2022年5月29日日曜日

葡萄の甘さを知らなければ

ある日、お腹を空かせた一匹の狐が歩いていると葡萄の木を見つけました。

見上げると紫色の瑞々しい果実が垂れ下がっています。

狐は喜び、葡萄を取ろうと飛び跳ねますがどうしても手が届きません。

疲れ果てた狐は仰向けになって独り呟きます。

「どうせあんな葡萄酸っぱいに決まってる。」


そこに一羽の小鳥が飛んできて、葡萄の木にとまり言いました。

「狐さん。そんなところに寝そべってどうしたの?」

「小鳥さんか。なぁにちょっと疲れて横になってるだけだよ。」

小鳥は不思議でした。いつも野山を駆け回っても汗一つかかない狐がどうしてこんなに疲れ果てているのかと。

小鳥は周囲をキョロキョロと見まわし、足元に垂れ下がった葡萄の存在に気づきました。

「そうか!この葡萄を取ろうとしてたんだね!」

「え!?違うよ!?」

狐は咄嗟に否定しました。必死になって取ろうとしたけど無理だったのを悟られたくなかったからです。

もっとも小鳥にはそんなことはバレバレでしたが。

「またまた~そんなこと言っちゃって。狐さんには葡萄を取るのは難しいよね。」

「別に。最初からそんな葡萄大して欲しくなかったし。」

狐は強情に否定しますが、羞恥と不満の感情を隠し切れません。

「なんで?葡萄は甘くて美味しいよ。」

「いいや酸っぱくて不味いね。」

「なんで食べたこと無いのにわかるの?」

「…見ればわかるさ。」

「じゃあなんで取ろうとしてたの?」

「…してない。」

「してたよね?」

「…。」

狐は何も言わなくなってしまいました。

小鳥はちょっとからかい過ぎたと思って申し訳ない気持ちになりました。

「じゃあ私が葡萄を落とすから、狐さんは下で受け止めてね。」

「え?」

「分担作業だよ。房ごと落とせば地面で一緒に食べられるでしょ?」

それは小鳥にとっても悪くない話でした。ぶら下がった葡萄をついばむと枝がグラグラ揺れてとても食べづらい。できれば地面で落ち着いて食べたいのでした。

「今切り離すからちょっと待っててねー。」

小鳥はくちばしで器用に枝を折り葡萄を落としました。狐はそれを難なく受け止めます。

「これで一緒に食べられるね!」

「あぁ…うん…。」

小鳥は地面に降り立ち、紫色の果実をついばみます。

狐も遠慮がちに葡萄を口に運びます。

「ね!甘いでしょ!」

「うん…甘い…。」

小鳥は狐と一緒に美味しいものを食べれてとても幸せでした。

狐は黙々と葡萄の甘さを噛み締めていました。


その日の夜、狐はまた葡萄の木の下へ来ました。

今度は独りです。

月明りを受けて青く煌めく葡萄を睨みつけます。

狐にとって小鳥に葡萄を与えられたことは屈辱でした。

同情や憐憫によって自らの願望を叶えてもらうなんてことは自尊心がけして許さないのでした。

「私だけでも葡萄は手に入れられる。」

もう一度飛び跳ね、手が届くかを確かめます。

もちろん届きません。

「次はこっちだ。」

狐は葡萄の木の幹に手をかけます。跳んで掴むのが無理なら登ればいいのです。

野山を駆けて生きてきた狐にとって木登りは不慣れなことでした。

けれども爪を立て全身の力を振り絞って登りました。

もはや葡萄なんてどうでもいいのです。

欲しいものも手に入れられず、不満を垂れ流し、誰かの施しを受けて喜ぶ。

自分がそんな存在だとは認められないのです。

枝まで辿り着きました。もう葡萄は目と鼻の先です。

「やった!やっぱり私はやればできるんだ!小鳥さんなんか居なくても私だけで!」

狐は葡萄へと手を伸ばします。

その瞬間爪が幹の上を滑りました。

支えを失った体は手を伸ばした体勢のまま落ちていきます。

それでも狐は葡萄から目を離すことができません。

鈍い音が響き激痛が走りました。

狐は視線を自らの足へと向けます。不自然に折れ曲がったそれはもう自分の意思では動かせませんでした。

狐は知っていました。走れなくなった動物がこれからどうなるか。

狐は最後にもう一度葡萄を睨みつけると、足を引きずりながら森の奥に消えていきました。

葡萄は月光を背に手の届かない所で揺れていました。


次の日の朝、小鳥はまた葡萄の木の上へ来ました。

枝にとまり周囲をキョロキョロと見回します。

「今日は狐さんは居ないのかな?」

少し待っていましたが狐の姿は見えません。

グラグラ揺れながら葡萄をついばんでみましたが、独りだとあんまり美味しくありません。

またそのうち会えるだろうと思って小鳥は飛び去りました。

後には葡萄の木が佇むだけなのでした。


おしまい


2022年5月28日土曜日

寓話に関して

寓話…教訓や処世訓・風刺などを、動物や他の事柄に託して語る物語

らしい。

ブラックユーモア的なのもこれに当たるのかな?

ゆっくり業者解説とかゆっくり茶番劇商標登録とかの流れを鑑みて、現実…って表現は微妙か。

ネット上の問題や事象に際して、私自身何かを言いたくなる時もあるし、何か言った方が数字を取れそうな感覚があった。

だけどやっぱり直接言及するのは畑違いな気もするし、無駄にコメントや評価が荒れる気もする。

となるとやっぱりこういう表現方法を用いるべきなんじゃないかと思った。

「ずんだもち名人ずんだもん」とか「商標登録されるずんだもん」とか。「商標登録云々」の方はちょっと違うか。

見る人が見れば何が言いたいか分かるって動画が、創作者的にもYoutuber的にもスマートな選択だと見た。

話を作るのが大変という所はあるが、時事ネタを使えるためネタ切れを防止できるという利点もある。

一歩引いた態度で皮肉を言うキャラとして界隈で立場を確立できればかなり美味しいが、さてどうなるか。

ここであれこれ言ってもしょうがないですね。幾つか試してみましょう。

寓話といったらイソップ寓話ですが、「ウサギとカメ」はもうネタにしましたね。

時事ネタと絡めてではなく、いつも通りのことを話に当てはめただけですが…

優秀なウサギと無能なカメ。優秀な人間はどこまでも優れていて、無能な人間はどこまでもダメだって感じに改変しましたね。

こういうのなら他のイソップ寓話でもできるので、とりあえず文章版だけでもそのうち書きます。

「北風と太陽」「アリとキリギリス」「ガチョウと金の卵」「金の斧と銀の斧」「酸っぱい葡萄」「カラスと水差し」

こんな所ですかね。今度ちゃんと本を読んで勉強しておこうと思います。

時事ネタを寓話まで昇華できるかは微妙なんでこれはまた別物の動画として出すと思います。

風刺物という見方なら見習う相手はもっと多いですね。

一枚絵に描き起こした物が一番秀逸ですが、動画にする以上そこまで簡潔だと逆に尺に困ります。

「ゆっくり茶番劇商標登録問題」でも皮肉たっぷりの動画が散見されました。一番良いと思ったのは柚の葉っぱについて解説した動画ですね。

このチャンネルとしては「ずんだもん」を使って現実の流れをなぞるのが一番やりやすいと思います。

ずんだもんが居るだけで一気にファンシーな感じになりますし、東北ずん子ファミリーからキャラの濃い人たちを巻き込めます。

後はそこまで悲惨な感じにせずに、「トホホ、もうホニャララは懲り懲りだ!」みたいな感じで締めれば動画としては完成。

非常に作りやすいし、見られやすい動画に仕上がりそうな気がします。

ずんだもんを酷使しすぎな気もしますけどね。

こういう方向性だと一つ参考にすべきチャンネルがありますので、ご存じの方もいるでしょうが紹介しておきます。

「Fラン大学就職チャンネル」という方です。登録者数30万人、活動期間7年の大手ですが、どこの界隈に分類されているのかよく分かりません。ゆっくり界隈では無さそうなんですよね。

いらすとやの立ち絵にAquestalkの音声を合わせた動画で基本的には就活やキャリアについて扱っており、非常に秀逸な表現を用いることで人気を博しています。

1つ例を挙げましょう。「頭上の現実」という動画です。


とある洋館に入り込んだ男女三人組。一室に閉じ込められ、頭上から降りてくる天井に潰されそうになります。

男女二人は何とかこの状況から脱しようとしますが、男一人は寝そべってスマホを眺めています。

曰く、「やる気がしない」と。

たぶん自分はADHDで鬱病だし、努力できる才能も遺伝子も無いし、親ガチャも外したしこの国も終わってるし…

グズグズと不平を漏らすばかりで何もしない男。

男女二人はそんなことを嘆くより頭上の現実に対処しなければならないと諭しますが、男は聞く耳を持ちません。

病みツイをしてバズって喜んでるうち、ようやく眼前まで迫った天井に気づきます。

彼は狼狽し、激昂します。

「え?俺このままじゃヤバいじゃん!ちゃんとヤバいって教えてよ!」

二人は呆れます。さっきからずっとそう言っていたじゃないかと。

男はひとしきり騒ぐとすぐに諦めます。やっぱり現実はクソだと独り言ちます。

結局二人のおかげで男は助かりますが、男は「神様ありがとう!」と言って走り去るのでした。

そこで舞台は変わり、男は自室のベッドに寝転がりながらスマホを眺めています。

そう言えば6月で就活の面接解禁らしいけど、まだ何もしなくていいよね。

ていうか俺ってADHDで鬱病で努力できなくて親ガチャも外してこの国も終わってて、就活なんか無理だよなぁ。

病みツイしよ…

あ、バズった。


というお話です。

いくつもの教訓が練り込まれたすごい構成ですよね。

主題となるのは就活のことなのでしょうが、差し迫った現実に対して危機感が無く、愚痴をこぼすばかりで何も行動を起こさないという様子が我々のような人間の本質を突いています。

それでいていざ危機的な状況にあることがわかったら取り乱すし、人のせいにしたり開き直ったりで見苦しい事この上ない。

誰かに助けてもらっておきながら感謝することもなく、「何かよくわからないけど何とかなった」という感覚でいるのも耳が痛いですね。

5分程度の尺、いらすとやの素材と機械音声でこれだけのことを伝えるのは凄まじいの一語に尽きます。

長編、短編問わずこうした動画を多数上げているので、まだ見たことのない方は一度目を通すことをお勧めします。

もう就活関係ないだろというレベルで、時事ネタ含む様々なネタを取り込みながら人間のことや世の中のことを教えてくれます。

就活と言えば私もそろそろ何か考えないと、ていうかまだ何も考えてないのは相当ヤバいですね。この話の男とドッコイドッコイです。

私は実はもう大学4年生なんですよ。大学院に進学することで延命を考えているんですが、かといって勉強しているわけでもないんです。

院試は8月末、7月から動画投稿を休止して勉強しようと思ってるんですが、2ヶ月弱でどうにかなるものなんですかね。

じゃあ今からコツコツやっとけよって話なんですが…

全然やる気がしないんですよ。というより興味が湧かない。

別に院に進むほど研究に熱意があるわけでもないし、就職も何にも希望がない。

昔はもうちょっと普通の人生を送れないとまずいみたいな危機感があったんですけどね…

動画投稿、というより創作を始めてから現実のことが益々どうでもよくなった気がします。

何か、何というか、何だろう。

本当に何も考えてないのかな。

院試落ちたら留年するかフリーターになるか、親との関係だって終わるかもしれないのに。

何とかなると思ってるのか、何とかならなくてもいいと思ってるのか。

正直今の私は病んだり塞ぎ込んだりしてた頃よりも社会不適合っぷりが増してると思います。

Youtubeで食っていけるようになればそれが一番なんですけどね。

あと一年。院試受かれば三年。

うーんわからん。

なんか本筋から逸れてきたんでもう終わりましょう。

長文駄文失礼しました。

2022年5月25日水曜日

没ネタ集2

没ネタ集2です。

今回はずんだもん特集ですね。

一応ずんだもんが何者かってのを説明すると、ずんだもちの妖精です。

この説明でわかるわけないだろうな。

まぁそういうキャラクターが居てそいつがYoutubeで大人気に。人気に便乗するために考えた話のうちボツになった奴を書いておくだけです。

早速行ってみましょう。


①吾輩はずんだもんである

吾輩はずんだもんである。名前はまだない。

どこで生まれたかとんと見当がつかぬ。

何でも薄暗いじめじめした所でズンダーズンダーと泣いていた事だけは記憶している。

吾輩はここで初めて人間というものを見た。

しかもあとで聞くとそれは小学生という人間中で一番獰悪な種族であったそうだ。

この小学生というのは時々我々を捕まえて虐め殺すという話である。

しかしその当時は何という考えもなかったから別段恐しいとも思わなかった。

ただ彼女の掌に載せられてスーと持ち上げられた時何だかフワフワした感じがあったばかりである。

掌の上で少し落ちついて小学生の顔を見たのがいわゆる人間というものの見始めであろう。

この時妙なものだと思った感じが今でも残っている。


【ボツ理由】

書く必要あるか?

まぁこの序文のインパクトを超えるような本編が思いつかなかった。

ちなみにこの小学生は東北きりたんのことで、これから東北家に飼われるみたいな話を考えてたんだけど…

本家をなぞっても冗長な話になるし、かといって独自性を出すならこのネタ使う意味ないよなってことで、

ボツ!


②路地裏で生まれた命

ずんだもんは路地裏で生まれた。

毎朝決まった時間に黒い袋が投げ入れられた。

あまり匂わないものを探して食べた。

たまに日の当たる場所から草が生えてきた。

お腹が空いたら抜いて食べた。

それ以外の時間は通りを眺めていた。

いくつもの足が流れていくのをずっと見ていた。

それがずんだもんの全てだった。

母は幼いころに死んだ。親子で生きていける程の食べ物は無かったからだ。

姉妹も死んだ。一匹はご飯を食べていたら突然倒れてそのまま動かなくなった。

一匹は通りに飛び出て踏み潰された。足の持ち主は靴が汚れたと怒っていた。

ずんだもんは何もしなかった。

だけど勝ち残った。

ずんだもんは路地裏で生きていた。


【ボツ理由】

路地裏で生きるずんだもんの思考を淡々と描く話。世界観が完全にゆ虐。

ずんだもんの生活は一見惨めだが、外敵もなく安定した食糧を得ることができるというある種特権的な立場にいる。

路地裏しか知らないずんだもんは路地裏で起こる出来事、路地裏から見える景色だけで世界がどういうものであるかを想像していく。

人間の生き様をずんだもん視点で皮肉ったり、猫やカラスと食糧を巡って戦ったり、他のずんだもんとの出会いや別れを描いたりできる。

独特な雰囲気で思想を語れる良い題材だと思うが、さすがにちょっとずんだもんの扱いが酷いかなって止めた。

ゆ虐を知らない人には世界観が受け入れづらいかもだしね。

そうじゃなくてもウケるか怪しい。

短尺単発動画を量産できる題材なのでネタに困ったら使うかも。


③かわいそうな子ずんだもん

学校に行くことになったずんだもん。

新たな出会いに夢を膨らませる。

登校初日、ずんだもんは自己紹介の途中で男子生徒の一人に容姿をからかわれる。

ずんだもちの妖精であるずんだもんは枝豆みたいな耳をしている。どうやらそれが奇異に映ったようだ。

ずんだもんは少しムッとしながらも言い返そうとする。

この耳は自分のチャームポイントだと。

だけどその前に担任の女教師の怒号が飛んだ。

「ずんだもんさんだって好きでこんな姿に生まれたんじゃありません!それを馬鹿にするなんて最低です!今すぐずんだもんさんに謝ってください!」

先生はその男子を教壇に引っ張ってくると罵声を浴びせ始める。

彼は困惑と恐怖が入り混じった様子である。それはずんだもんも同じだった。

ずんだもんは何とか先生を宥めようとするが、彼女は聞く耳を持たない。

ついに男子生徒は泣き出し、ずんだもんに謝った。

ずんだもんの学校生活はそうして始まった。


誰もずんだもんに話しかけようとはしない。

下手なことを言えば先生に吊るし上げられるのがわかっているからだ。

特に男子生徒たちからは敵意の目を向けられた。

上位の存在に向けられない不平や不満は、上位の存在によって優遇されている者に向けられた。

ずんだもんはみんなと仲良くなりたかった。

だけど曖昧な作り笑いを浮かべて遠ざかっていく相手に、なんて声をかければいいのか分からなかった。

先生は怒っていた。

クラスのみんながずんだもんを仲間外れにするからだ。

「いいですか?容姿の違いで人を差別するのは許されないことです。あなたたちだって自分ではどうにもならないことで嫌われたらイヤでしょう?ずんだもんさんともちゃんと仲良くしてあげてください。いいですね?」


ある日の放課後、ずんだもんは靴箱に手紙が入っているのに気づく。

空き教室に一人で来るようにと書かれていた。

ずんだもんは一瞬だけ告白かと思って喜び、すぐにそんなはずないかと自嘲気味の笑みを浮かべた。

そこには数人の男子生徒が待っていた。中には初日に無理やり謝らせられた男子もいた。

彼らはずんだもんに怒っていた。

ずんだもんが来たせいでクラスの雰囲気は悪くなった。いつも気を遣わないといけないし、先生にも怒られる。お前なんか学校に来なければいいのに。

ずんだもんは泣いた。泣きながら謝った。

自分の存在がみんなにとって迷惑であることは、もうずっと前から思い知っていた。

ずんだもんは彼らに聞いた。一つだけどうしても確かめたかった。

自分の耳は変なのか。自分の姿は気持ち悪いのか。

嫌われて当然なのか。嫌わないようにと注意しないといけないのか。

ずんだもんは自分の姿に誇りを持っていた。人と違うことを負い目に感じたことなどなかった。むしろみんなに好かれるような見た目だと思っていた。

その自信は学校に来てから粉々に打ち砕かれた。

泣き続けるずんだもんに、男子生徒たちは止まった。ずんだもんを責める愚かしさに気づいた。

だからこう言った。

「お前の見た目は変じゃない。かっこいいと思うよ。」と。

ずんだもんは学校で初めて友達ができた。


空き教室の扉が開く。

入ってきたのは先生だった。

彼女の瞳に映るのは、クラスで孤立している生徒とそれを取り囲む男子生徒数名。

そのかわいそうな生徒の目には涙が浮かんでいた。

「保護者の方に連絡します。」

先生は静かに告げた。

いじめの事実を明らかにしなければならない。彼女に使命感が芽生えた。

生徒たちは我慢の限界だった。

男子生徒たちは彼女に詰め寄り、怒声を浴びせる。

ずんだもんも彼女の誤解を解こうと必死に説明する。

彼女は聞く耳を持たない。彼女の中ではもう決まっているのだ。

ずんだもんは哀れな被害者で、男子生徒たちは憎むべき加害者。

そして自分は教師としての使命を全うする人格者だと。

ずんだもんの絶叫が響く。

「ボクはかわいそうな子なんかじゃない‼」


ずんだもんは教室で一人空を眺める。

ずんだもんに話しかけてはいけない。

ずんだもんのことを見てはいけない。

いないものとして扱わないといけない。

だってずんだもんは「かわいそうな子」だから。


【ボツ理由】

いくらなんでもこれは酷過ぎる。

舞台設定とか登場人物とかがリアル過ぎる。こんなんほぼ現実じゃん。

話としては完成度が高いけど、創作物として出すにはあまりにもあんまりだ。

ずんだもんがファンタジーな存在と言っても、やってることは人間社会で行われていることと一緒だ。

反差別を掲げて差別を助長する人間が教師をやってるのも無駄にリアリティがある。

こういう題材はもっと別の何かに置き換えて扱うべきだ。

じゃないと見ていてただただ辛いし、話としての妙味がない。

雛型としてはいいが、動画にするなら要改変。


以上3本。ずんだもん没ネタ集でした。

どれも酷かったですね。ずんだもんのことを一体何だと思ってるのか。

結局流行りに便乗するために作った動画は、「一獲千金ずんだもん」「投稿映像ずんだもん」「闇芝居ずんだもん」のホラー路線3本。

こいつらもまあまあ酷いか。

最近作った「ずんだもち名人ずんだもん」では寓話風の話にしてみて意外としっくり来たので、今後はそっち路線の方が多いかも。

後は普通に東北ずん子ファミリーとして使うか。本来これが主流であるべきだよな。

ずんだもん人気はまだまだ健在なので何とか利用していきたいものです。

といったところで、今日は終わります。

長文駄文失礼しました。


2022年5月22日日曜日

没ネタ集1

素材とか権利とか諸々の事情で、思いついたはいいものの動画にはできなそうなネタをメモしておく。

いつか事情が変われば使えるかも。


①デビルサンチマン

「デビルマン」+「ルサンチマン」。先駆者が居そうで居なかった。

ニコニコに「デビルマン」のタイトルコール風に「ルサンチマン」と読み上げる動画があっただけ。

「デビルイヤー」で他者の自慢を聞きつけ、「デビルウイング」で空を飛び、「デビルビーム」(誹謗中傷)で焼き払う。

悪魔の力身につけた、自称正義のヒーロー「デビルサンチマン」!

たぶん最初の「あれは誰だ」からの「デビルサンチマーーン!」が面白さのピーク。

内容も落ちもあんまり思いつかない。

ていうか音声素材の著作権的にアウトだろって気がする。いやもう切れてたっけ?

「デビルマン」風フォントがあったから作れそうだけど…

無しだな!


②二人のうち一人はプリキュア

プリキュア風の世界観で怪物と妖精の戦いに巻き込まれる二人の少女。

戦いは妖精の勝利で終わったが、巻き添えを受けて少女たちは瀕死に。

妖精は契約によって二人を魔法少女にすることで助命しようとするが、そこにまだ息のあった怪物が乱入。

妖精は襲撃を受けて昏倒し、目覚めると怪物の姿はなく魔法少女が二人。

二人の無事を喜ぶが、怪物の行方について考えるうち一つの可能性に思い至る。

怪物が少女たちの片方を捕食し、擬態することで魔法少女として復活したのではないか。

二人のうち一人は本物の魔法少女。もう一人は…

そんな疑念を払拭できずに二人を怪物との戦いへ引き込む。

どちらを倒さなければならないのか見極めるため。

~続~


まあ面白そうではあるが、これをやるとなるとかなり設定を練り込まないといけないし動画もシリーズ物になる。

妖精と怪物は異世界の存在でいいか。たまにこちらの世界に入り込んで諍いを起こす。

話の流れ的に本家とは違って妖精も相当の戦闘力を有していることになるな。二人の魔法少女誕生後は力を失った振りをして二人に戦わせる。

怪物の設定はどうするか。捕食した人間に擬態する能力は確定。話中では人間の振りをして生きるか、それとも自分が怪物だったことを忘れるか。

序盤中盤は忘れてて終盤で思い出すのがいいな。ラスボスになるか、情を覚えて人間として生きようとするか。それを本物の魔法少女の方はどう対処するか。

個人的にはかなり良い設定だと思うが、いかんせん名前がな。「二人はプリキュア」をモジって「二人のうち一人はプリキュア」。

自信作なんだが「プリキュア」なんて名称使えるわけ無いしな。「プ●キュア」とかにするか?

シリーズ物でそれもなぁ…

タイトルはまぁ適当な奴を考えるとしても、作るとなると長丁場になる。

魔法少女二人はボイロ、妖精はずんだもんで良いとして怪物の素材もたくさん必要になるし。

流石に手が出ないね。


③11人もいる!

「11人いる!」のパロディ。

舞台は近未来の宇宙。主人公は宇宙大学の入学試験で、外部と隔絶された宇宙船へと派遣される。

本家では10人いるはずが11人いていざこざが起こるが、この話では1人しかいないはずが11人もいる。

流石に多すぎるだろということで、当初はみんな大学側の手違いだと笑っていたが…

連絡手段がない。

こちらから大学側に事情を伝えることもできないし、大学側から通達もない。試験終了日に迎えが来るまで待つしかない。

運営のミスだと捉え何とかして連絡しよう派と、こういうテストなのではと捉え試験を続行しよう派に分かれ議論は紛糾する。

だが問題はそんなことではなかった。

食糧が足りない。

船内には1人用の食糧しかなく、11人で消費していたら期日まで絶対に持たない。

密室。足りない食糧。見ず知らずの11人。

何が起こるかは言うまでもないね。


これまた秀作。デスゲーム系は一度しっかりやっておきたい。

懸念点は二つ。

まずタイトル。「11人もいる!」という題名のテレビドラマがあった。

内容は全然関係ないしそこまで有名じゃなさそうだから気にしなくて良さそうだけど…

私は被りが気になるタイプなんだ。

次に人数。11人動かすのは至難の業だ。

物語的にも11人全てにキャラ付けして見せ場も作ろうとなると尺が凄いことになる。

動画的にも11人も居たらレイヤー数が凄いことになる。

一度に映す人数を4人くらいに絞るとしても、場面や状況に応じてどの4人を映すかという難題がある。

映像制作について勉強しないとややこしいことになりそう。

オチはどうするかな?全滅でいいか。

最後の1人が息絶えるところでエンド。結局手違いだったのか作為だったのかはわからずじまいって終わり方。

学ぶことも多そうだし挑戦してみたい気持ちもあるけれど、そこまでまとまった時間を用意できない。

とりあえず置いとく。


以上3本。使えそうで使えないネタたち。

日の目を浴びることはあるのか。それともこのブログに沈んでいくのか。

ていうところで今日は終わりましょう。

長文駄文失礼しました。

2022年5月16日月曜日

ゆっくり茶番劇商標登録に関する雑記

問題の経緯

 ・Youtube上で「柚葉」氏より「ゆっくり茶番劇」を商標登録していたこと、以降は「ゆっくり茶番劇」という名称を用いた動画で収益を得る場合、年間10万円の使用料が必要になることを宣言した動画が投稿。

・「夜桜」氏によりTwitter上でこの問題が拡散。ゆっくり茶番劇という名称の使用を取り止めるように各投稿者へ通達。Twitter上でゆっくり系動画投稿者によって拡散が進む。

・私、Twitterにて「夜桜」氏と「ゆうぷろ」氏のツイートを見て事態を把握。Twitter、Youtubeのコミュニティにて情報の拡散に協力。

・異議申し立て期間2ヶ月を過ぎての発表であり、使用料目的での商標登録という見方が主流。「ゆっくり茶番劇」等の名称を使用している投稿者へ10万円を請求する可能性が懸念された。

・特許庁HPより実際に商標登録が行われていることが確認。また、UUUM所属というデマが流れた。実際はUUUM CREASというクリエイター向けのサポートに登録していただけ。なお登録情報が無かったため、嘘か解約済み?

・私、動画を作成し投稿。「ゆっくり茶番劇」投稿者へタイトルやタグから「ゆっくり茶番劇」等の文言を外すように警告。ついでにUUUM所属ではないことも言及。

・Youtube上には先遣隊が複数発足。情報の拡散が行われたが、情報の錯綜も起こった。この時点で早くも「ゆっくり」投稿者やファンを煽る不謹慎な輩も登場。

・「ゆっくり茶番劇」は名称による商標登録。類似物「ゆっくり茶番」「ゆっくり劇場」も恐らく対象。「ゆっくり実況」「ゆっくり解説」はさすがに遠い。内容的に茶番であるかは関係ない。

・周知が進み、議論が進展。使用料目的ではなく、炎上による売名目的あるいは誹謗中傷への慰謝料目当てではないかという意見が出る。

・商標登録の撤回は利害関係者による無効審判によって可能。ただその場合、「ゆっくり茶番劇」という名称が他者の権利物、あるいは一般に広く用いられた語であることの証明が必要。「ゆっくり茶番劇」というタイトルやタグを外したことが裏目になる可能性が。

・商標登録の公表以前に投稿した動画については規約の適応外なのではないか、また、公表以前から「ゆっくり茶番劇」投稿者であったチャンネルには先使用権が認められるのではないかという説も出る。先使用権の証明にはやはり「ゆっくり茶番劇」が一般に用いられていた語である証明が必要。

・いくつかの動画が伸び始める。署名やクラファンも開始。特に署名は後々無効審判を行う際に有用になりそう。私もやっといた。

・柚葉企画、海特許事務所、特許庁へアクセスが集中、誹謗中傷や犯罪予告も行われる。柚葉企画、特許庁のHPが田代砲で落とされる。

・複数の大手チャンネルに問題が波及、ニコニコや東方の代表、原作者のZUNさんも事態を把握。

・私、自身の動画のコメント欄にタイトルやタグを外すのは待つように記す。行動が遅かったか。

・動画の投稿数が急増し、情報の錯綜振りが悪化。ゆっくりの使用自体、またはゆっくり実況や解説まで禁止されたかのように誤認させる動画も見られた。

・「ゆうぷろ」氏も解説動画を投稿。さすがに正確な情報だった。ただ「ゆうぷろ」氏もタイトルやタグから「ゆっくり茶番劇」等を外すことを消極的ながら勧めていた。

・商標登録の名義人の名前や住所、顔写真も晒された。これらは今後規制されると思われる。なお、名義人は柚葉氏とは別人。

・柚葉氏は問題の大規模化を喜んでいた。やはり始めから炎上目的であったと思われる。

・問題のエンタメ化が進む。柚葉氏叩きや有名人の反応をまとめた動画が増加、再生数も伸びる。まあ既定路線と言えば既定路線か。

・次の日、お祭り路線で話が進む。ZUNさんが動くなら安心といった楽観論が見られた。

・海特許事務所より声明が発表。こちらの手続きに問題はなかったが、皆さんの愛する商標を奪ってしまったことを謝罪すると言った内容だった。検索で数万件ヒットしても一般的ではないのか、いやていうか数万件以上あっただろうと事務所の杜撰さを非難する声が多かった。

・柚葉氏より先使用権の容認、次いで商標使用料請求の取り止めが発表される。想定していた引き際だったのか。個人的には炎上目的なら引くには早いように思える。柚葉氏にとっても想定以上の燃え広がりだったのかも。

・私、動画のコメント欄に上記の旨を通達。この頃には再生数も回らなくなっていたがさすがに責務だろう。結局、動画内容は問題の拡散以上の価値を含んでいなかった。

・ニコニコの代表から今週中に発表を行うことが告知。そこから話が進むと思われる。

今後の展望

・無効審判が成功するのか。調べた限りでは方法は三つ。

一つ目、柚葉氏が商標登録の不適格者であったことの証明。金目的あるいは悪意によって商標を登録したこと。これは難しそうな気がする。使用料請求もあくまで自社利益を守るためで通りそうだし、感情の証明はまず無理だ。

二つ目、「ゆっくり茶番劇」が他の人の権利物であったことの証明。これがZUNさんが動いたから大丈夫だと言われる所以だけど…。どうなんだろうね?

「ゆっくり」は東方から派生していったものではあるけれど、必ずしも東方の二次創作ではない。結局あの生首と合成音声が「ゆっくり」って認識されてるわけだし。

これに関しちゃ柚葉氏の言い分にも一理ある。合成音声を用いた創作物に対して「ゆっくり茶番劇」という名称を使う時は許可を取ってねって話だ。東方は関係ない。

ダンマクカグラ氏によって「ゆっくり」が東方の二次創作と認められたって話も聞くけど、あれは「ゆっくり」を用いて東方の二次創作を行うことが正式に認められたってだけのように感じる。東方側から「ゆっくり」は東方の二次創作ですよって宣言が出たわけじゃないんじゃないかな。

ゆっくりが東方の二次創作物、すなわちZUNさんの権利物であることを証明できるか?

正直微妙な気がする。

三つ目、「ゆっくり茶番劇」が一般に用いられていた語であったことの証明。

これが一番期待値大きそうなんだけど、弁理士と特許庁の審査で既に通っちゃってるんだよなぁ。これが通るのが本当に意味わからない所でそもそもの問題。特許庁はこれで何べんも何べんも問題を起こしてる。

広く一般に用いられているの定義がどうなってるのか不明。ネットで検索して他にもいっぱい使ってる奴いたら普通一般的だとみなしそうだけどそうじゃない所が何ともなぁ。

ていうかちゃんと調べてるのかが怪しい。弁理士の方もたかだか一件数千から数万円の案件だろうし数をこなさないと儲けになんないからガンガン通すだろう。特許庁の方はたぶん既に登録された商標と近似してないかくらいしか調べてないんじゃないか。

HP落とされて数万件の署名突き出されたら動きそうだけど、意固地になって拒絶してきそうな気もする。

わからん。専門家じゃないとわかるわけないな。

無効審判が通らない場合、柚葉氏が商標権を保持し続ける。すると商標の使用料は不要になっても、クレジットには柚葉企画の名を入れないといけない。

嫌だろうな。私だったら絶対やらない。

それに商標権を持っている以上、いつでもそれを使って炎上を起こせる。また法外な使用料をふっかけてみたり、商標の類似性で「ゆっくり実況」や「ゆっくり解説」にケンカを売ってみたり。

そう考えるとやっぱり無効審判で商標登録を撤回させて、その上でZUNさん辺りが「ゆっくり」関連の商標を取得するのが一番丸い解決かな。

とにかく私にはもうできることは無さそう。署名を求められたら拡散するくらいかな。

・動画的な話

先遣隊として速報動画を投稿した。

今の私はボイスロイド系動画投稿者でありながら、ボイスボックス市場の拡大に合わせて成長し、最近ゆっくり業者問題に手を出してゆっくり界隈にも指先突っ込んでる。

こういう微妙な立ち位置のチャンネルこそ情報の拡散には適していると思った。

速報動画最大の利点は、Youtube上にスレ立てできることだ。コメント欄に視聴者、投稿者共に情報を追加していくことでアップデートしていける。

大手にはできないことだ。大手が何か言ったら必ず過激派が湧く。誰だよお前みたいな奴が言うから視聴者も一歩引いて情報を精査できる。

動画内容には細心を払った。情報は時間の許す限り収集、吟味したし、中傷と取られるような文言は排した。それでギリギリ先遣隊くらいの速度だった。

精密性と迅速性は両立しない。結果的に「ゆっくり茶番劇」等の名称を外すように警告したことはあまり意味がない、あるいは裏目に出ることだったかもしれない。だが問題の拡散という意味合いでは十分役目を果たしたと思っている。

よその動きとしてはノータッチ、あるいはTwitterで触れるだけが多数。一部は少し時間をおいて解説動画をつくったり、軽くネタにしたりと言ったところか。

再生数は12000、高評価数は540で終わり。数字自体は取れたけど、これでファンは獲得できないしね。

同日にゆっくり業者問題についての動画も伸びて再生数36000、高評価数1400まで行った。速報動画やこの問題自体が再生数を押し上げたかは謎。登録者も伸びたけどどっちが効いたのかは謎。

あんまりやりたい仕事ではないなってのが感想。一日中パソコンに張り付いてなくちゃいけなかった。

動画を出さなくても同じように調べ続けたと思うけど、一定の責任とリスクがあるってのは気が張るものだった。誹謗中傷で訴える気満々の相手だから特に。

次何か問題が起こったときはウチは大手だから静観するかなと言えるくらい成長していようと思う。

続報動画や解説動画も作ろうかと思ったけど、これだけ飽和した状態で何言っても埋もれるだけだろうなって気がする。無効審判がどうなるかについて触れるチャンネルが少ないのは気がかりだけどいずれ増えるでしょう。

商標登録を題材にした劇場でも考えるのがベターですかね。

言葉を商標登録し続けて会話もままならなくなる話。色々なものが商標登録され過ぎて非常時に必要なものまで使えない話。知らない間に自分の名前が商標登録されてる話。

最後のはまあまあ良いかな。

しばらく静観しましょうってことで、今日の所はおしまいです。

長文駄文失礼しました。


2022年5月12日木曜日

焦燥

前回のブログではまあまあ怒られた。というより窘められたので、少し日を置いてもう一度振り返ってみます。

言い方が悪し様すぎるというのはごもっともで、文で金を稼ごうとしてる人間が使う言葉ではありませんでした。

まだ見ているかはわかりませんが一応謝っておきます。すいませんでした。

私自身あれほど中傷を受けたのは初めてのことで、かなり冷静さを欠いていました。

ですがまあ内容に関しては譲る気はありません。選民思想についても否定はしません。

チャンネル運営について真剣に考えるなら、視聴者は必ずどこかのタイミングでふるいにかけなければなりません。そのとき測りとなるのはチャンネルへの好感度ではなく、動画内容の理解度、最低限理性的であるかです。

特定の単語や論調に反応して話の流れを見失ったり、話がわからないまま自分の結論を信じ込んだりする人たちはチャンネル運営においては危険因子です。私のように捻った言い方、あるいはひねくれた言い方を強みとするチャンネルにとっては特に。

ファンはチャンネルを応援してくれるし、アンチも時に有用な批判を行います。ですがそれはこちらの主張を理解した上での反応である場合です。

話が通じないまま生じた感情は正負に関わらず危険です。真実を伝える者として信奉されても、陰謀論者として非難されても、こちらとしてはただただリスクです。

本来であれば動画を作成する段階で、サムネやタイトルによってある程度視聴者を選別するべきでした。実際これまでそうしていました。

ですが今回メッセージ性を重視し過ぎた結果、不安や反感を持たれるような動画になってしまったことが反省点だと考えております。

動画を作成する段階でもっと色々な事に気を配るべきでした。功を焦ってるのかもしれません。

いや、焦ってますね。正直かなり焦ってます。

この1、2ヶ月でかなりの数のチャンネルに登録者数や再生数で水をあけられています。大してこちらの伸び率は良く言えば堅実、悪く言えばパッとしません。

今の登録者数は2600人、上位層は1~3万人、中堅層は1000~9000人と言った所です。恐らくこの業界は今後更に拡大します。

まだ発展途上の市場の中核に陣取れているのはかなりのチャンスですが、逆に言えばここで転落したら浮上は困難を極めます。

既に成熟したゆっくり市場に目を向ければわかりますが、上位層10~50万人、中堅層1~9万人でもう動画が飽和してしまっています。登録者数1万人未満のチャンネルの動画が人目に触れるかはほぼ運です。

私もそうですが多くの視聴者は皆が見ている動画を好んで視聴します。そういう動画は当然面白いですし、逆にそうではない動画には多くの地雷が存在します。上位・中堅の動画で視聴者が満足してしまえば、下位の動画はそもそも見られません。

その時指標になるのが再生数、登録者数です。ゆっくりで言えば、どちらも1万以上が足切りラインだと考えています。このラインを超えられなければ勝負の土俵に立てません。

今のボイスロイド界隈。ボイスロイド界隈という呼び方はもう適切ではありませんね。ボイスボックス界隈です。もうYoutubeにおいてはボイスロイド界隈はボイスボックス界隈の一部です。

この界隈の今の足切りラインは1000再生だと思います。登録者数はあまり関係ありません。インプレッション数の増加で急拡大した業界ですので、画面に表示された段階でクリックされるかが勝負です。

ですが今後市場が成長していけば、チャンネル登録者数で足切りが行われる段階が必ず訪れます。それはたぶん1万人規模のチャンネルが10万人規模へ、1000人規模のチャンネルが1万人規模へ成長した時です。その時私のチャンネルも1万人規模へ成長しておく必要があります。

成長の速度が速いです。間違いなく私のチャンネルの成長速度より遥かに。

何か手を打たなければなりません。一気に登録者を獲得するような有効打を。

そんなもの思いつくわけがありません。

解説、実況に手を出そうとしたのは、とりあえず頭数を揃えないといけないと思ったからです。劇場しか見ない層、解説しか見ない層、実況しか見ない層で視聴者が分断されて再生数が不安定になったとしても、登録者数の足切りラインを超えるのが最優先だと思いました。

そうであれば多少誤解を受けたり中傷を受けたりしながらでも、他の人が触れないようなテーマに他の人が真似できないようなやり方で切り込んでいくべきです。

そうなのですが…

私は生来臆病な性格です。急拡大しなければならないという危機感もありますが、急拡大することへの危機感もあります。

解説・考察系の動画はまあまあ荒れています。低評価も劇場をやってた時より多いですし、一線を超えて非表示にしたコメントも存在します。

ここでリスクを背負えない人間が成功できるかという想いもありますが、動画の出来としてどうか以上のことをもっと想定してから行動すべきだったのでないかという後悔が大きいです。

ゆっくり業者問題について語ったことに問題意識からの提言以上の意図はありません。ですが数字を取ろうと思ったときに、私自身冷静でいられないような問題に取り組むべきではなかったと思います。

じゃあどんなことをやればいいのかと言ったら、わかりませんけどね。

視聴者の選定なんか後回しにして再生数が取れそうな動画をつくるか。再生数が取れたからと言ってそれが登録者数に結びつくのか。数字を意識するあまり動画に悪意が入ってないか。その悪意が伝わって視聴者がむしろ離れていくのではないか。

それらの問いに対して何も答えを用意できません。

誰に聞いたって答えがわからないようなこと全部自分で考えて行動していかなければなりません。

それがこんなに苦しいことだってことを初めて知りました。

自分の人生を生きるのってこんなに苦しいことだったんですね。

一度ゆっくり考える時間を取りたいところですが、動画投稿に空白を入れていいような時期でもありませんね。

長文駄文失礼しました。

2022年5月5日木曜日

内容より言い方が気になるか?

あれから「ゆっくり解説業者問題」について解説と考察を投稿。

以下その振り返り。

まず数字の話をする。

解説は非常に伸びが良く、高評価数も多かった。この問題を再燃させるほどの力はないが、チャンネルとしては好手であったと言える。会話形式の解説にしたことへの不満も見えなかった。

考察はアナリティクスが喜んでた。再生数自体の伸びは大したことないが、インプレッションのクリック率が普段の視聴者層、非視聴者層ともに高かったらしく、インプレッション数増やしておきますねって言ってた。こいつこんな相棒みたいな雰囲気でアドバイスしてくるのかって思った。

数字的には好感触。いずれこの問題が再び注目を集めた時への布石に成り得るか。でもこの問題が再燃した時ってたぶん火が燃え広がった時だから、置きボムになる可能性もある。

次に視聴者の話。

解説はまあ概ね良しといったところ。いまいち問題の本質がわかっていない人も散見されたが、高評価数的にたぶん大半はわかっていると思う。というかこの形式の解説ですら内容が伝わらないなら打つ手がない。

あとスパムが増えた。解説とタイトルに入れるだけで湧くというのが発見。全財産くれる人がこんなにいるのは笑う。

考察が問題だった。明らかに動画内容を理解できていない人が長文コメを打ってきたし、普段の視聴者にも「陰謀論かよ…(引)」みたいなコメが見られた。正直視聴者のことを買い被っていたかもしれない。

動画の内容としては「Youtube側からはこういうリスクが考えられるよ」って話であり、それを陰謀論めかして視聴者の不安をあおるようなスタイルにした真意は、「Youtube側からはこういうリスクが考えられ、それを理由にゆっくり解説を規制しようとしてるかもしれないのに、ただゆっくり解説を規制しないでって運営に伝えても意味がないんじゃないか」って問題提起だ。

わざわざ劇場チックに仕立てた真意まで伝わらない可能性は考えたが、そもそも動画内容すら伝わらないのは完全に想定外だった。

私からはどう考えてもYoutube側から見たリスクの話をして、そのリスクが大きすぎるから規制に踏み切ったんだろうって内容にしか見えないが、ゆっくり解説業者がテロ組織なわけがない、テロ組織を規制したいならゆっくり解説だけを規制するわけがないみたいな主張が見られた。

いや私だってYoutubeだってさすがに無いだろうとは思ってるよ。本気で考えてたらこんな悠長にしてるわけないじゃん。でも万一のことを考えたら対策せざるを得ないよねって話だろ。

真意まできちんと伝わっている人も居たから動画自体には問題が無かったんだと思うけど、ぶっちゃけこのレベルの理解力もない人たちをどうすればいいのかわからない。これは業者もゆっくり解説なんてネットの面白情報紹介で十分かって思うわ。

しかしそれはまあ一部の話。コメントの方が投稿者にとってインパクトが大きいから目に付くだけで、多くの視聴者はちゃんとわかってると信じてる。再生数1500で高評価数130くらいついてるしね。

ただやっぱりYoutubeチャンネルの主な支持者って、動画が投稿されたらとりあえず見に来て、たまに高評価押して帰ってく無口な視聴者だし、彼らの反応がわからないのは難しいところだなって思った。

まあ愚痴はこんなところで、まとめると数字を取る手応えは感じた。けど、本当に引き込みたかったゆっくり解説を守りたいって思ってる視聴者がどれほどいるのかって不安も感じる。

赤文字黒背景サムネで業者を叩けばもう少し数字が取れそうだけど、視聴者の下限を引き下げるだけになりそうな恐れもある。いったんこの問題はクールタイムを置く予定。


おまけに一つ気になったトピックを添えておく。

Youtubeが企業や視聴者のクレームを気にしてゆっくり解説を規制した可能性。

何というか、一般感覚的にあり得なくないかって思った。

企業がクレームを入れた場合だけど、いや具体的にどこの企業がどういう経緯でグーグルに意見できるんだって思う。ゆっくり解説で一時期企業叩きが流行ったけど、それで叩かれたのってセブンイレブン、いきなりステーキ、令和納豆とかじゃん。そりゃ日本の視聴者層に訴えかけるんなら日本の庶民向けの企業を叩くわな。

それで彼らにグーグルを動かす程の力があるかってなったら、もちろんある訳ないわけで。ていうかそもそもゆっくり解説で叩かれたくらいで、じゃあやめるかってなる視聴者がどれほど居るか、そんな少数の消費者のためにクレーム入れる企業がどれほど居るかって話になる。

そもそもグーグル側と広告を出す企業だったら、企業の方が立場が弱いじゃん。グーグルに広告出すのやめて代わりにどこに出すんだってことだよ。ていうかアメリカ資本の企業じゃない時点で発言権もないだろ。

まあ他にも企業叩きは顔出しYoutuber勢でも行われていることだし、そもそもYoutubeで叩かれたくらいで企業本体までダメージ行くことがまずないから、クレームがまともに取り扱われるか以前にクレームがあるのかって疑問がある。

次に視聴者がクレームを入れた場合。

これはまあ母数を考えればあり得ないだろって思う。低評価とか通報とかのこと言ってるんだと思うけど、そんなのYoutube全体でとんでもない量あるわけで、それこそ運営が処理しきれるわけがない。

規制された前例、白文字黒背景サムネのスクロール動画。これはさすがに相当数行っただろうし、満場一致でクソ動画だから規制されるのは当然。ゆっくり解説はこれの巻き添えを食っただけって認識を忘れてる人が居る。そうじゃなきゃ再審査は通らない。

何より業者のゆっくり解説が優良コンテンツであるという事実を受け入れてほしい。サムネで釣って不満だけ残してたクソ動画とは違う。投稿数、投稿頻度、再生数、高評価数、登録者数、全て高水準のチャンネルだ。

業者に嫌悪感を持ってるのは古株連中だけだし、その中で低評価や通報などの行動を起こしてる人は更に少ない。そんな少数の意見でグーグルがわざわざ規制に乗り出すわけがない。

論理的に考えたら可能性低いよねって話。

だけど本当に気になったのはそこじゃなくて、グーグルがテロ対策のために不透明な資金の流れを断ったのと、グーグルが企業や視聴者の苦情を受けて広告を外したの。

この二つを比べた時に後者の方が現実的だと考える人が居るんだってことが気になった。

私が持っている一般感覚だと前者の方が妥当だとみなされるんだけど、他の人にとってはそうじゃないのかって思った。

さて一般感覚を欠いた一般人はどっちでしょうね。

てのを後々の話のタネに残して終わりましょう。

長文駄文失礼しました。




対岸の火事

サイレンの音で目を覚ました。

眠い目を擦り、窓の外を見る。

明るい。

目が冴えてしまった私は、外へと様子を見に行くことにした。

川を挟んだ向こう岸で何かが燃えている。

河原には見物人がまばらに見えた。みな考えることは同じなようだ。

対岸の火事を眺める者たちの表情はどこか愉しげだ。きっと私も同じ顔をしていることだろう。

私は何が燃えているのか確かめようと歩を進めていく。

どうやら車が道から落ちて、そのまま炎上しているようだ。

大きなトラック。タンクローリーとか言っただろうか。

向こう岸で誰かが大きく手を振っている。何か叫んでいるように見えるが、聞こえない。

そいつは他の連中に引っ張られて火元から離れて行った。

何を伝えたかったんだろう。

私がまた一歩足を踏み出した時、爆炎が吹き上がるのが見えた。

私が最後に見たのはこちらに飛んでくる銀色の破片だった。


【解説】

積み荷のガスに引火して爆発。飛散した破片によって命を落とした。

対岸の火事を見物するつもりだったが、川を挟んだこちら側はけして安全圏ではなかったというオチ。

【ボツ理由】

対岸の火事を文字通りの意味で使いつつ、他人事に見えても実は自分にも被害が及ぶような出来事かもしれないよっていう警告。

まあ悪くないけど意外性に乏しいかなって印象。あとタンクローリーの素材があるかわからないし、あったところで視聴者に伝わるか謎。

積極的に使いたいネタではないかなってことでボツ。

2022年5月1日日曜日

解説と考察と感想の境界

先日初めて解説動画を作ってみました。

新たな知見を得て、芸風を広げる目的でしたが…

正直なんか違うなコレってのが感想でした。

テーマは「ネットにはびこる嫌儲思想」について。ネット上で散見される金儲けに対するヘイトについて解説するつもりでした。

私としてはやはりウェブ上の情報をまとめて紹介するだけでなく、自分の知る限りどのような事例があったかを述べ、それに対する考察を論じていこうとしました。

結果として考察動画ないし、感想動画のような出来になってしまいました。

けしてそれが悪いというわけではないと思いますが、解説を期待してきた視聴者に対して満足のいくものであったかと言うと自信がありません。

じゃあ解説に終始すれば良かったのかという話になりますが、嫌儲思想というのはネット用語であり、厳密な定義があるわけではありません。そうしたものに対して嫌儲思想とはつまりこういうことなんだと決めつけて講釈を垂れるのも抵抗がありました。

嫌儲思想が何かと言えば金儲けが嫌いということです。ではなぜ金儲けが嫌いなのかと言えば単に人が儲けるのが気に入らないというものから、金儲けが絡むことによる業界への悪影響を懸念するというものまであります。ではなぜ金儲けによる業界への悪影響を懸念するのかと言えば、既得権益や今後の自分たちの利益を守りたいというものから、自分たちの大事な遊び場を壊されたくないというものまであります。

そうしたことまで考えを進めていくうちに、考察にしては根拠に乏しい、感想のようなものまで長々と語っていました。

私の尊敬するゆっくり解説の方々は、時折ゆっくり考察やゆっくり駄弁といったくくりで動画を上げます。以前はあまり意識していませんでしたが自分で作ってみて、実際の物事についての解説、事実に基づいた考察、投稿者の個人的な意見ないし感想といった要素の比率によって適切な分類を行っていたことがわかりました。

解説動画としてのテーマ選択を誤った。私はそう結論づけました。

解説動画をつくりたいならば明確な答えを用意できるテーマにすべきでした。こうしたテーマを扱い、自分の考えを語りたいならばもっと別の形式をとるべきでした。

私は創作者です。自在に扱えるキャラが複数います。彼女たちが議論を行うという形、あるいはもっと物語形式で言い合いをするという形をとるべきでした。

あの動画にボイスロイド解説というタグをつけておくのはいささか心苦しいものがありますが、外さないことにします。当時の私はこれを解説のつもりで作ったということを残しておくためです。

次の動画は個人的にずっと気になっているテーマ「ゆっくりの今後」について扱う予定です。今度こそ解説動画だと胸を張れるものにするつもりです。ですが多少は考察や根拠に乏しい推測も述べます。不明瞭な部分も多く残っているテーマですから。

いつまでも反省ばかりしていてもしょうがありません。動画投稿はトライアンドエラーの繰り返しですから。

長文駄文失礼しました。


筆始め

いつも帰省中は色々ブログを書き進めてましたが今年は何にも書いてません。なので筆始めです。 昔のカードを引っ張り出して遊んでました。あと普通にダラダラしてた。 そのまま休み気分を引きずってモチベが上がりませんでしたが一応動画を一本作れました。日常系小ネタ集ていう5分くらいの軽いギャ...