さて今日も元気にネタ出ししていきましょう。
この前のセイカさんの話は「パラレルコンプレックス」って題名にしよう。
なんかこういうSF系って言うのかは謎だけど、世にも奇妙な物語とかでやってそうな雰囲気のネタ、あった気がしたんで書いときます。
①創作物取扱責任法
起
小説家の主人公。提出した原稿が幾度目かわからない書き直しを求められ、溜息を吐く。
創作物取扱責任法が施行されて以来、肩身は狭くなるばかりだった。
読者が著作物に影響を受け重大犯罪に及んだ場合、著者と出版社は刑事責任を問われる。
全くふざけた法律だ。おかげでミステリもホラーも碌に書けない。
創作物が現実の世界に大それた影響を与えるわけがないのに。
承
同じように苦境に立たされている作家仲間が訪ねてくる。
仕事が無くなり生活が苦しくなってきたことを話すと、ある提案を受ける。
いわく、一般に出回らない書物に乗せるストーリーを一緒に考えてほしいと言う。
できるだけリアリティに富み、それでいてヒロイックな物語。
胡散臭い話だと思ったが、酒の肴にと久々にアイディアの限りを尽くした。
主人公は神々の末裔で、最終的に世界を救う使命を背負うことになった。
転
半信半疑だったが報酬はきちんと支払われた。
作家仲間は満足そうな表情で評判が良かったと語っていた。
私は一晩経ったらあんな稚拙な話を世に出したことを後悔していたが、背に腹は代えられないので黙っていた。
それから数か月後のことだった。
ある新興宗教の信者が大規模なテロを起こしたのは。
結
連日ニュースではその宗教団体のことが報道された。
教祖の逸話の数々、教典に書かれた教義の内容はどこか見覚えのあるものだった。
作家仲間に連絡を取ったが繋がらない。風の噂によると教団の幹部として逮捕されたらしい。
私は自身の創作物が与えた影響と、自身が背負わなければならない責任がどれほどのものかを考えていた。
以上。
昔こんなの書いてたなってのを引っ張り出してまとめておきました。
製造物取扱責任法って単語を見た時、パッと創作物取扱責任法って単語が思い浮かんで、それに合わせて話を作った代物ですな。
まぁ悪かないけどちょい意外性に欠けるかなって印象ですね。タイトル見た時ストーリー予想ついちゃう人も居るんじゃないかな。
そのうち作るかなぁ?
次のはホントにメモ程度でパパッと書いときます。
②インナーチャイルド
ある日子供の幽霊が見えるようになる。そいつはどこか恨めしそうにこちらを睨んでくる。
自分の子供の頃の姿にそっくりで、もしかしたら自分が幼少期に押し込めた感情の発露なのではないかと考える。
そいつを目の前から消すため、昔を思い返しながら小さい頃欲しかったお菓子やおもちゃを買い与える。だがそいつは一向に消えない。
子どものころ自分がどうしたかったかを真剣に思い返す。家では煙たがられ、学校ではいじめられた日々。何を望んでいたっけ?
そんな折、同窓会で初恋の相手と再会する。かつては顔も合わせられなかった彼女。だが今なら手が届く。
今は銀行で働いていること。出世を見込まれていることなどを話す。彼女が食いついているのを感じる。私は変わったのだ。
ふと何かに押される。私の身体は階段を転げ落ちていき地面へ。
薄れる意識の中最後に見た光景を思い出す。
憎悪と嫌悪に満ちた視線を向ける子供の姿。
ああ、そうだ。私は小さい頃…
死にたかったんだ。
③自殺オフ会バトルロイヤル
ある古びた倉庫に訪れた男たち。ネットで知り合った彼らは集団自殺をするために集まったのだ。4人でやる予定だったが、1人は怖気づいたのか現れなかった。
死に方や苦しくないかについて話す中で、話題は当然各々の自殺理由になった。
一人目がそれを語った時、他の1人が呟いた。「くだらない」と。
二人目は自分の方がもっと不幸な目に遭って来たと語る。他の者はそれに反論する。
三人目も我こそはと名乗りを上げ、自らがいかに悲惨な状態にあるかを熱弁する。
男たちはやがて取っ組み合いを始める。この中で一番不幸な奴しか死ぬことは許されないと。
殴られた男が廃品のクローゼットにぶつかり、それが開く。
暗い倉庫の中、そこからもっと暗い場所に彼はいた。
彼がどんな人生を送って自殺を志したのかはわからない。
彼が何を思ってその場所に逃げ込んだのかはわからない。
彼がどうして他の3人を待たずに握った薬瓶を飲み干したのかはわからない。
勝者は何も言わずに死んでいた。
④直葬
重い荷物を引きずるように抱え、やっとの思いでエレベーターに乗り込む。
先客の男も汗だくだ。足元には大きなボストンバッグが置いてある。
「どちらまで?」
「一階まで。」
最低限の会話を終え、荷物を下ろしてホッと一息つく。一階まで行けば車までもうすぐだ。
ピー。謎の機械音を発し、エレベーターが止まる。
「故障ですかね?」
「参りましたね。」
非常ボタンを押し、通話を試みる。ダメだ。つながらない。
男と気まずそうに顔を合わせる。
「携帯は?」
「あ、そうですね。」
電話を開く。おかしい、圏外だ。
男はどうだろうと目を向ける。体のあちこちを触りながら携帯を探しているようだ。
「バッグの中では?」
「あ、そうかもしれませんね…」
男が動きを止める。こちらをじっと睨んでくる。
私は最初何のつもりかわからなかったが、ハッと気づいた。そうか中身を見られたくないのか。
私はわざとらしく視線を外し、天井の隅を見つめていた。
クソッ圏外だ。男が呟く。
チラッと視線を向けた私は思わず声を上げてしまった。
「見たか!」
「え、あ、いや。」
「見たんだな!」
男が詰め寄ってくる。
ボストンバッグから覗いていたのは、血のついた制服…
「見られたからには生かしておけない。」
「いや違うんですよ。」
私は必死に釈明する。
「あんたも運が悪かったな。」
男がギラリと輝く巨大なナイフを取り出す。
「違う!違うんです!」
今にも切りかかろうとしてくる男に、私は私のボストンバッグの中身を見せる。
「私も同じなんです!」
暫しの沈黙。呆気にとられたような顔をしていた男は不意に吹き出した。
そのまま二人で笑い転げる。
「いやぁすごい偶然もあったもんだ。」
「全くです。あなたの様子をお見受けした時もしやと思いましたが。」
「それ奥さん?」
「いえ、不倫相手でして…。そちらは?」
「全然知らない女子高生。」
お互いの事情を話す。まるで数年来の友人であるかのような気さくな会話だった。
異常な緊張状態が解けたことによる異常な緩和状態であった。
「そう言えばエレベーター、どうする?」
「あ。」
閉じ込められていたことをすっかり忘れていた。
外部との連絡手段はない。というかよく考えたら外部の人間に来られるのはあまりよろしくない。どうしたものか…
ガタン。そんな私たちの想いに応えたかのように、エレベーターは動き出した。
二人で笑って顔を見合わす。
エレベーターはグングン下がっていく。下へ。下へ。
「…長くないか?」
男の疑問は私も抱いていたものだった。もう1階に着いても良い頃では…
エレベーターは加速していく。もはや下がっているのではなく落ちているような。
耳をつんざく金属音と内臓が浮き上がる浮遊感に心臓が早鐘を打つ。
いったい何が起こってるんだ?
ガーーーン!!
衝撃音とそれに見合った振動の後、ゆっくりと扉が開く。
その先は真っ暗で何も見えない。
いったいどこへ辿り着いたのかわからない恐怖に、二人は縫い付けられたように暗闇を見つめていた。
彼らは気づかない。
扉の向こうを見つめる彼らの背後で、二つのボストンバッグがかすかに蠢きだしていた。
こんなもんか。
メモ程度って言ったのに結構がっつり書いちゃったね。
興が乗っちゃったわ。
明日明後日辺りで注文したボイロが届きそうですし、そしたら動画編集に移りますかね。
他のことで忙しいですし今日はこんなもんで。
長文駄文失礼しました。
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