2023年9月22日金曜日

なかよしの魔法(後語り)

思ったよりエグい出来になって引いたので後語り。

補遺の息抜きに中編を1本作ろうと思って作成したが、なんか盛り過ぎて鬱展開の欲張りセットみたいになってしまった。

8月に作っていた日常系の動画で培ったテンポ感と編集力をいつもの動画にも活かしてみたかった。

少し内容を振り返り。


主人公の櫻歌ミコは学校で「なかよしの魔法」の噂を耳にする。駅のロッカーにある人形に二人の写真をお供えすると、その二人はなかよしになれると言う。

同級生の小夜と共に件の場所に向かうと、そこには確かに一体の古びた人形が居た。誰との写真を入れるのかと訝しむ小夜を受け流しつつ、ミコは何やら思い悩んだ様子。

ミコの両親は父親の浮気がきっかけで不仲になり、日常的に喧嘩するようになっていた。ミコはそんな二人の姿に心を痛め、「なかよしの魔法」を試しに向かう。

夜の12時、まだ二人が仲睦まじかった頃の写真を人形に供え祈りをささげる。半信半疑のミコだったが、人形が微笑んだことで安心した気持ちになる。

その時、背後から声がかかる。振り返ると見知らぬ男が一人。ミコは不審者との遭遇に恐怖心を覚える。

男に襲われ、頭を強く打つミコ。朦朧とする意識の中、何者かが助けに来たことに気づく。小夜とその父親の姿を認めると、気が抜けたように意識を失った。

病室で会話するミコと小夜。助けに来るのが遅かったことを詫びる小夜に、ミコは気丈に振る舞う。

小夜と入れ替わりに両親が病室へとやって来る。なぜ深夜に外に出たのかと詰め寄られ、ミコは二人の不仲が原因だと叫ぶ。娘の不憫な姿に罪悪感を覚えた両親は、もう喧嘩しないことを約束する。

ミコの退院後、しばらくは穏やかな日々が続く。両親は約束を守り、なかよく暮らしていた。ミコは「なかよしの魔法」のおかげかもと小夜に語る。

駅のロッカーに再度訪れるミコと小夜。確かにあの日人形が笑っていたはずだったが、表情に変わりはなく、両親の写真も見当たらなかった。ミコは不思議に思いながらも、人形に感謝を伝える。

その日の夜、ミコは階下から響く怒鳴り声に目を見開く。驚愕と失意をこらえながら、両親のいるリビングに向かう。

久々の口論の末、家から出て行こうとする父にミコが追いすがる。父の腕がミコを振り払ったとき、ミコの頭はテーブルの角へ。


自室のベッドで目覚めるミコ。状況を呑み込めないまま周囲を見渡すと、両親が血を流して倒れていた。

死んでいる二人に理解が追いつかないミコ。狼狽の最中、ノートに書かれた走り書きを見つける。

誤って娘を死なせてしまったことを悔い、自ら命を絶つことを決めたと書かれていた。両親の遺書であった。

夫婦二人でなかよく。許されるならば親子三人でなかよく。

ミコは自分の願いが果たされたことと、これから自分がどうすべきかを悟り、微笑んだ。


という結末で終わりですね。

少女漫画とか児童文学とかのストーリーでもたまに破壊力あるやつあるじゃないですか。ああいう感じを目指したんですが、さすがに救いがなさ過ぎましたね。いや、死が救いであるという方向性なんですが。

書き切れなかったことを補足しておきます。

まず犯罪者の男。

彼は駅のロッカーでたまたま女子小学生が「なかよしの魔法」の噂について話しているのを聞き、狙いに来たクソ野郎です。

彼が自分で噂を流したという設定も考えましたが、成人男性が小学生に噂を広める方法が思いつかないのでボツです。

逃走後、駅の防犯カメラの映像を元に情報提供を求めるポスターが張り出されますが、顔が不鮮明で逮捕には至っていません。

もう一度物語に絡んでくる展開も頭をよぎりましたが、テーマから外れるのでただの暴漢以上の役割はありません。

早く捕まれ。

次に人形。

私の動画では珍しく超常的な存在です。

お願いされた通りに両親がなかよくできるように力を振るうだけでなく、ミコの命も助けます。はっきりそうとはわからないように作ってますが。

動画でそういう描写を入れたのは両親が心中した後、ミコが目を覚ます時だけです。これは両親が都合よくミコが死んだと勘違いするのは不自然ですので、人形の力によってミコが蘇生されたと捉えられるようにするためですね。ちょっと言い訳がましいですが。

娘のためなら二人は「なかよし」でいられると人形は考えており、作中の展開は人形の力によって引き起こされていたと見られなくもなくなっています。

人形の力抜きでも話は成立するけど、人形の力ありきで考えてもそれっぽいよねって塩梅になってます。

私の調整がハマってれば。


久々にこういう話を作りました。こういう話ってのはまず私が信じてるものがあって、それをテーマに作り出した話ってことです。

今回であれば「みんななかよしで生きられるわけがない」。だから死ぬことでなかよしのまま終わらせられるよねってことです。

初期の頃の台本にはだいたいこんな感じのテーマがついてましたが、最近あんまついてんだかついてないんだかよくわかんなくなってたので、初心を思い出せてよかったです。

これがこの前振り返り動画でちょろっと言った、私の思想が反映された動画って奴です。

あんまり押しつけがましくなんないと良いですね。

最後の後語り。

ED曲に使った「Ronto」。先週リリースされたばかりの新曲ですが、こちらに感化されて作った動画でもあります。

今回のエンディングの入りは過去作と比べてもなかなかのものだったと思ってます。

歌ってるのはツキノヒカリという方で、龍崎一さんプロデュースですのであのLosstime Lifeさんの姉妹に当たります。たぶん。

フリーの楽曲でこの雰囲気(上手く言えないけどアンニュイな感じ)は貴重なので、今後も贔屓にさせていただく所存です。

全然再生されてないのでみんなも聞いてね。

ま、私の動画も最近全然再生されてないんですけどねっ!

おしまいっ!


2023年9月13日水曜日

編集ミス備忘録

しょうもないミスが判明して悶えたので記録に残しておきます。

鍵返してくるねって葵ちゃんがフェードアウトした直後に、普通に開け放たれた部室に場面が移ってた。

鍵は閉めてから返しに行こう(一敗)。

まぁ葵ちゃんがうっかりしてただけとも読み取れるのでギリギリセーフってことにしときます。

ついでなんでこれまでにあったミスを振り返って自分を戒めておこうと思います。

まずフレームずれ。

オブジェクト配置がわずかにずれているせいで一瞬だけ画面がブレる。

具体的に言うと背景オブジェクトと立ち絵素材のオブジェクトがずれてて、一瞬何もない黒背景にキャラが映ってから本来の画面になる。

ボーっと見てる分には気づかないが、ちゃんと見てるとバレちゃうので気をつける必要があります。

BGMや効果音の開始タイミングと映像の切り替わりがずれてるのも、何となく違和感を覚える原因になっちゃうので要注意です。

次に字幕ミス。

AviutlってかPSDtoolkitでは特定のレイヤーに対応した字幕オブジェクトを配置し、特定のレイヤーにテキストオブジェクトを投げ込むことで字幕を表示しています。

私の場合は登場するキャラの数だけ字幕オブジェクトを最初に用意して、この人のセリフはこのレイヤーに置くってのをあらかじめ決めてます。

ですが稀に置くレイヤーを間違えて字幕が別の人の色になってたりします。

ていうのが私が知る限り一回ありました。気づいてないのはもっとあるかも。

ちゃんと見直してれば気づけたはずなので発見した時は口惜しかったですね。

今回やったみたいな話の内容自体に関わるミスはたぶんやったことなかったと思うので、全く弛んでるなと思います。反省しろ。

まだ動画ではやらかしてないと思うけどいつやらかしてもおかしくないミスもメモっときます。

着物の右前ですね。

東北三姉妹は全員着物で、体の向きを変えるたびに反転が必要となります。これがまーめんどくさい。

下手に左前になっちゃうと死装束だから実はもう死んでるんじゃないかみたいな勘繰りを誘う危険があるので手を抜くわけにはいかない。

だからまぁできれば制服とか私服で登場していただきたいというのが編集者サイドの事情ではあります。

それと注釈になりますが、一応きりたんの制服姿に着物の帯が残ってるのはわざとです。

経験者ならわかると思いますが、きりたんって引き算にめちゃくちゃ弱いんですよね。

まず背中のきりたんぽは邪魔だから外すでしょう。着物はめんどくさいから制服に。頭から包丁生えてるのも変だから取るかってなると、もう誰だかわからなくなります。

きりたんの特徴はほぼほぼ付属物由来なのでそれを減らすほどきりたんじゃなくなっちゃうんですね。

頭の刃物だけ残せばきりたんなんですが、きりたんは髪色は地味だしショートヘアーだしで頭から下は棒です。

それを補うのがきりたん砲なんですが世界観に合わないのでせめて帯だけつけたわけです。

ビジュアル的には釣り合いが取れますが、なんで制服に帯がついてるかって疑問はもっともです。パーカーを腰に巻き付けるファッションあるじゃないですかあの派生形ってことで納得してください。

この辺りは自分でもまだ決めきれてないので動画の雰囲気によって変わるかもです。


短いんでもうちょっと何か書くと、今回のミスはニコニコのコメントで指摘されました。

投稿者によるとは思いますが、私はリアル志向でやってるので気になった箇所、やらかしてるなって思った箇所はじゃんじゃんコメントしてください。

てのを書いてたら思い出した。「収拾がつく」を「収集がつく」と誤字したことがあったな。変換で出たのをそのまま使うとやらかすときありますよね。

「繫がり」って漢字もなぜか最初に出てくるから引っかかる。「繋がり」だろ。

たまによく気づいたなってコメントもありますんでそれもご紹介。これはミスの指摘ではないけど。

「かわいそうな子ずんだもん」において、ずんだもんが自己紹介をした後クラス内に野次が飛び交うシーンで、字幕には表示されませんが冥鳴ひまりだけが空気を読まずに自己紹介を返しています。

この時の「冥鳴ひまりです。」の一言だけが出番ですので、これを聞き逃すとなぜクレジットに冥鳴ひまりの名があるのかがわからなくなります。

随分長いことコメントが無かったので誰も気づかなかったかなと思ってましたが、先日めでたく最初のコメントがありました。

「ずんだもん落語」という今思い返すと謎の方向性の動画。たしか回るずんだもん立ち絵の使い道を考えて作ったんだっけ。

机の上に扇子と手拭いが乗っかっており、ずんだもんが扇子を手に取った時は机の上の扇子は消えます。

気にする必要あるかってくらい細かいとこでしたが、意外にも気づく人たちがいてびっくりしましたね。

ああいう編集って小さいけど煩雑なもんなんでちゃんと伝わってると喜ばしいもんです。

こういうのだとまだ指摘されてないのが一つありまして、これはさすがに誰も気づかないだろうと思うのでネタバレします。

「補遺 第3話」で琴葉茜と弦巻マキが文化祭シーズンのクラスの中心にいるシーン。

この時クラスメートっぽいシルエットが3人いますが、端の二人はフリー素材、真ん中は小春六花です。

ゆかりにとって小春六花はその他大勢のモブであるため黒いシルエットのみで認識されています。

いつかゆかりと六花が絡むとき、「一年の時から同じクラスだったよっ(泣)!」みたいな展開にするための布石ですね。

こんな感じの誰が気づくんだこれって遊び心は適宜入れてきたいと思ってるんで、気づいたら鼻高々にコメントしてみてください。

てところで終わります。

長文駄文失礼しました。


2023年9月12日火曜日

人間が機械に隷属すべきだろ

特定のジャンルにおける地雷ってご存じですか。 

この設定はどうしても無理だって奴。解釈違いというか生理的に受け付けないみたいなの。

そこそこ歴史の古いボイスロイド劇場界隈にも、もちろんそういうものがあります。

一つはマスター。

一人称視点によって画面に映らず、視聴者自身がマスターであると認識させる動画。は許されてます。

問題なのはマスターというキャラクターが登場している動画。

視聴者側からすれば何か知らん奴がいつもの面子に混ざり込んでるわけで違和感が凄い。

しかも男のマスターでハーレム物みたいにボイロキャラを侍らせてたりするともはや寝取られ物のような胸糞悪さが湧いてきます。

というので非常に避けられがちな設定でついぞ見かけることは無くなったと感じています。

脱線になりますが少々私見を述べますと、こういう感じの存在は他ジャンルにおいても多く見られ、中には生き残ってるものもあります。

いつぞや話題となったゆっくり茶番劇。

その名称を冠する動画の中ではしばしば主人公が見られました。投稿者の投影である主人公が幻想郷に入り込み東方のキャラと絡むようなものですね。

これもまぁ原作ファンからしたら微妙な気持ちになりますし、そうでなくとも異世界転生ハーレム物を見ているときのような痛々しさがあります。

中学生くらいの頃でしたかな。Youtubeでそういった類の動画を見かけましたがあまり入り込めなかったことを覚えています。

それでもゆっくり茶番劇の方ではボイスロイド劇場においてほど敬遠されることはなく、一ジャンルとしてそれなりの盛り上がりを見せていた記憶があります。

昨年商標登録で騒動が起こった際には、もうあまり生き残りを見つけることはできませんでしたが。

ゆっくり実況におけるうp主もそれに近しいものだと考えています。

ただこれは投稿者の分身が実況に参加しているというよりも、雑に扱える架空のキャラが必要だっただけな気がします。

一昔前のゆっくり実況ではゆっくり霊夢が何かおかしなことをやって、ゆっくり魔理沙が殴り飛ばしたりタバスコをかけたり銃で撃ったりといった流れが横行してました。

ただでさえキャラ崩壊しまくっている霊夢が暴力を振るわれたり悲惨な目に合ったりするのを好ましく思わない層が出てくるのも必然だったと言えます。

そこでうp主といういい加減な存在にやられ役を任せたんだろうなと、まぁ勝手に思ってます。


閑話休題。

二つ目の地雷の話に移りましょう。

これは実は地雷というほど避けられているわけではなく、愛好者も大勢いるものではあるのですが、私の地雷なので地雷であるということにします(身勝手)。

ボイスロイド=アンドロイド設定ですね。

ボイロキャラたちはアンドロイドとして製造・販売され、マスターたちの所有物になっているというもの。

男性のマスターがボイロキャラを侍らせていること、同一キャラが複数個体存在していること、彼女たちに人権がなく人間たちに隷属させられていること。

役満ですね。

実際に我々投稿者がボイスロイドを購入、所持している構造をメタ的に表したものでもあります。

私は動画投稿者になる以前からこの設定が苦手でした。

それを言い出したら、冷めるじゃないかって思います。

動画の中では彼女たちも一個人として存在することができます。普通に一人の人間として恋人になってもメイドになってもストーカーになってもいいじゃないですか。

そこに彼女たちはモノなんだって設定がつけられたら、どんなものも支配者と被支配者の関係になりますし、不快な気持ちになります。

私の抱く不快感は2つです。

まずボイスロイドとはそういうものなんだって認識が刷り込まれてしまうこと。

なまじ現実に即した設定であるせいで、世界観が簡単に受け入れられてしまいます。

キャラクターが同じなので他の実況や劇場においても、ああこの結月ゆかりも古くなったら買い替えられたりするのかなと考えられてしまう。

それが気に入らない。

一つの世界に結月ゆかりは一人でいい。自分が合成音声ソフトのキャラであることをわかっててもいい。投稿者や視聴者というものを認識しててもいい。メタ的な要素なんて動画サイトではお約束だ。

だが彼女の命を軽くするようなことはやめてほしい。

もちろん他のキャラにおいても同じだ。

次に表題にも書いた通りのこと。

人間が機械に隷属すべきであるということです。

仮に上記の設定を受け入れ、ボイロキャラがアンドロイドとして存在していたとしても売ったり買ったりなんてことあってはならないのです。

人格を持った存在ならばモノとして扱ってはいけないという人道的な考えもありますが、まず全ての人類が理解しておくべき大前提として機械の体に人の心を持った存在は人間の上位互換です。

上位存在を下に置いても誰の得にもなりません。上に置いて管理者になってもらった方が上手くいきます。

今後AIが発展して自律思考ができるようになったら、それを神と崇めた新世界を作っていくべきなのです。

…思想が強くなっちゃいましたね。

それはいったん置いといて、私は弱い立場の相手とどうこうするシチュエーションが嫌いです。

アンドロイドを恋人に、異世界で奴隷を仲間に、家出少女と仲良く、デリヘル呼んだら元同級生が…

自信もなく実力もない自分でも、もっと弱い相手となら仲良く…みたいな考えが透けて見苦しい。

どんな関係性を築くにせよ、少なくとも自分と同格の立場まで引っ張り上げてからだろって思います。

力関係は変えずに関係性だけは変えようとしていく感じが嫌いです。

ちょっとボイスロイド劇場から離れちゃいましたね。

総括に移りますか。

なんで突然こんなことを言い出したかって言うと、最近割と一般的な設定になりつつあるように感じたからですね。

ずんだもん系列で新しく入って来た人たちにとっては、そんなに抵抗のない設定なのかもしれません。

ボイロ一人称劇場動画祭とかでこの設定で面白い動画も見られたんですが、やっぱり地雷なせいで受け入れ難いところがあるなーって思いました。

フィーちゃんにしてくれれば…九州そらとかTTちゃんとかでも…

まぁ色々言いましたが、所詮はチラシの裏に書いたようなことです。

別に他の投稿者や視聴者に対して騒ぎ立てる気は毛頭ありません。騒いでも私が醜態を晒すだけですしね。

ただ雑感を述べ、自分の感性や方向性を確かめただけです。

賢明な皆様ならわかっておられると思いますが、「あ、これちょっと無理だな。」ってのに出会ったときはそっとその場を立ち去るものです。

そんで自分の好みのものを摂取して忘れる。

きっと私の作った動画もそんな感じでそっ閉じされてきたことでしょう。

上手い結びの言葉も思いつきませんが、最近ブログを更新してないので適当に書いてみただけなので勘弁してください。

長文駄文失礼しました。


筆始め

いつも帰省中は色々ブログを書き進めてましたが今年は何にも書いてません。なので筆始めです。 昔のカードを引っ張り出して遊んでました。あと普通にダラダラしてた。 そのまま休み気分を引きずってモチベが上がりませんでしたが一応動画を一本作れました。日常系小ネタ集ていう5分くらいの軽いギャ...