2024年10月2日水曜日

犯人はこの15人の中にいる!!

「犯人はこの59人の中にいる!!」に備えた多人数動画の練習として考えた。

ノベルゲーっぽく名前とセリフを画面下部に配置する。背景と立ち絵の動きも最低限にしようと思う。

放課後の教室という一場面のみ、キャラは15人。

この中の誰かが給食費を盗んだ。犯人が名乗り出るまで帰ってはいけないと言われていた。

被害児童の家庭環境やクラスの人間関係の問題を描きながら犯人を探り当てる推理物。


登場人物

1.ゆかり

本作の探偵役を務める。あかりの友人。


2.あかり

給食費を盗まれた被害者。ゆかりの友人。


3.マキ

クラスのヤンキー的存在。ゆかりとあかりに攻撃的に突っかかり、話の進行役を務める。


4.茜

マキのツレ。マキのストッパー的存在で、マキのアリバイ証明をする。


5.葵

六花のツレ。茜と姉妹であることは物語上では触れられず、六花のアリバイ証明をする。


6.六花

クラス委員長。犯人探しにおいてはリーダーシップを発揮できていない。


7.ずん子

天才肌の優等生。人と群れたがらず、アリバイ証明ができていない。


8.モカ

コミュ障でぼっち。同じくアリバイ証明ができていない。


9.詞音

陽キャグループのリーダー格。議論は主にゆかり、マキ、詞音で行われる。


10.湊音

詞音のツレ。詞音のアリバイ証明をする。


11.ひまり

陽キャグループに属しているが、あまり馴染めていない。不完全なアリバイ。


12.つむぎ

陽キャグループ。はうのアリバイ、ひまりのアリバイの一部を証明。


13.はう

陽キャグループ。つむぎのアリバイ、ひまりのアリバイの一部を証明。


14.ミコ

大人しめの生徒。小夜とアリバイを共有。


15.小夜

大人しめの生徒。ミコとアリバイを共有。


あらすじ

放課後の教室、マキの悪態で物語は始まる。

会話の中で犯人が名乗り出るまで居残りを命じられたことが明かされる。

給食費を盗まれたあかりは涙目で沈黙しており、友人のゆかりが犯人探しに取り組む。

マキ、茜がゆかりやあかりに攻撃的。詞音たち陽キャグループは早く部活に行きたいと不満げ。

六花、葵は犯人の吊るし上げになりそうな状況に慎重派。ミコ、小夜、モカは何も言わず、ずん子も我関せず。

ゆかりが状況を整理する。

6時間目の体育が終わった後、制服のポケットに入れていたはずの封筒が無くなっているのに気づく。

授業が始まる前、ゆかりとあかりは最後に着替えを終えて更衣室を出る。この際、制服で包み込むように封筒をしまい込んだこと、体育館に他の生徒が揃っていることを確認。

更衣室の扉は体育館から丸見えであり、部外者が出入りしたとは考えにくい。窓も内側から鍵がかかっており、現場は密室だったと言える。

授業終了後の着替えの時間で誰かが抜き取ったと思われる。それができたのはここに居る15人だけである。

以降、議論の中で開示されていく情報。


・授業前のアリバイ。

詞音、湊音、ひまり、つむぎ、はうの5人が最初に着替えを終え体育館で遊んでいた。

他のメンバーは団子になっていて順番は不明瞭。とりあえず不審な点はなかった。

最後にゆかりとあかりが来る。


・授業後のアリバイ。

最初に更衣室に入ったのはずん子。ずん子が出て行った際にはモカ、ミコ、小夜がいた。

以降は団子。誰が盗ったとしてもおかしくはない。

最後にゆかりとあかり、葵と六花が片づけを終えて着替えに来る。この際封筒が無くなっているのが発覚。


・給食費の存在を知っていたのか

最初に更衣室に入り完全に一人の時間があったずん子に疑いの目を向けられる。

ずん子の家は金持ちのため給食費程度を盗むわけが無いという意見も出るが、家が金持ちであることと自由に使えるお金が多いかは別問題だという反論も出る。

ずん子は冷静で、あかりが給食費を持ってきていることを知る由が無いと答える。

この意見は受け入れられ、犯人はどうやって給食費の存在を知ったのかという疑問が生じる。

ゆかりとあかりは朝休み、体育の授業前の休み時間に教室で給食費の存在を話していた。大きな声での会話ではないが、誰かの耳に入った可能性はある。


・犯行時間の延長

授業終了前の15分間は自由時間になっていた。その際更衣室を出入りしていてもバレなかったのではないかという意見が出る。

その意見を裏付けるように一人で体育館をうろつくのに耐えられなかったモカが更衣室で時間を潰していた。

モカもずっと更衣室に居たわけではないため、他の人が出入りしていたかを証明できなかった。ずん子同様単独行動が多いためモカも有力な容疑者となる。

自由時間にずっと一緒に居たことを証言できたのはミコと小夜だけだった。

ひまりが離脱したことで詞音たち陽キャグループが分散し、結果的にメンバーが入り乱れた状態になっていた。

ひまり、つむぎも更衣室を出入りしていた。後を追いかけてきたはうがそのことを目撃している。


・給食費は本当にあったのか

そもそもあかりは何故給食費を学校に持ってきたのか。当然そこにも疑惑の目が向けられる。

あかりの親は別に貧乏というわけではないが、義務教育の癖に金を取られるのはおかしいという思想の持ち主だった。

これまでも払ったり払わなかったりだったが、今年のクラスでは担任の先生が給食費を払っていない生徒がいることを公言しており、あかりが耐え切れなかった。

親に頼み込んでお金を出してもらったのかという問いに何も答えないあかり。

マキがパパ活でもしたかと揶揄する。まだ中学生の彼女たちではアルバイトもできなかった。

あかりが給食費を盗まれたということ自体が嘘なのではないかという推理が詞音から出る。

親はお金を出してくれず、あかりも自力でお金を稼ぐ手段はない。だから持ってきたけれど盗まれたということにして給食費のことを有耶無耶にしようとしているんじゃないかと。

ゆかりが確かに封筒にお金が入っていたことを証言するが、グルだと疑われて信用されない。

あかりは親からお金を盗んできたことを白状する。

罪の告白に追及の手は止むが、狂言説は完全には覆されなかった。


・封筒が目当てだった説

一先ずあかりの狂言説は置いておかれ、ずん子が自説を述べる。

まず誰かがあかりとゆかりの会話を聞いており、明確にあかりの給食費を盗んだ可能性。

この場合はお金が目的であり、動機の観点から容疑者を絞り込んでいけるだろう。

次に封筒が目当てだった可能性。

中身が給食費だと知らずに、あるいは中身が別の何かだと勘違いして封筒を盗んだ。

あかりの着替えの置いてある場所は入り口に一番近かった。順番に調べていこうとした結果あかりの封筒を見つけそれを盗んだ。

封筒を探す理由がわからないとマキが言う。ずん子はそれこそパパ活の写真でも入ってると思ったんじゃないかと返す。

何らかの弱みを握られており、その証拠が入った封筒をこっそり回収しようとした。

その説はそれらしくはあったが、写真であればデータを回収しなければ意味がなく、封筒に入れて持ち歩かなければならないような弱みの証拠は思い当たらなかった。

ずん子は最後の自説を述べる。

制服ごと入れ替わった可能性。

あかりは制服の刺繍を確認する。紲星と記されている。

ずん子は早く帰りたかったと言う。だからつまらない手段を取ったと。

今この瞬間、自分の制服を確認した者はいい。もしかしたら自分の制服と入れ替わった可能性を考えたのだろう。

どう考えてもサイズ的に入れ替わればわかると、あかりを見ていた者もいい。私もそうするだろう。

問題は他の誰かを見ていた者。自分の制服を確認するひまりのことを見ていたつむぎ。

あかりとひまりの制服が入れ替わった可能性を考えたのは何故か。

説明を求められたつむぎは狼狽し、何も答えられない。


・第一の犯人

ひまりは陽キャグループに馴染めていなかった。ひまりは運動が得意でも好きでもなく、反りが合わなかったのだ。

授業前の休み時間まで運動に費やすのも本当は嫌だったのだ。だから自由時間まで詞音たちに付き合わず、更衣室へと向かった。

詞音、湊音、ひまり、つむぎ、はう等陽キャグループはバスケ部に所属している。ひまりの性格と能力は皆わかっており、詞音はひまりを嫌っていた。

それでもひまりがグループに入っていたのはつむぎが望んだからである。つむぎは明るく運動神経も良く、つむぎを残すためならひまりを置いてもいいかという距離感だった。

制服を間違えたのはひまりだった。スマホを取ろうとしたが間違えてあかりの制服を探り、教室に忘れたと諦める。

ひまりを追いかけてきたつむぎは、それを見てその制服をひまりのものだと認識する。

グループの居心地が悪いことをつむぎはひまりに謝る。気を遣われるのも良い気分ではなく、体育館へとひまりは戻る。

つむぎは制服から封筒が覗いているのに気づく。

ひまりが自分から離れていくことを危惧していたつむぎは、それを退部届だと勘違いする。

咄嗟にそれを回収する。放課後改めて説得するつもりだったのだ。

しかし授業後すぐにあかりが騒ぎ出し、自分が給食費の入った封筒を盗んだことに気づく。

勘違いだった。間違えて取ってしまった。そう一言謝ればいいだけのことだった。

楽な道を選んでしまった。

帰りの会で事件について先生が話し、その後掃除が終わってからこの犯人探しは始まった。

つむぎは封筒を捨てた。今はもうゴミとして持って行かれている。

真相を知ったあかりは膝から崩れ落ちた。


・ファインプレー

親から盗んだお金がゴミになったことにショックを隠せないあかり。ゆかりはまだ間に合うとゴミ袋を漁りに行くことを提案する。

六花がつむぎにどこのゴミ箱に捨てたのかと問う。つむぎはトイレのゴミ箱だと答える。

誰かが盗んだとは考えていなかった六花は、何かの拍子でどこかに落ちたのではないかと考えていた。

だから掃除の時間、ゴミを出す前に中身を確認していた。教室のゴミだけではなくトイレのゴミも。

封筒らしいものはなかったと六花と葵は証言する。特にトイレのゴミは量が少なく封筒があれば絶対にわかったと。

安堵するあかりだったが、それは犯人探しが二回戦に突入したことを示していた。

トイレのゴミ箱に捨てられていた封筒を誰かが持ち去ったのである。ただの封筒をゴミ箱から持って行ったのだから当然中身はお金だとわかっていたのだろう。

トイレは他のクラスの生徒も使うとマキが言う。他のクラスの友達にお金が盗まれたことも話してしまったと。

同様に事件のことを外部に話した者もいたが、いずれもそのタイミングは帰りの会が終わり掃除が始まる前後であった。

他のクラスの生徒がお金の入った封筒が行方不明ということを知った時には、もうトイレ掃除が始まっていた。

あかりが給食費を盗まれたと騒いでいるのをいち早く知ったのはこのクラスの生徒のみ。

体育の授業が終わり、帰りの会が始まるまでの10分間。つむぎが自分の勘違いに気づき、封筒をトイレのゴミ箱に捨てた後こっそり回収する。

やはり犯行が可能だったのはこの15人引いて14人だけであると結論づけられる。


・帰りの会前のアリバイ

最も疑われたのはトイレ掃除を担当していた者達だった。

あかりの訴えが広まり、つむぎがトイレで封筒を捨てた後と限定すると犯行可能時刻は10分よりもずっと短くなる。

その時間で誰かが封筒を回収したと考えるより、掃除する時に封筒を見つけてそのまま着服したと考える方が自然だった。

トイレ掃除の担当者は葵、湊音、小夜の3人。

ゴミ箱に封筒が入っていないか調べても何の動揺も見られなかったと、六花は3人が犯人である可能性に否定的である。

全く隙がなかったとは言えないが、三人一組で行動している時に封筒を盗めるものか。

三人が共謀してお金を山分けしたとも考えられるが、特に接点のないこの三人で秘密を共有しようとは思わないだろうと三人への疑いは弱まっていく。

一旦その可能性は置いておいて、つむぎが封筒を捨てた直後に回収された可能性を検討する。

その場合、ゆかり、あかり、六花、葵は教室で状況説明を行っていたため容疑者から除外される。

他にもその10分間で教室から出ていない者は容疑者から外れるが、皆あやふやだった。

トイレに行っていないと自分では言い切れるが、証明はできなかった。


・荷物検査

第一の犯人であるつむぎも含めて、容疑者から外れた者が5人。

この5人が主導して荷物検査を行うしかないとずん子が提案する。

初期の状態では誰が犯人かわからず荷物検査を行ったところで信憑性が無かったが、5人が残りの10人を調べるなら信用できる。

わざわざゴミ箱から回収した以上、犯人の目的はあかりへの嫌がらせではなくお金。確実にどこかに隠しているはずだ。

つむぎは流石に使い物にならなかったため、ゆかりとあかり、六花と葵で手分けして荷物検査を行う。

何も見つからなかった。お札が数枚入っただけの封筒なんてどこへでも隠せる。

それを見つけ出すような能力は少女たちには無かった。

ゆかりとあかり以外のクラスメートは十分頑張ったと諦めムードになる。

頼みの綱のずん子も荷物検査を始めたらビビッて尻尾を出すかと思ったとお手上げしてしまう。

ゆかりは必死に考える。犯人はこの10人の中にいるはずだと。

本当にそうなのかとふと気づく。

理屈の上ではそうだ。しかし彼女たちは長く日々を共にしたクラスメート。単純なアリバイの有無程度では測れないものがある。

ずん子がブラフでつむぎを引っかけたことを思い出す。証拠なんかなくとも犯人が誰か当てることはできる。

まず明らかにずん子は違う。もし犯人ならここまで捜査に協力するわけがない。

次にマキと茜、彼女たちも犯人とは考えづらい。普段と同じ調子で喋り過ぎだし、演技ができるほど賢くはない。

同じ理由で詞音と湊音。つむぎがお金を取り、捨てたことにひどくショックを受けているこの姿が演技だとは思えない。

ひまりもショックを受けてはいるようだが、あまり感情を読み取れるタイプじゃない。ただ普段から高価なデバイスやアクセサリーを買っており、お金に困ってる様子はない。

ミコと小夜、彼女たちも違う。ほとんど常に行動を共にしている彼女たちはトイレに一人で行くことなどあり得ない。

そこまで考えたところで犯人がわかった。


・第二の犯人

その場では犯人を名指しすることはできなかった。しらばっくれられたら追及の手段が無かった。

つむぎが給食費を盗み、捨てたことが先生に伝えられる。先生はこのまま職員室に来るようにとだけ言った。

ゆかりは先生にある質問をする。いくら問題のある先生とはいえその質問に答えることは無かったが、ゆかりには確信が得られた。

詞音たちは今日は部活は休むようで力なく帰っていった。同じバスケ部であるあの子も…

ゆかりとあかりは、はうを呼び止める。

三人だけ。教室ではできない作戦だった。

答えは簡単だった。

つむぎが封筒をゴミ箱に捨てたとて、普通の人がゴミ箱を確認するわけがない。犯人はつむぎがゴミ箱に何か捨てたことを知っていたのだ。

そこからはただの想像だった。

ミコと小夜のようにトイレにすら一緒に行く仲というのは珍しくない。ゆかりとあかりもそうだ。

つむぎにもそんな相手がいる。ひまりとはうだ。

しかし彼女たちに関しては相思相愛というわけではない。ひまりをつむぎが追いかけ、つむぎをはうが追いかける。

だからあの時つむぎがトイレに向かったのなら、はうが後を追いかけたはずなのだ。

つむぎはトイレに着くと誰もいないことを確認し、封筒の中身を確かめる。

給食費を盗んでしまったことに気づいたつむぎは発覚を恐れ、封筒を捨てる。

その時はうがトイレにやって来る。

恐らく捨てた瞬間は見られていないのだろう。見られていたらつむぎは平気でいられないはずだ。

つむぎは何事も無かったようにトイレを後にする。それははうにとって不自然な行動だった。

用を足すにしても手を洗うにしても滞在時間が短すぎる。はうは状況的にあるいは直感的につむぎが何かを捨てたことに気づく。

ゴミ箱から給食費の入った封筒を見つける。

ゆかりの知るはうならばつむぎを庇うはずだった。そうならなかったのはゆかりの知らない事情があったからだ。

そこまで話し、ゆかりは賭けに出る。

先生はこのクラスに給食費を払っていない生徒がいると言っていたが、それが一人だとは言っていない。

このクラスには給食費を払っていない生徒は二人いた。あかりとはうだ。

はうにはお金が必要だったのだ。

はうの目から涙が溢れる。

詞音と湊音は小学校からずっとバスケをやっていた。シューズ代ユニフォーム代遠征費用、馬鹿にならないその金額を苦にしている様子はない。

ひまりとつむぎもお金に困ってる様子はない。高価な品物を身にまとい、よくコンビニで買ってきたスナックを食べていた。

思い返してみても記憶にあるのは4人のそんな姿であり、そこにはうはいない。

犯人を絞り込んだ時、残ったのは明らかにぼっちのモカと、陽キャグループのはずのはうの二人だけだった。

皮肉なものだ。それは口には出さなかった。

お金を捨てられるなんて信じられなかった。お金がどうしても欲しかった。

泣きじゃくるはうをあかりが抱き締める。異なる理由なれどお金に苦労した者同士家庭環境に苦労した者同士通じるところがあったのだろう。

はうは鞄の底から封筒を差し出し、頭を下げた。

作戦は成功だった。犯人を改心させ、自ら唯一の証拠である封筒を出させる。

達成感など無く、ただただ後味の悪さだけが残った。

ゆかりは自分の親に頭を下げたら三人分の給食費を出してくれないかと考えたが、そういうことじゃないんだろうなと首を振った。

15歳の15人。できることなんか無かった。



0 件のコメント:

コメントを投稿

筆始め

いつも帰省中は色々ブログを書き進めてましたが今年は何にも書いてません。なので筆始めです。 昔のカードを引っ張り出して遊んでました。あと普通にダラダラしてた。 そのまま休み気分を引きずってモチベが上がりませんでしたが一応動画を一本作れました。日常系小ネタ集ていう5分くらいの軽いギャ...