2026年8月8日土曜日

青春シリーズまとめ

双葉湊音があらゆるサインを見逃す物語。


第1話

・学校に着いてすぐ龍星は詞音を置いて自身の教室に向かう。一緒に登校するのは義務感からであり、ずっと一緒に居たいわけではない。それを見送る詞音の視線も寂しげ。

・朱司がそんな詞音を見兼ねて軽口を叩く。この時点で既に朱司は龍星から相談を受けており、二人の仲があまり上手くいっていないのを知っている。詞音は朱司に対しては遠慮ない態度を取れている。

・湊音に対する「ずっと一緒にいたら話すことなくなる~」の語りは詞音自身に言い聞かせるものでもある。これも恋の駆け引きであり破綻に向かっているわけではないという願望。


第2話

・ひまりとつむぎは詞音の恋心には気づきながらも二人が既に恋人であることには気づいていない。詞音と龍星が恋人らしい距離感を見せてはいないため。龍星が湊音を口説くような形になった時も詞音は言葉をかけることができなかった。

・去年同じクラスだった虎太郎は身長いじりでからかえている。朱司と同様に遠慮ない態度を取れる相手ということ。また詞音の本来の性格がこういうものであることがわかる。

・龍星にとっては親友である玄野から見ても詞音は「いい感じのお相手」止まり。親しい人物の目から見ても恋人には見えないということ。その時の二人の顔も複雑そうな表情をしている。


第3話

・湊音と玄野を見守る集団の一人でいる間は詞音も龍星も自然体でいられている。この時のことが後の選択に繋がっている。

・ひまりが玄野をからかっている様子は互いに憎からず思っている男女の距離感を表している。気軽に言葉を交わせなくなった詞音と龍星とは対比。


第4話

・湊音をからかいつつ朱司とふざけているだけだが、詞音は恋愛観に対して自身の恋愛事情も絡めた複雑な思いを抱いている。

・詞音が湊音へ歩み寄ったのは、湊音もまた男子と仲良くなれなかったことにシンパシーを抱いたのと湊音の前では恋愛強者のスタンスでいられるため。


第5話

・「人と仲良くなるにはもっとわかりやすいイベントが必要」「話題があるから会話が生まれて会話があるから親睦が生まれる」「まだ何気ない日常を一緒に楽しめるほどの関係性が無い」。これらの言葉は詞音と龍星に対しても向けられたもの。頭ではそうわかりながらもできなかったことへの後悔も交じっている。

・詞音が湊音のことをだいぶ雑に扱えるようになっており、気を許し始めていることがわかる。


第6話

・詞音は朱司に湊音の面倒を見るように頼まれた。詞音にとって関係性の深さで言ったら朱司の方が上であり湊音はあくまで庇護対象。

・龍星と玄野の思い出を湊音に語る。湊音をからかうためでもあるが詞音と龍星の思い出は上手く思いつかなかったためでもある。


第7話

・だいぶ詞音のギアが上がっている。本来の性格はこのようにズケズケといじり倒してくるものであり、湊音に対しては気を許しているが龍星に対しては素の自分を出せていないことが読み取れる。

・湊音と友達になることを決めたのは湊音との時間が思いのほか楽しかったから。物語的なところだと、この楽しい一日の中で「ここに龍星もいたら」のような思考が出なかったのが詞音の心理状態を表している。


第8話、第9話

・番外編。詞音が湊音や朱司、他のクラスメートと打ち解けている様子がわかる。

・この時と青山と一緒にいる時で詞音の態度は違う。クラスではやはり気の強い女子。


第10話

・黒沢が語った「どっちかが告白したら今から彼氏彼女ですみたいなのが嫌い」という話。これは詞音と青山のことを想起させるもの。それを聞いた青山は「見かけに反してまじめな奴だ」とはぐらかしながらも考え込んでしまっている。

・黒沢が経験した蛙化現象の過去も含めて、この回は詞音と青山の恋愛のやり方が失敗であることを暗示している。


第11話

・詞音が青春として挙げたのは「誰かを好きになったこと」。「人を好きになったり付き合ったりとか初めてのこと」と語っている。詞音以外は龍星のことを好きになり、恋心や交際について思いを馳せるようになったことだと思っている。実際は二人は既に付き合った上で倦怠期のような状態にあり、詞音としては半ば諦めた気持ちで美しい思い出として語っている。

・冥鳴が語った青春は湊音の行く末を暗示するものであり、青少年の誰もが直面する妥協と諦観のこと。湊音は実際に直面するまでそれがどのような意味か理解することは無かった。


第12話

・前話に引き続き湊音にわかりやすいチャンスが与えられた回。ゆかりの言葉は湊音に刺さっており、湊音はそれらを受け止めて投げ返すことができた。

・湊音は心の受け皿をつくることはできたが、そこに現実の事象を乗せることはできなかった。ここで「偽りの光」が具体的に何を指すのかを自分の人生と照らし合わせて考えていれば気づけたかもしれなかった。


第13話

・ゆかりから「認知を歪めずに正当な結果を受け取る」よう求められる。補遺を見た方ならご存じだろうがかつてはゆかりも認知を歪めていた。今は湊音が認知を歪めている。

・湊音の目から見ても龍星と詞音は「友達以上恋人未満」。余談だが葵やうさぎ達が詞音と出会った女子会の時は付き合い始めでまだ浮かれていた頃。


第14話

・湊音が詞音と龍星を尾行していた時、登校中は笑顔を浮かべていた二人も昼休みに中庭にいる時は表情なく並んでおり、下校中に寄り道をしているところでは顔が見えないようにしている。湊音の尾行に気づいていたようにも単純に二人があまり楽しんでいないようにも捉えられる。

・湊音を間に入れたのは詞音も龍星も二人きりの時間に耐えきれなくなっていたから。湊音の存在によって関係が改善されるのを期待していた。二人が別の場所で同じ月を眺めるカットはその暗示。


第15話

・つむぎは詞音と龍星が付き合っていることを知り、間に割り込むことに消極的だった。詞音の「付き合い始めても友達のままなんだから一緒に遊びましょう」は社交辞令ではなく本当に一緒にいてほしいという意味。

・ひまりは一般論として「付き合い始めの二人が上手くいかないこともある」という認識を持っていたため詞音のサポートに回った。「他人のことはわからない」「人生はままならない」という前提で動く大人の対応。

・「かわいく甘えたりできなくてごめんね」「言うなよそんなこと」のやり取りはあまりにも露骨すぎて出すのを迷った。杞憂だったが。


第16話

・朱司の「それでいいのかい?」に対する龍星の「俺はこの方がいいと思う」というやり取り。恋人である二人が互いに歩み寄るのではなく、間に別の人を入れて距離感を探るやり方でいいのかという確認。朱司は龍星から相談を受ける中でそのやり方には否定的だった。

・かつて虎太郎がそうしていたように、湊音が会話の中心になることで二人は上手く話せるようになった。詞音はつむぎと同様に虎太郎や玄野、黒沢に対しても遠慮なく間に入るように求めている。


第17話

・湊音の人探しに協力する形で詞音、龍星は距離を縮めている。コミュニケーションにおいて相手とどうなりたいかという願望より単純な話しやすさが重要であるということ。二人とも湊音をいじる形では自然に話せている。


第18話

・番外編。ぞん子の掘り下げ回。

・ぞん子の境遇と精神性に加えて、湊音がさほど察しが悪いわけでも気遣いができないわけでもないことを描く。知識や知性の問題ではなく、気づきのためには体験が必要不可欠であるということ。


第19話、第20話

・龍星の掘り下げ回であるが、物語的に重要なのは恋人である龍星の事情に詞音が踏み込めていないこと。野球や陸上をやめた理由は知らず、聞けてもいない。

・詞音はずん子さんに負けた後の龍星に対してプライドは大丈夫かと聞いている。また、帰り道でも「俺も規格外だと思ってたし思われてた」という龍星の言葉に咄嗟に謝っている。結局のところ詞音にとって龍星は未だ心情が読めず気遣いが必要な相手のまま。

・詞音では上手く返せないような龍星の独白に対して、湊音は即座に前向きな言葉を返せている。詞音の「馬鹿みたいに素敵」という呟きは単なる潤滑油にとどまらず存在感を発揮できる湊音に対する羨望と嫉妬も含まれている。


第21話

・ゆかりの「しっくりこない」という言葉は、湊音から聞かされた龍星の話において詞音が何の役割も果たしていないことに向けられている。ただ恋人だからといって何にでも絡んでくるわけではないかと納得して言及してはいない。

・ゆかりから二度目の大きなチャンスを与えられる回。演劇部シリーズを知る人であれば、表面上は仲良くしても仲良くないのがずん子と葵であり、馬鹿にし合っているようでも仲がいいのがずん子とゆかりのことだとわかる。青春シリーズにおいては、恋人という形をとりながらも信頼という実を取れていない詞音と龍星、それとは対照的にちょっと馬鹿にされながらもその二人と良好な関係を築いている湊音のことを示している。


第22話

・詞音の湊音への依存が強まっており、かつてのクラスメートである雪には露骨に嫉妬心を向けている。湊音を失ったら青山との関係を続けられなくなると思っているため。

・湊音と玄野のからかい合いに対して、詞音と龍星は「仲いいなぁ」という感想を向ける。自分たちとは異なり、忌憚なく笑い合える関係性への羨望。


第23話

・朱司の「君に馬鹿と言われちゃ形無しだな」という言葉。間に他人を挟み、その他人がいなければ関係を維持できなくなっている詞音と龍星のことを思い、複雑な感情を滲ませている。

・黒沢の回想において、湊音が見ているのは自分にとって都合のいい世界のこと。黒沢にとっては玄野や青山と一緒に大会で競い合うという願望であり、湊音にとってはこの人たちはきっと青春を謳歌しているんだという思い込みだった。


第24話

・詞音は「見よう見まねで駆け引きなんてやってみたって苦しくなるだけ」とこぼしている。当然龍星とのこと。

・青山の「双葉だって人間だから」というのは、湊音が奇天烈なマスコットなどではなく普通の女の子であることを認めている。一人でも周囲と関わりを持とうとする湊音を見て、詞音も彼女の成長を感じている。

・湊音は対人経験を積んだことで自意識が高まり、自分がどう見られるか、相手がどう思ってるかを考え始めてしまっている。ある意味では弱体化であり、ひまりに向けた「普通に言えばいいじゃん」という言葉も後には重くのしかかることになる。


第25話

・「詞音ちゃんはいいよね?」の場面。詞音はお泊り会に参加可能か聞いているようにも、詞音も3人一緒で構わないか聞いているようにも捉えられる。詞音はどっちの意味でも「いいわよ。」と答えている。

・龍星が髪は長い方と短い方どちらが好みなのか、詞音は今度聞いてみると答えている。付き合っていてもそんなことすら尋ねたことが無い。


第26話

・詞音が見つけてしまった知らない自分は、ジョハリの窓において未知の窓ではなく盲点の窓。詞音は小憎たらしい性悪キャラでやっているつもりであり、周りから信頼され大事に思われているのは想定外だった。だからこそ詞音は自分のイメージを崩すことができなくなった。

・詞音が恐ろしかったのは、自分にとってはそこまで重大ではない行為に強い怒りを向けられたこと。詞音は強がりではなく本当に怒ってはいなかった。いじめたりいじめられたりがあっても、事が過ぎればまた元通りの環境で過ごしてそれが水に合ってもいた。高校のこの環境ではそのような行為が絶対に許されないのを悟り、自分が無自覚に一線を踏み越えるのを恐れるようになった。

・湊音は詞音のそんな心理には気づいていない。詞音は湊音が何もわかっていないことをわかった上で、それでも会えて良かったと言った。近いうちに湊音が自分の元を離れるのも予感している。


第27話

・全員での遊びはボウリングにした。余計な力を加えてブレることなく、真っすぐ投げるのを求められるところが物語のテーマにも通ずると思ったため。

・ひまりは詞音の素を引っ張り出して龍星のアシストを狙っている。ただ「どう思いますかこういう彼女さん」「すごいなーって思う」のように龍星は全然踏み込む気が無い。詞音のことはもう湊音に任せきってしまっている。

・朱司は湊音がそろそろ別れを切り出す頃だと察して、あらかじめ答えを言っている。詞音と龍星の本当の気持ちを知った後、湊音が自分にも事情を聞きに来るだろうから。

・詞音と龍星が述べた感謝の気持ちには一切の偽りはない。一時だけでも恋人として楽しく過ごせたのは事実であり、不満が降り積もっての自然消滅ではなく円満なお別れにすることもできた。


第28話

・詞音が言えなかったことは、龍星には友情だけでなく義憤もあったのではということ。自分には全く義憤が無かったことで価値観の大きな隔たりを感じている。友情ではなく恋心があったのではというのがミスリードになるかと思ったが、第26話でも否定しているから微妙か。

・はうには付き合っているのをたまたま知られた。はうは詞音の微妙な心理について知らないので、何気なく「黒塗りの王子様」での女子会に誘っている。

・つむぎが詞音と龍星の交際に気づかなかったのは、詞音の言動や態度から関係性を推し量れたため。名目上は恋人になりながらも距離感は変わっていないので、恋人未満の関係のままだと思っていた。詞音もそう思われてるのを察して言い出せなかった。

・出ていないが玄野と虎太郎もつむぎと同じく、青山は恋人未満のままだと思っていた。なまじ友達のことをわかってるせいで、関係を変えようとしても変えられないという悩みには気づかなかった。




青春シリーズのテーマはそのまま「青春」。

自分の中で青春とは何かを考えた時、やはり少年期から青年期への成長だと思えた。自分の世界を夢見る子供から現実の世界と折り合いをつけていく大人へ。

物語の構造としては上辺だけの浅い認知で生きてきた湊音を刺すものであると同時に、湊音と同じように上辺だけの浅い認知で動画を流していた間抜けを刺すものでもある。

見ることと視ること、聞くことと聴くことは大きく違う。ただ見て聞いているだけの人間は実のところ何も考えていないし何も感じていない。

湊音もまた人間関係を広げ人生経験を増やしているようで最も身近な相手のことすらわかっておらず、何も積み上げてはいなかった。そのことに気づいてからの選択が物語の根幹になる。

できないことをできないものとして受け入れるか、それでもできないことをできるようになろうとするか。

ゆかりやひまりを筆頭にほとんどの登場人物はできないものとして受け入れている。もちろん作者たる私もそうだ。

出会う人起こる事すべてに深い観察力と思考力を発揮し、認知を歪めるな判断を間違えるなというのは現実的でない。だから普通は裏目を読んで距離を取り、それでもぶつかってしまった時はお互い様でなあなあで済ます。

そうやって立ち回ること自体がストレスでもあるが、長期的にはそのやり方が一番楽なのである。一々トラブルを起こす面倒を考えたら誰だってそうする。

というのが大人になるということ。しかしこれは青春ではなく青春の終わりだ。

双葉湊音にとって青春はそういった妥協や諦観とは対極にあるものであり、自分以外の全員が屈してもなお抗い続けることを決めた。

だから良いとも悪いとも言えないが、他の人にはできない選択をしたところで物語は終わりにした。今後また諦めそうになる時もあるかもしれないし、諦めなかったことで却って状況を悪化させるかもしれないがそれはまた別のお話。

現実を正しく捉え自分で選択するというこのチャンネルで長いこと取り上げてる大きなテーマとも通ずるところがあるシリーズだった。




狂言回しとしての結月ゆかり

・湊音を詞音と龍星の間に入れるためのきっかけ作りしか役割はないが、せっかくなので示唆に富んだ存在にしておいた。青春シリーズは彼女の補遺と同じ物語構造になっている。

・「偽りの光」について。湊音は気づかないで笑うことと気づかない振りをして笑うことがそれだと気づけた。この世に満ちている欺瞞を指しており、ゆかりが糾弾していくのを諦めたもの。ゆかりが言っていることが正しいとわかっていれば、お話の展開的にも湊音が「偽りの光」にぶつかるんだろうなと察しがつくか。

・「ある種下に見ているからこその気安さ」について。ゆかりは初手から評価を低くつけさせることで暴落を未然に防いでいる。これによって多少の無茶をしても許され、痛い目を見ても自業自得で済まされる。詞音もこの立ち位置を狙っていたが外した。想定外に高い評価を暴落させることを恐れて詞音は気軽に話せなくなっていった。

・湊音の選択について後語りする役目も担った。ゆかりにとって湊音の存在は憎らしいが救いでもある。たとえやり直せてもそっちを選ぶことは無いだろうが、そっちを選びたい思いが無いわけではなかった。同じような憧憬をひまりや黒沢も持っている。

・最初からずっと本当のことしか喋らない女。テクニカルタイプに見えて実際はノーガード戦法を貫くパワータイプ。なんなら詞音よりも湊音と心を通わせた人物なのかもしれない。



双葉湊音否定派

・朱司、玄野、虎太郎、つむぎ、はうは龍星、詞音の事情に踏み込むことは無かった。結果オーライではあったが深いところに踏み入ることで人間関係が修復不可能な状態に陥る可能性も高かったので、湊音の選択には懐疑的。

・朱司の分析も当たっており、詞音は仲が深まるほど口数が少なくなり距離を取り始める傾向がある。つむぎに対してもその傾向は現れており、青山とのことを言い出せないだけでなく強気な物言いも控えられている。仲が良かったはずの自分、仲良くなりたがっていたはずの龍星に対して詞音の態度が素っ気なくなっていったことで、つむぎは何か変だなというのを察していた。

・本人が乗り越えるべきことであり、部外者の自分たちが口出しすべきではないという意識が根底にある。発破をかけることも相談に乗ることもからかうことも元気づけることもあるが、一線は越えない。自分がいたから上手くいく、自分がいなくなったら駄目になるなんてものは不健全なため。ただ、そうやって一線を引いて人と関わることに葛藤もある。



双葉湊音肯定派

・ひまり、黒沢、ぞん子、離途は湊音が龍星、詞音の事情に踏み込むことを期待していた。ひまり、黒沢は自分にできなかったことをしてほしいという意味合いもある。

・補足だが黒沢は本当は龍星と玄野に部活を辞めないでほしかった。しかし龍星の気持ちもわかるため、相手に踏み込むことも自分を見せることもなく笑って見送った。最終回での湊音への告白には第10話で語られた過去の恋愛事情を通した葛藤も込められている。ほどほどの距離感でいた方が居心地がいいのは本音であり、湊音に好意と敬意を持っているが付き合う気は無い。

・黒沢、ぞん子、離途は朱司によって湊音と友達付き合いしても問題が起こらないと認められた3人。黒沢、ぞん子は頼れる兄貴分姉貴分として懐が大きく、離途はデリカシーが無い代わりに湊音にもデリカシーを求めない。冗談めかして言ったが他のクラスメートにとっては本当に湊音は話しにくい人。元クラスメートであるWhiteCUL雪や伊能いおの態度が標準になる。



残された課題である青山龍星

・これから彼とも向き合うところで終わった。彼の内心も詞音と同じように作中の要素を拾えば推測可能だが、視聴者の判断に委ねて動画にはしない。ブログではネタバレする。

・バレンタイン回において玄野に後押しされる形で想いを伝える。その後にホワイトデーで告白し、付き合い始める。しかし実際は、詞音のことは気になる女子ではあるが心から好きとは言い切れないくらいの間柄だった。詞音もそのことを察していたためちょっとずつ篭絡しようとしていたが、舞い上がってOKしてしまった。つまり玄野が戦犯。

・去年の出来事によって詞音に自分に言えない気持ちがあることは認識している。しかしその内容を理解してはおらず、踏み込んで聞き出そうともしなかった。湊音が間に入ると詞音への対応を湊音に任せるようになっていった。詞音には本心で語り合える相手ができてほしいと思っているが、それが自分でなくてもいいと思っている。

・湊音が自立して自分たちの元を離れれば詞音との関係が終わることは予見している。そのため湊音と3人で一緒の大学に行くのは難しいとわかっているがそういう約束をしてしまう。そしてその約束を守るために手を尽くそうとはしない。

・ひまりのアシストに気づいた上でスルーしていた。「乱れる青春」「青春は嘘をつく」で本来なら龍星から詞音に何か一言あってもいいはずだが言わない。甘い言葉を投げかけるべき時でも知らんぷりを決め込んでしまう。

・相談していた朱司からは意気地がないとか漢気がないとか以前に、相手の好意に応えただけで龍星自身の好意は無いんじゃないかと疑われている。実際無いことはないがそんなには無い。別れを切り出された時も恋人という役目を降りられることに安堵している。

・悪い奴ではないが良い奴でもなく、始める意欲はあるが続ける根気は無い。ちゃんと恋人になろうとする程度には誠実だが、何が何でもという覚悟は無い。普段は責任を嫌って発言を避ける一方、気分が乗っている時は責任を負わない告白や約束をする。まぁ結局のところ普通の人間。




思いのほか長期シリーズになったのでもう少し後語り。

補遺シリーズと同じく、合計時間は3時間半くらい。湊音が主人公ではあるが、私立高校組のキャラを掘り下げる意味合いもあった。

2024年度決算報告であげていたディープさとポップさを両立させる取り組みの一つである。日常パートのみの動画でポップさを追求し、ギャグや恋愛、エロ要素を増やしたとしてもそれらをディープな動画の前語りあるいは後語りにすることができるというもの。

本来ギャグ描写一つとっても誰が誰に対してどのような態度を取れるのかという人物描写だが、そのことを理解していない者も多いと思っていた。だからこそ双葉湊音という何もわかっていない奴を主人公とすることで、視聴者もシリーズを通して一緒に成長していってくれたらという狙いもあった。

始まりは2年前の日常系動画ラッシュの際のバレンタイン回。

「お前ら付き合っちゃえよとか簡単に言うけど、ほんとに付き合ったらどうなると思う?」というのが当初のコンセプト。告白はゴールではなくスタートであり、スタートを切る前に十分に関係性を構築しておく必要がある。

詞音の心理描写を中心に恋愛の難しさを描くつもりだったがやはり難航。「日常系小ネタ集2」で湊音が絡んだ時にこの展開を思いつき、絶対こっちの方が面白かったのでシリーズが始まった。

双葉湊音っぽい曲である「雨と花 君は影」をエンディングとし、最後は「快晴賛夏」で締めると決めていた。ストーリーはこれらの曲の歌詞と通じており、「雨と花 君は影」をちゃんとフルで聞いていたらほとんどネタバレになっていた。

歌ネタだと詞音のキャラコンセプトは hockrockb の「あかい惑星」から連想されている。第28話の「赤い惑星の住人」というタイトルもそこから。ただそちらはフリーではないのでエンディングは「羞明の街」に。こちらも詞音のキャラコンセプトに近く、青山探偵事務所のエンディング予定だった「羽化登仙」と同じボーカルの方が歌っている。

例によって最初はもっと早く終わるつもりだったため、色々と試行錯誤の後が見て取れる。せっかくだから湊音と詞音の立ち絵は色々試したが結局最初のものに落ち着いていった。ついでに雨晴はうやWhiteCUL雪の立ち絵も変わっていってる。

なんやかんやで今回も綺麗に終わらせることができたと思ってる。想定してたより出番を作れなかったキャラもいるが、これだけ登場人物がいてそれぞれに役割を持たせられたのは創作者としてのレベルアップを感じる。終わった頃には愛着が湧いて次に行くのが惜しくなるものだ。

日常系の動画では中国うさぎのお話も「月面旅行の約束」で一区切りついている。冥鳴ひまりのお話も別の切り口にはなったが進めることができたので、そのうち一区切りつけたいと思う。

後はボツになった京町セイカ、水奈瀬コウの恋愛物の代わりと月読アイの旧演劇部の推理物を作れば、半端に出したはいいもののキャラを描き切れてないところは終わるか。

中学生組の動画、四国めたんの事件ファイル、生徒会選挙編、あかりとマキの親なき子としての話など仕舞い込まれているものもある。それとは関係なしに青山探偵事務所、犯人はこの59人の中にいるも。

今回の青春シリーズも1年3か月かかったため、今頭の中にあるものを全部出しきるのに何年かかるかわからないが地道にやっていこうと思う。2030年で動画投稿10年かつ私も30歳なのでその辺で引退するつもりだったが、ちょっとこのペースだと終わんなそう。

とりあえずこのシリーズは終わり。強キャラに成長してしまったので扱いが難しくなったが、たぶん湊音はまたどこかで出てくる。いつかはわからないけど。

長文駄文失礼しました。




青春シリーズまとめ

双葉湊音があらゆるサインを見逃す物語。 第1話 ・学校に着いてすぐ龍星は詞音を置いて自身の教室に向かう。一緒に登校するのは義務感からであり、ずっと一緒に居たいわけではない。それを見送る詞音の視線も寂しげ。 ・朱司がそんな詞音を見兼ねて軽口を叩く。この時点で既に朱司は龍星から相談を...