補遺6まで終了。一区切り。
作るのがすごい難しかった。しばらく長編は作りたくない気分。
茜ちゃんはやはり手強かった。時系列的にあんまり大きな出来事を起こすわけにもいかないってのもあったが、何が起こっても動揺する様子が思いつかなかった。
茜ちゃんという人間に関しては本人視点の話より他の人視点の話の方が上手く描写できる気がする。
次のを作るときのために幾つかメモ書き。
結月ゆかりとの関係性。
ゆかりは茜に感化されて現在の境地に至っているため、茜に対する信頼と尊敬は深い。
茜が言った言葉などをよく覚えており、行動の指標にすることも多い。しかし、その多くは何気なく出た言葉であり、茜自身は覚えていない。
誕生日パーティーの後、マキや両親と和解する際は茜を見習った言動や行動を取っている。そのため、茜は当初の目的通りにゆかりを助けたと言える。しかし、そのことはゆかりから茜に伝えられていないため、茜は自身の働きかけにどれほどの意味があったのか知らない。
琴葉葵との関係性。
葵は茜のことを今も昔も偉大な姉として尊敬している。
ちょっとしたおふざけで自分が怪我をしてしまったせいで、姉が罪悪感を抱き消極的になってしまったという認識でいる。茜が自堕落な振りをして葵を頼り、自信をつけさせようとしてくれているのはずっと気づいている。
茜編の終盤では何やら茜に元気がないのに気づき、自分がかつてしてもらったのと同じ方法で姉を元気づけようとした。頼り頼られをコミュニケーションとしているのは姉妹の共通理解。
その他。
結月ゆかりが紲星あかりをデートに誘った際(あかり編でやる)、あかりの悲しみや苦痛に寄り添う時もゆかりは茜を参考にしている。なお、このことも茜には伝えられていない。
東北ずん子は高校1年生のとき全ての家事を一人でやっていたが、茜のアドバイスを受けて妹のきりたんに一部を任せるようになった。誰かを頼ることで相手は喜び互いの関係が深まるというやり方を教えてくれたことを感謝している。
ずん子と茜は同じく姉という立場であり、二人とも人格が完成されていることもあって互いのことを高く評価している。だが深い部分では理解が及んでおらず、茜にある罪悪感や自責心、ずん子にある執着心や排他性は互いに知らない。
東北イタコは元から専門学校卒業後は地元に戻るつもりだった。妹たちと一緒に暮らすつもりはなかったが、思ったよりもずん子が尖ってしまっていたので心配になって家に帰った。
霊媒師もとい占い師稼業で食えるほどの稼ぎはない。他に色々やりながらその日暮らしをする気だったが実家暮らしになったので生活自体は豊かになった。
イタコが帰ってきたことでほぼ家に帰らなかった両親はまったく家に寄り付かなくなった。それぞれ別宅で暮らしている。
ちなみにずん子が「家族」という言葉を使う時は基本的にきりたんとイタコのことを指しており、両親は含まれない。両親を指すときは「父母」か「家人」。
紲星あかりは茜と葵には特別な感情は抱いていないがちゃんと親愛の情は持っている。仲はいいが互いの過去や心の深い部分は知らない。
弦巻マキはいよいよ絡みが少なくなり、ゆかりとの仲も完全にあかりに追い抜かれる。不憫。
ひとまずこれまで。
茜編は周囲に大きな影響を及ぼしながらも重要な局面には居合わせず、周囲の変化に取り残され自分の存在価値が薄れていくお話でした。
もっと空しくなったり消えたくなったりしませんか。受け入れる力も切り替えてく力も強すぎて扱いづらかったですわ。
テーマ曲は「カルモ街の分かれ道」。「燻る思いはまだ一片の勇気」ってのが合ってると思った。でも細かく見ていくとぴったりってわけでは無かったりする。
カルモ街ってどこなんだろう。
メモ代わりに補遺たぶん11の冒頭を書いときます。
両親が死んだと聞かされたとき、最初に思ったのは「どうしよう」だった。
家はどうしよう。
学校はどうしよう。
生活はどうしよう。
お金はどうしよう。
将来はどうしよう。
どうしよう。どうしよう。どうしよう。
これまで当たり前のように信じてきたものが何もかも崩れ去って、どうしたらいいかわからなくなった。
結局私は無数の「どうしよう」に対して一つも答えを出すことはなかった。
ただ茫然としているうちに、家は当分はそのままにされることが決まって、学校は来ても来なくてもいいことが決まって、生活はおじさん夫婦が面倒を見ることが決まって、お金は親戚中で出し合うことが決まって、将来のことは何も決まらなかった。
警察の人は泣いていた。学校の先生も泣いていた。おじさんとおばさんも、親戚だという人もみんな泣いていた。
私は泣かなかった。
悲しくなかったとかじゃなくて、二人がもういないことよりもこれからのことが気がかりで。
そんなことを考えている間に悲しむタイミングを逃してしまった。
自分が薄情な人間だとは思わない。そういう現実的な影響を大きく受ける立場だからこそ、仕方のないことだと思う。
でも、それでも。
最初に思ったのが「悲しい」ではなかったことを、両親には申し訳なく思う。
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