんが挑むが、一日中吹雪が止まない道のりで目的地にたどり着くことはできなかった。

村にある「この先まっすぐ」という看板からただまっすぐ歩けばいいだけなんですけどねとそらが愚痴る。

アンドロイドである自分と同じ感覚で作って失敗したようだ。変わらない雪山の景色と視界を奪う吹雪は容易に人の方向感覚を狂わせる。

人並外れた才覚を持つめたんですら同じ道を行ったり来たりしているのを見て、これはさすがに進行不可能だと悟ったのだった。


吹雪の弱体化と頻度の低下、道中の立て看板の追加、各プレイヤーに方位磁石の配布を行うことを告げる。

そらとしてもゲーム中にテコ入れを行うのは苦渋の選択なのだろう。苦虫を嚙み潰したような顔をしていた。

一方でゆかりとあかりはほくそ笑んでいた。情報が手に入るだけでもありがたいのに、その情報は自分たちが有利な状況に居るのを告げていた。


それから間もなく行商人はやって来た。『毒牙』を購入するが3個しか買えなかった。

あかりが持っている1個と合わせて合計4個。目算通りではあるがやはり生成スロットは埋められなかった。

後1個は雪山エリア最深部で生成される。どっちが取るかわからないが、めたんだろうなという予感はあった。

それでも有利な状況には変わりなかった。


あかりはこのまま雪山エリアに向かって茜とマキと合流することを提案する。

めたんは『毒牙』を手に入れても茜とマキに使うことはない。必ず温存して『毒牙』を持っているだろう自分かゆかりに使う。

既に独占されている可能性にめたんが気づいていないとは思えなかった。

現状だと二択、茜とマキと合流できれば四択にできる。

4人全員で『毒牙』を持っても1人ずつ倒されるだけ。4人のうち1人だけが『毒牙』を持てば、めたんがそれ以外の人に『毒牙』を使った瞬間勝ちが決まる。

改めて『毒牙』を分け合い、反撃できない相手に3対1ならさすがに刺せる。


しかしその作戦にも穴はあった。

めたんは誰が持っているか確信が持てるまで『毒牙』を使わない選択ができる。

使わないならそのままこっちの『毒牙』で倒せるという択を迫らなければいけない。

すると持っているフリで牽制するよりあわよくば倒せてしまった方がやはり良い。

『毒牙』の分配をどうするか。それは難しい問題だった。


ゆかりとあかりは最適解を探る。

所詮は運次第ではあるのだが、その運を最大に高める方法を考えていた。

ゆかりは『毒牙』の移動方法に着目する。

『怒槌』を受けた後、ゆかりとあかりはパーティーを再結成していない。茜とマキでパーティーを再結成しているかもしれないが、たぶん『怒槌』を警戒してソロのままだろう。

きりたんが使った時は自分たちに有利に働いたが、本来はパーティーを分断して各個撃破するためのアイテムであり、警戒せざるを得ない。

めたんもそう認識しているはずだ。


実際『毒牙』に所持金を割いていただろうめたんが『怒槌』を所持している可能性は低い。

しかしだからと言って無視できないのはお互いにわかっていることだ。

つまりめたんは4人に襲いかかられてもパーティーではないと思うはずだ。

ここで重要なのが『毒牙』の移動方法だ。

あの時『毒牙』を拾ったあかりが1つ、『金貨』を拾ったゆかりが『毒牙』を3つ持っていると考えるのが順当な結論だ。

そこから『毒牙』がどう動いたか。


パーティー内では無償で移動できるアイテムも、パーティー外であれば同じレアリティのアイテムの交換になる。

『毒牙』の所在は全てわかっているが、『怒槌』はきりたんが使った1つしかわかっていない。

めたんの視点だと『毒牙』の移動は『怒槌』との交換で行われると推測できる。

きりたんが1つ持っていたことからも、ゆかり、あかり、茜、マキが分断される前に『怒槌』を所持していた可能性は十分あり得る。


口を開こうとしたあかりをゆかりは制す。

実際には誰も『怒槌』を購入してはいない。しかしだからと言って無視できないのはこれも同じことだ。

重要なのは『怒槌』というアイテムがどう考えてもパーティー内で複数個抱えておくようなものではないことだ。

つまりゆかり、あかりから茜、マキへの移動は行われても1回のはずになる。

この結論にめたんが達していれば、茜かマキが『毒牙』を見せた時点でもう片方は狙われなくなる。


ゆかりが息を継いだのを確認して、あかりは改めて口を開く。

茜、マキは『怒槌』を持っていないため、実際に『毒牙』を移動させるためにはパーティーを再結成する必要がある。

めたんが『怒槌』を持っている可能性は切る。もしくは裏をかいてこのまま移動させずに仕掛けるの二択ではないかと。

ゆかりは『怒槌』をケアしつつ、めたんの裏をかける方法を告げる。

それは非常にややこしいが、もっともらしいものだった。




行商人が塔エリアから雪山エリアに移動するのに合わせて、ゆかりとあかりは移動してきた。

茜とマキ、めたんの姿は見えなかったことでボスエリアに行っていると思われた。

そらの話を聞いて若干不安になりがらもゆかり達は村を出た。確かに最初に訪れた時よりは吹雪も弱まっており、立て看板もあって方向はわかりやすかった。


一方、雪山エリア最深部ではボスである『バーバリアン』、めたん、茜とマキの三つ巴の戦いが佳境を迎えていた。

ボスエリアの『毒牙』はめたんに取られており、茜とマキの妨害も空しくめたんはボスを圧倒していた。火属性の『腕甲』がある時点で氷属性の『バーバリアン』には圧倒的に有利だったのだ。

茜はこれ以上は無駄な足搔きだと悟り撤退を決める。ゆかりとあかりと合流し、四択の賭けに臨んだ方が良いという判断だった。

合流は思っていたよりずっと早くに果たされ、雪山のボスエリア、打ち捨てられた町が最終決戦のフィールドとなった。


『バーバリアン』を倒しためたんは『バーバリアンの首飾り』を獲得する。

『毒牙』の即死すら一度は耐えられるという効果を知り、自身の勝利を確信する。

これは向こうも知らない切り札になるはずだった。


ボスが根城にしていた教会から出てきためたんを4人は待ち受ける。

誰に『毒牙』を使わせるかという戦いになる。奇しくも演劇部である彼女たちの本懐とも言える展開だった。

めたんも既に『毒牙』は買い占められており、『毒牙』を持っていないプレイヤーに使ったら詰みだということは理解していた。

誰が持っているのか、誰が持っていないのかを見極める必要があった。


あかりが拘束魔法を使って牽制する。レベルも上がっており、喰らえば『毒牙』の餌食となるのは避けられなかった。

しかし『外套』より予備動作が大きく速度も速くない攻撃が当たるはずもなく、軽々と避けられる。

元より戦いにおいては素人の自分たちが勝てる相手だとは思っていなかった。

4人はじりじりと距離を詰め、決行の時を待った。


不意に茜が走り出した。即座にゆかりが拘束魔法をめたんに放つ。

茜が『毒牙』を取り出すのを見て、めたんも『毒牙』を取り出した。その背後からマキが『毒牙』を持って襲いかかっていた。

マキがめたんの意識外に行っていれば決まっていただろう不意打ち。しかしめたんはわかっていたように体をよじって避けると、マキを茜に向かって押した。

マキが握りしめていた『毒牙』は茜に刺さっていた。刺された茜はよろけながら後ずさると倒れた。


マキは自分がやったことが信じられないように呆然としていた。その背後から今度はめたんが『毒牙』を構える。

「マキさん!!」

あかりの叫びにハッとしたマキだったが、時すでに遅かった。




ゆかりの作戦はこうだった。

ゆかりと茜、あかりとマキでパーティーを組む。

『毒牙』はゆかりから茜へ3個、あかりからマキに1個ですべて移動する。

茜が『毒牙』を見せた場合、パーティーではないという前提であればマキが『毒牙』を持っている可能性を排除してマキの『毒牙』が決まりやすくなる。

また、万一めたんに『怒槌』を使われたとしても、残るのは『毒牙』を持っている人と持っていない人のペア。二択のままになる。

この二択を外した場合めたんは『毒牙』を持っていない状態で『毒牙』持ちと戦うことになるので、めたんは『毒牙』を使えない。

これが最も無難な最適解。

そのことにめたんが気づいているのが前提となる。


茜が『毒牙』を見せた時点でめたんはマキの奇襲を想定する。

ここでどちらから対処するかの選択になる。

茜をキルした場合ドロップする『毒牙』は3個、即座に拾ってマキに使用しなければならないため、残りをゆかりかあかりに拾われて使われるリスクが高い。

対してマキをキルした場合ドロップする『毒牙』は1個であり、対処が求められるのは茜だけ。

しかしそれはこちら目線の話。


あかりには二度の塔でのレベリングで稼いだ所持金があり、自力での『毒牙』購入も可能である。

それに『毒牙』と同レアリティで交換可能なアイテムは『金貨』もであり、めたん目線ではゆかりとあかりが『毒牙』をどう入手し、茜とマキにどう分配されているか判断はつかない。

フィフティフィフティの条件ならどうするか。

めたんなら最もリターンが高い第三の選択肢を取る。

パーティーが分かれていることを逆手に取った同士討ちによるキル。


致命傷を与えられないだけで他プレイヤーに触れることも動かすこともできる。

奇襲を仕掛けたマキの軌道を逸らして茜にぶつけるくらいのことはめたんなら容易のはずだ。

マキにキルされた茜から『毒牙』が1個しかドロップしなければマキが3個持っていたことになる。

めたんなら『毒牙』を拾うよりも『毒牙』を持っているプレイヤーをキルすることを優先するはずだ。

ドロップした『毒牙』を即座に使ってアイテムを拾おうとした他プレイヤーをキルできることは、葵のやられ方でわかっていた。




その結果こうなる。

マキから『毒牙』はドロップしなかった。最初から1個しか持っていなかったのである。

めたんは驚きの表情を浮かべたが、自分がハメられたことに気づいたようだった。

ゆかりは購入した3個のうち2個を売却した。『毒牙』の生成スロットはまだ埋まっていない。

買い占めていない状態で総力戦を挑むという非常にリスクの高い作戦だった。


茜からドロップした『毒牙』は既にゆかりによって拾われていた。

『毒牙』を持っていない状態で『毒牙』を持っている相手と戦う。めたんにとっては初めての経験だった。

めたんは相対した最後の2人を警戒しながらゆっくりと歩いた。

雪山の村まで走れば『バーバリアン』の討伐報酬金を得ることができる。その金で『毒牙』を購入できれば巻き返せるはずだった。

しかしそうできない理由もあった。


「もう詰んでるかしら。」

めたんは二人に問いかけた。

ゆかりは意図がわからなかったが、『怒槌』をケアしていなかった場合はゆかりかあかりが既に『毒牙』を2個所持していてもう勝ち目が無いことと判断した。

めたんがそう思ってくれているなら都合が良かった。ゆかりは大人しくやられてくれるよう促す。


めたんは最後まで勝ちを諦めないことを告げた。

ゆかり達は勝算の高い賭けに勝った。だからこそ自分も勝算の高い賭けに出ると。

めたんの目は真っすぐにゆかりを見ていた。ゆかりはその目に不思議な慈しみを感じて気が緩んだ。

めたんが口を開こうとした時、あかりの拘束魔法が決まった。完全に不意をついていた。


「ゆかりさん!今のうちに!」

あかりが叫ぶ。

ここで逃がしてめたんに『毒牙』を買わせるわけにはいかない。当初の作戦通りだった。

しかしゆかりの脳裏には違和感がよぎっていた。このまま倒してしまっていいのだろうか。


「ゆかりさん早くっ!」

あかりの声が緊迫感を増していた。そうこれが最後のチャンスだ。

ゆかりは『毒牙』をめたんの純白の衣装に突き立てた。







一瞬めたんの体が柔らかな輝きに包まれ、再びその姿が現れる。

『バーバリアンの首飾り』の効果。ゆかりは装備が変わっているのにも気づいていなかった。

その効果を知らなかったゆかりとあかりは驚いたが、めたんは冷めた表情をしていた。

負けなくても勝てない。そのことはもうわかっていた。


めたんは読み違えたと言い、悔しそうにその場にひっくり返る。

ゆかりはまだ得心が行っていないようだった。めたんが早々に諦めた理由がよくわからなかったのだ。

一度『毒牙』との交換であかりに『金貨』を渡し、塔で得たアイテムを倍値で売却させて所持金を増やしている。ゆかりかあかりどちらかが行商人に先に接触して『毒牙』2個を買うことで初めて詰み盤面になるつもりだった。

その前に倒してしまえるならそれでも良かったのだが…


あかりが種明かしのように『毒牙』を見せる。ゆかりが売却した後、こっそり既に買い戻していたのだ。

めたんが『怒槌』を持っていないことを知っていた。

あかりの言葉にゆかりはポカンとする。


「私とあなたの分よ。」

めたんのその言葉で初めて実感が湧いた。

あかりは自分に黙って準備をしていたのだ。このゲームに勝つための。


あかりの初期位置は荒地エリアだった。

そこでめたんとアリアルに会い、共に『ライオノイド』を討伐した。

レベルも低く装備も整っていない序盤に2人でボスを倒すのは難しい。

めたんとアリアルの無双ぶりを見ていたからこそ思い至らなかったことだった。


『腕甲』があればめたんとアリアルの2人でも『パラグリフィン』は討伐できそうに思われた。

そのためあかりは別行動を取り、他プレイヤーの行動を監視、誘導することを決めた。

塔で4人とレベリングしていたのは足止めの意味合いもあった。エリア内の人数が多過ぎればプレイヤーを狙いにくくなるから。


港町で葵とミリアルによる『毒牙』の買い占めが失敗したのはあかりが密告したからだ。

夜中に町から脱け出しめたんとアリアルと落ち合って、このままだと詰まされることと、葵とミリアルがどこの宿に泊まっているかを伝えた。

だからギリギリのタイミングで夜襲を起こせたのだ。


この最終決戦にしてもゆかりとあかりは『金貨』を持って逃げ回る選択肢だってあった。

最悪『デミゴルゴン』の近くで『金貨』を持ったままキルされ、めたんが『デミゴルゴン』にやられることを期待する戦法もあった。

しかしそれでは駄目だった。あかりが勝てないから。


あかりが勝つためにはめたんはキルされつつ、残ったプレイヤーもあかりがキルできる展開にする必要があった。

そういう意味でめたんはゆかり達と読み合いながらも、あかりとも読み合っていたのだ。

いずれ自分を排除しようとは思っているだろうが、プレイヤーを減らしたいという思惑では一致していた。

だからこそめたんは港町できりたんのキルを優先し、雪山で決戦に乗った。


噛み合いが良かったとあかりは言う。

雪山での進行不可能というトラブル、ゆかりが立てた作戦があったからこその勝利だった。

ゆかりは驚きが落ち着くと感心が込み上げてきた。

自分の後をついて回っていたあかりが、自分を上回る策謀を巡らせていた。

どこか親心を感じると同時に、めたんが向けた不思議な慈しみの目の意味もわかった気がした。


「借りは返すわ。」

めたんは近づいて来るあかりにそう捨て台詞を吐いた。

ゆかりも何と言おうか迷って、ただ「お見事」と呟いた。

はにかんだ顔で笑ったあかりは、かざした『毒牙』を振り下ろした。







最後のプレイヤーとなったあかりが『腕甲』『風切羽』『金貨』『外套』『首飾り』を手にしたことでゲームクリアとなった。

予想外な勝者であったことを讃えながら、そらはあかりを連れて現実世界へ帰還する。

キルされた者たちは観客に回っていたようで、それぞれのゲーム体験を振り返っていた。


東北ずん子は良いとこ無しで退場したことをからかわれていた。雪山エリアほどではないが森林エリアも遭難スポットであったため、そらは調整を求められた。

中国うさぎも早期退場したことで申し訳なさそうにしていた。『風切羽』での奇襲は予備知識が無かったら絶対回避できないようなものだったので周りは同情していた。

東北イタコは唯一プレイヤーではなくモンスターにキルされたことでずん子同様揶揄の対象になっていた。見た目が怖すぎて冷静な判断ができなかったことを恥じるも、あんなのをマップのど真ん中のエリアに配置する制作者を非難していた。

音街ウナも良いとこ無しの上、『風切羽』で一方的に狩られたことで同情的だった。これに関してはアリアルの非情さへのブーイングも大きかった。


アリアルは『風切羽』で空中から一方的に襲いかかる戦法を嬉々として取っていた上に、狙ったのも小さな子ばかりということで非常にヘイトが高かった。ミリアルにキルされた時は喝采が上がったと言う。

ミリアルは真正面からめたんに押し負けたことを悔しがっていた。条件的には五分であり、たとえ空中に連れ去らわれたとしてもまだ勝ち目はあったので無理に踏みとどまるべきではなかった。

琴葉葵もまた、自分がもっとサポートできていればと悔やんでいた。ミリアルと葵のペアでめたんを仕留められていればその後はもっと別の展開になったはずだった。

東北きりたんは東北三姉妹で唯一意地を見せたことで評価が高かった。敵を倒すための『毒牙』に皆が注目する中で、味方を逃がすために『怒槌』を用意しておく判断はさすがのものだった。


琴葉茜は渋い顔をしていた。マキに茜をキルさせるという作戦はゆかりから聞かされておらず、そこで既に騙された気分だった。仲間のための犠牲ならそれでもまだ良かったが、更にあかりも騙していたので踏んだり蹴ったりな気分だった。

弦巻マキも同様に渋い顔をしていた。2回も雪山で遭難した上、作戦について聞かされていなかったので茜をキルしてしまった罪悪感を味わった。

結月ゆかりはそんな茜とマキを宥めていた。自然な演技のためと言うが、何も聞かされてない以上ただの素の反応だった。一応味方サイドではあったが、人格的にはプレイヤーキラー側の人間という評価だった。

四国めたんは最後の最後でひっくり返されたことでムスッとしていた。戦略的判断とは言え真っ先に親友であるずん子をキルしたことで人格を疑われていた。小悪党なアリアルとは違い、実力と野心を兼ね備えた真っ当な悪役だった。


紲星あかりはほとんど全員を騙していたことでドン引きされていた。いったいどんな気持ちで塔でのレベリングや『クアシダゴン』の討伐に臨んでいたのか問われると、純粋に楽しんでいたと答えた。それはそれとして最後には裏切るという切り替えの良さが勝因だった。

めたんがそう言えばクリアに必要なアイテム3つは結局何だったのかをそらに尋ねる。

『ライオノイドの腕甲』『パラグリフィンの風切羽』『バーバリアンの首飾り』だった。


「え、私勝ってたじゃない。」

めたんが驚きの声を漏らす。他の者も呆気に取られる。

あのタイミングでめたんの勝利を宣言してもみんな興ざめするだけだった。だから特に何も言わずに続行させた。

そらは申し訳なさそうに言った。


一人での攻略が難しいのは『クアシダゴン』だけでなく『プロトゴレム』もだった。

砂漠エリアの迷宮は海底遺跡の複雑さと塔のモンスターの多さを兼ね備えた場所であり、『プロトゴレム』まで辿り着くこと自体が一つの試練だった。

ただボスを倒すだけの『ライオノイド』『パラグリフィン』『バーバリアン』のアイテムがクリア条件なのは、全容を把握すると当然に思えた。


試合に勝って勝負に負けたようなもの。

あの場で勝利を宣言されても他プレイヤーを全滅させるまで納得しなかっただろうことはめたんもわかっていた。

しかしそっちの勝ち方をすっかり忘れていたのは失態だった。

めたんは複雑そうに呻く。


複雑そうに呻いたのはあかりもだった。

完全に出し抜いて勝ったつもりだったのに、その勝利に泥がついてしまった。

そらは色々と調整が必要そうですねと能天気にまとめた。

情報の不足が有利不利を招いた局面は多かった。次があればもっと別の戦い方があるだろう。


「次はあなたを最初に殺すからね。」

「こっちの台詞です。」

めたんとあかりが笑い合う。

結局のところ戦いに適した精神性による優位は覆らないように思われた。

今度は『ドラゴネスク』と『デミゴルゴン』も討伐してほしいけれど、この2人が居る限りは無理だろうなとそらは思った。




2026年9月7日月曜日

ゲームの世界に入り込む演劇部

多人数動画のプロット案の一つ。

九州そらがハンターハンターのグリードアイランドのように、仮想空間を使ってゲームの世界に入り込めるタイプのゲームソフトを開発する。公式小説からのネタ。

テストプレイとして東北ずん子らの他、演劇部の面々にも声がかかる。九州そらがゲームマスター、ずんだもんがゲーム内のNPCを担当。プレイヤーは13人。

特定のアイテム3つを獲得することがクリア条件となる。


①結月ゆかり

初期位置は雪山エリア。

雪山エリアの村で茜と合流。以降は行動を共にする。

塔エリアであかり、マキと合流しレベリングを行う。


②紲星あかり

初期位置は荒地エリア。

荒地エリアでレベリング後、塔エリアでゆかり、茜、マキと合流。以降は行動を共にする。

最初のレベル差はくつがえらず、パーティーでは主力を担う。


③琴葉茜

初期位置は雪山エリア。

雪山エリアの村でゆかりと合流。以降は行動を共にする。

塔エリアであかり、マキと合流しレベリングを行う。


④琴葉葵

初期位置は砂漠エリア。

砂漠エリアの村でミリアルと合流、周辺でレベリング中にうさぎと合流する。

砂漠エリアのボス『プロトゴレム』を討伐し、『プロトゴレムの金貨』を獲得。

荒地エリアを移動中、『パラグリフィンの風切羽』を装備したアリアルの襲撃を受ける。

以降はプレイヤーキラー組への対策に奔走する。


⑤弦巻マキ

初期位置は雪山エリア。

雪山エリアの村になかなか到達できずに長期間さまよう。

塔エリアでゆかり、茜、あかりと合流。以降は行動を共にする。

塔エリアであかりにキャリーされながらレベリングを行う。


⑥東北ずん子

初期位置は森林エリア。

森林エリアの村になかなか到達できずに長期間さまよう。

現実世界での肉体性能とゲーム世界での肉体性能の落差に苦戦。他のプレイヤーと合流することも装備を整えることもできなかった。

『ライオノイドの腕甲』を装備しためたんとアリアルの襲撃を受けて死亡。


⑦四国めたん

初期位置は荒地エリア。

そのまま荒地エリアでレベリングし、アリアルと合流。

荒地エリアのボス『ライオノイド』を討伐し、『ライオノイドの腕甲』を獲得。

以降はアリアルと共にプレイヤーキラーになる。


⑧中国うさぎ

初期位置は塔エリア。

塔を登ることはせず砂漠エリアに移動し葵、ミリアルと合流する。

葵、ミリアルと共に砂漠エリアのボス『プロトゴレム』を討伐する。

荒地エリアを移動中、『パラグリフィンの風切羽』を装備したアリアルの襲撃を受けて死亡。


⑨アリアル

初期位置は森林エリア。

森林エリアから荒地エリアに移動しながらレベリング。めたんと共に『ライオノイド』を討伐する。

森林エリアのボス『パラグリフィン』を討伐するために来た道を引き返す最中、ずん子を発見してキルする。

『パラグリフィン』討伐後は『パラグリフィンの風切羽』を装備して他プレイヤーを襲撃する。


⑩ミリアル

初期位置は砂漠エリア。

葵、うさぎと共に砂漠エリアのボス『プロトゴレム』を討伐する。

荒地エリアを移動中、『パラグリフィンの風切羽』を装備したアリアルの襲撃を受ける。

以降はプレイヤーキラー組への対策に奔走する。


⑪東北イタコ

初期位置は砂漠エリア。

沼地エリアを突っ切って森林エリアへ移動。きりたん、ウナと合流する。

ずん子がキルされた痕跡の発見、葵、ミリアルからうさぎがキルされたことの報告があったことでプレイヤーキラー組の存在を認知。

彼女たちへの対策の一環として沼地エリアのボス『デミゴルゴン』を偵察中、戦闘に発展してしまい『デミゴルゴンの毒牙』を受けて死亡。


⑫東北きりたん

初期位置は森林エリア。

めたん、アリアルと遭遇することはなくプレイヤーキルは免れたが、他プレイヤーとの合流に苦戦する。

イタコ、ウナと合流後は森林エリアのボス『パラグリフィン』の討伐に乗り出すが、めたん、アリアルに先を越されていた。

『デミゴルゴン』にイタコがキルされた後は塔エリアを目指して逃走。道中でアリアルの襲撃を受ける。


⑬音街ウナ

初期位置は荒地エリア。

森林エリアへ移動してさまよった後、きりたん、イタコと合流する。

移動に時間をかけレベリングを十分に行えず、『パラグリフィン』討伐の空振りもあって装備を整えることもできなかった。

『デミゴルゴン』にイタコがキルされた後は塔エリアを目指して逃走。道中でアリアルの襲撃を受けて死亡。




〇ライオノイド

荒地エリアのボス。火属性。

武具を身に着けたライオンの獣人。火属性が付与された攻撃を行う。

高い機動力と持久力を有し、開けた荒地での戦闘で並ぶ者はいない。

しかし武人のような気質があり、背を向けて逃げる相手は追わない。


・ドロップアイテム

『ライオノイドの腕甲』

生成スロット:1。

ライオノイドが身に着けていた腕甲。

装備者のすべての攻撃に火属性の付与と威力の増加を与える。


・ストーリー

人と闘うたび、人を喰らうたび、その獅子は人の性質を獲得していった。

人喰いの怪物からいつしか、荒地の覇者へと呼び名は変わっていた。

これまで数多の戦士が獅子へと挑み、その血肉になった。

人の性質が獅子の性質を凌駕し、真の戦士になる日も近いのかもしれない。




〇クアシダゴン

海底エリアのボス。水属性。

海生生物の姿を真似る不定形の巨大な怪物。

日の光が当たる場所に引きずり出すことで大幅に弱体化する。

逆に素の状態で討伐することは困難。


・ドロップアイテム

『クアシダゴンの外套』

生成スロット:1。

クアシダゴンの素材を使った服。

あらゆる衝撃を吸収し、変形して攻撃、拘束を行える。

本体と同様に日の光が当たる場所では大幅に弱体化する。


・ストーリー

海で命を落とす者が相次ぎ、人々の恐れは暗い海の底へと向かった。

得体の知れないものへの恐れは、ある生き物を得体の知れないものへと変えた。

元が鮫であったか蛸であったか、もしくは別の何かであったか。

もはやその生き物自身も覚えていないが、与えられた性質に従い今日も船を襲う。




〇パラグリフィン

森林エリアのボス。風属性。

鷲の上半身と獅子の下半身を持った獣。天空を舞い、旋風で敵を引き裂く。

極めて気性が荒く、目についた全ての生き物を動かなくなるまで攻撃する。


・ドロップアイテム

『パラグリフィンの風切羽』

生成スロット:1。

パラグリフィンの頭の羽。

装備者は飛行と高速移動が可能になる。


・ストーリー

その鷲と獅子の戦いは熾烈を極めた。

頂点捕食者同士の縄張り争い、本能がけして退くことを許さなかった。

あまりの闘気に空間は歪み、気づけば二者の体は融合していた。

どれだけ敵を屠っても心が休まることは無い。最も倒したい相手は既に自分自身だから。




〇プロトゴレム

砂漠エリアのボス。土属性。

土くれと岩でできたゴーレム。動きは鈍重だが破壊力は随一。

遺跡内のトラップを利用することで優位に戦いを進められる。


・ドロップアイテム

『プロトゴレムの金貨』

生成スロット:1。

プロトゴレム内部のミイラが握りしめていた金貨。

すべてのクエストの報酬金額とアイテムの換金額が増加する。

ドロップアイテムのレアリティと個数が増加する。


・ストーリー

ゴーレムを動かすには強い魔力と優れた魔法技術が必要だ。

しかし兄弟はペテンを思いつく。中と外から二人で操ればずっと楽ができる。

弟がゴーレムの中に潜み、兄は外でさも一級の魔導士のように振る舞う。

幾つか大きな仕事の依頼を受けたら、金を持ち逃げするつもりだった。

一時の辛抱だった。今だけ精一杯やるつもりだった。

大口の契約を結び、喜びを分かち合おうと兄は弟を覆う岩を外した。

弟は死んでいた。

その日から不思議と兄は他のどんなゴーレムも自在に操れるようになった。

財を築いた兄は死の間際、迷宮の奥深くに最初のゴーレムを向かわせた。

宝を守るためだったのか、それ自体が宝だったからなのかは定かでない。




〇バーバリアン

雪山エリアのボス。氷属性。

白い毛並みの大猿。素早い動きと鋭い爪で獲物を仕留める。

吸い込んだ空気を瞬間的に冷やして氷属性のブレスを放つほか、氷の球を投擲することで遠距離から戦うこともできる。


・ドロップアイテム

『バーバリアンの首飾り』

生成スロット:1。

バーバリアンが最期に流した涙で凍りついた、花嫁の首飾り。

一度だけHPが0になった時、復活できる。この効果は『デミゴルゴンの毒牙』に対しても有効。


・ストーリー

出会った時はまだ子猿だった。

群れからはぐれて弱っていたところを幼い娘は助け、共に育った。

大きくなった猿は山へと帰ったが、時折娘が遠くから手を振ると高く天に吼えた。

娘にとっては終わったことだったのだろう。小さな生き物に向けた、小さな優しさだったのだろう。

娘の結婚式の日、白い大猿が町を襲い新婦以外の全員を殺した。

助けに向かった者もことごとく殺され、町はそのまま見捨てられた。

大猿は娘を傷つけることはなかったが逃がすこともなく、娘もまた大猿を憎むことはなかったが従うこともなかった。

いつしか動かなくなった娘を氷の椅子に座らせ、大猿は傍らに眠る。

殺めてしまった後悔か選ばれなかった悲嘆か、その胸中を窺い知ることはできない。




〇ドラゴネスク

塔エリアのボス。雷属性。

黒い竜。全身が鱗に覆われ、背中から尻尾にかけて棘が生えている。

雷雲を操り、咆哮とともに雷を落とす。

塔の最上部で挑戦者を待っている。事実上のラスボス。


・ドロップアイテム

『ドラゴネスクの怒槌』

生成スロット:6。

体表の棘から作られる笛。パーティーを解散させることができる。

解散させられたパーティーのプレイヤーは一定距離離れたランダムな位置に飛ばされ、所定の時間パーティーを組むことができない。

討伐報酬以外でも各所から入手可能。


・ストーリー

彼は紛れもなく英傑だった。

たった一人で魍魎跋扈す塔を登りつめ、暴君たる竜を打ち倒したのだ。

しかし再び地に降りた彼に向けられたのは忌避と疑惑の目だった。

元より賞賛など望んでいない。しかし人の世にはもはや心躍るものは無かった。

主のいなくなった塔へと戻り、強敵との戦いに思いを馳せる。

あれほどの相手はもういない。ではどうすればいいか。己がなればいいのだ。

その答えに気づいた時、彼の目は黄色く濁り、体からは鱗が生え始めた。

竜化の呪。吼えると応えるように雷が鳴った。




〇デミゴルゴン

沼地エリアのボス。無属性。

無数の蛇がからみついた女の姿をした怪物。

蛇が持つ毒は強力無比で、いかなる人間であろうとその毒がもたらす死からは逃れられない。

目は見えないが身にまとった蛇の囁きに従い近づく者を襲う。


・ドロップアイテム

『デミゴルゴンの毒牙』

生成スロット:12。

からみついた無数の蛇の牙。プレイヤーをキルすることができる。

キルされたプレイヤーは現実世界に戻され、持っていたアイテムはその場に残る。

討伐報酬以外でも各所から入手可能。


・ストーリー

女の性は蛇だ。

不貞を糾弾された妻は決してその事実を認めることは無かった。

手足を削ぎ落とされ、目玉を抉り取られ、毒蛇がうごめく穴倉へと突き落とされても尚、身の潔白を訴え続けた。

その様を見てついに、亭主は己の間違いを認めた。

残虐な仕打ちへの報復を恐れ、逃げ出した亭主を彼女は探し求める。

いつの日か許され、また愛されることを待ち望んで。




うまずめ

長編民俗学ホラー。

伊織弓鶴、ついなちゃん、四国めたん、アメノちゃん。

石女、不産女、水滴石穿、しずく。

うずめ、アメノウズメノミコト、猿田彦、猿田。



幕1


弓鶴、ついなは修行の一環でとある霊山を訪れる。

とはいえ半分ぐらい旅行のようなもので、後鬼はついて来ず二人きりでの旅路となる。

麓の村の旅館へと滞在中、そこに住む10歳ぐらいの娘と仲良くなる。

名前はしずくと言い、経営者の娘というわけではないそうだった。身寄りがなく住むところがないため引き取ったと話す。


そこに宿泊客としてめたんとアメノがやって来る。

めたんと顔見知りになっていた弓鶴とついなはもしかして何かの調査かと尋ねる。

何らかの儀式が行われた痕跡のある民家があり、そこの住人が失踪している。

ワンチャンヤバめの事案な可能性があるため、用心棒として雇われたとめたんは語る。

アメノも新人バイトのため非正規コンビとなる。


宿の経営者らに話を聞く中で、件の民家がしずくが住んでいたところであり、失踪したのは彼女の母親であることが判明する。

めたんは母がどうなったか本人も気がかりだろうと現地調査にしずくを誘う。

彼女の身を案じた弓鶴とついなも一緒について行くことになる。



幕2


彼女の家は宿からかなり離れた、山深い場所にあった。

めたんはしずくにここからでは通学も大変ではないかと問いかける。

不便だったから今は宿に住めてラッキーだとしずくは舌を出した。


民家は割と大きな日本家屋だった。

元はこの辺りにも集落が続いており、一番立派なその家だけが最後まで残ったようだ。

中はごく普通の家で、親子二人で暮らしていた生活の跡が残されていた。ただ一室を除いて。

襖を外して二部屋を繋げた畳張りの大きな部屋。そこにはよくわからない物品や書物が乱雑に散らばり、部屋の奥には巨大なオブジェが作られていた。

天井まで届くほどの大きさの針金で組んだ輪っかに無数の呪術的な装飾が施されている。和洋折衷されており、どういった意図で作られたものなのかはわからなかった。

ただ相当の執念と狂気が込められているのはわかった。


明らかに異様なものであり、弓鶴とついな、アメノは固まる。めたんとしずくだけが平気な顔をしていた。

「まあこれでしょうね。」

そう呟いて無造作にめたんが輪っかに触れる。ビビっているアメノに何も感じないから大丈夫だと語る。

しずく曰くこの部屋には入ってはいけないと言われており、母が急にいなくなってから警察の人と一緒に初めて入ったそうだ。

結局事件性は認められず頭のおかしくなった母親の自発的な失踪とされたが、話はどこからか広まりめたんらの調査対象となったのだろう。


しずく自身もその結論に納得しているようだが、母がいったい何をしていたのかは気になるようだった。

めたんはこのまま解体して終わりというのも退屈だからと部屋の整理を始める。弓鶴とついなも協力し、アメノも文句を言いながらも従った。

母親の日記が見つかり、そこにはこの家に越してきてからの実験の記録がつづられていた。

思っていたより真剣に試行錯誤された内容でめたんは熟読する。最後の記述はいなくなる一か月前で、結果がどうだったかが記載されていなかった。


書かれていないから成功だったのか失敗だったのかわからない。

そう語るめたんの表情は先ほどとは変わっていた。

しずくを連れて再び家の中を回り、この家での生活がどのようなものだったかを詳しく尋ねる。

本棚に並んだ漫画本や廊下に積まれた非常食についてなど、弓鶴たちにはなぜそんなことを聞くのかわからないようなことまで。

日記が途絶えてからの一か月で特に母親の様子は変わらなかったそうだ。


「気持ち悪いわね。」

広間に帰って来るとめたんはそう言った。

散らかっていた物品や書物はある程度片づけられていた。もう一息と言ったところだったがめたんは撤退を宣言する。

突然の方針転換に他の者は呆気に取られるも、そそくさと帰り支度を始めた彼女の後を追った。



幕3


宿に戻っためたんは説明を求められる。

何の霊的な痕跡も認められなかったが、成功の可能性を感じたからと彼女は答える。

古今東西混ぜ合わせられていたが、儀式のデザインは外から神を呼び出すという方針で統一されていた。

儀式を行っていた母親の取り組み方も真摯かつ敬虔で祈りが通じたかもしれないと語る。


もっと他に根拠があるように感じたが弓鶴は聞かなかった。

めたんはアメノに母親の経歴について調べるように命じる。

アメノは面倒な仕事に渋っていたが、輪っかを壊す方がいいかと問われると喜んで調査に向かった。


めたんはまだ輪っかを壊す気は無いようで、周辺の聞き込みに当たるようだった。

宿でついなと一緒にしずくの相手をするか迷ったが、弓鶴はめたんについて行くことを決める。

野次馬根性もあるが、今後ついなと生活する上でめたんから知識や調査能力を学んだ方がいいという判断だった。

めたんは別段どっちでもいいようで、弓鶴と言葉を交わしながら村を周った。


小さな村であり、誰もが母娘のことを知っていた。

と言っても母親と言葉を交わしたことのある者は少なく、大抵の話は娘のしずくのことだった。

めたんは朗らかに、それでいて抜かりなく彼女たちの足跡を辿っていった。

特に不自然なことは感じない。弓鶴の感想にめたんは同意した。


宿に帰ると、ついなとしずくがお互いの名前の由来を教え合っていた。

ついなは「追儺」と呼ばれる悪鬼や疫病を追い払う儀式から取ったものだと教える。

しずくは「水滴石穿」という四字熟語が由来だと言った。

雨垂れの一滴でも、同じ場所に落ち続ければ石に穴を開けられることから、小さな努力でも根気強く続ければ困難を打ち破れるという意味。

良い名前ではあったが、母親が儀式にかけたであろう執念を思うと空恐ろしいところがあった。



幕4


弓鶴とついなの滞在の終わりが見えて来た頃、アメノから一報が入る。

アメノ一人で調べたわけではないようだったが、大体の経歴が調べられていた。

母親は依然別の場所で「猿田」という家に嫁いでいたが、夫が事故死。

お腹に子供がいたが家からは追い出され、また別の場所で狭いアパートを借りて生活。

そこから母子二人で慎ましく暮らしていたが、村内のあの民家を相続したことで引っ越してきたそうだった。


母親が暮らしていたアパートの外観と間取り、嫁ぎ先の猿田家を訪問した時の録音が添付されていた。

猿田家は旧家であるが跡継ぎが居らず、今は母親の義母、しずくにとっては祖母が一人で暮らしているそうだった。

祖母は追い出した母親のことを相当嫌っているようで、行方不明になったと聞いても身を案じることはなかった。

村で暮らしていることも知らず、有益な情報は無かった。


意地悪そうな婆さんで散々悪口を聞かされた。馬…なんとかって。

通話口でアメノがそう愚痴る。

めたんはしずくのことは何か言っていなかったと尋ねる。娘ではあるが唯一の跡取り候補のはずだ。

そう言えば聞いてなかったと答えたアメノに、じゃあもう1回行って来てとめたんは無慈悲に告げた。


「色々と変なのよね。」

アメノとの通話を打ち切っためたんは寝っ転がりながらこぼす。

弓鶴は自分が感じていた違和感について語る。

儀式にのめり込んでいる反面、しずくの前では普通に母親をしており、しずくもまた普通に生活している。

その二面にまったくつながりが見出せない。


めたんは同意し、自分の違和感も挙げる。

居間や台所など、他の部屋はきちんと整理されていた。日記の記録からも几帳面な性格であるのがわかる。

それなのにどうしてあの部屋だけあんなに散らかっていたのか。儀式が上手くいかなくてむしゃくしゃしていたのかもしれないが、日記の記録からはそうは見えなかった。

例えば何かが降臨し、その際の衝撃で荒れたのかと思っていたと。


結局情報も無く痕跡も見つけられないので、めたんは手詰まりになったようだった。

半分忘れかけていたが当初の目的だった霊山での修行に手を貸してくれたことで、弓弦とついなはこの村に来て初めてそれっぽいことをやった。

雑談がてらめたんはあの民家について推測を述べる。

こういった地域では神事を執り行う一族が大きな力を持つ。あの家はその人たちの者だったのではないか。

しずくもしずくの母親も霊的な素質に優れた血の持ち主で、それが上手いこと作用したのかもしれない。


何の証拠も無しでいいのなら既に結論は出せるとめたんは言う。

アメノの調査によると母親の霊的な儀式への興味は、夫が亡くなり嫁ぎ先を追い出されてから始まっていたようだった。

と来ればきっかけは当然夫の死であり、単純に考えれば目的は夫を生き返らすことになる。

儀式の結果何かが現れ、願いを叶える代償として娘の命を求める。

一か月間の猶予を与えられたが娘を差し出すことはできず、契約は不成立。

無駄足を踏ませた罰と呼び出し分の対価で母親は連れて行かれもう帰ってくることはない。


あるいは初めから夫を生き返らすための贄として娘を育てていたが、土壇場になって情が勝ったのかもしれない。

そういうこともあるとめたんはつまらなそうに呟く。

これが正解だったらしずくには言えない。

3人ともそのことはわかっていた。



幕5


結論は出たものの、どこか納得できない様子のめたん。

「逆だったのかもね。」と呟く。

どういう意味かと尋ねた弓鶴には答えず、めたんは少し歩いて来ると去っていった。

弓鶴とついなは二人で宿へと向かいながら、これまでのことを振り返る。

それでも最後の一か月を親子一緒に過ごせて良かったとついなは語る。

親のいないついなにとっては羨ましいことなのだろうと寂しく微笑んだが、弓鶴はふとあることに気づく。


逆だったとしたら…

娘の命を捧げようとしたのではなく、娘の命を授けてもらったのだとしたら。

日記が途絶えた1か月前に何かが現れ、その何かは願いを叶えてくれたのだ。

1か月の猶予を与えられ、十分に二人での生活を過ごしてから代償として連れて行かれた。

わかっている。この考えはおかしい。

弓鶴の額に冷たい汗が流れる。


違和感はあった。

10年間娘と一緒に生活しながら、亡き夫を蘇らすための儀式の準備を進めていたのだろうか。

娘はそれに気づかなかったのか。母親の気は変わらなかったのか。

変わらなかったとしたらなぜ直前になって変わったのか。


死んだのが娘で、娘を生き返らそうとしていたなら色々なことが納得いくのだ。

猿田の家が母親をあっさり放逐したのは跡継ぎができることはもう無いから。

家を追われた母親が狭いアパートで暮らしていたのは一人暮らしだったから。

人里離れた山奥の家を買ったのは子供の学校を気にする必要が無かったから。


しかし実際には娘は生きてきたのだ。あらゆる記憶と記録にそれが残っている。

もしこの説を成り立たせるなら、儀式の成功によって娘という存在が過去に遡って作り出されたということになる。

儀式の部屋に不自然に積み上がった荷物は本来他の部屋に置かれていた。

他の部屋に母娘の生活の痕跡を作るために、あの一室に押しやられた。

めたんはそういう想像をしていた。だから気持ち悪いと言ったのだ。


馬…なんとか。

アメノが電話で言っていた単語は恐らく「うまずめ」だ。

子供ができない女のこと。猿田の家に嫁いで数年、跡継ぎをつくれなかった母親はそう蔑まれていた。

夫が亡くなった時にお腹の中に子供がいた。

それ自体が元々存在しなかった事実。彼女が懸けた願いだったのだ。


ただの想像に過ぎない。弓鶴は首を振る。

だとしても既に終わったことだ。自分たちが気にするようなことはない。

「あ、しずくちゃん。」

ついなが声を上げる。しずくが宿から手を振っていた。


水滴石穿。

雨だれが石を穿つように、たゆまぬ小さな努力が困難を打ち破る。しずくの名の由来。

「うまずめ」は「石女」と書く。石は子供を産めないからだ。

どのような困難を打ち破ることを夢想してその名をつけたのだろうか。

弓鶴は浮かんだ想像をかき消すよう再び首を振った。




メモ

・ヤンデレ女と秘密を抱えた男。

・帰ってきたけれど待たれていなかった少女。

・科学好きな少年とオカルト好きな少年。

・公園からホームレスを追い出したい少年。

・因果応報、自業自得の男。

・今日もいじめられただけの少女。

・『ファントムバレット』

・『フォースプラン』

・自分が弱かっただけ



2026年8月8日土曜日

青春シリーズまとめ

双葉湊音があらゆるサインを見逃す物語。


第1話

・学校に着いてすぐ龍星は詞音を置いて自身の教室に向かう。一緒に登校するのは義務感からであり、ずっと一緒に居たいわけではない。それを見送る詞音の視線も寂しげ。

・朱司がそんな詞音を見兼ねて軽口を叩く。この時点で既に朱司は龍星から相談を受けており、二人の仲があまり上手くいっていないのを知っている。詞音は朱司に対しては遠慮ない態度を取れている。

・湊音に対する「ずっと一緒にいたら話すことなくなる~」の語りは詞音自身に言い聞かせるものでもある。これも恋の駆け引きであり破綻に向かっているわけではないという願望。


第2話

・ひまりとつむぎは詞音の恋心には気づきながらも二人が既に恋人であることには気づいていない。詞音と龍星が恋人らしい距離感を見せてはいないため。龍星が湊音を口説くような形になった時も詞音は言葉をかけることができなかった。

・去年同じクラスだった虎太郎は身長いじりでからかえている。朱司と同様に遠慮ない態度を取れる相手ということ。また詞音の本来の性格がこういうものであることがわかる。

・龍星にとっては親友である玄野から見ても詞音は「いい感じのお相手」止まり。親しい人物の目から見ても恋人には見えないということ。その時の二人の顔も複雑そうな表情をしている。


第3話

・湊音と玄野を見守る集団の一人でいる間は詞音も龍星も自然体でいられている。この時のことが後の選択に繋がっている。

・ひまりが玄野をからかっている様子は互いに憎からず思っている男女の距離感を表している。気軽に言葉を交わせなくなった詞音と龍星とは対比。


第4話

・湊音をからかいつつ朱司とふざけているだけだが、詞音は恋愛観に対して自身の恋愛事情も絡めた複雑な思いを抱いている。

・詞音が湊音へ歩み寄ったのは、湊音もまた男子と仲良くなれなかったことにシンパシーを抱いたのと湊音の前では恋愛強者のスタンスでいられるため。


第5話

・「人と仲良くなるにはもっとわかりやすいイベントが必要」「話題があるから会話が生まれて会話があるから親睦が生まれる」「まだ何気ない日常を一緒に楽しめるほどの関係性が無い」。これらの言葉は詞音と龍星に対しても向けられたもの。頭ではそうわかりながらもできなかったことへの後悔も交じっている。

・詞音が湊音のことをだいぶ雑に扱えるようになっており、気を許し始めていることがわかる。


第6話

・詞音は朱司に湊音の面倒を見るように頼まれた。詞音にとって関係性の深さで言ったら朱司の方が上であり湊音はあくまで庇護対象。

・龍星と玄野の思い出を湊音に語る。湊音をからかうためでもあるが詞音と龍星の思い出は上手く思いつかなかったためでもある。


第7話

・だいぶ詞音のギアが上がっている。本来の性格はこのようにズケズケといじり倒してくるものであり、湊音に対しては気を許しているが龍星に対しては素の自分を出せていないことが読み取れる。

・湊音と友達になることを決めたのは湊音との時間が思いのほか楽しかったから。物語的なところだと、この楽しい一日の中で「ここに龍星もいたら」のような思考が出なかったのが詞音の心理状態を表している。


第8話、第9話

・番外編。詞音が湊音や朱司、他のクラスメートと打ち解けている様子がわかる。

・この時と青山と一緒にいる時で詞音の態度は違う。クラスではやはり気の強い女子。


第10話

・黒沢が語った「どっちかが告白したら今から彼氏彼女ですみたいなのが嫌い」という話。これは詞音と青山のことを想起させるもの。それを聞いた青山は「見かけに反してまじめな奴だ」とはぐらかしながらも考え込んでしまっている。

・黒沢が経験した蛙化現象の過去も含めて、この回は詞音と青山の恋愛のやり方が失敗であることを暗示している。


第11話

・詞音が青春として挙げたのは「誰かを好きになったこと」。「人を好きになったり付き合ったりとか初めてのこと」と語っている。詞音以外は龍星のことを好きになり、恋心や交際について思いを馳せるようになったことだと思っている。実際は二人は既に付き合った上で倦怠期のような状態にあり、詞音としては半ば諦めた気持ちで美しい思い出として語っている。

・冥鳴が語った青春は湊音の行く末を暗示するものであり、青少年の誰もが直面する妥協と諦観のこと。湊音は実際に直面するまでそれがどのような意味か理解することは無かった。


第12話

・前話に引き続き湊音にわかりやすいチャンスが与えられた回。ゆかりの言葉は湊音に刺さっており、湊音はそれらを受け止めて投げ返すことができた。

・湊音は心の受け皿をつくることはできたが、そこに現実の事象を乗せることはできなかった。ここで「偽りの光」が具体的に何を指すのかを自分の人生と照らし合わせて考えていれば気づけたかもしれなかった。


第13話

・ゆかりから「認知を歪めずに正当な結果を受け取る」よう求められる。補遺を見た方ならご存じだろうがかつてはゆかりも認知を歪めていた。今は湊音が認知を歪めている。

・湊音の目から見ても龍星と詞音は「友達以上恋人未満」。余談だが葵やうさぎ達が詞音と出会った女子会の時は付き合い始めでまだ浮かれていた頃。


第14話

・湊音が詞音と龍星を尾行していた時、登校中は笑顔を浮かべていた二人も昼休みに中庭にいる時は表情なく並んでおり、下校中に寄り道をしているところでは顔が見えないようにしている。湊音の尾行に気づいていたようにも単純に二人があまり楽しんでいないようにも捉えられる。

・湊音を間に入れたのは詞音も龍星も二人きりの時間に耐えきれなくなっていたから。湊音の存在によって関係が改善されるのを期待していた。二人が別の場所で同じ月を眺めるカットはその暗示。


第15話

・つむぎは詞音と龍星が付き合っていることを知り、間に割り込むことに消極的だった。詞音の「付き合い始めても友達のままなんだから一緒に遊びましょう」は社交辞令ではなく本当に一緒にいてほしいという意味。

・ひまりは一般論として「付き合い始めの二人が上手くいかないこともある」という認識を持っていたため詞音のサポートに回った。「他人のことはわからない」「人生はままならない」という前提で動く大人の対応。

・「かわいく甘えたりできなくてごめんね」「言うなよそんなこと」のやり取りはあまりにも露骨すぎて出すのを迷った。杞憂だったが。


第16話

・朱司の「それでいいのかい?」に対する龍星の「俺はこの方がいいと思う」というやり取り。恋人である二人が互いに歩み寄るのではなく、間に別の人を入れて距離感を探るやり方でいいのかという確認。朱司は龍星から相談を受ける中でそのやり方には否定的だった。

・かつて虎太郎がそうしていたように、湊音が会話の中心になることで二人は上手く話せるようになった。詞音はつむぎと同様に虎太郎や玄野、黒沢に対しても遠慮なく間に入るように求めている。


第17話

・湊音の人探しに協力する形で詞音、龍星は距離を縮めている。コミュニケーションにおいて相手とどうなりたいかという願望より単純な話しやすさが重要であるということ。二人とも湊音をいじる形では自然に話せている。


第18話

・番外編。ぞん子の掘り下げ回。

・ぞん子の境遇と精神性に加えて、湊音がさほど察しが悪いわけでも気遣いができないわけでもないことを描く。知識や知性の問題ではなく、気づきのためには体験が必要不可欠であるということ。


第19話、第20話

・龍星の掘り下げ回であるが、物語的に重要なのは恋人である龍星の事情に詞音が踏み込めていないこと。野球や陸上をやめた理由は知らず、聞けてもいない。

・詞音はずん子さんに負けた後の龍星に対してプライドは大丈夫かと聞いている。また、帰り道でも「俺も規格外だと思ってたし思われてた」という龍星の言葉に咄嗟に謝っている。結局のところ詞音にとって龍星は未だ心情が読めず気遣いが必要な相手のまま。

・詞音では上手く返せないような龍星の独白に対して、湊音は即座に前向きな言葉を返せている。詞音の「馬鹿みたいに素敵」という呟きは単なる潤滑油にとどまらず存在感を発揮できる湊音に対する羨望と嫉妬も含まれている。


第21話

・ゆかりの「しっくりこない」という言葉は、湊音から聞かされた龍星の話において詞音が何の役割も果たしていないことに向けられている。ただ恋人だからといって何にでも絡んでくるわけではないかと納得して言及してはいない。

・ゆかりから二度目の大きなチャンスを与えられる回。演劇部シリーズを知る人であれば、表面上は仲良くしても仲良くないのがずん子と葵であり、馬鹿にし合っているようでも仲がいいのがずん子とゆかりのことだとわかる。青春シリーズにおいては、恋人という形をとりながらも信頼という実を取れていない詞音と龍星、それとは対照的にちょっと馬鹿にされながらもその二人と良好な関係を築いている湊音のことを示している。


第22話

・詞音の湊音への依存が強まっており、かつてのクラスメートである雪には露骨に嫉妬心を向けている。湊音を失ったら青山との関係を続けられなくなると思っているため。

・湊音と玄野のからかい合いに対して、詞音と龍星は「仲いいなぁ」という感想を向ける。自分たちとは異なり、忌憚なく笑い合える関係性への羨望。


第23話

・朱司の「君に馬鹿と言われちゃ形無しだな」という言葉。間に他人を挟み、その他人がいなければ関係を維持できなくなっている詞音と龍星のことを思い、複雑な感情を滲ませている。

・黒沢の回想において、湊音が見ているのは自分にとって都合のいい世界のこと。黒沢にとっては玄野や青山と一緒に大会で競い合うという願望であり、湊音にとってはこの人たちはきっと青春を謳歌しているんだという思い込みだった。


第24話

・詞音は「見よう見まねで駆け引きなんてやってみたって苦しくなるだけ」とこぼしている。当然龍星とのこと。

・青山の「双葉だって人間だから」というのは、湊音が奇天烈なマスコットなどではなく普通の女の子であることを認めている。一人でも周囲と関わりを持とうとする湊音を見て、詞音も彼女の成長を感じている。

・湊音は対人経験を積んだことで自意識が高まり、自分がどう見られるか、相手がどう思ってるかを考え始めてしまっている。ある意味では弱体化であり、ひまりに向けた「普通に言えばいいじゃん」という言葉も後には重くのしかかることになる。


第25話

・「詞音ちゃんはいいよね?」の場面。詞音はお泊り会に参加可能か聞いているようにも、詞音も3人一緒で構わないか聞いているようにも捉えられる。詞音はどっちの意味でも「いいわよ。」と答えている。

・龍星が髪は長い方と短い方どちらが好みなのか、詞音は今度聞いてみると答えている。付き合っていてもそんなことすら尋ねたことが無い。


第26話

・詞音が見つけてしまった知らない自分は、ジョハリの窓において未知の窓ではなく盲点の窓。詞音は小憎たらしい性悪キャラでやっているつもりであり、周りから信頼され大事に思われているのは想定外だった。だからこそ詞音は自分のイメージを崩すことができなくなった。

・詞音が恐ろしかったのは、自分にとってはそこまで重大ではない行為に強い怒りを向けられたこと。詞音は強がりではなく本当に怒ってはいなかった。いじめたりいじめられたりがあっても、事が過ぎればまた元通りの環境で過ごしてそれが水に合ってもいた。高校のこの環境ではそのような行為が絶対に許されないのを悟り、自分が無自覚に一線を踏み越えるのを恐れるようになった。

・湊音は詞音のそんな心理には気づいていない。詞音は湊音が何もわかっていないことをわかった上で、それでも会えて良かったと言った。近いうちに湊音が自分の元を離れるのも予感している。


第27話

・全員での遊びはボウリングにした。余計な力を加えてブレることなく、真っすぐ投げるのを求められるところが物語のテーマにも通ずると思ったため。

・ひまりは詞音の素を引っ張り出して龍星のアシストを狙っている。ただ「どう思いますかこういう彼女さん」「すごいなーって思う」のように龍星は全然踏み込む気が無い。詞音のことはもう湊音に任せきってしまっている。

・朱司は湊音がそろそろ別れを切り出す頃だと察して、あらかじめ答えを言っている。詞音と龍星の本当の気持ちを知った後、湊音が自分にも事情を聞きに来るだろうから。

・詞音と龍星が述べた感謝の気持ちには一切の偽りはない。一時だけでも恋人として楽しく過ごせたのは事実であり、不満が降り積もっての自然消滅ではなく円満なお別れにすることもできた。


第28話

・詞音が言えなかったことは、龍星には友情だけでなく義憤もあったのではということ。自分には全く義憤が無かったことで価値観の大きな隔たりを感じている。友情ではなく恋心があったのではというのがミスリードになるかと思ったが、第26話でも否定しているから微妙か。

・はうには付き合っているのをたまたま知られた。はうは詞音の微妙な心理について知らないので、何気なく「黒塗りの王子様」での女子会に誘っている。

・つむぎが詞音と龍星の交際に気づかなかったのは、詞音の言動や態度から関係性を推し量れたため。名目上は恋人になりながらも距離感は変わっていないので、恋人未満の関係のままだと思っていた。詞音もそう思われてるのを察して言い出せなかった。

・出ていないが玄野と虎太郎もつむぎと同じく、青山は恋人未満のままだと思っていた。なまじ友達のことをわかってるせいで、関係を変えようとしても変えられないという悩みには気づかなかった。




青春シリーズのテーマはそのまま「青春」。

自分の中で青春とは何かを考えた時、やはり少年期から青年期への成長だと思えた。自分の世界を夢見る子供から現実の世界と折り合いをつけていく大人へ。

物語の構造としては上辺だけの浅い認知で生きてきた湊音を刺すものであると同時に、湊音と同じように上辺だけの浅い認知で動画を流していた間抜けを刺すものでもある。

見ることと視ること、聞くことと聴くことは大きく違う。ただ見て聞いているだけの人間は実のところ何も考えていないし何も感じていない。

湊音もまた人間関係を広げ人生経験を増やしているようで最も身近な相手のことすらわかっておらず、何も積み上げてはいなかった。そのことに気づいてからの選択が物語の根幹になる。

できないことをできないものとして受け入れるか、それでもできないことをできるようになろうとするか。

ゆかりやひまりを筆頭にほとんどの登場人物はできないものとして受け入れている。もちろん作者たる私もそうだ。

出会う人起こる事すべてに深い観察力と思考力を発揮し、認知を歪めるな判断を間違えるなというのは現実的でない。だから普通は裏目を読んで距離を取り、それでもぶつかってしまった時はお互い様でなあなあで済ます。

そうやって立ち回ること自体がストレスでもあるが、長期的にはそのやり方が一番楽なのである。一々トラブルを起こす面倒を考えたら誰だってそうする。

というのが大人になるということ。しかしこれは青春ではなく青春の終わりだ。

双葉湊音にとって青春はそういった妥協や諦観とは対極にあるものであり、自分以外の全員が屈してもなお抗い続けることを決めた。

だから良いとも悪いとも言えないが、他の人にはできない選択をしたところで物語は終わりにした。今後また諦めそうになる時もあるかもしれないし、諦めなかったことで却って状況を悪化させるかもしれないがそれはまた別のお話。

現実を正しく捉え自分で選択するというこのチャンネルで長いこと取り上げてる大きなテーマとも通ずるところがあるシリーズだった。




狂言回しとしての結月ゆかり

・湊音を詞音と龍星の間に入れるためのきっかけ作りしか役割はないが、せっかくなので示唆に富んだ存在にしておいた。青春シリーズは彼女の補遺と同じ物語構造になっている。

・「偽りの光」について。湊音は気づかないで笑うことと気づかない振りをして笑うことがそれだと気づけた。この世に満ちている欺瞞を指しており、ゆかりが糾弾していくのを諦めたもの。ゆかりが言っていることが正しいとわかっていれば、お話の展開的にも湊音が「偽りの光」にぶつかるんだろうなと察しがつくか。

・「ある種下に見ているからこその気安さ」について。ゆかりは初手から評価を低くつけさせることで暴落を未然に防いでいる。これによって多少の無茶をしても許され、痛い目を見ても自業自得で済まされる。詞音もこの立ち位置を狙っていたが外した。想定外に高い評価を暴落させることを恐れて詞音は気軽に話せなくなっていった。

・湊音の選択について後語りする役目も担った。ゆかりにとって湊音の存在は憎らしいが救いでもある。たとえやり直せてもそっちを選ぶことは無いだろうが、そっちを選びたい思いが無いわけではなかった。同じような憧憬をひまりや黒沢も持っている。

・最初からずっと本当のことしか喋らない女。テクニカルタイプに見えて実際はノーガード戦法を貫くパワータイプ。なんなら詞音よりも湊音と心を通わせた人物なのかもしれない。



双葉湊音否定派

・朱司、玄野、虎太郎、つむぎ、はうは龍星、詞音の事情に踏み込むことは無かった。結果オーライではあったが深いところに踏み入ることで人間関係が修復不可能な状態に陥る可能性も高かったので、湊音の選択には懐疑的。

・朱司の分析も当たっており、詞音は仲が深まるほど口数が少なくなり距離を取り始める傾向がある。つむぎに対してもその傾向は現れており、青山とのことを言い出せないだけでなく強気な物言いも控えられている。仲が良かったはずの自分、仲良くなりたがっていたはずの龍星に対して詞音の態度が素っ気なくなっていったことで、つむぎは何か変だなというのを察していた。

・本人が乗り越えるべきことであり、部外者の自分たちが口出しすべきではないという意識が根底にある。発破をかけることも相談に乗ることもからかうことも元気づけることもあるが、一線は越えない。自分がいたから上手くいく、自分がいなくなったら駄目になるなんてものは不健全なため。ただ、そうやって一線を引いて人と関わることに葛藤もある。



双葉湊音肯定派

・ひまり、黒沢、ぞん子、離途は湊音が龍星、詞音の事情に踏み込むことを期待していた。ひまり、黒沢は自分にできなかったことをしてほしいという意味合いもある。

・補足だが黒沢は本当は龍星と玄野に部活を辞めないでほしかった。しかし龍星の気持ちもわかるため、相手に踏み込むことも自分を見せることもなく笑って見送った。最終回での湊音への告白には第10話で語られた過去の恋愛事情を通した葛藤も込められている。ほどほどの距離感でいた方が居心地がいいのは本音であり、湊音に好意と敬意を持っているが付き合う気は無い。

・黒沢、ぞん子、離途は朱司によって湊音と友達付き合いしても問題が起こらないと認められた3人。黒沢、ぞん子は頼れる兄貴分姉貴分として懐が大きく、離途はデリカシーが無い代わりに湊音にもデリカシーを求めない。冗談めかして言ったが他のクラスメートにとっては本当に湊音は話しにくい人。元クラスメートであるWhiteCUL雪や伊能いおの態度が標準になる。



残された課題である青山龍星

・これから彼とも向き合うところで終わった。彼の内心も詞音と同じように作中の要素を拾えば推測可能だが、視聴者の判断に委ねて動画にはしない。ブログではネタバレする。

・バレンタイン回において玄野に後押しされる形で想いを伝える。その後にホワイトデーで告白し、付き合い始める。しかし実際は、詞音のことは気になる女子ではあるが心から好きとは言い切れないくらいの間柄だった。詞音もそのことを察していたためちょっとずつ篭絡しようとしていたが、舞い上がってOKしてしまった。つまり玄野が戦犯。

・去年の出来事によって詞音に自分に言えない気持ちがあることは認識している。しかしその内容を理解してはおらず、踏み込んで聞き出そうともしなかった。湊音が間に入ると詞音への対応を湊音に任せるようになっていった。詞音には本心で語り合える相手ができてほしいと思っているが、それが自分でなくてもいいと思っている。

・湊音が自立して自分たちの元を離れれば詞音との関係が終わることは予見している。そのため湊音と3人で一緒の大学に行くのは難しいとわかっているがそういう約束をしてしまう。そしてその約束を守るために手を尽くそうとはしない。

・ひまりのアシストに気づいた上でスルーしていた。「乱れる青春」「青春は嘘をつく」で本来なら龍星から詞音に何か一言あってもいいはずだが言わない。甘い言葉を投げかけるべき時でも知らんぷりを決め込んでしまう。

・相談していた朱司からは意気地がないとか漢気がないとか以前に、相手の好意に応えただけで龍星自身の好意は無いんじゃないかと疑われている。実際無いことはないがそんなには無い。別れを切り出された時も恋人という役目を降りられることに安堵している。

・悪い奴ではないが良い奴でもなく、始める意欲はあるが続ける根気は無い。ちゃんと恋人になろうとする程度には誠実だが、何が何でもという覚悟は無い。普段は責任を嫌って発言を避ける一方、気分が乗っている時は責任を負わない告白や約束をする。まぁ結局のところ普通の人間。




思いのほか長期シリーズになったのでもう少し後語り。

補遺シリーズと同じく、合計時間は3時間半くらい。湊音が主人公ではあるが、私立高校組のキャラを掘り下げる意味合いもあった。

2024年度決算報告であげていたディープさとポップさを両立させる取り組みの一つである。日常パートのみの動画でポップさを追求し、ギャグや恋愛、エロ要素を増やしたとしてもそれらをディープな動画の前語りあるいは後語りにすることができるというもの。

本来ギャグ描写一つとっても誰が誰に対してどのような態度を取れるのかという人物描写だが、そのことを理解していない者も多いと思っていた。だからこそ双葉湊音という何もわかっていない奴を主人公とすることで、視聴者もシリーズを通して一緒に成長していってくれたらという狙いもあった。

始まりは2年前の日常系動画ラッシュの際のバレンタイン回。

「お前ら付き合っちゃえよとか簡単に言うけど、ほんとに付き合ったらどうなると思う?」というのが当初のコンセプト。告白はゴールではなくスタートであり、スタートを切る前に十分に関係性を構築しておく必要がある。

詞音の心理描写を中心に恋愛の難しさを描くつもりだったがやはり難航。「日常系小ネタ集2」で湊音が絡んだ時にこの展開を思いつき、絶対こっちの方が面白かったのでシリーズが始まった。

双葉湊音っぽい曲である「雨と花 君は影」をエンディングとし、最後は「快晴賛夏」で締めると決めていた。ストーリーはこれらの曲の歌詞と通じており、「雨と花 君は影」をちゃんとフルで聞いていたらほとんどネタバレになっていた。

歌ネタだと詞音のキャラコンセプトは hockrockb の「あかい惑星」から連想されている。第28話の「赤い惑星の住人」というタイトルもそこから。ただそちらはフリーではないのでエンディングは「羞明の街」に。こちらも詞音のキャラコンセプトに近く、青山探偵事務所のエンディング予定だった「羽化登仙」と同じボーカルの方が歌っている。

例によって最初はもっと早く終わるつもりだったため、色々と試行錯誤の後が見て取れる。せっかくだから湊音と詞音の立ち絵は色々試したが結局最初のものに落ち着いていった。ついでに雨晴はうやWhiteCUL雪の立ち絵も変わっていってる。

なんやかんやで今回も綺麗に終わらせることができたと思ってる。想定してたより出番を作れなかったキャラもいるが、これだけ登場人物がいてそれぞれに役割を持たせられたのは創作者としてのレベルアップを感じる。終わった頃には愛着が湧いて次に行くのが惜しくなるものだ。

日常系の動画では中国うさぎのお話も「月面旅行の約束」で一区切りついている。冥鳴ひまりのお話も別の切り口にはなったが進めることができたので、そのうち一区切りつけたいと思う。

後はボツになった京町セイカ、水奈瀬コウの恋愛物の代わりと月読アイの旧演劇部の推理物を作れば、半端に出したはいいもののキャラを描き切れてないところは終わるか。

中学生組の動画、四国めたんの事件ファイル、生徒会選挙編、あかりとマキの親なき子としての話など仕舞い込まれているものもある。それとは関係なしに青山探偵事務所、犯人はこの59人の中にいるも。

今回の青春シリーズも1年3か月かかったため、今頭の中にあるものを全部出しきるのに何年かかるかわからないが地道にやっていこうと思う。2030年で動画投稿10年かつ私も30歳なのでその辺で引退するつもりだったが、ちょっとこのペースだと終わんなそう。

とりあえずこのシリーズは終わり。強キャラに成長してしまったので扱いが難しくなったが、たぶん湊音はまたどこかで出てくる。いつかはわからないけど。

長文駄文失礼しました。




2026年7月4日土曜日

海鼠

文章だけ先に形にしておこうかと思っていたが、結局下書きのまま動画を作ってしまったネタ。一応プロトタイプをブログに残しておく。




『海鼠』

主人公の少年は歩いていると、年の離れた兄に出くわします。

兄は自転車のかごに何か黒い萎びたものを乗せていました。

兄はそれを「海鼠」だと言います。海岸に打ち上げられた後、砂浜で太陽に灼かれ続けて干からびてしまったのだと。

海鼠が高級食材だと知っていた兄は、それを水で戻して売っぱらおうとしていました。

家に帰るとタライに水を張って黒く萎びたそれを浸します。ぬめぬめとした感触になり水を吸っているようですが、まだまだ元の大きさに戻るには時間がかかりそうです。

母はそんな二人のことを呆れたように見守っていました。 やがてそれは膨れ上がり、タライでは大きさが足りなくなりました。

帰って来た父がビニールプールを用意し、ホースで水を送ります。 それは太陽に照り付けられてぬらぬらと光っていました。もうビニールプールの端から端まで届くほどのサイズです。

その頃にはこれは「海鼠」ではないことは家族みんなわかっていました。

「海鼠」はこんなに巨大ではありませんので。きっと何か別の生き物が干からびた姿だったのだろうと話し合います。

母が何かもわからないのは気の毒だからとそれの表面を擦ります。汚れと海苔のようなものがこびりついていたようで、ぽろぽろと黒いものがこぼれ落ちます。

少年はあっと声を漏らします。母が擦る度、ちょっとずつ見えてきたのは白色のシャツと濃紺のズボン。今自分が着ているものと同じです。

あああれは自分だったのか。少年は直感的に理解します。

父が少年と黒い塊を交互に指差し、あれっあれっと言うようにおどけて笑います。

兄と母も笑っています。少年も罰が悪そうに笑いました。

まだ空からは灼けるような日差しが照りつけていました。




【解説】

久々の夢を元にした脚本。ほとんど夢の内容そのまま。

夢の中特有の奇妙だがどこか筋の通っている雰囲気を出せたらと思う。

あり得ない展開をさも当然のようにやっていく手法は「粘膜人間」を参考にしている。

主人公は海で溺れて亡くなり、打ち上げられた死体が太陽に灼かれ続けている。その最中に魂が見た夢、あるいは地獄のようなものだという前提で描写をつくった。

もちろん人の死体から水分が飛んで縮んだとて乾燥海鼠ほど小さくなることは無い。

もう1個くらい無いと動画にしづらいので作る。




『畳針』

主人公の少女は大きな芋虫を家に持ち帰ります。

大発見だと息巻いていましたが、姉はその生き物を「コンセマユ」だと教えてくれました。

未知の生き物ではなかったことで少女は興味を失っていましたが、家族はそいつに餌を与えて可愛がります。

あなたが拾って来たんだからとコンセマユは少女の部屋で飼うことになりました。

家族が代わる代わる部屋にやって来ては、コンセマユの調子はどうかと問いかけます。少女は家の中心がこの芋虫になっていくことを苦々しく思いました。

ある日、朝起きたら芋虫が蛹になっていました。大きな繭が襖にできて小さな部屋を圧迫しています。

少女が自分の生活圏を侵食されたことに怒り出すと、家族は我慢しなさいと叱りつけました。

どうして自分よりあんな生き物を大事にするのか。もしかしたらあの虫に催眠をかけられてるんじゃないか。

部屋の中で繭が大きくなるほど、少女の中でコンセマユへの敵意も大きくなっていきました。

少女はついに畳針を持ち出し、コンセマユを殺すことにしました。大きく畳針を振り上げ、思い切り繭に突き刺します。

畳針を引き抜くと真っ赤なドロドロした液体が流れ出しました。少女の手と部屋を赤く染めていきます。

死んだ。この生き物はもう成虫になることは無い。

紛れもなく自分自身が望んだ結果にも関わらず、少女の目からは涙が溢れました。

「ごめんなさい…」

小さく呟いたその言葉はきっと誰にも届かないのでしょう。




【解説】

コンセサマ。コンセイサマ。金精様。

遠野物語で記載がある民間信仰。男性器を象った石や木をご神体とする。縁結び、子宝、安産祈願など。

ヤママユ。ヤママユガ。山繭蛾。

かつては里山に広く生息していた野生種の蛾。別名に天蚕がある。

蚕のように成虫は口が完全に退化しており、蛹化してからは食事をとらない。繭は蚕同様に高品質な絹糸。

「コンセマユ」は2つを掛け合わせた造語になる。

意味合いとしては妊娠のメタファー。コンセマユの幼虫を見つけたことが妊娠の発覚、蛹化して大きくなっていくことが胎児の成長を暗示している。


タイトルになっている畳針は人工妊娠中絶に用いられる針状の物体を表しており、畳針を蛹に突き刺す行為は堕胎のことになる。

昔はそれこそ本当に針を刺して胎児をかき出していたが、今では先の丸い専用の医療器具を使っている。調べたら掻爬法と言うそう。

ただこの知識も古くて、現在ではより安全な吸引法や経口中絶薬が用いられてるそうな。

不気味な生き物を見つけて育てていたが、徐々に手に負えなくなって殺してしまう。それでも多少は愛着が残っており、悲しい気持ちになった。

というありがちなストーリーに擬態したドロドロの現実の話。


本文で描写されているのは主人公の精神世界である。

実際の彼女はもう大人であり、結婚もしている。しかし彼女の精神は成熟してはおらず、心象風景は小学生の頃のままになっている。

コンセマユの発見、すなわち妊娠は家族にとっては喜ばしいものだった。当の本人にとっては実感が湧かなかったが、コンセマユの幼虫は彼女の部屋で面倒をみることになる。

家族の関心が生まれてくる子供に向けられることへの不安感や嫉妬心。愛情が湧いてくることは無く、疎ましさが募ってくる。

彼女の部屋で膨れ上がっていく蛹は、自分の居場所を壊されるのではないかという恐怖とどうしようもない異物感を表している。

畳針を突き刺した時、流れ出る中身を見ながらこぼれた涙と謝罪の言葉にはもっと様々な感情が込められていた。

みたいなね。惜しむらくは本文だけを見てこの内容に思い至るのはほぼ不可能だということか。




2026年6月15日月曜日

めたん's Files

いつだか書いてた超常現象調査員めたんちゃんの続き。

一つ一つがそれなりの時間と労力で作れそうなのでボチボチやり始めたい。順番的にはたぶんこっちから。



④夏の匂い


舞台はとある田舎町。過去視点。

中学生の少女、晴美は帰り道何度も背後を振り返る。

振り返っても何もいない。それでも歩き始めたらまた気配を感じ、振り返らずにはいられない。

鞄から手鏡を取り出し、目の前にかざす。振り返らずに鏡で背後を確認した。

黒い靄のようなものが自分の後ろについて来ていた。小さな子供のような影。

晴美は足を止め、うずくまる。

ごめんなさい…陽太…

しゃがみ込んだ晴美を小さな影はじっと見下ろしていた。


四国めたんはその頃、エージェントになりたてだった。

戦闘力においては申し分ないが、果たしてそれ以外の部分はどうか。

指導役である夜語トバリはめたんの実力を測るため、本来ならば放っておくような案件を任せると告げる。

幽霊に関する相談が霊能力者の組合では複数出回っている。その中から予知で本物だろうと裏付けされたものを一つ選出した。

暴力的な手段を用いずに幽霊を消し去る。

めたんはその任務を面倒がりながらも了承した。


めたんは指定された民家へと到着する。

そこには中年の夫婦と、叔父だという男性がいた。

叔父は小児科の医師をしており、幽霊の存在には否定的だった。夫婦が幽霊話をダシにお金を騙し取られるのではないかと疑っているようだった。

めたんはその疑いに反発することは無かった。心理カウンセリングで済むならそれに越したことは無いと話す。

たとえ心因性の幻覚であろうと得体の知れない幽霊であろうとやることは変わらず、やることが変わらないのならどちらなのかを断定する理由も無い。

めたんはどこまでも合理的で、叔父も説得されていった。

同年代の自分の方が話しやすいだろう。

めたんの提案はそうして受け入れられた。


夫婦には二人の子供がいた。姉の晴美と弟の陽太。

先日の梅雨の頃、陽太は増水した用水路に流され亡くなった。晴美と二人で家に帰る途中だった。

まだ幼い陽太を送っていた途中、晴美が彼から目を離してしまい事故が起こったのだった。晴美は責任を感じ暗く沈んでいた。

そしていつしか、陽太の霊が自分について来ると言い出した。

陽太は自分を恨んでいる。自分にも同じように死んでほしいと思ってる。

罪悪感から来る思い込みとも思われるが、トバリが幽霊だと言った以上、本当に幽霊なのだろうとめたんは考える。

その頃のめたんでは霊的な存在をそこまで感知することはできなかった。


特に陽太を送っていた帰り道に気配を強く感じる。

晴美の話を聞きながら、めたんはどうしてほしいのかを問いかける。

自分が殺されるのは構わないから、弟の霊を成仏させてほしいと晴美は訴えた。

成仏なんてものは無い、というスタンスのめたんだったが任務であることを思い出して了承する。

めたんは一旦当事者たちからの聞き込みは切り上げ、陽太が亡くなった状況について調査することを決める。

これには叔父が協力してくれた。と言うより叔父の方で十分に調べ上げられていた。


事故当日、晴美は下校する際に小学校に寄って陽太を連れて帰ることになっていた。

しかし、陽太は友達と一緒に近くの公園に遊びに行っており、晴美は校門前を散々探し回った挙句にようやくそのことを知った。

晴美が公園に向かった時には雨が降り出していた。元々降る予報だったが少し外れて、一時的に晴れ間が見えていた。そのために陽太らは公園に遊びに行っていたのだった。

無駄足を踏まされ雨に降られ不機嫌になる晴美。陽太が学校にいてくれればもう今頃は家についていたのだ。

陽太は姉の怒りを察してトボトボと後ろをついて行く。晴美はそれを時々振り返って確認していた。

会話も無く、雨の音がうるさい帰り道。晴美が振り返り陽太の姿が無かった時、いったいいつからいなかったのかを知ることはもうできない。

次に陽太の姿が見つかったのは翌日、用水路に浮かんでいるところだった。


事件性は無いのかとめたんは尋ねる。

叔父は片眉を吊り上げながらも素直に答える。

絶対に無いと否定することはできないが、その可能性は薄い。

陽太が用水路に滑り落ちたであろう形跡は既に発見されており、その周辺に怪しい足跡は無い。

彼は何らかの理由で自分から公園へと引き返し、その途中で足を踏み外したのだろう。

「何らかの理由とは?」とめたんは再度尋ねる。

彼のものであるお弁当箱の入った巾着が公園には置き忘れており、それを取りに戻ったと思われる。

警察の見解を伝え、叔父はその巾着袋を取り出す。遺留品として返却されたそうだ。

何かの役に立てばとめたんへと渡された。


めたんは色々と考えあぐねながらも、ぶっつけ本番でやってみることにした。

晴美と二人、その日も通った帰り道を歩く。

晴美に手鏡で背後を確認するよう促すと、今日も小さな黒い影がついて来ていた。

その姿はめたんにも確認できた。

このまま注視したまま歩こうとめたんは提案する。自分たちの思念によって多少なりとも姿形がはっきりすることを期待していた。

晴美は怯えながらも供養のためという言葉に押されて了承する。


めたんはこれまでのことを整理しながら話す。

晴美は陽太が忘れ物を取りに行ったことを知らなかった。事故当時の動揺により聞いていなかったか、敢えて伝えられなかったのだろう。

めたんは巾着を彼女に渡す。

その巾着は晴美がかつて家庭科の授業で作ったものだった。お弁当入れとして活用され、陽太も気に入っていた。

陽太は姉からの贈り物であるそれを大切にしていた。きっと晴美に死んでほしいなんて思っていない。

そんなめたんの言葉に晴美は涙ぐむが、めたんは「ていうのを考えたけどたぶん違うわね」と話の腰を折った。

死んだ人が何を思ってるかなんて知るわけがない。

めたんの開き直った様子に晴美は呆れながらも笑う。

自分には死者の心を読み取る力なんて無い。だから理詰めで推測を語る。

めたんはそう前置きして語り始めた。


私は幽霊の正体は残留思念だと思ってる。死者の未練と言ってしまってもいいのだろうけど、単純に最後に望んでいたことが残っているだけね。

それを消し去りたいならその最後の願いを叶えてあげることになる。あなたが望んでいる成仏というのもそういうことだと見なすわ。

それで、弟さんは最後に何を望んでいたのか。死にたくないとか生きたいとかかもしれないけど、それはちょっと叶えられないから置いておくわ。

私があなた達の話を聞いて一番気になったのは、弟さんがなんで死んだのかよ。

雨で増水した用水路に落ちたからなのはそうだけど、そうなるまでの経緯の方ね。

帰り道の途中、公園にお弁当入れを忘れてしまったのに気づいた。あなたには何も言わず、一人で取りに行こうとして足を滑らせた。

さぁなんでだと思う?


めたんの問いかけに晴美は返答に詰まる。

自分のせいだ、自分がちゃんと見ていなかったからだと悔やんではいたけれど、陽太自身のことはちゃんと考えていなかった。

頭の芯の方がズキズキと痛む。

陽太はなぜ…

「子供が黙って何かをやる時、その理由は一つしかない。あなたも私も知っているはずよ。」

めたんの言葉が心の深い部分を揺らす。

確かに知っている。だけどそれを認めることはあまりに…


「怒られるから。」


めたんが残酷に答えを告げた。


忘れ物をした。取りに戻って。

そんなことを言ったらただでさえ機嫌の悪い姉がどれだけ怒るか。

気づかない振りをして家に帰っても、自分があげたお弁当入れを失くしたことを責められるかもしれない。

子供にとって自分より大きな存在に怒られるのはどんな危険よりも恐ろしいことでしょう。

あなたが次に振り返るまでの間にお弁当入れを取って戻っていれば、公園に忘れ物をしたのを気づかれずに済む。

そしたら全部上手くいく。幼い彼はそう思った。

その試みが失敗して用水路に落ちた時、きっと最後に思っていたことは…


「怒られる…」

晴美は苦しげに呻く。

鏡から見える弟の姿はちょっとずつ確かなものになっていた。

陽太の顔が見える。あの日、振り返った時に見せていたのと同じ表情。

怒られるのが怖くて怯えている顔。

「言って。」

めたんが晴美に促す。

きっと陽太が最後に望んだ言葉。それだけが幽霊になってしまった彼にも届く。


「怒ってないから…」

こぼした言葉は涙声になっていた。今日になって初めて、本当に罪悪感と向き合えたのだ。

鏡から見える陽太の表情が変わる。驚いたような顔。

晴美は振り返る。陽太の姿は消えていなかった。

「怒ってないから。」

そう言って笑ってみせた。




「もういないわよ。」

作り笑顔から涙が溢れて止まらない晴美の代わりに、めたんが陽太の消滅を見届ける。

めたんにとっても成仏と言えるようなこの現象は初めてのことだった。

「これで終わりなの…?」

笑顔をやめ、悲嘆と苦悶の表情を浮かべて晴美が問いかける。

怒られるのが怖くて。怒られないから安心して。弟の人生の終着点にはたったそれだけしかなかったのだろうか。


「これで終わりよ。」

めたんが無慈悲に告げる。

まだ小学生だった。生きていればこれからもっとたくさんのことがあったはずだ。それでも…

「死ぬっていうのはそういうことよ。だから生きている間にやるしかないの。」

めたんの言葉は力強いけれど勇気づけられるものではない。今更言われてもどうしようもないのだ。


「本当にこれで終わりなの…?」

晴美の問いかけにめたんはもう答えることは無かった。


小さな陽太との思い出を振り返る。

どうしてもっと優しくなれなかったんだろう。どうしてもっと大事にできなかったんだろう。

罪も無く、罰も無く、当然許しも無い。

いつしか梅雨は明け、夏の匂いがしていた。




⑤日差しの差し込む部屋


舞台は中国地方の田舎町。過去視点。

四国めたんは霊能力者の組合と打ち解けていた。本来めたんの属する超能力者の組織とは不仲なのだが、偏見無く勉強熱心な姿勢が好感を持たれていた。

めたんにとって霊能力もまた、超能力と同様に興味深い未知の技術だった。


先日の依頼を鮮やかに解決したことでめたんの評判は広まっていた。

悪霊や妖怪退治のようなものではなく、人の心を解きほぐすような仕事は非常に難しく、それ故にそんな仕事をこなせる者は尊敬されていた。

霊能力者は人格的に優れ、人を助ける者でなければならない。

そんな組合の理念を内心堅苦しいと思いながらも、めたんは上手く立ち回っていた。


めたんと同様に年若くも才覚に秀で、仕事を任されている者に中国うさぎが居る。

彼女の霊力は既に大抵の大人たちよりも強く、お祓いやお清めを行う巫女として重宝されていた。

衣服を砂にする超能力者でもあることを知っているめたんは彼女のことを気にかけ、度々神社を訪れていた。

うさぎがお札を書いているのを眺めながら、めたんはその効用について尋ねる。


魔除けの札には2つの効果がある。

一つは退ける効果。悪しきものを跳ね返し、近づけなくする。

もう一つは封じ込める効果。悪しきものを閉じ込め、出られなくする。

使い方によって真逆の効果を使い分けることができるという講釈を、めたんは興味深そうに聞いていた。


儀式と違ってお札は書いて送るだけでいいから楽だとうさぎは笑う。

霊能力者の組合員から、あるいは組合員から紹介を受けた個人から、うさぎの元には沢山の封筒が届いていた。

うさぎは書き上げたお札を封筒に書かれた住所へと返送していた。


めたんはその杜撰さに驚く。

うさぎが決めたことではなく大人たちがそうしろと言ったのだろうとはわかるが、これでは完全にただの下請け業者である。

実際に現場で効力を発揮するのはうさぎの札であるにも関わらず、うさぎは現場のことを何も知らないのだ。


「…あなた、ちゃんと自分がやってることわかってるの?」

めたんは苦い顔で問いかける。うさぎは何のことを言われてるのかピンと来ていないようだった。

「例えばこれ、一枚いくらでやってるの?」

「えと、その辺はお父さんとお母さんがやってて…」

「わかってないの?」

「…お金にあんまり執着するのはよくないし。」

言葉を濁したうさぎにめたんは憮然とする。


「何にもわかってないのね。適切な額で受けてて適切な額で出回ってるかはあなたが把握するべきことでしょ。あなたの親が高値を吹っかけて私腹を肥やしてるとかならまだいいけど、依頼元の方で釣り上げられてるかもしれないじゃない。」

「それはどういう…」

「あなたが1枚1000円でちゃちゃっと書いて送る。受け取った相手は霊験あらたかな護符として1枚10万円で売る。効用は確かなんだからこういう商売がまかり通っちゃうじゃない。」

「そんなのする人いないよ。」

「なんでいないと思うの。依頼人の名簿は控えてるの。素性は把握してるの。あなたさっきからろくに確認もしないで機械的にやってるでしょ。」

図星だったようでうさぎは黙る。


「あなたちょっと危なっかしくて見てらんないわ。これまでに送られてきた封筒を全部出しなさい。あとあなたの親とも話すわ。」

有無を言わさないめたんの口調にうさぎは従うしかなかった。




めたんとうさぎはあるアパートを訪れる。

うさぎは居たたまれなそうにめたんの後ろをついて行っていた。


めたんの調査の結果、うさぎが作成した相当数のお札が使途不明だった。

あくどい霊感商法で評判が悪かった組合員の一人に疑いの目が向けられ、尋問したところ高値で転売していたことが発覚した。

自分の名義で取り寄せて売っていたほか、客自身に依頼の封筒を送らせることもあったそうだ。

偽物のお札よりも本物のお札の方がいざって時に機能して信用されやすい。

その組合員はそう言って笑った。

他にも同じことをしてる奴がいると思ったが、めたんはそいつを殴るだけで矛を収めた。


そいつはきちんと誰に何枚売ったかを記録していた。

その結果、明らかに異常な枚数を買い込んでいるカモが何人か見つかった。

精神的に追い詰められた人間が不安感から何枚もお札を集めてしまう。

めたんとうさぎが向かっていたのはそのうちの一件だった。




省略。後で書く。




うさぎはめたんに依頼人を助けてくれたことのお礼を言う。めたんは険しい目をしていた。

「テキトーにやり過ぎよ。」

冷たい物言いにうさぎの肩がびくっと跳ねる。

「人助けってそんな片手間でできるようなことじゃないでしょ。できないならできないでいいけど、できていない癖にできた気になるのは醜悪よ。」

めたんの言葉に明確な失望と軽蔑を感じ取り、うさぎは俯く。


「今回みたいに誤用されたり、悪用されたりすることだってあるの。あなたはその時頼まれただけだから知らないって言うのかしら。絶対に関係者だと見做されるし、なんなら首謀者だと疑われるわよ。」

「ごめんなさい…」

「私に謝ったってしょうがないわ。」

不機嫌ではあるが、自分の身を案じてくれてるのはわかっていた。

だからこそうさぎは顔を上げられなかった。申し訳なくて、恥ずかしくて。


「めたんちゃんはすごいね…私と年も変わんないのに…」

「私は天才と呼ばれる部類だから比べるだけ無駄よ。」

不遜なめたんの物言いにうさぎは苦笑する。

「ただアドバイスをあげるなら、まずは自分でやりなさい。誰に対して何をするのか。自分で考えて決めないと必ず後悔するわ。」

「…うん。」

「それともう一つ、あなたが本当に人助けをしたいなら。」

めたんが人差し指を立てる。


「笑いなさい。」


そう言う彼女の口元には自信に満ちた笑みが浮かんでいた。

「不安そうな顔は人を不安にさせる。どんな時でも笑顔を忘れないように。私のお父様なんて事業が失敗して一家離散する時でさえ堂々とした笑みを崩さなかったわ。」

「さすがにそんな時は申し訳なさそうにしてほしいけど…」

うさぎも釣られて笑うが、その笑みは頼りない。


うさぎにはわかっていた。めたんの笑みは強さだ。

私には誰の助けもいらない。私がいれば何も心配することはない。

そんな意思表示の笑みなのだ。だからこそ輝いて見える。


いつかこんな風に笑える日が来るのだろうか。

うさぎは眩しさに目を細めた。




⑥後の祭り


舞台はとあるアパートの住んだ人が次々に不幸になるという呪われた部屋。現在視点。

続きは後で書く。




2026年5月29日金曜日

時々出るモブ

別に視聴者が覚える必要は無いが、一応私は覚えておいた方がいいかもしれない。

今この場で適当に名前を決めておいた。


・カンザキ

COEIROINK:青葉

公立高校3年生。

これまで所属する部活から付き合う友人、毎日の自由時間の使い方まで決められていたにも関わらず、進路を決める土壇場で放り出された人。

自分では先のことを決められずに途方に暮れていたところを結月ゆかりに絡め取られる。過干渉な母親と無関心な父親という典型的なパターンを共有するため、彼女への信頼は厚い。

登場:「フィーちゃんがやってきたぞ」「生徒会選挙編」


・サイトウ

COEIROINK:朱花

公立高校3年生。

部活動引退後、自分の居場所を失ったような不安感に駆られる。大学受験への学力面での心配や、部活仲間と離れることで孤独になっていく恐れを抱いていた。

そんな心の隙をゆかりに絡め取られる。ゆかりに共感したり心酔したりしているわけではないが、新たな居場所には安心感を覚えている。

登場:「フィーちゃんがやってきたぞ」「生徒会選挙編」


・タカハシ ワタナベ(よく考えたらCevioのタカハシと被るため)

COEIROINK:松嘩りすく(アナウンス)

公立高校2年生。

私立高校の教師として登場した本家松嘩りすくは話声・高め。こちらはアナウンスで少しぼそぼそと話す。

部活にも委員会にも入っておらず、勉強も運動も得意ではなく、友達も恋人もいないパッとしない人物。ゆかりが孤立してそうな人を集めていた時にその中の一人として入る。

その他大勢を集めた集団の中でも更にその他大勢だったため内心は燻っていた。生徒会選挙編ではゆかりの元を離れ六花派につき貧乏くじを引いた。

登場:「フィーちゃんがやってきたぞ」「生徒会選挙編」


・ナカムラ

COEIROINK:花撫シア(おだやか)

公立高校2年生。

茶道部所属。対人関係への不安と自信の無さからゆかりに絡め取られる。

男子や大人、大勢の人を前にしても物怖じせず堂々と話せるゆかりに憧れている。話の内容にはあまりついていけないことが多い。

生徒会選挙編ではゆかりに従ってカンザキ、サイトウらと共に集会を抜けたことで被害を免れる。タカハシとは対比となる結果。

登場:「フィーちゃんがやってきたぞ」「生徒会選挙編」


・イトウ

COEIROINK:白痴ー(煽声)

私立高校1年生。素材POMPACK様の着せ替え立ち絵素材。

伊織、花丸のせいでどうにかなっちゃいそうな人。

登場:「ジェンダーリスクマネージメント」


・キタガワ

COEIROINK:船音ユナ

私立高校1年生。素材POMPACK様の着せ替え立ち絵素材。

伊織、花丸のせいでどうにかなっちゃいそうな人。

登場:「ジェンダーリスクマネージメント」


・アツシ

VOICEPEAK:男の子

小学5年生。NUMU広報部様の子供E。

活発だが粗雑な男子。去年きりたんと同じクラスだった。

「青春と七不思議」で「首無しさん」と出会った子供でもある。

登場:「31人目の子供の霊」


・カエデ

VOICEPEAK:女の子

小学5年生。NUMU広報部様の子供A。

活発だが思い込みの激しい女子。去年しゅおと同じクラスだった。

登場:「31人目の子供の霊」


・サクラ

VOICEVOX:春歌ナナ

小学5年生。NUMU広報部様の子供B。

こだわりの強い女子。声は変えるかもしれない。

登場:「31人目の子供の霊」


・タイチ
VOICEVOX:白上虎太郎

小学5年生。NUMU広報部様の子供C。

ちょっと斜に構えた男子。声は変えるかもしれない。

登場:「31人目の子供の霊」


・ナオト

小学5年生。NUMU広報部様の子供D。

気の弱そうな男子。声はまだ決めてない。

登場:「31人目の子供の霊」



2026年5月2日土曜日

戸惑いのエチュード

茜に渡されたメモ

・バーの常連客。

・最近誰かに尾けられているのが悩み。

・留守中に自宅の物の置き場が変わっている気がする。タオルが一枚減ってるような増えてるようなというレベルで確証はない。


あかりに渡されたメモ

・二人とは高校時代の友人10年ぶりに再会する。

・葵はまじめ、茜はやんちゃな性格だった。

・茜は当時モテていた。何度も告白していた男子も居たが、卒業まで誰とも付き合うことは無かった。

☆チャレンジ

修学旅行の宿泊場所の近くにある思い出深い海の写真を持っている。海水浴場のような場所ではなく、浜辺には木や石が転がっていて沖にはテトラポッドが並んでいる。

実際に写真を見せているように演技を行う。


葵に渡されたメモ

・10年前、修学旅行中に友人のマキが亡くなった。

・3日目の朝から行方がわからず、昼頃に海岸に打ち上げられているのが見つかる。海岸には衣服が畳まれておりマキは水着姿だった。夜中にホテルを脱け出して一人で海を泳いでいた最中の事故と判断される。

・葵、茜、あかりは修学旅行中行動を共にしており前夜も同室だったが、10時に消灯後、誰もマキを見ていないと主張している。

・ホテルに向かうバスで海が見えた時に、夜中に皆で脱け出して泳ぎに来ないかという会話があった。

☆チャレンジ

実業家として成功した茜が最近出した自伝を持っている。

実際に本を見せているように演技を行う。

〇目的

マキの死の真相について明らかにする。

〇秘密(会話の流れによって開示してよい)

茜を疑っており最近身辺を調べている。茜の行きつけのバーにあかりを呼び出し、話し合いの場を設けた。

茜は自伝の中で高校の修学旅行の思い出に

『浜辺には木や石が転がっていて足を取られながら歩いた。』

『ようやく海まで着くとどこまでも遮るものが無い真っ青な水平線が広がっていた。』

と書いている

バスで通りがかりにちらっと見えただけであり修学旅行中に遊泳禁止の海に行く予定は無い。

葵の知る限り茜は修学旅行中に海を訪れておらず、実はマキと一緒に海に行っていたことの告白なのではと考えている。



5分くらいで終わるかと思いきやちゃんと作り込んでしまったせいで20分になってしまった動画。手軽に作るためにエチュードにしたのに本末転倒である。

事件の状況は貴志祐介の「皐月闇」から着想を得ている。削ってしまったが実は茜とマキが付き合っていたという要素も入れるつもりだった。

二人きりで脱け出したのもそのためで、事件の動機は痴情の縺れ。高校卒業まで誰とも付き合うことは無かったのはマキのこともあるが同性愛者だからでもある。

「色褪せぬ恋」を抱いていたストーカーの男が決して茜に近づこうとしなかったのはその嗜好を認めていたから。

おまけのおまけとしてここに書き残しておく。

ついでに盛り込み切れなかった部分も。

・葵はカクテル言葉などに詳しい。ギムレットは「遠い人を想う」でマキへの哀悼の意を示すために頼んだ。「色褪せぬ恋」のジンライムはギムレットと材料が同じで何か意味深になったがただの偶然。カクテル言葉とは関係ないが花梨先輩には初心者的な意味合いでチェリーのにした。

・葵が口にした「マキはスイミングスクールに通ってたこともあって泳ぐのが上手い」という情報。これは弦巻マキ本人のプロフィールであり渡されたメモには無い。同じ演劇部員として全員知っていることであり、脚本にも流用されているだろうという目論見で話した。あまり本筋とは関係ない。

・葵が持っている本、あかりが見せている写真は実際には存在せず、ある振りで演技をしているだけ。バーの描写や登場人物の見た目と同様、あくまで動画上の演出。これは注釈を入れた方がいいかとも思ったがまあ察するだろと何もしなかった。

・沖に並んでるアレは離岸堤と呼ぶらしい。私も知らなかったので離岸堤と言われてもピンと来ないだろうとテトラポッドにした。厳密にはテトラポッドは構成物の一つだし数え方も一個なのか一基なのかとかわからないところがあるが、本筋とは関係ないので良しとする。



AIに相談してた時のプロトタイプ


1

とある演劇部の部員を登場人物とした動画で使います。

他3人の部員は部長からそれぞれ自身の役柄と固有の情報を与えられて演技練習を始めます。

部長がバーのマスターを演じ、部員Aがその客としてお酒を飲んでいると、部員Bが新たな客として入ってきます。

BはAに「久し振り」と声をかけますがAは戸惑います。Bに渡された情報ではAは子供の頃の友人なのですが、Aに渡された情報にはBのことは一切書かれていなかったからです。

更に部員Cも入ってきます。Cの渡された情報ではCがAとBをそれぞれ別の理由で呼び出したことがわかるのですが、彼らと会話を進める中でやはりCが持っている情報にも他の人の情報と矛盾があるようでした。

詳細は省くのですが部員たちはそういう矛盾があることも含めての演技練習なのだと推測して演じ切ります。

部長ならこういうことをしてくるだろうとメタ的な視点をもって対応したことを得意気に語りますが、部長からは諫められます。

本当に役に入り込んでいるなら、自分と相手の情報が食い違っていることに純粋に戸惑い狼狽えたはず。メタ的な視点をもって「演技」してしまった時点で演者としてはまだまだであると。

部員たちは手の内を読んだつもりで一杯食わされたことに気づき、悔しい思いをするのだった。みたいな感じの話で使われる多人数ゲームです。


2

男の元に高校時代の古い友人が訪ねてくる。

男は再会を喜び、歓迎する。二人で酒を酌み交わしながら思い出話に花を咲かせる。

その中で話題はかつて起こったある事故のことになった。修学旅行中に女生徒が一人亡くなったのだ。

3日目の朝から姿が見えなくなり、昼頃になって浜辺に打ち上げられているのが見つかった。 夜中にこっそり脱け出して海で泳いでいる最中に溺れたと思われていた。

悲しい事故だったと当時を思い返す男に、友人はずっと思っていた疑いを打ち明ける。あの夜、お前も部屋を脱け出さなかったかと。友人は男と同室で、男が部屋を出て行くのを見ていたのだ。

一人で夜の海に泳ぎに行くのは不自然で、誰かが一緒にいたのではないかという噂は当時からあった。

恋人とのロマンチックな秘密の一時だったのではないか。実は彼女には付き合ってる相手がいてそれはお前だったんじゃないか。

友人は男を問い詰める。

言いがかりだと否定する男に友人はもう一つの根拠を示す。実業家として成功した男は、先日自伝を出していた。その中で高校の修学旅行で訪れた海をこう振り返っていたのだ。

「どこまでも遮るものが無い真っ青な水平線が広がっていた。」

しかし実際は修学旅行の日程ではその海は訪れておらず、バスでの移動中にちらっと見えただけだった。泊まっていたホテルからは歩いて行ける距離だが、到着したのは夕方で海を見に行く時間は無かった。

いったいいつ見に行ったのか。

「高校を卒業して数年後に近くに行くことがあったんだ。彼女の冥福を祈るつもりで見に行った。その時の記憶と混ざってしまったんだろう。」

男はそう弁明した。

あのホテルにも泊まったのかという友人の問いに、男は日中にふらっと立ち寄っただけだと答える。

友人は悲しそうな顔で呟いた。

「俺も行ったんだよ…海を見てきた…」

 彼は一枚の写真を差し出す。

強い日差しの下、眼前に広がる海には巨大なコンクリートブロックが浮かんでいた。岸を波から守る、離岸堤だ。

男は思い出す。握っていた両手を放すと彼女の体は波にさらわれていった。

目の前にはどこまでも遮るものが無い真っ暗な闇が広がっていた。



備忘 立ち絵デカすぎ問題

psdファイルがデカすぎてaviutlでは不具合が発生することがよくある。

最大画像サイズの不足や純粋な処理落ちは既知だが、新しい別の問題があったので備忘のため記録。


問題が起こったのは例年容量の増大が深刻なぴぴ様の立ち絵。

ドラッグアンドドロップした時点では問題ないが、psdtoolkitからレイヤー変更を反映しようとすると黒背景白文字で「already rendered」と出てしまう。

普段はよく見ていないがファイルをダブルクリックするとこのようなスクリプトが記載されている。


〇冥鳴ひまり(成功)

o={ -- オプション設定

lipsync = 0    ,-- 口パク準備のレイヤー番号

mpslider = 0    ,-- 多目的スライダーのレイヤー番号

scene = 0    ,-- シーン番号

tag = 1607319451    ,-- 識別用タグ


-- 口パク準備のデフォルト設定

ls_locut = 100    ,-- ローカット

ls_hicut = 1000    ,-- ハイカット

ls_threshold = 20    ,-- しきい値

ls_sensitivity = 1    ,-- 感度


-- 以下は書き換えないでください

ptkf="C:\\Users\\Documents\\立ち絵\\ぴぴ\\めいめいひまり1.05.psd",ptkl="L.1 V.71ULhg2VWrY6iNhwAAmECAbwAwD9GAAEAgDvD9tthtm2222w28AAGGPAABYC2wK7_78Eu_Zt3dttsgAUUtt-Be753dtt3dtvvAL7_b3e9wJ3_Hve970C7v73ewK7_7oC7vj3u97ve_73ewK7_r3vAnfv31rbdu7bbbdu7tt27bbfe7YG3QK79W3d2397S23bu22_A3f5bbt2221-2wV3_Xbu2wJ3-G2739tu39ttBLv3bdu2229tu7dtAt3z27bbd3bb337fdu7dtwN393bbt2221tt3bgPu8-3bbb-7bd7-27d2224D7vjbd3bbbW7u7QK78m3d-223d2272_bdu7bbA3f2dtu3bbbfbbu3bQLd89u223d227nfbdu7bbcDd_xtu3bbAm3tt3btu7-7dttu7tt3-_9tu3dttgPu9vbbt2229tt3btsCu9i3bbbu7bf_EQIAI28A2uta1FfWq1rWgVOzq0769daBUVrWnbvbAMAA"}PSD,subobj=require("PSDToolKit").PSDState.init(obj,o)?>


〇春日部つむぎ(失敗)

o={ -- オプション設定

lipsync = 0    ,-- 口パク準備のレイヤー番号

mpslider = 0    ,-- 多目的スライダーのレイヤー番号

scene = 0    ,-- シーン番号

tag = 2025058663    ,-- 識別用タグ


-- 口パク準備のデフォルト設定

ls_locut = 100    ,-- ローカット

ls_hicut = 1000    ,-- ハイカット

ls_threshold = 20    ,-- しきい値

ls_sensitivity = 1    ,-- 感度


-- 以下は書き換えないでください

ptkf="C:\\Users\\Documents\\立ち絵\\ぴぴ\\春日部のつむぎ1.02.psd",ptkl="L.1 V.9JYOhgcbDgAEgIgG4AIA_wQFAOw_bbSBttttttttttgAAwxwAIFtuwZ39Xbbu7bba3gc4cttBrv0d223d22_5_23bu22A932227dttt7bd27twJ3827bbd3bb3ne27d2228Cd_h227dtttv_tgbdArv1bd3bb3sbbdu7bbcCd_h227dtttdttwV3Au7_2wK7-G3e_9t27tttA933tu3bbbe23du2Au797dttArvybe-v93f7ve973ve973sC3fHve27u7d_d73ve973ve70C7v7vewLd-f33_bdu7bYD7vjtt27bbb227gTd9Nu223d22739t27ttgPd-ttu7tttrQLd77f3bbu3bbbu7bd5323bu223Anf2dtu3bbbe23du2wK78rdttu7tt3vfm92-dfPnAp0CrwOfgD8-fPXr1-dfnrz_r587fXdu3r1t6229evXr129evT_T_XXr163ddfu_d79a15rzznnmvPPPPPPNa15rzW1zmvWrW66t1a3XXXXVuta1rXXXV2tXb_frWvNeea1rWvPPPPPNa1515ra5zXrVrddW6tbrrrrq3Wta1rrrq2tXb3Ag5IALbwDADAG27bZfNtgz9oTs63vvBLsGy2z


最後の「"}PSD,subobj=require("PSDToolKit").PSDState.init(obj,o)?>」が記載されていないのがわかる。

このptklという文字列はpsdファイルのレイヤー数や構造の複雑さによって決まってるらしく、これが長すぎたことで不具合を起こしたようだった。

対処法としては服装差分ごとにファイルを分けることにした。ぴぴ様の立ち絵は全体的にデカすぎるので、この機に他のも分割してもいいかもしれない。



2026年4月11日土曜日

身長体重メモ

どっかのタイミングで出そうと思いつつ出さないまま身長ネタや体重ネタを使ってしまっていたので。

次の動画のおまけでサラッと見せる。


青山龍星(194㎝)、剣崎雌雄(人間態175㎝→195㎝)

ー190cmの壁ー

東北イタコ(160㎝→180㎝)九州そら(160㎝→183㎝)、アリアル、ミリアル(180㎝)

ー180cmの壁ー

弦巻マキ(158㎝→175㎝)、東北ずん子(157㎝→175㎝)、波音リツ(156㎝→170㎝)

玄野武宏(177㎝)、雀松朱司(182㎝→178㎝)、黒沢冴白(186㎝→176㎝)、離途(180㎝→176㎝)、水奈瀬コウ(175㎝)

ー170cmの壁ー

No.7(165㎝)、四国めたん(150㎝→165㎝)、紡乃世詞音(157.7㎝→165㎝)、京町セイカ(151.5㎝→161.5㎝)、桜乃そら(165㎝)

ー165cmの壁ー

結月ゆかり(159㎝→160㎝)、琴葉茜(158㎝→160㎝)、琴葉葵(158㎝→162㎝)、小春六花(160㎝)、夏色花梨(164㎝)、宮舞モカ(160㎝)

ー160cmの壁ー

双葉湊音(158㎝)、春日部つむぎ(155㎝)、冥鳴ひまり(155㎝)、ぞん子(159㎝)

ー155cmの壁ー

紲星あかり(151㎝)、花隈千冬(151㎝)、雨晴はう(152㎝)、WhiteCUL雪(165㎝→152㎝)、ナースロボタイプT(150㎝)

ー150cmの壁ー

白上虎太郎(帽子込みで146㎝)、中国うさぎ(147㎝)

ー145cmの壁ー

もち子さん(142㎝)、猫使アル、ビィ(140㎝)

ー140cmの壁ー

櫻歌ミコ(135㎝)、小夜(135㎝)、東北きりたん(135㎝)、音街ウナ(帽子含む148.5㎝→135㎝)

ー135cmの壁ー

ずんだもん(?)、月読アイ(?)


マキ、ずん子は最初期にかれい様の立ち絵がどう見ても高かったので高くなった。それからずっとゆかり達よりも大きくしているはず。

ゆかり、茜、葵の微妙な調整は無くてもいいのだがゆかりと茜は同じ、葵は生活習慣の違いで茜よりわずかに上というのは決めてたはず。これもかれい様の立ち絵が葵の方がちょっと大きかったからだが。

私立高校組の身長はちょっと怪しい。あまり深く考えずにやってきたので後で変えるかもしれない。

双葉湊音はかれい様の立ち絵が小さめなのもあり、ちょっと小さく見えるようにやって来たはず。逆に紡乃世詞音はぴぴ様の立ち絵に合わせて結構大きくなっている。

イタコ、九州そら、めたんもずん子の高身長化に合わせて底上げされている。アリアル、ミリアルがデカいのは外国人のため。


頭身の目安。私は身長175㎝で頭の大きさ25㎝の七頭身で、平均も割とそんなもんみたいなのでそれで。さすがに子供は六頭身だけど。


青山龍星(194㎝)→七頭身として頭の大きさは27.71㎝

東北イタコ(180㎝)→七頭身として頭の大きさは25.71㎝

東北ずん子(175㎝)→七頭身として頭の大きさは25㎝

波音リツ(170㎝)→七頭身として頭の大きさは24.29㎝

紡乃世詞音(165㎝)→七頭身として頭の大きさは23.57㎝

結月ゆかり(160㎝)→七頭身として頭の大きさは22.86㎝

紲星あかり(150㎝)→七頭身として頭の大きさは21.43㎝

東北きりたん(135㎝)→六頭身として22.5㎝


実際図に表してみたら結構な身長差があった。

動画では身長差がなだらかになるように調整されているため、実際の比率になることはほぼ無い。


2026年3月28日土曜日

2025年度決算報告

2025年度の決算報告です。

10月。

「蛇と蛞蝓」「青春は人を傷つける道具じゃない!私と青春バトルで勝負だ!」「青春女と毒電波女」を投稿。

「蛇と蛞蝓」はホラーと見せかけてギャグで終わらせた。このくらいの動画を量産できると助かる。

青春シリーズではついに湊音とゆかりが出会うところまで行けた。ここから3話目。

11月。

「彼岸言葉」「宝船」「あなたの青春を見せて」「あなたがいた証」を投稿。

「彼岸言葉」「宝船」は夢で見た内容を元にした動画。どちらもそれなりに上手いことお話に落とし込めたと思う。

「あなたがいた証」は「歯車は回るだけ」の後日談。1年空いてしまったが区切りをつけることができた。

12月。

「さらば我が人生の汚点よ」「乱れる青春」「平沙無垠敻不見人」「お前は一人寂しい青春を噛み締めるんだな」を投稿。

「さらば我が人生の汚点よ」「平沙無垠敻不見人」は「月面旅行の約束」まで繋げるための中継ぎでもある。ずんだもんのことやゆかりとずん子の関係も描写が増やせてよかった。

1月。

「百物語を作りたかった演劇部 前編」「Replace」「青春と七不思議」「百物語を作りたかった演劇部 後編」を投稿。

「百物語を作りたかった演劇部」ではかつてのショートホラーシリーズを振り返った。最近あまり思いついていないがショートホラーをどう扱っていくかは考えていきたい。

宿題だった長編の「Replace」も完成させられてよかった。あまりウケを狙った動画ではないがそれなりに再生されてはいる。

2月。

「月面旅行の約束」「サイダーを飲んだ日」「日常系小ネタ集3」「日常系小ネタ集4」を投稿。

「月面旅行の約束」でうさぎちゃんの話にも一区切りつけられた。葵ちゃんも含め次のステージに進むかは未定。

「サイダーを飲んだ日」では青春シリーズのついでにちょろっとキャラを掘り下げ。ぞん子ちゃんは割と扱いやすい部類なのでまた出番があるかもしれない。

「日常系小ネタ集」ではまた貯まっていたネタと最近出番がない人の顔見せを消化。年度末の恒例になりそう。

3月。

「青春と出会いの1秒前」「青春わからせバトル」「喜悦の鬼」を投稿。

青春シリーズでずん子と会うところまで行けた。青山のことも少し掘り下げこれで3話目が終了。

「喜悦の鬼」はこれまた期間が空いたが「31人目の子供の霊」の前日譚に当たる。AI生成した部屋の背景や飼育ケースの素材、写真を加工したトンボやトカゲなど後に活かせそうなノウハウもできた。喜悦の鬼の素材も。


合計で48本の動画を投稿。一応記念動画も入れたら49本。

大体月に4本は出せていた換算になる。

11月末でチャンネル登録者1万人を達成し、大台に乗ることができた。その後は結局再生数も元通りになり登録者も停滞しているが概ね良し。

来期はこの辺を目標にやっていく。


・演劇部関係の長めの動画5本(演劇、日常系の区分が曖昧なもの含む)

・青春シリーズ完結

 →中学生組のシリーズにバトンタッチへ

・5分以内の動画はもっと自由に

・「青山探偵事務所」「犯人はこの59人の中にいる」などの長尺動画。スケジュール的に厳しそう。


お蔵入りになった生徒会選挙編についてブログに書いていたが、何かと忙しくて滞っている。またそのうち手が空いたら書き進めておく。

目下のところは完全に0になってしまったストックをまた増やしていくことから始めたい。

私も社会人3年目、投稿者も5年目ということでつぶしがきかない時期になってきたので、色々と自分のスタイルを確立できるよう頑張っていきたい。

ということで以上。

長文駄文失礼しました。


2026年3月4日水曜日

キャラ設定覚書V3

改訂版三度目。候補だけなら100人以上いる。

果たして全員を描写し切ることができるのか。


①演劇部組

結月ゆかり

高校2年生。演劇部部長。長らく廃部となっていた演劇部を復活、脚本を担当。

さすがにもう掘り下げるところは無くトリックスター的な役回りになるはず。

主役回:「補遺1~4」「夢と現の演劇部」


紲星あかり

高校1年生。演劇部部員。ゆかりを慕う後輩ポジション。

両親、ゆかり、マキに対してまだ掘り下げる余地がある。

主役回:「補遺11」「遺児編」


琴葉茜

高校2年生。演劇部副部長。ゆかりの相棒的存在と葵の保護者的存在を兼任。

ゆかりと同様もう掘り下げるところは無いが、他の人の掘り下げ回での役回りはある。

主役回:「補遺5~6」「進路を決めよう茜ちゃん」


琴葉葵

高校2年生。演劇部部員。茜の双子の妹。

まだまだ不安定なのでもう一波乱ありそう。

主役回:「補遺7~8」「宝船」「月面旅行の約束」


弦巻マキ

高校2年生。演劇部と軽音楽部を兼部。ゆかりの幼馴染。

両親、ゆかり、あかりに対してまだ掘り下げる余地がある。

主役回:「補遺10」「遺児編」


東北ずん子

高校2年生。弓道部と生徒会所属。次期生徒会長候補。

何かと出番は多いがまだ実力も野心も見せ切れてないため主役回はある。ちょっとタイミングが難しいが。

主役回:「補遺9」「生徒会選挙編」


夏色花梨

高校3年生。生徒会長、弓道部部長。

副生徒会長への微妙な恋模様で主役回を想定。


小春六花

高校2年生。生徒会所属。会計。

こちらも実力も野心も見せ切れてないため主役回はある。生徒会選挙編では負けるのでリベンジマッチ回も必要。

主役回:「生徒会選挙編」


花隈千冬

高校1年生。生徒会所属。書記。

何か掘り下げる要素を付与してもいいが、六花、ずん子、あかりに付いて行くことが多くなるため別に無くてもいいかもしれない。


宮舞モカ

高校2年生。文芸部ミステリ研究会所属。

観察者として状況を解説する役回りになることが多くなるため、彼女自身を掘り下げる必要は無いかもしれない。


彩澄りりせ

高校3年生。新聞部部長。

友人の花梨、妹のしゅおの話のサブキャラぐらい。


ギャラ子

高校3年生(暫定)。

ガラの悪い先輩。花梨、りりせのクラスメート。


桜乃そら

高校教師。ゆかり、茜、マキ、六花のクラスの担任。17歳ではない。

演劇部の名ばかり顧問。普段はバレー部の顧問にかかりきり。

セイカ、コウと一緒に掘り下げ回を作りたい。


京町セイカ

無職。そらの家に居候中の自称未来人。23歳。

パチンコで稼いだ金でイタコと飲み歩いている。

掘り下げ回のほか、SF的な話も1個は。


月読アイ

演劇部のOB。職業不詳、年齢不詳。

年の離れた後輩たちをかわいがっている。

主役回:「緋色の絆」


フィーちゃん、ユニちゃん

高性能な汎用アンドロイド。

試験運用の一環でフィーちゃんはゆかり達の高校へ。

ユニちゃんは本部で待機。各学校に行っているカリカチュア達のマネージャー的な役職。

主役回:「フィーちゃんがやってきたぞ」


アリアル、ミリアル、アベルーニ

不法滞在者。森の奥の屋敷で勝手に暮らしてる。

胡乱な姉と健気な妹。同じ双子である琴葉姉妹とは仲が良い。

アベルーニが知らぬ間に無料になっていたのでそのうち出したい。


朱花、青葉、銀芽、金苗

地元大学の演劇サークル。銀芽が大学生は無理がありそう。

オープンキャンパスで仲良くなる。

ゆかり、ひまりの進学予定先。


②東北組

東北ずん子

上述。東北三姉妹の次女。

きりたんには過保護。イタコには複雑な感情を向ける。


東北きりたん

小学5年生。東北三姉妹の末妹。

イタコとずん子に育てられ、両親のことはよく知らない。

ウナやコウ先生を巻き込んでもう1本くらい何か用意したい。

主役回:「補遺EX」「31人目の子供の霊」


東北イタコ

家事手伝い。20歳。東北三姉妹の長女。

青森でイタコの専門学校を卒業後、帰郷し妹たちと同居。

セイカと共に中学生組の動画に絡むかもしれない。


ずんだもん

ずんだの妖精。3歳。

扱いの難しい存在で雑にいじられてる。

仮に未来の話が描かれれば主役回になる。


四国めたん

ホームレス。17歳。

幾つか主役の話を考えているがどれも長くなりそうなので置いておかれている。

主役回:「超常現象調査員めたんちゃん」あるいは中学生組の動画と合わせて「鬼狩り」シリーズ、「深海で揺れる炎」


九州そら

アンドロイド。10歳。

もう少し掘り下げ回を作りたいが、未来の話になりそう。

主役回:「satellite girl」「新時代の地平を照らす光」


中国うさぎ

高校2年生。飛び級で高校2年生になった14歳。

今は安静にしているがいつか爆発する人。

主役回:「月面旅行の約束」「因幡の黒兎」


音街ウナ

小学5年生。

思ったより小学校の様子を描けてないので出番を増やせれば。


水奈瀬コウ

小学校教師。きりたんとウナのクラス担任。

思ったより小学校の様子を描けてないので出番を増やせれば。


彩澄しゅお

小学5年生。きりたん、ウナとクラスメート。

オカルトに傾倒するちょっと変わった子。

主役回:「31人目の子供の霊」「喜悦の鬼」


田中傘

小学校教師。

使っていた立ち絵がいつの間にか公開停止されており、継続使用していいのか謎。

主役回:「31人目の子供の霊」「喜悦の鬼」


如月ついな(役追儺)

中学2年生。

天涯孤独の少女。弓鶴との出会いで心境に変化が生まれる。

そろそろ2年経つのでいつまでも後回しにはしていられない。

主役回:「夜の帳が下りる頃、語るは鬼の後影」


伊織弓鶴

高校1年生。私立高校組。

琴葉姉妹の従兄弟。親元を離れて一人暮らし中のため時々様子を見に来る。

ついなとの関係や私立高校での様子など貯まっているネタは多い。


黒朱乃宮・ティンティナーブルム・リリン

中学2年生。

黒朱乃宮家の令嬢。療養も兼ねて東北の別荘で暮らす。

この人の制服差分が無いから中学生組の動画シリーズを始められなかったりする。


つくよみちゃん(夢前月夜)

中学2年生。

夢前月夜という偽名で暮らす人外。リリンを気に入り共に学校に通う。

つくよみちゃんは複数個体存在するのでその辺りの説明も兼ねて早めに動画を出したい。


黒聡鵜月

黒朱乃宮家の執事。

液状の体を持ち、声や体を変幻自在に変える事が可能だそう。

黒朱乃宮邸が人外ハウスになってしまう。


カナ、マナ

カナは中学2年生。マナは小学5年生。

カナはついな、リリン、つくよみちゃんとクラスメート。マナはきりたん、ウナとクラスメート。

姉妹みたいな幼馴染。


春歌ナナ

中学2年生。

ついな、リリン、つくよみちゃんのクラスメート。

名前とキャラが色々と被りがち。


あいえるたん(藍田ノエル)

中学校教師。

ついな達のクラス担任。そんなに出番はない。

声がアナウンサーみたいで綺麗。


夜語トバリ

組織のエージェント。古株。

めたんとは旧知の仲。後鬼の捕獲を狙っている。

今一つ立ち絵が定まっていない。


虚音イフ

組織のエージェント。組織では新参だが業界内では息が長い。

トバリが敬意を払う数少ない相手。

本当に人間なのかは怪しい。


クロワ

組織のエージェント。新参。

やる気が空回り気味でトバリの手を焼かせている。

本名が黒朱乃宮・セプテントリオーネス・ラ・クロワであることは覚えていない。


†聖騎士紅桜†

組織のエージェント。新参。

甲冑姿で往来を闊歩する狂人。

中身は中学2年生の少年。紅桜ショウガとしてAIVOICEと立ち絵が存在。


大江戸ちゃんこ、中部つるぎ、関西しのび、北海道めろん、沖縄あわも

秘密結社「大都会」。

東京郊外にある老舗旅館を隠れ蓑にしている。ずん子達とは因縁がある。

メンバーが揃ってくれないと出しづらかったりする。


③私立高校組

冥鳴ひまり

高校2年生。

常にゴス服を着用している、ユーチューバーとして界隈では有名な人。

ゆかり達とのオープンキャンパスの動画から、もう一つ主役回を作りたい。

主役回:「あなたのことがますます嫌いになったわ」


春日部つむぎ

高校2年生。

ギャル。マキと音楽関係の親交があり演劇部と縁ができる。

ひまりと一緒に東北の大学に進むか地元の友人のいる埼玉の大学に進むかで悩む。


雨晴はう

高校2年生。

常にナース服を着用している、面倒見の良い優等生。

かつて剣崎に命を救われ、将来は看護師を目指している。

主役回:「幽霊なんてゴミみたいなものだから」


櫻歌ミコ

高校2年生。

小柄な犬っぽい少女。通称みこちー。

小夜とペアを組むことが多い。ひまりとの距離感が怪しい。


小夜

高校2年生。

小柄な猫っぽい少女。通称さよちー。

ミコとペアを組むことが多い。ミコのことが好きでひまりのことが嫌い。

主役回:「あなたのことがますます嫌いになったわ」


波音リツ

高校2年生。

長身で絢爛な出で立ちの少女。

ミコとは幼馴染。一人でいることが多いが孤立しているわけではない。


WhiteCUL 雪

高校2年生。

和風な出で立ちの少女。クラスでは浮いているがそれなりに受け入れられている。

1つ下の学年に妹がいる。


青山龍星

高校2年生。

大柄な男子高校生。天性のガタイの良さ。

外見や声音の印象ほど落ち着いた性格ではない。


玄野武宏

高校2年生。

全体的に特徴のない平凡な男子高校生。

ごく普通の感性が作中では逆に珍しい。

主役回:「俺のことを大好きな女の子が降って来ないかな」


白上虎太郎

高校2年生。

小柄な男子高校生。帽子で高さを盛っている。

いじられキャラであり、ツッコミ役。


猫使アル、ビィ

高校2年生。

猫っぽい双子の少女たち。

あまり絡みのないクラスメート。


花撫シア

高校2年生。

クラスにやって来た転校生。メンヘラ系女子。

主役回:「俺のことを大好きな女の子が降って来ないかな」


伊能いお

高校2年生。

あまり絡みの無いクラスメート。最終的にシアがつるむようになった相手。

ビジュがいいのでそれを機会に出番があってもいいかもしれない。


双葉湊音

高校2年生。隣のクラス。

青春に囚われた狂気の少女。

今年度中にシリーズが終わらなかったが夏までには完結させたい。

主役回:「青春」シリーズ


紡乃世詞音

高校2年生。隣のクラス。

ミステリアスな大人びた少女。

龍星とは恋仲。クラスでは湊音の相手をさせられるようになる。

主役回:「青春」シリーズ


雀松朱司

高校2年生。隣のクラス。

面倒見がよく湊音がクラスで最初に話すようになった人物。

龍星、武宏、虎太郎とは幼馴染。


黒沢冴白

高校2年生。隣のクラス。

クールでストイックな青年。武宏をライバル視しており、女性が苦手。だそう。

陸上部所属。湊音にちょっと惹かれている。

主役回:「グラウンドの妖精」 「馬鹿だと思われ過ぎ問題に終止符を」に吸収


離途

高校2年生。隣のクラス。

ミステリアス系男子。マジかネタかわからないトーンで湊音をおちょくっている。

実はアンドロイドである設定は採用しなそう。


ぞん子

高校2年生。隣のクラス。

勝手にエナジードリンク「ZONe」を宣伝しているゲーマー女子。

主役回:「サイダーを飲んだ日」


ユーレイちゃん

学校に存在する幽霊の女の子。

今のところ湊音とぞん子にしか見えない。

主役回:「ヒナギクルミを探しています」


満別花丸

高校1年生。弓鶴のクラスメート。

自認が男の女の子に見える女の子。

自認が男の女の子に見える男の子である弓鶴がいるため非常に紛らわしい。


ロサ(ROSA)

高校1年生。WhiteCUL雪の妹。

どんなキャラにするかは未定。


麒ヶ島宗麟

高校教師。隣のクラスの担任。

青山ら4人組とは旧知の仲。


後鬼(如月)

高校教師。つむぎ、はう、ひまり達のクラス担任。

若い女の姿で社会に溶け込んでいるが、正体は千年以上生きた鬼。

ついなに仕え、共に暮らしている。


もち子さん(モチノキョウコ)

もちぞら模型店店主代理。

入院中の祖母に代わり店の切り盛りを一手に担う。パーカー立ち絵がとてもしっくり来る。

主役回:「あなたのことがますます嫌いになったわ」


あん子ちゃん(モチノアンコ)

もち子さんの妹的存在。妹なのか親戚なのか不思議な存在なのかは未定。

以前のもち子さん同様露出が多すぎるため扱いが難しい。


No.7(ナナさん)

フリーター。もちぞら模型店でもアルバイトをしている。

ミニマリスト。ロウソクの灯りで暮らし、カイワレダイコンを育てる。

この人も私服だと露出が多すぎるため扱いが難しい。

主役回:「あなたのことがますます嫌いになったわ」


剣崎雌雄

医師。

極めて真っ当な医者だがそのルックスと思わせぶりな態度で女性患者や看護婦を誑し込む。

メスの付喪神である設定はたぶん採用されない。

主役回:「あなたがいた証」


ナースロボ タイプT(TTちゃん)

医療用アンドロイド。

剣崎の勤める病院に何機か配備されている。

その内の一機は勤続年数が長く雨晴はうとも旧知。

主役回:「歯車は回るだけ」


豪徳貞江

隠居老人。

湊音が生活するアパートの大家。他にも幾つかの物件を所有しており裕福な老後を送っている。


渋木路井

貞江と同じ隠居老人としようと思ったが、それよりは若そう。

しれっと「Replace」に出してしまった。候補としてはその役と同じく古株の教員。茶道部顧問など。


➃その他

ナコちゃん、レコちゃん、カナタくん

COEIROINK組。

アリアル、ミリアル、アベルーニの郷里の友人。フリー素材としてたまに出演する。

ちゃんとした出番があるかは不明。


ディアちゃん、アルマちゃん

COEIROINK組。ラスティキッスプロダクション。

私の中で天使と悪魔という存在を落とし込めていないため保留。


アメノちゃん

COEIROINK組。ラスティキッスプロダクション。

本名は海神之宮(わだつのみや)・リンドブルム・天乃(あめの)。

普通のギャルにするか特殊な存在にするか悩んでいる。


松嘩りすく

COEIROINK組。MYCOEIROINK。

特徴的な叫び声が何度か使われている。他のスタイルも使いやすく、適当なキャラへの声当て候補。

松嘩りすくというキャラとして出るかは決め兼ねている。頭からUSBが生えてるのはどうするか。 伊織と花丸のクラス担任として登場。USBは取った。


ツキノヤミ

COEIROINK組。MYCOEIROINK。

Losstime Lifeの親戚みたいなツキノヒカリから生まれたキャラクター。

必然的にテーマ曲に困らないので動画は作りやすい。公式立ち絵も可愛いが公式設定が無くキャラづけに悩んでいる。


幌呂めぐる(ホロロメグル)

COEIROINK組。MYCOEIROINK。

幌呂は北海道阿寒郡鶴居村にある地域だそう。埼玉ご当地ギャルである春日部つむぎを東北の地に引っ張ってきた以上彼女も引っ張って来てもいいのだが、せっかくだしそのままにしておきたい気持ちもある。


兄口祐太郎

COEIROINK組。MYCOEIROINK。

27歳の民俗学研究家兼小説家。伏見遊山というペンネームを使っている。

霊媒体質であり幽霊や怪異が視えるほか、特に悪霊や呪詛など良くないモノに惹かれ、憑かれることが多い。

ここまでしっかりとした設定がある以上このまま行く。ポメポメ様、どこかのあげもの様の2種の公式立ち絵が存在。

制作元には他のキャラクターもいるため深入りもできる。


ユニティ・がる~ぞ

COEIROINK組。MYCOEIROINK。

小夜や弓鶴の立ち絵を描いている方のオリキャラ。天使と悪魔のような宗教的な位置づけを感じさせないフワフワとした「天使」。

名前⇨ユニティ・がる〜ぞ

性別 ⇨不明

身長⇨150cm前後 体重⇨0kg(浮遊している)

好きなもの⇨可愛い服、アイドル、頑張る人

なりたいもの⇨アイドル!

嫌いなもの⇨暗い雰囲気、争い、悲しい気持ち

よく動きよく笑いよく励ましてくれる天使


船音ユナ

COEIROINK組。MYCOEIROINK。

少女の姿をしたアンドロイド。

しかし人間のようなプロフィールの記載もあるので高校2年生の少女にしてしまっても良さそう。油断するとアンドロイドばかりになってしまう。


AIIOWA(アイオワ)

COEIROINK組。MYCOEIROINK。

人型汎用ロボット。中々に尖ったデザインをしている。

さすがに人間と言い張ることはできないが公的なアンドロイドにも見えない。出すなら個人が非合法に作製したものか。


コシラズ

COEIROINK組。MYCOEIROINK。

16歳の少女。そのままどちらかの高校に入れるか年齢をちょっと変えちゃうか。

割とどんなキャラづけでも行けそうだから誰かが欲しいところに。


毒命(トクメイ)

COEIROINK組。MYCOEIROINK。

不思議な球体関節人形の女の子。元はただの人形だったが、いつの間にか自我が宿り、自由に動くことができるようになった。​

真に愛してくれる人間を探している。

という設定の配信者になるかもしれないしそのまま行くかもしれない。


ちび式じい

VOICEVOX組。あるいはAIVOICE 式狼縁・式大元。

割とどういう存在なのか謎。出すならかつては強大な精霊だった式大元の弱体化した姿とかかなぁ。

その場合はめたんに狩られる立場になる。


栗田まろん、琴詠ニア

VOICEVOX組。

出る時はたぶんペア。社長とその秘書という役回りが似合いそう。

都市開発計画などでごたごたが起こればお話を作りやすいか。


Voidoll

VOICEVOX組。「#コンパス 戦闘摂理解析システム」を管理するAIロボ。

SF的なストーリーで単発の主役回を考えている。公式設定は見ないフリ。

ちょっと版権的に下手な扱いできない気がしている。


あんこもん

VOICEVOX組。

ずんだもんすら持て余しているのにもっと持て余しそうな存在。

たぶん数年は置いておかれる。


足立レイ

AIVOICE組。レプリボイス。

アンドロイド開発の先駆けとなった存在。たぶん出番はない。

余談だが足立レイは個人製作であり、製作者ごと研究機関に誘致する形で開発が始まった。


アナウンス部

AIVOICE組。

結城香、日ノ出賢、塩崎かずき、風見壮一の4名。

普通にアナウンサーかな。


羽ノ華

AIVOICE組。

弦巻マキの親戚にしてしまうのが丸いか。

見た目的にはファッションモデルで波音リツとの絡みでお話が作れそう?


GUMI

AIVOICE組。

ウナが所属する事務所の先輩。GUMI姉と慕われている。

ボカロとしては馴染み深いがどういう人なのかは何もわからない。可能性は無限大とも言える。


ZOLA Project

AIVOICE組。

ウナが所属する事務所の先輩。

KYO、YUU、WILの3人による男性グループ。いよいよ何もわからない。

深入りせずに男性アイドルとして扱うのが無難か。


タンゲコトエ、カキョウヨサリ

AIVOICE組。

私の中で神という存在を落とし込めていないため保留。


RIA

AIVOICE組。

個人勢のVtuberの方が自分用に作成して使っているらしい。そのため規約的に危ない橋は渡れず、使うとしてもちょい役。


来果

AIVOICE組。

「来果だにゃ」の一言でどういう存在かの説明を済ませられそうな気がしている。

猫っぽい人たちで絡むことがあれば。


蓮鬼ねむ

AIVOICE組。

権利元が潰れたところをついなちゃんプロジェクトに拾われたそうな。

後鬼と同様に知性を持った鬼ということで出る時はそれなりにクリティカルな存在になる。


雪音りう

AIVOICE組。

23歳。セイカさんと同い年。

クリームソーダが好きな人のイメージしかない。

この年齢帯の扱いは中々難しい。


サーラちゃんさま

AIVOICE組。

青白い肌に赤い瞳、彩度の高い金髪が特徴的な、空間の裂け目を抜けてきた自称魔界の公爵様。星の数ほどいる影武者の一つであり、複数体存在する。

異界の存在だからある程度自由にやっても整合性は取れるか。魔界の公爵、無数にある影が人間界に現れるという設定はパタリロで見たような。


鳴花ヒメ、ミコト

AIVOICE組。

キャリアの長い梅の精霊。

出してもいいがこの子たちが太宰府天満宮を離れるのは解釈違いという意識もある。誰かが福岡に行くか、それこそ彼女たちの影だけが東北にやって来るか。


ユニティちゃん(大鳥こはく)

AIVOICE組。

8月13日生まれの17歳で、血液型AO。

父は大鳥重工のCEO大鳥雄二。母は大鳥みもり(※)

海上都市コーゲン・シティに家族と住んでいるとされる。

好物はカレーコロッケ。

という公式設定がある。本名、年齢、好物は拾っておきたい。


若穂みのり(ワコウミノリ)

AIVOICE組。

日本工学院専門学校の産学連携プロジェクトで制作されたという異色の合成音声。

出自は工学院だが名前やビジュアルからは農学分野を連想する。


咲ちゃん

AIVOICE組。

フルネームは高遠咲。ついなちゃんプロジェクトの公式キャラクター。

公式設定は無視してしまったがそれでも出すとしたらやはり同級生か。


ルウル

VOISONA組。

コンピュータウイルスという他にいない存在なので普通の女の子にしてしまうのはもったいない。

活かすとしたら九州そらと絡むことになるだろうが上手いこと思いついていない。


梵そよぎ

VOISONA組。あるいはCevio組。

白スーツが特徴の細身な男性。

年齢、職業など色々と決められてはおらずイメージもついていない。


さとうささら、すずきつづみ、タカハシアマト

Cevio組。大御所。

使わない理由は特にないが、強いて挙げるならこの3人だけで関係性が完結してしまいがちか。

出すなら大学生かと思ってる。


IA、ONE

Cevio組。こちらも大御所。

私の中で宇宙人という存在を落とし込めていないため保留。


水奈瀬リト

VOICEPEAK組。

水奈瀬コウの兄。年齢は30歳。

祖父から継いだバーを経営しており、昼にはランチ営業しているそうな。

出番があるかはわからない。


邪神ちゃん

VOICEPEAK組。

本当に使っていいのか?

さすがにちょっと落とし込める気がしない。


重音テト

VOICEPEAK組。

ボーカロイド組。波音リツと同様プロフィールがふざけられているため拾うかはわからない。

ちょっと役回りが不明なため出なさそう。


フリモメン(スーパーフリモたん)

VOICEPEAK組。

私の中でフリモメンという存在を落とし込めていないため保留。

フリモメンの姿と声を弦巻マキの父として使ったのは割と苦肉の策なので、たぶんもう出ることは無い。


以上、変化があれば更新していく。


波乱の高校生活

5年以内にと言いつつ絶対間に合わない気はしている。ダメならもう5年延長。 ・生徒会選挙編 東北ずん子と小春六花の一騎打ちとなる生徒会選挙。 生徒会のゴシップ記事で悪感情を煽る唯世かのん、反ずん子派の集会を開き出す結月ゆかりによって戦いの火は全校生徒へと広がっていく。 後の全ての波...