気づいたら2週間くらい更新してなかったので何か書きます。
休止期間中に出す動画を作ってたら、あっと言う間にこんな時期です。
良さげなフリーゲームを見つけたので小分けにした実況動画を出す予定です。
「死んだカエルに捧ぐ」という中々引き込まれるタイトルをしており、電波ゲーながら陰鬱な雰囲気が心地よく、やり込むと話の大筋は掴めるといった具合の良作だと思います。
全然流行らなかったところも好感触ですね。
2ヶ月くらいかけて毎週投稿するので、良ければ視聴して、そう言えばこんな投稿者もいたなぁと思い出してください。
本題に移りましょう。
没ネタ集その3です。
本当はもっと色々書くブログにするつもりだったんですが、作業に割ける労力の関係で小ネタばっかりですね。お許しを。
私は生物系の学生なのですが、そうした分野における用語や事象には話のネタにつながりそうなものが散見されます。
そこから想像力を膨らませ、何とか形になりそうだなぁとは思ったものの諸般の事情でボツになったものたちをここに供養しておこうと思います。
ではまず一つ目。
①人似草
ある山の奥地に迷い込んだ男。
何とか本道に戻ろうと歩き回っていると、甘い香りが鼻をついた。
出所を探ると、若い女の姿が見えた。
道を尋ねようと近づき、あることに気づく。
女は服を着ておらず、足が地中へと埋まっているのだ。
男の姿を認めると、彼女は蠱惑的な微笑みを浮かべた。
幻惑された男はその女と行為に及ぶ。
ふと気づくと森の更に奥深くで大勢の女が手招きしている。
男はふらふらと彼女たちに近づいていく。
この奇妙な植物は、繁殖期になるとヒトのメスによく似た形態の花をつける。
花からは酩酊効果のあるガスが放出され、周辺にいるヒトのオスを誘引する。
オスは個体間を移り渡りながら交尾行動を行い、花粉を媒介するのだ。
繁殖の担い手となり、森の奥へと進んで行った男がその後どうなったのかは定かでない。
【解説】
元ネタは諸星大二郎『ヒトニグサ』。こっちだと死体から生える植物だったかな。
熱帯植物、特にランとかには昆虫のメスを模した器官をつくり、オス個体に受粉の手伝いをさせる種がある。その人間版。
話としては結構気に入っているんですが、いかんせん描写力がね…
もっとエロティックに仕上げられる技量があったら良かったんですが、文章だけで淫靡な響きを出すなんて高等技術は持ち合わせてないし、今後獲得する予定もありません。
泣く泣くボツですね。
②子繭蜂
「お願い殺さないで!!」
懇願する少女を私たちは取り囲む。手にはそれぞれ包丁やバット、鉄パイプが握られている。今調達できる最大限の武器だった。
「なんで?なんでこんなひどいことするの?私のお腹には赤ちゃんだっているのに!!」
少女のお腹は不自然な丸みを帯びていた。そこに別の生命が宿っている証だ。本来なら喜ぶべきことだが…
「ホントにやるのか…?」「ああ、やらなきゃみんな死ぬ。」「…それは本当に信頼できる情報なのか?」「当たり前だ!オレが前居たコロニーはそれで全滅したんだよ!」
私たちは口々に言葉を交わす。眼には焦燥、不安、恐怖。誰も最初の一撃を入れられない。
「今まで仲良くしてくれてたじゃない…。仲間だって言ってくれたのに!!」
私は一歩を踏み出す。彼女がここに来た時、迎え入れるように提言したのは私だ。私には責任がある。
手にした金属の棒を振りかざす。せめて苦しまないように一撃で頭を潰そう。
「お願い…やめて…」
彼女の泣き顔と手に残った鈍い感触は、一生消えそうにない。
「見ろ。これだ。」
彼女の腹に包丁を突き立てた男がそう言う。掌には20センチほどの白いうねうねしたものが乗せられていた。
「これは幼体だ。ある程度まで成長すると宿主を食い破って出てくる。」
男は忌々しそうにそいつに包丁を突き刺した。
「…手術で取り除くことはできなかったのか?」
今更そんなことを言ってどうすると、自分でも思う。
「無理だな。奴らは一度に数十個の卵を産みつける。全部取ってたら体が保たない。」
彼女のお腹からは宿主の死を察した幼体たちが這いずり出てきていた。
「それにな。どういう仕組みかはわからんが、卵を産みつけられた女はそれを自分の子供だと勘違いしだす。その女がどういうことをするか…想像がつくだろ?」
彼女は逃げた。逃げて隠れていた。コロニー内のどこかで成体まで育てられていたら、男が前居たコロニーのように滅んでいただろう。
「さっさと燃やそう。焼けて骨だけになったら人として埋葬できる。」
私は男の言葉に頷き、彼女に火をつけた。油は貴重だから使えない。
彼女と彼女のものではない子供たちはゆっくりと黒ずんでいった。
【解説】
アオムシコマユバチ。寄生バチの一種でモンシロチョウの幼虫であるアオムシに卵を産みつける。卵から孵ったコマユバチの幼虫はアオムシの体を食い破り、体表に繭を形成する。
アオムシは衰弱するが死ぬことはない。しかしなぜかコマユバチの繭に糸を吐きかけて補強し、繭を抱きかかえて外敵から守ろうとする。
そしてやがて絶食による栄養不足で死ぬ。
これは寄生によって神経系を書き換えられ、コマユバチを守るようにリプログラミングされたためと考えられる。
モンシロチョウの幼虫の生存率が10%ほどしかない主要な原因は、この特異的な天敵のためである。
というのの人間版です。
舞台はポストアポカリプスの世界。ハチ型の巨大生物による襲撃から生き延びた人々は、各地にコロニーを形成して生活していた。
そのハチ型生物は人間の女性、それもなるべく若い個体に卵を産みつけていた。そのような個体がヒトの群れの中で最も殺されにくいことを本能的に知っているからである。
ていう設定。エグいですね。
子供が自分のじゃない子供を守るというシチュエーションがあまりに背徳的だったため、話自体は一瞬で思いつき、一瞬でボツになりました。
少なくとも動画にはできないですね。こうして文章で起こす分にはまだマシですが、やっぱり一発ネタですね。
男は捕食され、女は寄生されて殺されだと、この後人類もハチも滅びそう。
③不妊虫
彼女たちはどこからともなく現れた。
町の雑踏の中に、薄暗い路地の果てに、あなたの家の軒下に。
人の居る所ならどこへでも彼女たちが現れる可能性があった。
ある者は彼女たちを神の使いだと言った。
またある者は彼女たちを某国の作り出した人造人間だと言った。
彼女たちが何なのか、どこから来たのか、何が目的なのか、何一つわからなかった。
だがそれらは多くの男たちにとって大きな問題ではなかった。
彼女たちは何も知らず、何の力もなく、何にも守られていなかった。
そんな彼女たちをどうするかは、最初に見つけた者に委ねられた。
彼女たちは美しかった。
彼女たちの多くは研究対象にされたか、欲求の捌け口とされた。
都合の良いことに彼女たちはみな、子どもはできなかった。
数年が経った。
彼女たちの数は増え続け、やがて男たちの考えは変わった。
これまでごく少数の者たちだけが持っていた思想。
平等。
それを彼女たちに認めるべきだという機運が高まった。
彼女たちは優れていた。容姿と能力、人格において。
彼女たちと対等にありたいと思う者たちが増えたのだ。
多くの者たちはこれまでの行いを悔い改め、改めない者は弾圧された。
彼女たちの地位は向上を続け、やがて彼女たちと結婚することが法的に認められるようになった。
そんな頃である。
大規模な太陽フレアの影響を受け、あらゆる電子機器が乱れた。
その時世界を混乱に陥れたのは、空に浮かんだ大きな円盤であった。
電子機器は数日で復旧した。しかし、空に浮かぶそれは消えなかった。
各国は円盤に対してどのように対処するか協議したが、結論は出なかった。
先に結論を出したのは『彼ら』の方だった。
『彼ら』のメッセージはこうだった。
「不慮の事故による計画の失敗を受け、厳正な議論を行った。結果、計画の続行という判断を下した。つきましては地球の皆様に計画の全容をお話しし、理解と賛同を求める。」
生殖能力のないメス個体を大量に放飼し、オス個体の生殖行動をそれらに誘導する。
出生率の低下に伴って個体数は減少し続け、やがて緩やかに絶滅する。
その後、その種が生息していた地域に移住する。
それが『彼ら』の計画だった。
戦闘によるコスト、環境へのダメージの無いクリーンな侵略方法であった。
『彼ら』と全面戦争するか、人口減少で絶滅するか。二択を迫られた。
議論は紛糾した。戦って勝てる相手なのか。じゃあ大人しく滅びろと言うのか。
次の日、あっさりと結論は出た。
『彼ら』はいつでもこれまで送り込んだ彼女たちを自壊させられると脅し、彼女たちはそれに屈することなく戦うべきだと主張した。
男たちはその逆を選んだ。
もうとっくにパートナーと化した彼女たちを見殺しにしてまで、守るべき誇りなどなかった。
更に時が流れ、男たちも、彼女たちも、老いて死んでいった。
そして今、最後の夫婦が息を引き取ったのを見届け、円盤は降下を始めた。
人がいなくなり、青々とした緑がひしめく大地にそれは降り立つ。
扉が開き、『彼ら』は異郷の地へと足を踏み出した。
地球に新たな命が生まれた瞬間であった。
【解説】
不妊虫放飼法。移住するところ以外はそのまんまです。ウリミバエの根絶とか。
話としては良く出来ていますね。私の理想とする全人類の安楽死といった形です。
男たちは愛する美しい妻と共に死ねてハッピー。彼女たちも人類根絶のための道具にも関わらず愛されて死んでハッピー。若干不本意そうだけど。
女?
女は女だけの街とかつくって喧嘩しながら暮らしたんじゃない?知らんけど。
映像にするにはハードルが高いし、しっかり作ろうと思うと登場人物たちにキャラ付けして心理描写も入れてで長くなりそうなためボツです。
男と女というボイスロイド劇場では絶対描けない題材ですしね。
男のボイロもいるだろって?
ボイロに男女の絡みは不要なんだよ!
以上3点になります。
全体的にネタが際どく、私の描写力、表現力では扱えないと判断しました。形にできたとしてもYoutubeには不適ですしね。
個人的な性癖には合致しているので、誰か漫画にでもしてくれないかなぁと思いつつも、現実どころかYoutubeでもTwitterでも言えないのでここに残しておきます。
性癖と言えば、先程挙げたフリーゲームの作者さんが「お前が僕の性癖を歪めた」というノベルゲームを出していますので、ぜひ見てみてください。
非常に気持ち悪い文章でした。
皆さんにはどんな性癖がありますか?
てところで今日は終わります。
長文駄文失礼しました。
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