2024年3月20日水曜日

年度末決算報告用メモ2023

今年度の収入が確定したのでそろそろ決算報告します。それ用のメモ。

2022年度(昨年度) 180,975円

2023年度 80,070円

半分以下まで落ち込みましたね。ひょえ~。

まぁ再生数の落ち込みは半分どころじゃないのでそりゃそうかというところですね。

来年度は10万円くらい。できれば20万を目指したい(強気)。

伸ばすための手立ては…特に無い!!

ニコニコのクリエイター奨励プログラムの方。

10月くらいに存在を思い出してそこからはたぶん登録してる。

昨年度が2000円くらい、今年度が3000円くらい。

今年は通勤用の鞄になりました。内定式の時は手ぶらで行って気まずかった。

Youtubeでもニコニコでもちょくちょく投げ銭が貰えてありがたいんですが、3、4割持ってかれるのが渋い。ホントに金が余ってる人だけでいいですよ。

あんまり広告単価とかは触れちゃいけないんですが、大体10分以上の動画は1000再生当たり300~400円、5分くらいの動画だと150~200円くらいですね。

つまりまぁ年20万、ちょっと妥協して年18万とすると月1万5000。

この額を広告収入で得るには10分以上の動画なら月4本で平均再生数1万、5分くらいの動画なら月8本で平均再生数1万とかになるのかな。

無理くね?

諦めそうになってきたのでいったん休憩。


休憩から復帰。3日後。

1年の振り返りと今後の展望。

54本の動画を投稿。平均再生数は3000~4000回くらいから1年かけて1000~2000回くらいまで下落。ほぼ底。

上半期の講評。

「愚蛇愚蛇」から始まり「補遺」シリーズを作成。合間に短編や没ネタ集を挟みながら3か月かけてゆかり編を完結。

シリーズ物を作る時はそのシリーズを見ないことを決めた視聴者のために別の動画を挟むべし。Fラン大学就職チャンネルの教えに従い再生数の下落を防いだ。

思ったより「補遺」が再生されたのも大きかった。

7月に没ネタ集、小ネタ集、短編を投稿。あまりぱっとしないネタが多く再生数は落ち込む。個人的にも今の気分はこれじゃないなと思った。

7月の終わりから8月。日常系の動画を投稿。

ハートフルな「家出してきた中国うさぎ」、ギャグテイストな「もうなんでもいい東北きりたん」、その中間の「ねぇ、出てきてよひまりちゃん」等の5本。

久々に作ってて楽しい動画だった。再生数はそれなりに伸び、新規視聴者の獲得にも貢献した。しかし5連発したことで既存の視聴者離れを招いた負の側面もあった。

8月半ばで精神好調ブーストが切れ力尽きる。末に2周年記念動画を投稿。魂の供養をする。

心機一転とも行かずずるずると動画制作を続ける。「補遺」の茜編を始めるが大苦戦。ゆかり編と比べて話の展開にも欠け数字は振るわなかった。この頃から再生数の下落が始まる。

合間に挟む用の「なかよしの魔法」につい手をかけてしまい8分を超える。やはり動画が長いと再生されなくなった。

仕方ないのでショートホラーで伸びやすさを意識。「ちょっといい?」は短く再生されやすい上に高評価だった。shortsでも新規を少し呼び込みチャンネルの延命を果たした。

下半期の講評。

「補遺」の茜編を終わらせる。数字は悪かったが終わらせられたことに安堵。もう今年は宿題を終わらせることに力を注ぐことを決める。

過去の負債「虜囚」を完結させることを決定。これまでの動画をまとめた短編集でお茶を濁しつつ一から作り直す。6まで立て続けに投稿。

シリーズ物の合間に別の動画を挟むことを意識。単発動画を3本上げる。ギリギリ盛り返す。

1月に「虜囚」の7、8を上げて完結。再生数は伸びなかったが評価は悪くなかった。

この頃には再生数が2000を超えるのも難しくなってきていたので輸血を試みる。

「学校に入ってきちゃうセイカさん」の時点では一瞬息を吹き返したと思われたがそこまでの成果は上がらず、そこから1か月に及ぶ怒涛の日常系動画12連発により既存視聴者の流出と新規視聴者の流入でプラスとマイナスを反復横跳びする。

超能力者編の本番「夜の帳が下りる頃、語るは鬼の後影」のために間が空く。結果はプラス30でやや勝ち、ついに登録者7500人に到達。

新規視聴者の獲得や昔見てたけど見るのやめちゃった人のカムバックが目的だったので概ね計画通りと言える。できれば平均再生数2000台まで戻したかったけど。

総評。

方針がブレブレ過ぎる。

創作者として一つ区切りをつけるために「補遺」や「虜囚」を作ったが、チャンネルも諦めきれず再生数が落ち込むたび延命を図った。

その結果チャンネルが生き残れたとも言えるが、無用な既存視聴者の流出を招いたとも言える。

最初から色々な動画をバランスよく出せていれば二兎を得られた可能性はあった。

だがまぁこれには私の精神状態も強く影響するのでしゃーなしとも思う。

もう少し突っ込んだ話。

この1年で再生数が1万を超えたのは「家出してきた中国うさぎ」のみである。この結果は端的に言って惨敗である。

この動画が伸びたのも某中毒うなぎの影響と思われるので私の手腕が発揮された動画は皆無と言える。

ただそれにつられてか日常系夏の部である5本の動画は比較的再生され続けたので私のチャンネル内では数少ない勝機となった。先月になってようやくそこを攻めに行ったが秋頃からちょっとずつ出し続けていればもっと伸ばせたんじゃないかと思う。

既存視聴者の流出について。

残念ではあるがこれも致し方なしと言える。

私の作風の変化についてこれないというのもわかるしそれを抜きにしても時と共に人が減るのは自然なことである。

明るい動画を出したせいで見るのをやめる視聴者が目につくが、長い動画、暗い動画のせいで見るのをやめた視聴者も多いということは念頭に置くべし。やめると言ってやめる奴より黙ってやめる奴の方が多い。

あと個人的なこと。「演劇部を追放される結月ゆかり」や「2周年記念動画」で見せたような自虐的悲観的なシーン。ああいうのは積極的にはやらないということは明言しておきたい。

正直求められてるのはわかるが適切な文脈で用いられる場合を除いてああいうのを入れる気はないし再びテーマにすることも無い。

あくまで表現したいテーマのためにダークな作風になっているだけでダークな作風自体が目的というわけではない。私のこと鬱展開ぶっ込みボットだと思ってる人が居そうだったので。

ダークサイドみたいな表記を入れないのもそれが理由。そのうち「ポルノ的という批評」みたいなタイトルでブログに書くかも。

特定の感情を想起させることを目的としたコンテンツ作りはしないようにと決めてる。

今後の予定。

とりあえず「補遺」は終わらせる。葵編はすぐに取り掛かれるが、他の人たちは使用素材の関係でいつになるかわからない。それでもできれば今年中には…

日常系の動画は気分が乗ったらちょくちょく作っていく。ある程度ラインナップは決めてるので気ままに。

新規獲得チャンス。正直もう無理だろ感があるが諦めずにトライしていく。

可能性があるのはこれまでもやってた日常系と短い単発動画。これは継続。

新しい取り組みとしては逆に30分以上ある長尺動画。劇場版演劇部や青山探偵事務所を考えてる。でも作るの大変なので予定は未定。

没ネタ集を継いで「新春トークショー」みたいな感じでお話を紹介しつつ付加価値を持たせるようなのも可能性はありそう。話の方はガチでそれ以外はおふざけに寄せると思う。

引き続きキャラの掘り下げ、世界観の作り込みを主軸に置きつつも受けを狙った動画もちょこちょこ挟んでいくと思います。それも気分次第、仕事の忙しさ次第ですけどね。

今言えるのはこのくらいです。それでは2024年度決算報告でお会いしましょう。

長文駄文失礼しました。


2024年3月12日火曜日

炎上事件備忘録

先達に学べ。


①「中毒うなぎ」氏

ずんだもんがイキ顔をしているLINEスタンプを販売。改めて文字にするとなんだこの事例。

同イラストは「あぎりさんぽ」氏が知り合いの絵師の「みやち」氏に有償依頼したもので、確か「あもとっと」氏が問題提起。

ずんだもんイラストのスタンプ販売は東北ずん子プロジェクトの規約にも反しており炎上。

LINEスタンプの販売はすぐに取り下げられ「中毒うなぎ」氏は謝罪。

その際なぜか女性であることがわかる胸元を写した写真を添付。男性視聴者を囲おうという意図が勘繰られ再度炎上しかけるもネタに昇華。

多くの関係者に呆れられつつも既存の視聴者には認められ現在も活動中。

一見悪手とも見える対応が功を奏した珍しいパターン。元々の評判がアレだったためダメージが少なかったとも言える。

個人的にはYoutuberなんてものはこのぐらい太々しい方がいいと思う。


②「mini」氏

「miniのドカ食い気絶部」運営者。

「VOCALOMAERKETS」との公式企画「麺処きずな」において「山栗鼠」氏の絵柄に似せたイラストを「すき」氏に有償依頼、それを企画に使用し炎上。

「mini」氏は兼ねてより「山栗鼠」氏の立ち絵を動画で使用しており、以前のコラボにおいても「すき」氏に絵柄を寄せたイラストを依頼していた。

「山栗鼠」氏の似せた絵を他人に頼むくらいなら自分に頼めよという最もな意見により炎上が始まる。

もともと公式の企画と思われた「麺処きずな」が一投稿者とのコラボだったことで燃え気味だったこともあり炎上は加熱。

「mini」氏は今後紲星あかりを使わないことを宣言、事実上の引退表明を行う。

本件においては絵柄の著作権を巡り「山栗鼠」氏、「すき」氏の両名にも飛び火した。

そもそも公式の2次創作である立ち絵、及び絵柄という曖昧なものに著作権が認められるのか。

人の絵柄に似せたイラストの依頼を受けるのは倫理的にどうなのか、許可を得ていないことを知っていたのか。

様々な議論や推測が為されたが、こと炎上事件において事実や法律はあまり意味を持たないので割愛。

その後「VOCALOMAERKETS」側の声明により以前のコラボにおける「すき」氏のイラストが紲星あかりの無断使用であり、特例的に事後承諾していたことが判明。

「mini」氏のコンプラ意識の低さ、「VOCALOMAERKETS」のリスク管理の甘さが露呈した。

「mini」氏は以前から問題行動が多く、親交のあった投稿者仲間からも不満が噴出。

「mini」氏と仲が良かった「めるろう」氏、「青海」氏にも延焼する。

「青海」氏は「mini」氏に代わり弁明。誹謗中傷および住所特定などをやめるように呼び掛ける。

「miniのドカ食い気絶部」における疑惑について、「青海」氏が「mini」氏の替え玉を行っていたことに関しては否定。「mini」氏が料理を食べずに捨てていたことは一部肯定した。

その際「miniのドカ食い気絶部」が「mini」氏と「あんぐら本舗」氏の2名で運営されていることが認められる。

「あぎりさんぽ」氏が「mini」氏の炎上を受けて自身の火種について見解を表明。次項の炎上事件につながる。


私も「麺処きずな」の企画が行われた「じゃぐら高円寺」に足を運んだ。平日ということもあり盛況とはいかなかったが隣の席の人もコラボメニューを頼んでいて安心した。

公式と企業のタイアップ企画の先駆けにケチがついてしまったのは非常に残念だが、今後も臆することなく商業展開が行われることを願いたい。


③「あぎりさんぽ」氏

メンバーシップの特典バッジに「坂本アヒル」氏の絵柄に似せたずんだもんのイラストを使用したことで炎上。

「mini」氏の炎上を受け自身の火種を取り去ろうとした結果逆に藪蛇をついた。

東北ずん子プロジェクトにずんだもんのイラストを使う許可は取っていたが、そのイラストは「坂本アヒル」氏の絵柄に似せて「みやち」氏に依頼したものだったため「坂本アヒル」氏が苦言を呈する。

それを受けて「あぎりさんぽ」氏は謝罪。メンバーシップを停止し一部動画を削除。「坂本アヒル」氏に和解を申し込もうとするもブロックされていたとして引退を表明。

即日の対応であり翌日に「坂本アヒル」氏が帰宅して言葉足らずだったと弁解。進退にまで言及するものではないと補足する。

現在水面下で「あぎりさんぽ」氏と「坂本アヒル」氏の話し合いが行われているかは不明。

「あぎりさんぽ」氏引退の余波は大きく「坂本アヒル」氏に不満を述べる視聴者や後を追って引退しそうになる投稿者も現れる。

所感を述べる。

「あぎりさんぽ」氏の対応について。

自身の火種を取り除きたかったことはわかるが無理筋だったと思われる。

そもそも当イラストは「中毒うなぎ」氏がLINEスタンプとして販売しようとして炎上したものであり、絵柄のトレースは「mini」氏の炎上の原因となったことである。

東北ずん子プロジェクトがずんだもんの使用を許可し、「坂本アヒル」氏が立ち絵の扱いを公式に委ねているとはいえ、「坂本アヒル」氏の立ち絵に寄せたずんだもんイラストを自分のチャンネルの商品としていいとは言われていない。

完全に黒とは言えないが白とも言えない事例であり、「坂本アヒル」氏の目に入る場所で自身の潔白を表明するのは悪手だったと言える。

その後の対応においても初期対応の早さ、的確さは流石だったと言えるが、引退までするのはやり過ぎだし早過ぎである。

阿漕な稼ぎ方をする以上やらかしたら腹を切ると決めていたのだろうが、1週間、少なくとも3日は空けるべきだった。

視聴者や他の投稿者どころか「坂本アヒル」氏本人すら受け入れられない謝意はもはや攻撃である。

「坂本アヒル」氏の対応について。

あくまで苦言を呈しただけであり、「あぎりさんぽ」氏および視聴者の反応が過剰だったと言える。

立ち絵のトレースやその商用利用に関して私は認めていないと意思表明しただけであり、「あぎりさんぽ」氏の作風への嫌悪やイラストの使用の差し止めなどは一言も言及していない。

言質取ったりといったように「あぎりさんぽ」氏を攻撃しに行った奴は「あぎりさんぽ」氏のアンチなだけでなく「坂本アヒル」氏のアンチでもある。

最大限言葉を選んだであろうあの投稿でも燃え上がってしまうのはネット炎上の難しさを感じる。

邪推になるが「坂本アヒル」氏は元々「あぎりさんぽ」氏のことが嫌いだったと認識している。

2年前「腰振りへこへこずんだもん」以来、過激なキャラづけやBB素材が流行したことは周知の事実だが、「坂本アヒル」氏は許容はするが歓迎はしていないという印象を受けていた。

直接苦言を呈したのは私の知る限り一度きりだが、ずんだもんの立ち絵を作り直したりと思う所はあったのではないかと感じる。

その過激派の筆頭である「あぎりさんぽ」氏が行った表明は、まぁ頭にきたんだろうなと思われる。

「あぎりさんぽ」氏は自身がヘイトを向けられている自覚のある人だと信じていただけに、今回の件は残念である。

数字を持ってる人間がこんなポンポンやめてたら業界が持たないので何とか和解してほしいと切に思う。



以上3件の炎上事例を受け、所感をまとめる。

まず、いずれも登録者数10万人以上の大手チャンネルである。

規模が大きくなると燃えやすくなるのか、規模を大きくする上で燃えかねないこともしなければならないのか。謎である。

いずれの事例も金銭関係、著作権関係の問題が発端でありボイロ(広義)の扱いの難しさが感じられる。

金目当ての投稿者は問題を起こすという言説もあるが、いずれの事例においても広告収益と比べたら端金である。

お金に目が眩むというよりは金銭感覚がガバった結果、少額であっても金銭の授受が発生することに関しては権利関係を徹底しなければならないという意識が薄れたと考えられる。

個人的にはメンバーシップやLINEスタンプのような商売は最初から禁止してしまった方がいいと思う。

次に、元々ヘイトを集めていたチャンネルである。

人気を集めている一方、過激な作風で嫌悪感を持っている人も多かったチャンネルである。

特に「mini」氏に関しては以前から匿名掲示板で多くの誹謗中傷が行われており、いつ発火してもおかしくなかったと思われる。

動画自体への嫌悪、投稿者自体への嫌悪、それにも関わらず人気がある、お金を稼いでいることへの嫌悪が根底にあると考えられる。

これは有名になる以上どうしても避けられないことなので言及は避ける。

好悪と是非は切り分けられるべきであり、多くの立ち絵製作者、投稿者、視聴者もわかっていると信じている。わかってない奴はわかれ。

最後に、業界全体への所感を述べる。

VOICEVOXやCoefontといった無料ソフトの出現、ずんだもんブームによる人口の増大は最近では落ち着きが見られる。

もう少し踏み込んで言えば再び衰退傾向になりつつあると言える。

新規を取り込めなければ先細りし続け、いずれ滅びるというのは私のチャンネルの動画の再生数を見るとよくわかる。

その中でチャンネルを伸ばし、新規視聴者を獲得し続けているチャンネルは業界の宝である。

「mini」氏の炎上の際、公式の対応の甘さが槍玉に挙がったがそれも無理からぬ事だと思う。

ここで言う公式というのは「VOCALOMARKETS」ひいては株式会社エーアイや株式会社AHSのようなメーカー側のことである。

分裂と対立というメーカー側の問題もあるとは言え、ユーザー側の危機感の無さは元々外様だった私には異常に思える。

ボイスロイドは商品であり、業界に貢献するというのは売上を伸ばすということである。

身内でワイワイすることではないしキャラを愛でることでもない。

投稿者は使わせてもらう立場だがメーカーは投稿者に使ってもらう立場である。動画が出て知名度が上がり人気が出ることを期待されている。

ソフトが売れる、グッズが売れる、イベントが成功する。そういった実利を伴う成果だけが意味を持つ。

無意味なことをやって何かをやった気になっていないか。貢献したつもりになっていないか。

金目当て人気目当て大いに結構である。それで参入者が増えてソフトが売れるなら万々歳ではないか。

再生数や登録者、そして収益。そういったものに無関心な人間は結局のところ業界の未来に無関心なのだ。

ゆっくりならばアクエストークは年間使用料があり、維持費は賄える。

東方プロジェクトはゆっくりが伸びようが伸びまいが関係ない。

だがボイスロイドは買い切り型の商品であり、継続的なキャッシュフローがない。

だから新型や新キャラを買ってもらったり、グッズやイベントで収入を得る必要があるのだ。

キャラの版権元だって趣味でやってるとこばかりじゃない。利益が上がらなければいつまでも続けられないかもしれない。

年々商品の販売スパンが上がっていることに何も感じないか?

年々商品の値段が上がってることに何も感じないか?

今こうしている間にも従業員の賃金は発生してるし開発コストだって積み重なってる。

そういう現実的な部分に目を向けずモラルがどうこうリスペクトがどうこう幼稚な自説を垂れ流す連中が目に余る数週間だった。

ドカ食い気絶もずんだもんのオナニーも嫌いだったが、こういう人間が一番嫌いだ。

品行方正じゃなくても成果を上げているなら優遇すべきだし庇護すべきだ。だって他に代わりがいないんだから。

あの規模の投稿者が生まれるのに何年かかった?これからまた生まれるのに何年かかる?

何も考えずに叩いて潰してハイ終わりだ。後に続く者なんて出やしない。

だから滅びる。

もっとキャラ本来の魅力を引き出したり、ミーム的じゃないストーリーで魅せたり、そういうのが好きなのはわかる。

だが好きなやり方で成果を出せないのはこっち側の問題であり、あっち側を引きずり下ろしたところで共倒れになるだけだ。

ニコニコの衰退っぷりはさすがに看過できないレベルになってるしYoutubeで伸ばすしかないのにこの様だ。

業界の未来は暗い。



2024年3月11日月曜日

採用されるかわからない裏設定2

大江戸ちゃんこ

相手を支配する能力。ランクはB。

能力者による秘密結社『大都会』の総帥。年齢は未定だがずん子達よりは年下。

予め念を込めた塩をぶつけることで対象を洗脳、支配できる。

強力な能力者だがちゃんこ本人の戦闘能力は乏しいため、力士を模したロボットに乗り込んで戦う。

力士ロボは彼女の自作であり、能力の反射など高い技術力を持っている。

『大都会』を設立した経緯、組織上層部との因縁などはまだ考えていない。たぶん明らかにされる機会も無い。

「能力者が優遇される社会」を理想とするが、その実態は超能力の存在が明らかにされ人々のために超能力が活かされる社会である。

露悪的な言動や態度を好むが部下からは見透かされ慕われている。

普段は旅館の若女将として働いている。児童労働とかは気にしてはいけない。


中部つるぎ

刀剣を操る能力。ランクはA。

ちゃんこの腹心。『大都会』の最大戦力。

妖刀を作り出し、ファンネルのように操れる。ビルを細切れにできるくらいの出力がある。

元々組織のエージェントだったが自身の力に驕った結果、初任務で民間人に怪我を負わせる。

その事実を知った剣術家の父から初めて殴られる。父は能力者ではなく、つるぎの能力を以てすれば殺すことなど造作もなかった。

それでもつるぎの父は一切物怖じすることなく、娘に力ある者の責任を説いた。

つるぎは己の不徳を恥じ、怪我をさせてしまった者たちへの謝罪に向かった。しかし彼らは記憶を消されており、何が起こったか覚えていなかった。

組織のやり方に疑問を抱きながら家に帰り、父にそのことを報告する。

父は何のことだかわからないといった顔をした。父も記憶を消されていた。

数少ないランクAのエージェント。その初任務での失敗を無かったことにしたのは組織からの気遣いだった。

その後つるぎは組織と決別、ちゃんこに感銘を受け『大都会』に入る。

「強さ」に重きを置き強者との戦いを望むが「強さ」以外の価値基準を持たないわけではない。能力に関しても単なる特技や長所の1つ程度としか捉えていない。

普段は旅館の庭師として働いている。仲居として働く同僚たちを尊敬している。


関西しのび

分身を作り出す能力。ランクはB。

ちゃんこの腹心。『大都会』ではつるぎとツートップ。

実体を持った分身を作り出せる。しのび自身が能力とは関係なく戦闘力が高いので数が増えるだけで脅威。

忍びの里出身で忍術もとい暗殺術を使いこなす。ずん子ほどではないが高い身体能力を持った特異体質者。

野良の能力者として認定を受けるもエージェントからの接触は煙に巻いていた。

一匹狼を気取っていたがちゃんこのことを気に入り『大都会』に加わる。

同じ理想を持った仲間というよりは純粋な友達として手を貸している。

普段は旅館の仲居として働いている。分身能力は客室を掃除する時とかめっちゃ便利。


北海道めろん

相手を魅了する能力。推定ランクはC。

『大都会』のメンバー。未登録の能力者でそんなに強くない。

魅了の能力は常時発動しており周囲の人間を欲望に正直にさせる。

自分に惚れさせて言うことを聞かせることもできるが本人が望んでいないことはやらせられない。

能力者には効き目が薄く能力者じゃなくても意志の強い相手には効かない。

ほとんど戦力外だがバトルではない対人トラブルを収める時は活躍する。

普段は旅館の仲居として働いている。客の財布の紐が緩くなって便利。


沖縄あわも

酔うと喧嘩が強くなる能力。推定ランクはC。

『大都会』のメンバー。未登録の能力者でそんなに強くない。

砂糖水で酔っ払い、酔拳で戦うことができる。

この背格好の少女にしちゃ強いが超能力者か?ってなるくらいの強さ。

余談だがこれまでの人たちが上澄みなだけで大半の超能力者はランクCのあんまり役に立たない能力の持ち主である。

本当の能力は相手を正気に戻す能力。

予め念を込めた砂糖をぶつけることで相手を正気に戻せる。

ちゃんこと対を成す能力だが出番があるかは不明。

普段は旅館の仲居として働いている。たまに魚を獲って来てくれる。


夜語トバリ

触れたものの記憶を操る能力。ランクはB。

古株のエージェント。少なくとも10年以上前から活動している。

元は物体の記憶を読み取るサイコメトリーの能力だったが、人の記憶を操作することに特化していった結果残留思念を読み取ることは難しくなっている。

組織の設立メンバーとも面識があり、色々と運営の覚束ない組織の尻拭いをする苦労人でもある。

上述の一件でつるぎからは嫌われており、一時期一緒に暮らしていためたんからも性格的な面から信用されていない。

本人の戦闘能力は皆無なため貸し出された式神や捕まえた妖魔を使役して戦う。

記憶を消去した場合はその時のことを思い出せなくなる。時間が経つと本人にとって最も妥当な内容に補完される。

記憶を改竄された場合は本人には自覚できない。他の記憶と矛盾する場合は改竄された部分以外が都合のいいように改変されて補完される。

どちらの場合も精神を不安定にさせる副作用がある。

国家転覆可能なレベルの能力だと思われるがランクはめたんやうさぎと同じBである。これはまだ人の記憶を覗ける能力だった頃から更新されていないためである。

記憶を全消去して廃人にする即死攻撃持ちだと思われているが実際は触れてから数秒はかかるのでブラフの側面が大きい。


組織の幹部

組織の設立メンバー。4人か5人を想定している。

①リーダー。純粋な戦闘系の能力者を想定している。

ずん子と互角に撃ち合えるレベルだと良さそう。

パクリだがエネルギーをチャージする能力。

②副リーダー。陰陽系の術師。

式神による補助や監視を行う。

この人物の家系が後ろ盾となり組織設立の一助となった。

③予知能力者。一番厄介な存在。

予知対象を絞るほど精度と頻度が上がり、リーダーのみを対象とした場合は完全予知を行える。

現在は日本全域を対象としてランダムに能力者や妖魔の出現情報を予知している。

④メカニック。あるいはサイエンティスト。

無人攻撃機や能力者を目覚めさせる薬の開発に携わる。「天恵」のハイドの製作者。

近年はアンドロイドの研究に熱心であまり組織には関わらない。

➄暗黒大将軍。入るか不明。


強力な能力者が複数人集まったらそれだけで天下が取れてしまうという社会問題のモデルケース。

十分な計画と準備を怠ったまま日本を牛耳ったことで国内外に無用な軋轢を多く生み出した。

日本を陰から支配する予定だったが人手が足りず政財界からは締め出され、超能力者や妖魔関連の調査と研究を担当する部門に成り下がる。

潤沢な資金を流し込まれながらも組織運営は上手くいかず、ちゃんこ、つるぎ、ずん子、めたんと有望な若者から次々と見放される。

原因としては秘密主義で縁故主義な上にプライドが高くデリカシーに欠けるという所である。

本当は超能力の研究がしたいトバリがエージェントに回され、未だに現場作業を行ってるあたりにヤバさが表れている。

能力者のピークは10代から20代であり、幹部陣は既に老化が始まっている。

戦力を拡充し、今度こそ海外進出をという動きはリーダーに花を持たせてやろうという意味合いが大きい。

悪の組織ってほどではないが糞みたいな組織。


黒朱乃宮・セプテントリオーネス・ラ・クロワ

直線を高速で移動する能力。ランクはB。

新米のエージェント。めたんの後輩。

黒朱乃宮・ティンティナーブルム・リリンとの関係は不明。

目標地点を目視で決めそこまで高速移動することができる。めたん同様火力不足を補うため魔装が供与されている。

エージェントに選ばれるだけあって結構強いが調査官としての仕事ぶりは芳しくないらしく、トバリの悩みの種となっている。

実は…


†聖騎士紅桜†

鎧と剣を操る能力。ランクはB。

新米のエージェント。めたんの後輩。

鎧と剣を生成し騎士のような恰好をしている。

かなりの耐久力と攻撃力を誇り、めたんからは自身と互角にやり合えると期待される。

クロワと比べて思考力や判断力も高く、戦力としての信頼は大きい。

欠点としては絶対に鎧を脱がないので移動が困難であり、エージェントとしての働きも絶望的である。

実は中身はまだ中学2年生の少年。



2024年3月10日日曜日

深海で揺れる炎

第n+1話「深海で揺れる炎」

めたん、つるぎの二人は組織の上層部と接触するため東京に来ていた。

かつて組織の一員だった二人だが、幹部と会ったことは一度もなかった。

旧知のエージェント、夜語トバリと連絡を取っためたんは、うさぎに何が起こったのか、うさぎをどうするつもりなのか問いただす。

しらばっくれるトバリだったが彼女が幹部に準ずる立場の人間であることはわかっていた。

観念したトバリは隠れ家にめたん、つるぎを招く。そこには護衛として黒朱乃宮・セプテントリオーネス・ラ・クロワもいた。

つるぎとは過去に因縁があり、居心地の悪そうなトバリ。事情をわかっていないクロワは場を和ませようと空回る。

うさぎの能力が暴走し、島内に彼女以外の生存者はいないだろうことが告げられる。

めたんは動揺を隠し、どうやって知ったのか問う。

連絡が途絶えた時点で偵察機を送り、状況を確認。現在対応を協議中だと答える。

めたんとつるぎは手際の良さに違和感を覚える。

カマをかけられボロを出したトバリは、送られたのは偵察機ではなく攻撃機であり、捕獲を試みるも失敗。島内の船舶を破壊して隔離状態にしたことを白状する。

初めからうさぎを覚醒させ、捕まえることが目的だったような対応にめたんとつるぎは憤る。

そもそも能力者を目覚めさせる薬をなぜ作ったのか、それをむざむざ奪われてなぜ平気でいるのか。

問い詰められたトバリは組織の現状について話す。

幹部陣は世界征服の夢を諦めておらず、ここ数年戦力の拡充に力を注いでいる。能力者を目覚めさせる薬もその一環である。

薬を奪った過激派とグルだったわけではないが、それで強力な能力者が生まれるならと見過ごした可能性はある。

怒りを露わにするめたんとつるぎに、トバリは協力を申し出る。

組織の増長と腐敗は目に余り、世代交代が必要だと説く。

クロワも交え、今後はずん子達や『大都会』と手を組み「組織」の打倒を目指すと話がまとまりかける。

めたんだけは賛同しなかった。


らしくない。そう思った。

つるぎは過去の遺恨は忘れ今はトバリと手を組むのが最善と語る。

クロワはこれまで何も知らなかったが今後は一人の能力者として正義を貫くと語る。

トバリは道理を捨てた組織にこれ以上義理を立てる理由はないと語る。

何もおかしいことはない。そのはずなのに。

めたんはトバリに問う。

夢はどうしたのかと。


虚を突かれたようなトバリ。

めたんの知るトバリはこんな人間ではなかった。人命や倫理よりも自身の興味を優先するはずだった。

いつからか盲目的な組織人になり、今それもやめて献身的な良識人になろうとしている。

こんなのはらしくない。

トバリはそんなのは昔のことだと笑う。若い頃は向こう見ずな情熱もあったが、年を取れば落ち着きを得て世のため人のためと考えだすのは自然なことだと。

トバリの言うことももっともだ。めたんの目に映るトバリの姿も確かにそのように見える。

それでも違和感が拭えないのは、めたんもトバリも超能力者だからだ。

凪いだ海のような心の奥底で熱い炎が揺れているように思えてならなかった。

自分もそうだから。


どうすれば信じてくれるかと尋ねるトバリに、めたんは幹部の情報を教えるように迫る。

トバリは設立メンバーである4人の能力を開示する。

めたんの疑り深さにつるぎとクロワはうんざりした様子を見せる。トバリはどこか楽しげだった。

これ以上トバリを追求する材料もなく、とりあえずは協力関係を結ぶことを承諾する。

求められた握手に応じようとしたつるぎの手を払いのける。

トバリの能力の発動には身体接触が必要だ。

めたんは初めて会った日以来一度もトバリに触れさせていない。


続きはそのうち。


因幡の黒兎

編集が進まないので気分転換にメモ。動画になることはない奴。


第1話「え!?ずんだアローって叫ぶんですか!?」

東北ずん子の元にエージェントの四国めたんがやって来る。

ずん子の能力を確かめるため、ずんだもんの機嫌を取り実験を行う。

放たれたずんだアローは空を割き、宇宙空間にまで到達した。

あまりの威力に呆然とする二人と得意げな一匹。

この一件によりずん子の存在は知れ渡り、彼女を巡る策謀と闘争の火蓋が切られることとなる。


第2話「え!?この頻度で転校生が来るんですか!?」

ずん子の通う中学にめたんが転校してくる。

ずん子がめたんに街を案内していると、倒れている九州そらを発見する。

損傷を修復したずん子とめたんを恩人と崇めるそら。

宇宙から事故により墜落してきたと語るそらに、二人はずんだアローが原因なのではないかと焦る。

その後、ずん子を狙う他勢力による襲撃に備え追加戦力が来ることが組織からめたんへ、めたんからずん子へ伝えられる。

次の日、転校生として九州そら、中国うさぎの2名がやって来る。

うさぎが伝えられていた追加戦力であり、そらは何だかよくわからなかったがノリと勢いで4人組が結成される。


第3話「え!?仙台って都会じゃないんですか!?」

うさぎの能力でハプニングが起こりつつも打ち解けていく4人。

そこに能力者による秘密結社『大都会』が接触してくる。

大江戸ちゃんこが操る力士ロボに攫われるずん子。

助けに向かおうとするめたん、そら、うさぎの前に『大都会』のメンバーが立ち塞がる。

中部つるぎによる一騎打ちの申し出に応じ、めたんが戦線を離脱。

そら、うさぎが沖縄あわも、北海道めろんと戦うことになるがあっさりと勝利する。

拍子抜けする二人だったが関西しのびによる奇襲を受け拘束されてしまう。


一方、力士ロボに攫われたずん子は自力でロボを破壊、ちゃんことの戦闘に突入する。

子どもだったことに戸惑い攻撃をためらった結果ちゃんこの精神支配を受け無力化される。

体を動かせないずん子にちゃんこは自身の理想を語り『大都会』へ勧誘する。

「異能力者が優遇される世界」には否定的だったずん子だが、「能力による恩恵を全ての人間が受けられるようにしたい」というちゃんこの言葉には揺れ動かされる。

力のある者がその力を人々のために振るうべきというのはずん子にとっても共感する思いであり、まだ幼いちゃんこに聞かされるには耳が痛い話だった。


身動きの取れなくなったそら、うさぎをからかうしのび。

同じランクBの能力者のはずのしのびに手も足も出ないことに悔しさを滲ませるうさぎ。

これなら東北ずん子の方も大したことないと軽口を叩いたしのびにそらが静かに怒りを見せる。

そらが拘束を引きちぎったことでしのびから笑みが消える。

分身能力を使い本気でそらを倒しにかかるしのびだったが、そらの装甲を傷つけるほどの攻撃力もなく徐々に追い詰められていく。

そらが自分を殺す気だと察した彼女は勝負を投げ逃走する。

その頃、めたんとつるぎの戦いも佳境を迎えていた。

手に握った刀に加えて周囲に8本の刀を展開して戦うつるぎ。

槍1本のめたんは圧倒的に手数に劣るがそれでも互角の戦いを見せていた。

日本でも数えるほどしかいないランクAの能力者であるつるぎに、ランクBの戦闘向きの能力者でもないめたんが食らいつくのは異様な状況だった。

めたんを強者と認めたつるぎは戦いを楽しむことをやめ、勝ちに行くことにした。

浮遊した刀を自在に操り遠距離攻撃を仕掛けるつるぎ。めたんが最大威力の「投擲」で仕留めに来るのを待つ。

距離を離され防戦一方になっためたんは、一か八かでつるぎ本体を叩くしかなくなった。

つるぎの思惑通り「投擲」の体勢に入るめたん。

展開していた8本の刀と自身の手に握った最後の1本でつるぎは防御に入る。

魔槍「天恵」のハイドに込められた魔力が解き放たれ眩い光が立ち込める。限界まで強化されためたんの腕力に促され槍はつるぎの胸元へと真っすぐに向かって行った。

刀が折れる。1本、2本、3本、4本…

つるぎの目が驚きに見開かれる。

5本、6本、7本、8本…

つるぎの目に焦りがよぎる。

握った刀に力を込める。正面から迎え撃とうとするプライドをねじ伏せ、刀を捻る。

槍の軌道は逸れ、つるぎの左斜め後方へと飛び去って行った。

安堵と敗北感が同時に芽生える。

試合に勝って勝負に負けたと苦い気持ちを嚙み締めながら、丸腰になっためたんにとどめを刺そうと視線を上げる。

映ったのはめたんの拳だった。

能力による身体強化の乗った渾身の右ストレートは正確につるぎの顔面を捉えた。彼女の長身が衝撃を受け止めきれずに地面へと舞い落ちる。

拳を振り抜いためたんが静かに勝利宣言を呟く。

「武器に頼り過ぎなのよ。」


脳震盪による嘔吐を堪え、立ち上がろうとするつるぎ。

だが視線も足取りも覚束ず、能力によって作り出していた刀も消失してしまっていた。

負けを認めずん子の居場所を教えるように促すめたん。

つるぎは生まれて初めての敗北に心身共に打ちのめされていた。

突如炸裂音の後、煙幕が立ち込める。

そらから逃げ切ったしのびがつるぎを抱えて飛び去る。

めたんは背を向ける者を追わず、そらとうさぎとの合流を優先するのだった。


どさくさに紛れて逃げていたあわもとめろんがちゃんこに報告しに来る。

つるぎ、しのびの敗走を伝えられたちゃんこは驚きつつも撤退を決断。

ずん子に『大都会』への参加を検討すること、「組織」を信用してはいけないことを言い残し姿を消す。

彼女たちが去ってから暫く後、体が動かせるようになってもずん子はまだ座り込んでいた。

東北ずん子14歳、まだ理想を知らない頃だった。



     

第n話「因幡の黒兎」

「組織」から人為的に能力者を目覚めさせる薬品が過激派によって奪われる。

散布される場所を突き止めたずん子たちは手分けして民間人への被害を食い止めようとする。

ずん子、めたん、そらの担当区域では薬品の散布を防ぐことができたが、うさぎが向かった中国地方沖の孤島では失敗し薬品がばらまかれる。

能力者としての素質を持つ者はいなかったため島民全員が暴走状態に。薬品を撒いた実行犯も彼らによって殺害される。

なんとか鎮静化を図るうさぎだったが、薬の作用によって彼女の抑えられていた力も暴走。

「見たものを砂に変える力」が完全に目覚めたうさぎは暴徒と化した彼らを砂にしてしまう。


本島にいるずん子たちの元に組織から通達が届く。

ランクSの能力者が誕生したこと、彼女の処遇が決まるまで待機することの2点であった。

それが中国うさぎのことであるとは容易には受け入れられなかった。

めたんは詳しい事情を聞くため組織の上層部とコンタクトを取りに向かい、そらも衛星からの情報を駆使して現地の状況を探ろうとする。

ずん子は自分の指示で友人が危機に陥ったことを受け止めきれず、パニック状態になってしまう。

中国地方、出雲にてうさぎのいる島を遠くから眺めるしかないずん子の元に『大都会』のメンバーと姉のイタコが駆けつける。

彼女たちに慰められ、希望を取り戻すずん子。うさぎを助けに行こうと決意する。


そらの情報収集力を以てすれば島で何が起こったのかを知るのは容易だった。

しかしその内容をずん子たちに伝える勇気はそらには無かった。

うさぎのいる孤島には脱出可能な船舶が既に存在しないため、組織は兵糧攻めにするつもりだった。

そらはうさぎが正気なのか暴走しているのか判断がつかず、誰にも言わずに一人で彼女に会いに行くことにした。


夜の砂浜に佇むうさぎの後ろにそらが降下する。

振り向いたうさぎがそらを見つめる。

遠隔操作している機体が砂にされたところで大して困らないのに、つい身構えてしまう。

友達を信じていないようなその反応に、そらは自己嫌悪を覚えた。

「そらの人か。」

うさぎが笑う。いつもと変わらない笑顔だ。

正気なのかと問うそらに今はねと答える。

ぬいぐるみを持っていない彼女と顔を合わせて話すのは不思議な感じだった。

能力の発動を示す赤い輝きが瞳に宿っていたが、完全に制御しているようだった。

みんな心配していると、一緒に帰ろうと伝える。

うさぎは悲し気に目を伏せた後、告げた。

「もう帰れないよ。」

そらはその言葉に込められた思いを感じ取るも、それに応えるような言葉を出力できない。

「私は組織の人に捕まる。これまでみたいにみんなとは過ごせなくなる。ごめんね。」

そらには法も道理も知ったことではないが、誰よりも責任感の強いうさぎが人を殺しておいてお咎めなしではいられないことは分かっていた。

「でもその前に…」

うさぎがそらに歩み寄る。

「お父さんとお母さんにもう一度会いたい。」

お願いできる?と微笑む彼女。その笑みにそらは何か知らないものを感じ取った気がした。


何かが崩れるような音がしてずん子は目を覚ました。

土砂崩れかと思ったがそこまで大きな音ではない。隣で寝ていたイタコも気づいたようで二人で顔を見合わせる。

外の様子を見に行こうとすると、同じく目覚めたらしいしのびと出会う。

ちゃんこ、あわも、めろんの3人はまだ寝ている。つるぎはめたんと共に東京に発ってまだ戻っていない。

そらが居ないことに気づく。

軽々と屋根に飛び乗り、辺りを見回していたしのびが声を上げる。

ずん子、イタコも屋根に登り、指さす先を見つめる。

向こうの山の中腹に昨日まで無かった砂の円ができていた。崩れた砂が麓へと流れ落ちている。

確かあそこには神社があった。



久し振りに家に帰った。

お父さんとお母さんはもう眠ってるだろう。

何を話そうか。何を聞こうか。

ふと昔話を思い出す。

因幡の白兎。鮫を騙して海を渡った。騙したことがばれて帰れなくなった。

帰れなくなった。帰れなくなった。その言葉が頭にこだまする。

苦笑する。

もうとっくに帰れない。



神社のあった場所に向かおうとするずん子の前にそらが立ち塞がる。

あんな芸当ができるとしたらうさぎだけだ。うさぎが海を渡ったとしたら。

「そらちゃん…」

イタコとしのびには住民の避難誘導を頼んだ。そんなはずはないと思いつつも、信じ切れなかった。

「自分が何してるかわかってるの?」

怒りと悲しみで声が震える。本当はうさぎが何をしてるかを聞きたかった。

「…邪魔をしないでください。」

そらの声は消え入りそうなほど小さかった。


そらは弱かった。動作は緩慢で次の動きが思いつかないのか頻繁に静止した。

それでも駆け抜けようとするずん子は無理やりにでも止めた。だからずん子はそらを組み伏せざるを得なかった。

「私は…」

そらの表情が目まぐるしく切り替わる。無表情のまま目と口が不規則に開閉を繰り返す。

その感情を表現する機能が無いのだ。ずん子は初めてそらの機械の体を哀れに思った。

だから代わりに涙を流した。

「…私は友達としてできることをやりたかった。」

そらが無機質に呟いた。


周囲を砂地に変えながら麓へ向かううさぎ。

視線の先には生まれ育った故郷の町があった。

彼女の前に二人の旧友が現れる。悲壮な彼女たちの表情に対し、うさぎは余裕の笑みを見せる。

自分を止められる者など存在しないと本能が告げていた。

ずん子の光弾、そらの武装を砂に変え、二人を相手取る。

本人を砂に変えてしまえば一瞬で決着のつく戦い。うさぎが絶対にずん子とそらを殺さないことを前提としたハンデ戦だった。

両親から受けた霊能力者としての長年の修行、めたんから教わった超能力者としての近接戦闘術、その全てが今うさぎの中で結実していた。

仲間の中で一番弱かったはずのうさぎの姿はもうどこにもなかった。

うさぎが語る。

結局のところ能力者の本質は能力そのものなのだと。何もかも砂になってしまえばいいという思いが自分の全てだったのだと。

この世界に神様はいなくてお父さんとお母さんは嘘つきで私は正義の味方にはなれない。

うさぎが導き出した答えは破滅的だった。

同格のずん子が本気で殺そうとしたら殺せるかもしれないと告げる。

砂に変える力が追いつかない程のエネルギー放射。ずん子にはそれを試すことはできなかった。

しのびが不意を突きうさぎの目を切り裂こうとする。うさぎは難なくそれを躱すとしのびの足を砂に変える。

ずん子とそらは殺さないと決めたがしのびはどうか。うさぎは動けない彼女を見下ろす。

戦慄と緊張が走る中、突然しのびの姿が消える。

テレポート。しのびの能力かと思われたが彼女はそんな状態ではなかった。

周囲を警戒するうさぎの眼前にイタコが現れる。彼女の背後には巨大な八尾の狐が浮かんでいた。

これまで能力を隠していたことはすぐに分かった。ずん子、そらには驚きが、うさぎには焦りが浮かぶ。

イタコはうさぎに謝った。自分が一緒に戦っていればこんな事態にはならなかったと。

うさぎは気にしないでと笑う。遅かれ早かれこうなることは避けられなかったと。

未知の能力者との戦いに胸を躍らせるうさぎに、イタコは戦う気は無いと告げる。

じゃあ何をしに来たのかという問いかけにイタコはこう答える。自分は霊媒師だと。


イタコの降霊術によってうさぎの両親の霊が呼び出される。

うさぎの脳裏に父と母を砂に変えた時の記憶がよぎる。微かな動揺はすぐに消え、戦意は衰えない。

今更もう遅いのだ。

沈黙が流れる。

…すまなかった。

父の霊が口を開く。

もう遅い。

…ごめんなさい。

母の霊が口を開く。

遅すぎるのだ。

それを言う最後のチャンスはもう過ぎた。

…うさぎ。

何を言われてももう揺るがない。

…よく頑張ったな。

顔を上げる。お父さんもお母さんも笑っていた。小さい頃のように。

…今までよく頑張った。

うさぎの目が見開かれる。ずっと、ずっと待ち望んでいた言葉。

本当にもう遅すぎるのに、それでも。

うさぎの目から赤い輝きが失われていく。代わりに透明な涙が溢れだしていく。

朝日が差し込み、二人の霊は光に包まれて消えた。

うさぎはいつまでも泣きじゃくっていた。

うさぎは帰ってきた。



筆始め

いつも帰省中は色々ブログを書き進めてましたが今年は何にも書いてません。なので筆始めです。 昔のカードを引っ張り出して遊んでました。あと普通にダラダラしてた。 そのまま休み気分を引きずってモチベが上がりませんでしたが一応動画を一本作れました。日常系小ネタ集ていう5分くらいの軽いギャ...