問題の経緯
・Youtube上で「柚葉」氏より「ゆっくり茶番劇」を商標登録していたこと、以降は「ゆっくり茶番劇」という名称を用いた動画で収益を得る場合、年間10万円の使用料が必要になることを宣言した動画が投稿。
・「夜桜」氏によりTwitter上でこの問題が拡散。ゆっくり茶番劇という名称の使用を取り止めるように各投稿者へ通達。Twitter上でゆっくり系動画投稿者によって拡散が進む。
・私、Twitterにて「夜桜」氏と「ゆうぷろ」氏のツイートを見て事態を把握。Twitter、Youtubeのコミュニティにて情報の拡散に協力。
・異議申し立て期間2ヶ月を過ぎての発表であり、使用料目的での商標登録という見方が主流。「ゆっくり茶番劇」等の名称を使用している投稿者へ10万円を請求する可能性が懸念された。
・特許庁HPより実際に商標登録が行われていることが確認。また、UUUM所属というデマが流れた。実際はUUUM CREASというクリエイター向けのサポートに登録していただけ。なお登録情報が無かったため、嘘か解約済み?
・私、動画を作成し投稿。「ゆっくり茶番劇」投稿者へタイトルやタグから「ゆっくり茶番劇」等の文言を外すように警告。ついでにUUUM所属ではないことも言及。
・Youtube上には先遣隊が複数発足。情報の拡散が行われたが、情報の錯綜も起こった。この時点で早くも「ゆっくり」投稿者やファンを煽る不謹慎な輩も登場。
・「ゆっくり茶番劇」は名称による商標登録。類似物「ゆっくり茶番」「ゆっくり劇場」も恐らく対象。「ゆっくり実況」「ゆっくり解説」はさすがに遠い。内容的に茶番であるかは関係ない。
・周知が進み、議論が進展。使用料目的ではなく、炎上による売名目的あるいは誹謗中傷への慰謝料目当てではないかという意見が出る。
・商標登録の撤回は利害関係者による無効審判によって可能。ただその場合、「ゆっくり茶番劇」という名称が他者の権利物、あるいは一般に広く用いられた語であることの証明が必要。「ゆっくり茶番劇」というタイトルやタグを外したことが裏目になる可能性が。
・商標登録の公表以前に投稿した動画については規約の適応外なのではないか、また、公表以前から「ゆっくり茶番劇」投稿者であったチャンネルには先使用権が認められるのではないかという説も出る。先使用権の証明にはやはり「ゆっくり茶番劇」が一般に用いられていた語である証明が必要。
・いくつかの動画が伸び始める。署名やクラファンも開始。特に署名は後々無効審判を行う際に有用になりそう。私もやっといた。
・柚葉企画、海特許事務所、特許庁へアクセスが集中、誹謗中傷や犯罪予告も行われる。柚葉企画、特許庁のHPが田代砲で落とされる。
・複数の大手チャンネルに問題が波及、ニコニコや東方の代表、原作者のZUNさんも事態を把握。
・私、自身の動画のコメント欄にタイトルやタグを外すのは待つように記す。行動が遅かったか。
・動画の投稿数が急増し、情報の錯綜振りが悪化。ゆっくりの使用自体、またはゆっくり実況や解説まで禁止されたかのように誤認させる動画も見られた。
・「ゆうぷろ」氏も解説動画を投稿。さすがに正確な情報だった。ただ「ゆうぷろ」氏もタイトルやタグから「ゆっくり茶番劇」等を外すことを消極的ながら勧めていた。
・商標登録の名義人の名前や住所、顔写真も晒された。これらは今後規制されると思われる。なお、名義人は柚葉氏とは別人。
・柚葉氏は問題の大規模化を喜んでいた。やはり始めから炎上目的であったと思われる。
・問題のエンタメ化が進む。柚葉氏叩きや有名人の反応をまとめた動画が増加、再生数も伸びる。まあ既定路線と言えば既定路線か。
・次の日、お祭り路線で話が進む。ZUNさんが動くなら安心といった楽観論が見られた。
・海特許事務所より声明が発表。こちらの手続きに問題はなかったが、皆さんの愛する商標を奪ってしまったことを謝罪すると言った内容だった。検索で数万件ヒットしても一般的ではないのか、いやていうか数万件以上あっただろうと事務所の杜撰さを非難する声が多かった。
・柚葉氏より先使用権の容認、次いで商標使用料請求の取り止めが発表される。想定していた引き際だったのか。個人的には炎上目的なら引くには早いように思える。柚葉氏にとっても想定以上の燃え広がりだったのかも。
・私、動画のコメント欄に上記の旨を通達。この頃には再生数も回らなくなっていたがさすがに責務だろう。結局、動画内容は問題の拡散以上の価値を含んでいなかった。
・ニコニコの代表から今週中に発表を行うことが告知。そこから話が進むと思われる。
今後の展望
・無効審判が成功するのか。調べた限りでは方法は三つ。
一つ目、柚葉氏が商標登録の不適格者であったことの証明。金目的あるいは悪意によって商標を登録したこと。これは難しそうな気がする。使用料請求もあくまで自社利益を守るためで通りそうだし、感情の証明はまず無理だ。
二つ目、「ゆっくり茶番劇」が他の人の権利物であったことの証明。これがZUNさんが動いたから大丈夫だと言われる所以だけど…。どうなんだろうね?
「ゆっくり」は東方から派生していったものではあるけれど、必ずしも東方の二次創作ではない。結局あの生首と合成音声が「ゆっくり」って認識されてるわけだし。
これに関しちゃ柚葉氏の言い分にも一理ある。合成音声を用いた創作物に対して「ゆっくり茶番劇」という名称を使う時は許可を取ってねって話だ。東方は関係ない。
ダンマクカグラ氏によって「ゆっくり」が東方の二次創作と認められたって話も聞くけど、あれは「ゆっくり」を用いて東方の二次創作を行うことが正式に認められたってだけのように感じる。東方側から「ゆっくり」は東方の二次創作ですよって宣言が出たわけじゃないんじゃないかな。
ゆっくりが東方の二次創作物、すなわちZUNさんの権利物であることを証明できるか?
正直微妙な気がする。
三つ目、「ゆっくり茶番劇」が一般に用いられていた語であったことの証明。
これが一番期待値大きそうなんだけど、弁理士と特許庁の審査で既に通っちゃってるんだよなぁ。これが通るのが本当に意味わからない所でそもそもの問題。特許庁はこれで何べんも何べんも問題を起こしてる。
広く一般に用いられているの定義がどうなってるのか不明。ネットで検索して他にもいっぱい使ってる奴いたら普通一般的だとみなしそうだけどそうじゃない所が何ともなぁ。
ていうかちゃんと調べてるのかが怪しい。弁理士の方もたかだか一件数千から数万円の案件だろうし数をこなさないと儲けになんないからガンガン通すだろう。特許庁の方はたぶん既に登録された商標と近似してないかくらいしか調べてないんじゃないか。
HP落とされて数万件の署名突き出されたら動きそうだけど、意固地になって拒絶してきそうな気もする。
わからん。専門家じゃないとわかるわけないな。
無効審判が通らない場合、柚葉氏が商標権を保持し続ける。すると商標の使用料は不要になっても、クレジットには柚葉企画の名を入れないといけない。
嫌だろうな。私だったら絶対やらない。
それに商標権を持っている以上、いつでもそれを使って炎上を起こせる。また法外な使用料をふっかけてみたり、商標の類似性で「ゆっくり実況」や「ゆっくり解説」にケンカを売ってみたり。
そう考えるとやっぱり無効審判で商標登録を撤回させて、その上でZUNさん辺りが「ゆっくり」関連の商標を取得するのが一番丸い解決かな。
とにかく私にはもうできることは無さそう。署名を求められたら拡散するくらいかな。
・動画的な話
先遣隊として速報動画を投稿した。
今の私はボイスロイド系動画投稿者でありながら、ボイスボックス市場の拡大に合わせて成長し、最近ゆっくり業者問題に手を出してゆっくり界隈にも指先突っ込んでる。
こういう微妙な立ち位置のチャンネルこそ情報の拡散には適していると思った。
速報動画最大の利点は、Youtube上にスレ立てできることだ。コメント欄に視聴者、投稿者共に情報を追加していくことでアップデートしていける。
大手にはできないことだ。大手が何か言ったら必ず過激派が湧く。誰だよお前みたいな奴が言うから視聴者も一歩引いて情報を精査できる。
動画内容には細心を払った。情報は時間の許す限り収集、吟味したし、中傷と取られるような文言は排した。それでギリギリ先遣隊くらいの速度だった。
精密性と迅速性は両立しない。結果的に「ゆっくり茶番劇」等の名称を外すように警告したことはあまり意味がない、あるいは裏目に出ることだったかもしれない。だが問題の拡散という意味合いでは十分役目を果たしたと思っている。
よその動きとしてはノータッチ、あるいはTwitterで触れるだけが多数。一部は少し時間をおいて解説動画をつくったり、軽くネタにしたりと言ったところか。
再生数は12000、高評価数は540で終わり。数字自体は取れたけど、これでファンは獲得できないしね。
同日にゆっくり業者問題についての動画も伸びて再生数36000、高評価数1400まで行った。速報動画やこの問題自体が再生数を押し上げたかは謎。登録者も伸びたけどどっちが効いたのかは謎。
あんまりやりたい仕事ではないなってのが感想。一日中パソコンに張り付いてなくちゃいけなかった。
動画を出さなくても同じように調べ続けたと思うけど、一定の責任とリスクがあるってのは気が張るものだった。誹謗中傷で訴える気満々の相手だから特に。
次何か問題が起こったときはウチは大手だから静観するかなと言えるくらい成長していようと思う。
続報動画や解説動画も作ろうかと思ったけど、これだけ飽和した状態で何言っても埋もれるだけだろうなって気がする。無効審判がどうなるかについて触れるチャンネルが少ないのは気がかりだけどいずれ増えるでしょう。
商標登録を題材にした劇場でも考えるのがベターですかね。
言葉を商標登録し続けて会話もままならなくなる話。色々なものが商標登録され過ぎて非常時に必要なものまで使えない話。知らない間に自分の名前が商標登録されてる話。
最後のはまあまあ良いかな。
しばらく静観しましょうってことで、今日の所はおしまいです。
長文駄文失礼しました。