動画ネタのメモ。
微妙に使いづらい奴3つ。
①「お次の方どうぞ」
照明が壁を白く照らす。
皆一様に下を向き、その時を待つ。
部屋には椅子の軋む音だけが響いている。
キィッ…キィッ…キィッ…
少女は体を揺するのを止め、傍らの女を見上げる。
少女は不安げに問いかける。
「ねぇ、大丈夫なんだよね?」
「大丈夫よ。」
そっけない返事。
少女はまた体を揺らし始める。
キィッ…キィッ…キィッ…
「お次の方どうぞ。」
無機質な声が呼びかける。
白衣の男たちが少年を連れて行こうとする。
少年は少し抗ったが、すぐに諦めたように歩き出した。
一瞬、彼の顔が見える。
青ざめた顔で、歯を噛み鳴らしていた。
少年を飲み込んで、扉は閉まった。
少女は震えた声で問いかける。
「ねぇ、大丈夫なんだよね?」
「大丈夫よ。」
変わらずそっけない返事。
少女はまた体を揺らし始める。
キィッ…キィッ…キィッ…
『バンッ』
金属を叩く音が響いた。
皆一様に扉を向き、息を吞む。
『バンッ、バンッ、・・・』
1度、2度、3度目はもう聞き取れなかった。
扉を叩く音は弱くなり、消えた。
少女は涙ながらに問いかける。
「ねぇ、大丈夫なんだよね?」
「…。」
女は何も答えない。
「お次の方どうぞ。」
無機質な声が呼びかける。
白衣の男たちが少女を連れて行こうとする。
少女は少し抗ったが、すぐに諦めたように歩き出した。
一瞬、傍らの女の顔が見える。
赤く腫れた目で、涙を流していた。
少女を飲み込んで、扉は閉まった。
【解説】
「お次の方どうぞ。」
という文言を聞けば、何となく病院に思える。
待合室のような場所で俯いて座る人々。
子供と大人をセットで置いておけば、親子のように見えるだろう。
不安そうな子供…。診察が怖いのかな?
と思わせて本気で怯えている様子を見せる。
扉の向こうで何かが行われている描写を入れ、徐々に「あれ?ここって病院じゃない?」と気づかせる。
フォーカスしていた少女が扉の向こうに消えた時点で終幕。
後は視聴者の想像力に委ねる。
何かの実験施設をイメージしてたけど、どちらかと言うと収容施設っぽいな。
拉致した人々を人体実験に利用。ご時世的にシャレにならんか。
動画的にはどこまで描写を削れるかが腕の見せ所になってくると思う。
より少ない場面、セリフで状況を伝える。
まぁショートホラーだし院試明けの肩慣らしにでも作ろう。
②「美しき友情に。」
③「じゃあいっか。」
書きかけにしてたの忘れてた。
もう内容覚えてねえよってことでそのまま出しちゃいます。
どんな話だったかなぁ…
追記)
たしか「美しき友情に」が手紙形式の奴。
書き手は高校時代の思い出をつらつらと書き連ねてくる。
読み手は幼馴染の男女といつも3人で過ごしていた。
やがて読み手は女の幼馴染と付き合い始める。
しかし男の幼馴染との三角関係にもつれ込み、3人の関係は悪化。
ついに浮気を疑われた女の幼馴染は身を投げてしまう。
それが原因で読み手と男の幼馴染は互いを憎み合うようになった。
卒業と同時に地元を離れても思いは消えなかった。
数年の歳月の後、読み手は男の幼馴染を殺害した。
僕は君が逮捕されたのを知り、思わず手紙を送ったよと書き手。
泥沼の三角関係に発展するように誘導したのは僕だ。
僕が男の幼馴染を焚きつけて君たちカップルに割り込ませた。
僕が君に恋人の不貞を疑わせるように工作した。
僕が君の彼女が自殺する手段と場所を教唆した。
興味本位だった。君たち3人の友情を美しいものだと思った。どうやったら壊せるかと思ったんだ。
今は亡き二人の名誉のためにこの手紙を贈るよ。
手紙にポタポタと涙が零れる。
獄中で読み手は独りいつまでも泣き続けるのだった。
なんでそんなひどいことするのって奴。
手紙だけを画面に映し続け、誰が誰に何の話をしてるのかわからない構図にする。
最後に涙の跡をつけることで、手紙に書かれている「君」が獄中でこの手紙を読んでいるという状況を暗示させる。
手紙は検閲されてから受刑者に渡されるけど、看守はどんな気持ちでこれを読んだんかな?
「じゃあいっか」はしょうもない奴。
道端でバイクが横転しており、けが人が倒れている。
慌てて助けに行こうとする主人公。だが近隣住人に止められる。
「こいつあれだよ。最近毎晩うるさかった奴。」
主人公は何のことか思い至る。ここ数日、深夜の暴走音に悩まされていたことを。
そうか…こいつか…
じゃあいっか。
主人公は何事も無かったかのように歩き出す。
道行く人々は誰もその男を助けようとはしなかった。
勧善懲悪っていうか悪事を働き反感を向けられるってことがどういうことかを示す教訓。
小ネタ集に入れるか。
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