最近見た夢
ゴミ捨て場に通りかかると動物の死体が捨てられていると同行者が騒ぎ出す。
同行者はゴミ袋の結び目をほどき、中から小ぶりなビニール袋を取り出し道路に並べていく。
その時車がすぐ近くを通り抜け、並べていたビニール袋を轢いてしまう。
きちんと埋葬し直すつもりだったのにと悲しむ同行者。
私には透明なその袋の中には何も見えなかった。
「見えると怖い、見えなくても怖い」
ゆかりと茜、二人で話している場面からスタート。
ゆかりはホラー作品において幽霊のように見えないはずのものが見えることが怖いとされるが、逆に見えなくても怖いのではないかと語る。
廃墟に肝試しに行った際、自分以外の同行者は幽霊が出たと言って騒ぎ出す。だが自分には彼らが指さす先には何も見えない。
からかわれてると思い真剣に取り合わなかった結果、同行者たちは自分を置いて逃げ出してしまう。
一人取り残されたことでようやく、目に見えない何かがそこに存在する恐怖がじわじわと襲ってくる。
みたいなねとゆかりが笑う。茜は面白そうな導入だと褒める。
見えないものに対して結局どう対処すればいいのかわからないと、ここからの展開に詰まっていると話すゆかり。
少し舞台設定を変えてみよう。
ゆかりはもう一つ別の話をする。
ゴミ捨て場を通りかかった際、同行者が動物が捨てられていると言って騒ぎ出す。
どこかに埋葬してやろうと言ってゴミ袋を拾い上げる彼女。だが自分にはその透明なビニール袋の中には何も見えない。
それでも彼女がふざけたり頭がおかしくなったりしたわけではないと思ったのは…
前を歩く彼女の手に握られたそれが確かな重みを持って揺れていることだとか。
穴を掘る間地面に置かれたそれが風に吹き飛ばされていかないことだとか。
それを埋めるために袋の口が解かれた瞬間腐臭が鼻をついたことだとか。
そういう見えないけれども何かがそこにあるという実感が恐ろしかった。
二人の間に沈黙が訪れる。
茜が口を開く。
どうして今そんな話を?
ゆかりは二人で作った簡素なお墓を見下ろして答える。
見える方が怖いか見えない方が怖いか…
最近見た夢2
教室でクラスメートと喋っていると電話がかかってくる。
非通知の着信のようだったが、「非通知」と表示されるべき箇所には「見捨てて」と表示されている。
席を立ち、騒がしい教室から脱け出そうと歩きながら通話に出る。
電話の向こうの相手は去年一緒のクラスだった「見崎」だった。
「見崎」は何でもないように久し振りと話しかけてきたが、彼は半年前から行方不明になっているはずだった。
そのことについて問い詰めようとするが、その時クラスメート達から声をかけられる。
彼らも去年一緒のクラスだったが、同じように「見崎」から電話が来ているようだった。
彼らはその異常性にまだ気づいていないようで、「見崎」と普通に会話を続けている。私の電話からも「見崎」が話しかけてきている。
おかしいだろ。一人が「見崎」と話してるなら他のは偽物のはずだ。同時にかけてきてるって言うのか。
私が叫ぶと教室は静まり、通話も切れた。
「ミサキくん」
動画の始まり方として既に完成されているので続きをどうするか。
いつもは性別を反転させてゆかりさん達に任せているが、会話の雰囲気が男子っぽかったので玄野や青山たちでもいいかもしれない。
幾つかルートを考えているのでつらつらと書いていく。
①ヒトコワルート
「ミサキくん」からの電話は心霊的なものかと思われたが、複数人が体験しており実際に通話記録も残っている。
「非通知」と表示されるべき箇所に「見捨てて」と表示されていたことのみ心霊現象であり、電話自体は現実のものだった。
メタ的な話になってしまうかもしれないが、CoefontやCoeiroinkなどの合成音声によって作られたものにするのも考えてる。まあ単純に録音でいいのかもしれないが。
とにかく「ミサキくん」からの電話は何者かが自分たちへの揺さぶりとしてかけてきたものだった。
電話がかかって来たのは自分も含めて4人。別に夢で4人だっただけだから変えてもいいが、玄野、青山、虎太郎、朱司の4人でちょうどいいのでこれで。
「ミサキくん」とは去年一緒のクラスで仲が良かったが、めちゃくちゃ仲が良いというわけではない。
電話をかけてきたのは「ミサキくん」の母親だった。
主人公の玄野は「ミサキくん」の行方を探す中で彼女に捕まる。
去年から息子は変わってしまったと語り、その原因がクラスでのいじめだと詰め寄ってくる。
玄野はそんな事実はないと反論するが彼女は聞く耳を持たない。
「ミサキくん」は家からお金を勝手に持ち出しており、それが誰かに脅されたからだと主張する。
しかし実際は自由に使えるお金を与えられていない「ミサキくん」が玄野達と一緒に遊ぶために使っただけだった。
玄野はそのことを指摘しようとしたが母親の言動からあることに気づく。
彼女が口にするのは息子の精神的な変化についてばかりで、今現在息子が行方不明であることには何も聞いてこないのである。
普通であれば真っ先に問い詰めるのはそこではないか。いじめを行っていたと疑っているならなおさら。
その時、玄野のスマホに電話がかかってくる。
友達の誰かからかと救出への希望を抱く玄野。「ミサキくん」の母親が画面を見る。
非通知の着信だったが、「非通知」と表示されるはずの箇所には代わりに「上にいる」と表示されていた。
激しく動揺する母親。玄野は不意を突いて拘束を解き、彼女を無力化する。
スマホを取り返して電話に出ようとするも、既に切れていた。
「上にいる」という言葉を思い出した玄野は二階に上がり、「ミサキくん」を発見する。
玄野は警察へと電話をかけるのだった。
②心霊ルート
「ミサキくん」からの電話は玄野たちを引き込むための罠であり、「見捨てて」と表示されていたことは「ミサキくん」の抵抗。
玄野たちは電話をきっかけに「ミサキくん」の行方を探し始める。
その中で彼の家庭環境について知ることとなり、生活に嫌気が差した彼が異界に行く方法を試したことを知る。
玄野たち4人は「ミサキくん」を見つけ出すため、あるいは好奇心からその方法を試す。
以降の展開は思いついていない。ベタな感じになっちゃいそう。
③ハイブリッドルート
まず総評としてヒトコワルートは少々ありきたりである。
夢はあそこで終わっていたが、もし仮に私の脳がその先の物語を見せるならこんな風になるだろうという出来だ。
「犯人はこの15人の中にいる」でも親からお金を盗む展開があり、安易に大人を悪者にしたがるのは私の悪い癖である。
また、現実的な話でも「ミサキくん」が行方不明になった過程に問題がある。
去年は玄野たちと同じクラス。進級するタイミングでクラスが分かれる。
その前後で「ミサキくん」は失踪、半年後に玄野たちが電話を受けるわけであるが、「ミサキくん」が自宅で死亡しているような状況ならばさすがに警察の捜査が行われているはずである。
ヒトコワルートに乗せるためには「ミサキくん」の失踪は事件性なしという警察の判断を受けていなければならない。
「ミサキくん」の家庭環境の問題は警察の知るところであり、それ故に家出したと見なされたというのが丸い。
次に独自性について。
ホラーというのは基本的にテンプレをなぞらないと恐怖感を与えづらいが、それだと独自性が無く面白みに欠ける。
ヒトコワルートも心霊ルートもそういう意味でありきたりであり、何らかの捻りを加える必要がある。
私が見た夢を元に作るというコンセプトを否定することになるが、「非通知」と表示されるべき箇所に「見捨てて」と表示されていたところ。ここが何の意味もなしていない。
例えば4人とも別のメッセージが表示されていてそれが「ミサキくん」の行方を示す手がかりになっているとかであればまだ役に立つ。
それでも単純にメッセージアプリで来たり、電話の内容がそれだったりした時と何も変わらないのだが。
じゃあ思い切って消しちゃえばいいのだろうがそうすると今度は独自性を出す部分が無くなってくる。
もうちょっと上手い一手が思いつかないとわざわざ動画にするほどの出来にはならないが、一応上二つのルートを合体させて多少ブラッシュアップしたものを書いておく。
教室にて玄野に電話がかかってくる。
電話の相手は半年前に行方不明になっていた「ミサキくん」であった。
最初はどこにいるのかと問い詰めていたが、他に青山、虎太郎、朱司にも電話がかかって来ていたことで異常さに気づく。
「ミサキくん」はこっちでの暮らしは楽しく、玄野たちにもこっちに来るようにと語っていた。
「ミサキくん」の行方を探し始める4人。彼が異界に行く方法を試したことを知る。
調査の中で玄野が「ミサキくん」の母親に捕らえられる。彼女は息子がいなくなったのはお前たちのせいだと非難する。
玄野は「ミサキくん」の家庭問題に基づいて反論し、自分の非を認めない母親に殺されそうになるが、青山ら3人に救出される。
警察からの事情聴取を終えた晩、また「ミサキくん」から電話がかかってくる。
相変わらずこっちに来るようにと言っていたが、玄野は断り電話を切る。
「ミサキくん」がどこに行ってしまったのかはわからないが、あの暮らしよりは良かったのだろうと友人の平穏を祈る。
その時、着信音が鳴った。今度は電話ではなくメッセージアプリだった。
たすけて
「ミサキくん」からのメッセージにはそう一言だけ書かれていた。
彼の行方はまだわかっていない。
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