2024年3月11日月曜日

採用されるかわからない裏設定2

大江戸ちゃんこ

相手を支配する能力。ランクはB。

能力者による秘密結社『大都会』の総帥。年齢は未定だがずん子達よりは年下。

予め念を込めた塩をぶつけることで対象を洗脳、支配できる。

強力な能力者だがちゃんこ本人の戦闘能力は乏しいため、力士を模したロボットに乗り込んで戦う。

力士ロボは彼女の自作であり、能力の反射など高い技術力を持っている。

『大都会』を設立した経緯、組織上層部との因縁などはまだ考えていない。たぶん明らかにされる機会も無い。

「能力者が優遇される社会」を理想とするが、その実態は超能力の存在が明らかにされ人々のために超能力が活かされる社会である。

露悪的な言動や態度を好むが部下からは見透かされ慕われている。

普段は旅館の若女将として働いている。児童労働とかは気にしてはいけない。


中部つるぎ

刀剣を操る能力。ランクはA。

ちゃんこの腹心。『大都会』の最大戦力。

妖刀を作り出し、ファンネルのように操れる。ビルを細切れにできるくらいの出力がある。

元々組織のエージェントだったが自身の力に驕った結果、初任務で民間人に怪我を負わせる。

その事実を知った剣術家の父から初めて殴られる。父は能力者ではなく、つるぎの能力を以てすれば殺すことなど造作もなかった。

それでもつるぎの父は一切物怖じすることなく、娘に力ある者の責任を説いた。

つるぎは己の不徳を恥じ、怪我をさせてしまった者たちへの謝罪に向かった。しかし彼らは記憶を消されており、何が起こったか覚えていなかった。

組織のやり方に疑問を抱きながら家に帰り、父にそのことを報告する。

父は何のことだかわからないといった顔をした。父も記憶を消されていた。

数少ないランクAのエージェント。その初任務での失敗を無かったことにしたのは組織からの気遣いだった。

その後つるぎは組織と決別、ちゃんこに感銘を受け『大都会』に入る。

「強さ」に重きを置き強者との戦いを望むが「強さ」以外の価値基準を持たないわけではない。能力に関しても単なる特技や長所の1つ程度としか捉えていない。

普段は旅館の庭師として働いている。仲居として働く同僚たちを尊敬している。


関西しのび

分身を作り出す能力。ランクはB。

ちゃんこの腹心。『大都会』ではつるぎとツートップ。

実体を持った分身を作り出せる。しのび自身が能力とは関係なく戦闘力が高いので数が増えるだけで脅威。

忍びの里出身で忍術もとい暗殺術を使いこなす。ずん子ほどではないが高い身体能力を持った特異体質者。

野良の能力者として認定を受けるもエージェントからの接触は煙に巻いていた。

一匹狼を気取っていたがちゃんこのことを気に入り『大都会』に加わる。

同じ理想を持った仲間というよりは純粋な友達として手を貸している。

普段は旅館の仲居として働いている。分身能力は客室を掃除する時とかめっちゃ便利。


北海道めろん

相手を魅了する能力。推定ランクはC。

『大都会』のメンバー。未登録の能力者でそんなに強くない。

魅了の能力は常時発動しており周囲の人間を欲望に正直にさせる。

自分に惚れさせて言うことを聞かせることもできるが本人が望んでいないことはやらせられない。

能力者には効き目が薄く能力者じゃなくても意志の強い相手には効かない。

ほとんど戦力外だがバトルではない対人トラブルを収める時は活躍する。

普段は旅館の仲居として働いている。客の財布の紐が緩くなって便利。


沖縄あわも

酔うと喧嘩が強くなる能力。推定ランクはC。

『大都会』のメンバー。未登録の能力者でそんなに強くない。

砂糖水で酔っ払い、酔拳で戦うことができる。

この背格好の少女にしちゃ強いが超能力者か?ってなるくらいの強さ。

余談だがこれまでの人たちが上澄みなだけで大半の超能力者はランクCのあんまり役に立たない能力の持ち主である。

本当の能力は相手を正気に戻す能力。

予め念を込めた砂糖をぶつけることで相手を正気に戻せる。

ちゃんこと対を成す能力だが出番があるかは不明。

普段は旅館の仲居として働いている。たまに魚を獲って来てくれる。


夜語トバリ

触れたものの記憶を操る能力。ランクはB。

古株のエージェント。少なくとも10年以上前から活動している。

元は物体の記憶を読み取るサイコメトリーの能力だったが、人の記憶を操作することに特化していった結果残留思念を読み取ることは難しくなっている。

組織の設立メンバーとも面識があり、色々と運営の覚束ない組織の尻拭いをする苦労人でもある。

上述の一件でつるぎからは嫌われており、一時期一緒に暮らしていためたんからも性格的な面から信用されていない。

本人の戦闘能力は皆無なため貸し出された式神や捕まえた妖魔を使役して戦う。

記憶を消去した場合はその時のことを思い出せなくなる。時間が経つと本人にとって最も妥当な内容に補完される。

記憶を改竄された場合は本人には自覚できない。他の記憶と矛盾する場合は改竄された部分以外が都合のいいように改変されて補完される。

どちらの場合も精神を不安定にさせる副作用がある。

国家転覆可能なレベルの能力だと思われるがランクはめたんやうさぎと同じBである。これはまだ人の記憶を覗ける能力だった頃から更新されていないためである。

記憶を全消去して廃人にする即死攻撃持ちだと思われているが実際は触れてから数秒はかかるのでブラフの側面が大きい。


組織の幹部

組織の設立メンバー。4人か5人を想定している。

①リーダー。純粋な戦闘系の能力者を想定している。

ずん子と互角に撃ち合えるレベルだと良さそう。

パクリだがエネルギーをチャージする能力。

②副リーダー。陰陽系の術師。

式神による補助や監視を行う。

この人物の家系が後ろ盾となり組織設立の一助となった。

③予知能力者。一番厄介な存在。

予知対象を絞るほど精度と頻度が上がり、リーダーのみを対象とした場合は完全予知を行える。

現在は日本全域を対象としてランダムに能力者や妖魔の出現情報を予知している。

④メカニック。あるいはサイエンティスト。

無人攻撃機や能力者を目覚めさせる薬の開発に携わる。「天恵」のハイドの製作者。

近年はアンドロイドの研究に熱心であまり組織には関わらない。

➄暗黒大将軍。入るか不明。


強力な能力者が複数人集まったらそれだけで天下が取れてしまうという社会問題のモデルケース。

十分な計画と準備を怠ったまま日本を牛耳ったことで国内外に無用な軋轢を多く生み出した。

日本を陰から支配する予定だったが人手が足りず政財界からは締め出され、超能力者や妖魔関連の調査と研究を担当する部門に成り下がる。

潤沢な資金を流し込まれながらも組織運営は上手くいかず、ちゃんこ、つるぎ、ずん子、めたんと有望な若者から次々と見放される。

原因としては秘密主義で縁故主義な上にプライドが高くデリカシーに欠けるという所である。

本当は超能力の研究がしたいトバリがエージェントに回され、未だに現場作業を行ってるあたりにヤバさが表れている。

能力者のピークは10代から20代であり、幹部陣は既に老化が始まっている。

戦力を拡充し、今度こそ海外進出をという動きはリーダーに花を持たせてやろうという意味合いが大きい。

悪の組織ってほどではないが糞みたいな組織。


黒朱乃宮・セプテントリオーネス・ラ・クロワ

直線を高速で移動する能力。ランクはB。

新米のエージェント。めたんの後輩。

黒朱乃宮・ティンティナーブルム・リリンとの関係は不明。

目標地点を目視で決めそこまで高速移動することができる。めたん同様火力不足を補うため魔装が供与されている。

エージェントに選ばれるだけあって結構強いが調査官としての仕事ぶりは芳しくないらしく、トバリの悩みの種となっている。

実は…


†聖騎士紅桜†

鎧と剣を操る能力。ランクはB。

新米のエージェント。めたんの後輩。

鎧と剣を生成し騎士のような恰好をしている。

かなりの耐久力と攻撃力を誇り、めたんからは自身と互角にやり合えると期待される。

クロワと比べて思考力や判断力も高く、戦力としての信頼は大きい。

欠点としては絶対に鎧を脱がないので移動が困難であり、エージェントとしての働きも絶望的である。

実は中身はまだ中学2年生の少年。



2024年3月10日日曜日

深海で揺れる炎

第n+1話「深海で揺れる炎」

めたん、つるぎの二人は組織の上層部と接触するため東京に来ていた。

かつて組織の一員だった二人だが、幹部と会ったことは一度もなかった。

旧知のエージェント、夜語トバリと連絡を取っためたんは、うさぎに何が起こったのか、うさぎをどうするつもりなのか問いただす。

しらばっくれるトバリだったが彼女が幹部に準ずる立場の人間であることはわかっていた。

観念したトバリは隠れ家にめたん、つるぎを招く。そこには護衛としてクロワもいた。

つるぎとは過去に因縁があり、居心地の悪そうなトバリ。事情をわかっていないクロワは場を和ませようと空回る。

うさぎの能力が暴走し、島内に彼女以外の生存者はいないだろうことが告げられる。

めたんは動揺を隠し、どうやって知ったのか問う。

連絡が途絶えた時点で偵察機を送り、状況を確認。現在対応を協議中だと答える。

めたんとつるぎは手際の良さに違和感を覚える。

カマをかけられボロを出したトバリは、送られたのは偵察機ではなく攻撃機であり、捕獲を試みるも失敗。島内の船舶を破壊して隔離状態にしたことを白状する。

初めからうさぎを覚醒させ、捕まえることが目的だったような対応にめたんとつるぎは憤る。

そもそも能力者を目覚めさせる薬をなぜ作ったのか、それをむざむざ奪われてなぜ平気でいるのか。

問い詰められたトバリは組織の現状について話す。

幹部陣は世界征服の夢を諦めておらず、ここ数年戦力の拡充に力を注いでいる。能力者を目覚めさせる薬もその一環である。

薬を奪った過激派とグルだったわけではないが、それで強力な能力者が生まれるならと見過ごした可能性はある。

怒りを露わにするめたんとつるぎに、トバリは協力を申し出る。

組織の増長と腐敗は目に余り、世代交代が必要だと説く。

クロワも交え、今後はずん子達や『大都会』と手を組み「組織」の打倒を目指すと話がまとまりかける。

めたんだけは賛同しなかった。


らしくない。そう思った。

つるぎは過去の遺恨は忘れ今はトバリと手を組むのが最善と語る。

クロワはこれまで何も知らなかったが今後は一人の能力者として正義を貫くと語る。

トバリは道理を捨てた組織にこれ以上義理を立てる理由はないと語る。

何もおかしいことはない。そのはずなのに。

めたんはトバリに問う。

夢はどうしたのかと。

虚を突かれたようなトバリ。

めたんの知るトバリはこんな人間ではなかった。人命や倫理よりも自身の興味を優先するはずだった。

いつからか盲目的な組織人になり、今それもやめて献身的な良識人になろうとしている。

こんなのはらしくない。

トバリはそんなのは昔のことだと笑う。若い頃は向こう見ずな情熱もあったが、年を取れば落ち着きを得て世のため人のためと考えだすのは自然なことだと。

トバリの言うことももっともだ。めたんの目に映るトバリの姿も確かにそのように見える。

それでも違和感が拭えないのは、めたんもトバリも超能力者だからだ。

凪いだ海のような心の奥底で熱い炎が揺れているように思えてならなかった。

自分もそうだから。

どうすれば信じてくれるかと尋ねるトバリに、めたんは幹部の情報を教えるように迫る。

トバリは設立メンバーである4人の能力を開示する。

めたんの疑り深さにつるぎとクロワはうんざりした様子を見せる。トバリはどこか楽しげだった。

これ以上トバリを追求する材料もなく、とりあえずは協力関係を結ぶことを承諾する。

求められた握手に応じようとしたつるぎの手を払いのける。

トバリの能力の発動には身体接触が必要だ。

めたんは初めて会った日以来一度もトバリに触れさせていない。


クロワはトバリがめたんが思っているような人物ではないと説得する。

幼いクロワを引き取り、育ててくれた。家族のような存在だと。

めたんはその言葉に引っかかる。

クロワは自分より年上だ。いったいいつの話だろうか。

トバリはそれは人に言いふらすようなことではないと口止める。

脛に傷のある者も多いこの界隈では過去を詮索することは厳禁だった。

めたんはその不文律を破った。

クロワに続きを話すように促す。つるぎは空気が変わったのを感じ取り身を固くする。

クロワは場の張りつめ始めた空気には気づかないようで、自身の過去を語る。

裕福な家の生まれで物心ついた頃から能力者だった。

生家が没落してからはトバリに引き取られ、一緒に暮らしながら能力について教えられた。

その恩義もあって今ではエージェントとして働いている。

めたんにとってそれは聞き覚えのある話だった。その人生は自分が辿ったものと同じだったから。

めたんが天恵のハイドを構える。トバリは何も答えない。

状況のわかっていないクロワにめたんが自身の過去を明かす。

二人がトバリと一緒に暮らしていたと記憶している時期は被っていた。

どちらかが記憶の改竄を受けている。

トバリは両手を上げて降参し、記憶を弄ったのはクロワの方だと告げる。

これまでの人生を全部忘れたいという願いに応え、エージェントになる際に記憶を消して新しい記憶を植え付けた。

一から都合のいい記憶を考えるのは難しかったので、めたんとのエピソードを利用したと。


不信感を隠せないめたんとつるぎ。クロワも困惑した様子だった。

明らかに倫理的な一線を超えた行動。もはやトバリを信用することはできなかった。

記憶を元に戻せないのかという問いかけに、トバリは無理だと答える。

テープに別の録画を入れたようなものだ。トバリの記憶を元にクロワの記憶を再現してまた入れることはできるが、それも上書き保存に過ぎない。

クロワは忘れたい記憶だったなら仕方ないとトバリを庇うが、本当にクロワが望んだことだったのかはわからない。

めたんは魂に関する自説を述べる。

肉体と重なるように霊体が存在し、同じ働きをしている。脳から消し去られた記憶も魂には残存している。

めたんはずっと魂に関する研究と修練を続けてきた。それは自分の能力をもっと効率的に利用するためだけでなく、トバリの能力を対策するためでもあった。

エネルギー譲渡によって霊体を刺激し、記憶を蘇らせられるかもしれない。

めたんがそう語り終えた瞬間、トバリは既に行動を起こしていた。

めたんが牽制に繰り出された式神を切り裂いた時には既にトバリの両手はクロワの頭に添えられていた。

育ての親を守るため、家にやって来た襲撃者を迎え撃つ。

そういうことになった。


トバリは使役していた全ての妖魔と式神を放ち、逃走を図る。

クロワの速度に反応できなかったこともあり、物量に押されためたんとつるぎは苦戦を強いられる。

勝てない相手ではなかったが、長引けばトバリを取り逃がすことになる。

逃げたということは後ろめたい事情があったということだ。

簡単に記憶を書き換えられるクロワは便利な手駒だったろう。知られたらまずいようなことにも協力させていた。

だからこそ記憶が戻る可能性が出てきたことで逃げるしかなくなった。

めたんとつるぎはそう判断した。

トバリの能力は危険だった。ここで逃がして敵となった場合、どれほど厄介な事態になるか想像もつかない。

めたんは躊躇わなかった。

つるぎに防御を任せ、遠ざかっていく気配に集中する。障害物など関係ない。距離と方向さえわかれば。

めたんは天恵のハイドを投げた。

「投擲」。最大の威力と貫通力を誇る文字通りめたんの必殺技だった。


全ての妖魔と式神を倒し、クロワを捕まえた二人はトバリの元に歩み寄る。

めたんの投擲は正確にトバリの胴体を貫き、致命傷であることは誰の目にも明らかだった。

めたんの治癒能力ならば延命させられるかもしれない。ただトバリと接触することは同時に記憶の改竄を受ける可能性もはらんでいた。

めたんが死ぬ前に何故こんなことをしたのか答えるよう求める。

トバリは答えない。答える気が無いのか答えられるような状態に無いのか。

つるぎがクロワに記憶を返すように求める。

クロワにとっては突然現れた謎の女達に恩師を殺されたような状況だった。

トバリが片手を上げる。つるぎは警戒しながらもクロワに触れさせた。

記憶の上書きではなく記憶の譲渡。トバリが見たクロワの記憶が継承される。

それは見覚えのない走馬灯のような体験の伴わない記憶だったが、クロワの目にはなぜか涙が溢れた。

トバリは尚も手を上げ続けている。

めたんは何を求められているかわかっていた。

初めてトバリに触れられた時、記憶を改竄できると聞かされて幼いめたんは能力の怖さを思い知った。

自分が自分で無くなることは、めたんにとって唯一の恐怖だった。

だが数年の研鑽によりトバリに能力を行使されても抵抗できるだけの目途はついていた。後は実践あるのみ。

めたんはトバリの手を握った。

トバリの記憶が流れ込んでくる。

古びたワンルームのアパートで目覚める。台所を見ると小さな女の子が朝食を作っている。

振り向いたその子はちょっと不機嫌そうに早く起きなさいと言った。

めたんとトバリが一緒に暮らしていた頃の、ほんの何気ない出来事。

なぜトバリがこんなものを見せてきたのか、めたんにはわからなかった。



記憶は情報の蓄積でしかない。その根底にどのような心情が存在したのかまではわからない。

それは私が自身の能力について出した結論だった。

彼女にできる限り全ての記憶を見せようとする。きっと彼女は混乱しているだろう。

私の記憶をどれだけ覗いても、私の心の奥底まではわからない。

「私を困らせようとしてるのね。」

彼女が呆れたように言った。どうやらバレてしまったようだ。

「目的を果たすためなら手段は選ばなくて、好奇心を満たすためなら危険はいとわなくて、いつも何を考えてるかわからなくて…」

彼女の声が止まる。

「そんなあなたのことが好きだった。」

その言葉に私は瞳を閉じる。

蘇るのは一番幸せだった頃の記憶。幼い彼女と一緒に暮らし、能力について教えていたあの頃。

怪訝そうに胡散臭そうに、ちょっと警戒しながらも興味を隠せずにこちらを見るあの顔。

私も君のことが好きだった。

その言葉は口にはしなかった。

「いい人生だった。」

深海で揺れる炎はもう消えていた。



因幡の黒兎

編集が進まないので気分転換にメモ。動画になることはない奴。


第1話「え!?ずんだアローって叫ぶんですか!?」

東北ずん子の元にエージェントの四国めたんがやって来る。

ずん子の能力を確かめるため、ずんだもんの機嫌を取り実験を行う。

放たれたずんだアローは空を割き、宇宙空間にまで到達した。

あまりの威力に呆然とする二人と得意げな一匹。

この一件によりずん子の存在は知れ渡り、彼女を巡る策謀と闘争の火蓋が切られることとなる。


第2話「え!?この頻度で転校生が来るんですか!?」

ずん子の通う中学にめたんが転校してくる。

ずん子がめたんに街を案内していると、倒れている九州そらを発見する。

損傷を修復したずん子とめたんを恩人と崇めるそら。

宇宙から事故により墜落してきたと語るそらに、二人はずんだアローが原因なのではないかと焦る。

その後、ずん子を狙う他勢力による襲撃に備え追加戦力が来ることが組織からめたんへ、めたんからずん子へ伝えられる。

次の日、転校生として九州そら、中国うさぎの2名がやって来る。

うさぎが伝えられていた追加戦力であり、そらは何だかよくわからなかったがノリと勢いで4人組が結成される。


第3話「え!?仙台って都会じゃないんですか!?」

うさぎの能力でハプニングが起こりつつも打ち解けていく4人。

そこに能力者による秘密結社『大都会』が接触してくる。

大江戸ちゃんこが操る力士ロボに攫われるずん子。

助けに向かおうとするめたん、そら、うさぎの前に『大都会』のメンバーが立ち塞がる。

中部つるぎによる一騎打ちの申し出に応じ、めたんが戦線を離脱。

そら、うさぎが沖縄あわも、北海道めろんと戦うことになるがあっさりと勝利する。

拍子抜けする二人だったが関西しのびによる奇襲を受け拘束されてしまう。


一方、力士ロボに攫われたずん子は自力でロボを破壊、ちゃんことの戦闘に突入する。

子どもだったことに戸惑い攻撃をためらった結果ちゃんこの精神支配を受け無力化される。

体を動かせないずん子にちゃんこは自身の理想を語り『大都会』へ勧誘する。

「異能力者が優遇される世界」には否定的だったずん子だが、「能力による恩恵を全ての人間が受けられるようにしたい」というちゃんこの言葉には揺れ動かされる。

力のある者がその力を人々のために振るうべきというのはずん子にとっても共感する思いであり、まだ幼いちゃんこに聞かされるには耳が痛い話だった。


身動きの取れなくなったそら、うさぎをからかうしのび。

同じランクBの能力者のはずのしのびに手も足も出ないことに悔しさを滲ませるうさぎ。

これなら東北ずん子の方も大したことないと軽口を叩いたしのびにそらが静かに怒りを見せる。

そらが拘束を引きちぎったことでしのびから笑みが消える。

分身能力を使い本気でそらを倒しにかかるしのびだったが、そらの装甲を傷つけるほどの攻撃力もなく徐々に追い詰められていく。

そらが自分を殺す気だと察した彼女は勝負を投げ逃走する。

その頃、めたんとつるぎの戦いも佳境を迎えていた。

手に握った刀に加えて周囲に8本の刀を展開して戦うつるぎ。

槍1本のめたんは圧倒的に手数に劣るがそれでも互角の戦いを見せていた。

日本でも数えるほどしかいないランクAの能力者であるつるぎに、ランクBの戦闘向きの能力者でもないめたんが食らいつくのは異様な状況だった。

めたんを強者と認めたつるぎは戦いを楽しむことをやめ、勝ちに行くことにした。

浮遊した刀を自在に操り遠距離攻撃を仕掛けるつるぎ。めたんが最大威力の「投擲」で仕留めに来るのを待つ。

距離を離され防戦一方になっためたんは、一か八かでつるぎ本体を叩くしかなくなった。

つるぎの思惑通り「投擲」の体勢に入るめたん。

展開していた8本の刀と自身の手に握った最後の1本でつるぎは防御に入る。

魔槍「天恵」のハイドに込められた魔力が解き放たれ眩い光が立ち込める。限界まで強化されためたんの腕力に促され槍はつるぎの胸元へと真っすぐに向かって行った。

刀が折れる。1本、2本、3本、4本…

つるぎの目が驚きに見開かれる。

5本、6本、7本、8本…

つるぎの目に焦りがよぎる。

握った刀に力を込める。正面から迎え撃とうとするプライドをねじ伏せ、刀を捻る。

槍の軌道は逸れ、つるぎの左斜め後方へと飛び去って行った。

安堵と敗北感が同時に芽生える。

試合に勝って勝負に負けたと苦い気持ちを嚙み締めながら、丸腰になっためたんにとどめを刺そうと視線を上げる。

映ったのはめたんの拳だった。

能力による身体強化の乗った渾身の右ストレートは正確につるぎの顔面を捉えた。彼女の長身が衝撃を受け止めきれずに地面へと舞い落ちる。

拳を振り抜いためたんが静かに勝利宣言を呟く。

「武器に頼り過ぎなのよ。」


脳震盪による嘔吐を堪え、立ち上がろうとするつるぎ。

だが視線も足取りも覚束ず、能力によって作り出していた刀も消失してしまっていた。

負けを認めずん子の居場所を教えるように促すめたん。

つるぎは生まれて初めての敗北に心身共に打ちのめされていた。

突如炸裂音の後、煙幕が立ち込める。

そらから逃げ切ったしのびがつるぎを抱えて飛び去る。

めたんは背を向ける者を追わず、そらとうさぎとの合流を優先するのだった。


どさくさに紛れて逃げていたあわもとめろんがちゃんこに報告しに来る。

つるぎ、しのびの敗走を伝えられたちゃんこは驚きつつも撤退を決断。

ずん子に『大都会』への参加を検討すること、「組織」を信用してはいけないことを言い残し姿を消す。

彼女たちが去ってから暫く後、体が動かせるようになってもずん子はまだ座り込んでいた。

東北ずん子14歳、まだ理想を知らない頃だった。



     

第n話「因幡の黒兎」

「組織」から人為的に能力者を目覚めさせる薬品が過激派によって奪われる。

散布される場所を突き止めたずん子たちは手分けして民間人への被害を食い止めようとする。

ずん子、めたん、そらの担当区域では薬品の散布を防ぐことができたが、うさぎが向かった中国地方沖の孤島では失敗し薬品がばらまかれる。

能力者としての素質を持つ者はいなかったため島民全員が暴走状態に。薬品を撒いた実行犯も彼らによって殺害される。

なんとか鎮静化を図るうさぎだったが、薬の作用によって彼女の抑えられていた力も暴走。

「見たものを砂に変える力」が完全に目覚めたうさぎは暴徒と化した彼らを砂にしてしまう。


本島にいるずん子たちの元に組織から通達が届く。

ランクSの能力者が誕生したこと、彼女の処遇が決まるまで待機することの2点であった。

それが中国うさぎのことであるとは容易には受け入れられなかった。

めたんは詳しい事情を聞くため組織の上層部とコンタクトを取りに向かい、そらも衛星からの情報を駆使して現地の状況を探ろうとする。

ずん子は自分の指示で友人が危機に陥ったことを受け止めきれず、パニック状態になってしまう。

中国地方、出雲にてうさぎのいる島を遠くから眺めるしかないずん子の元に『大都会』のメンバーと姉のイタコが駆けつける。

彼女たちに慰められ、希望を取り戻すずん子。うさぎを助けに行こうと決意する。


そらの情報収集力を以てすれば島で何が起こったのかを知るのは容易だった。

しかしその内容をずん子たちに伝える勇気はそらには無かった。

うさぎのいる孤島には脱出可能な船舶が既に存在しないため、組織は兵糧攻めにするつもりだった。

そらはうさぎが正気なのか暴走しているのか判断がつかず、誰にも言わずに一人で彼女に会いに行くことにした。


夜の砂浜に佇むうさぎの後ろにそらが降下する。

振り向いたうさぎがそらを見つめる。

遠隔操作している機体が砂にされたところで大して困らないのに、つい身構えてしまう。

友達を信じていないようなその反応に、そらは自己嫌悪を覚えた。

「そらの人か。」

うさぎが笑う。いつもと変わらない笑顔だ。

正気なのかと問うそらに今はねと答える。

ぬいぐるみを持っていない彼女と顔を合わせて話すのは不思議な感じだった。

能力の発動を示す赤い輝きが瞳に宿っていたが、完全に制御しているようだった。

みんな心配していると、一緒に帰ろうと伝える。

うさぎは悲し気に目を伏せた後、告げた。

「もう帰れないよ。」

そらはその言葉に込められた思いを感じ取るも、それに応えるような言葉を出力できない。

「私は組織の人に捕まる。これまでみたいにみんなとは過ごせなくなる。ごめんね。」

そらには法も道理も知ったことではないが、誰よりも責任感の強いうさぎが人を殺しておいてお咎めなしではいられないことは分かっていた。

「でもその前に…」

うさぎがそらに歩み寄る。

「お父さんとお母さんにもう一度会いたい。」

お願いできる?と微笑む彼女。その笑みにそらは何か知らないものを感じ取った気がした。


何かが崩れるような音がしてずん子は目を覚ました。

土砂崩れかと思ったがそこまで大きな音ではない。隣で寝ていたイタコも気づいたようで二人で顔を見合わせる。

外の様子を見に行こうとすると、同じく目覚めたらしいしのびと出会う。

ちゃんこ、あわも、めろんの3人はまだ寝ている。つるぎはめたんと共に東京に発ってまだ戻っていない。

そらが居ないことに気づく。

軽々と屋根に飛び乗り、辺りを見回していたしのびが声を上げる。

ずん子、イタコも屋根に登り、指さす先を見つめる。

向こうの山の中腹に昨日まで無かった砂の円ができていた。崩れた砂が麓へと流れ落ちている。

確かあそこには神社があった。



久し振りに家に帰った。

お父さんとお母さんはもう眠ってるだろう。

何を話そうか。何を聞こうか。

ふと昔話を思い出す。

因幡の白兎。鮫を騙して海を渡った。騙したことがばれて帰れなくなった。

帰れなくなった。帰れなくなった。その言葉が頭にこだまする。

苦笑する。

もうとっくに帰れない。



神社のあった場所に向かおうとするずん子の前にそらが立ち塞がる。

あんな芸当ができるとしたらうさぎだけだ。うさぎが海を渡ったとしたら。

「そらちゃん…」

イタコとしのびには住民の避難誘導を頼んだ。そんなはずはないと思いつつも、信じ切れなかった。

「自分が何してるかわかってるの?」

怒りと悲しみで声が震える。本当はうさぎが何をしてるかを聞きたかった。

「…邪魔をしないでください。」

そらの声は消え入りそうなほど小さかった。


そらは弱かった。動作は緩慢で次の動きが思いつかないのか頻繁に静止した。

それでも駆け抜けようとするずん子は無理やりにでも止めた。だからずん子はそらを組み伏せざるを得なかった。

「私は…」

そらの表情が目まぐるしく切り替わる。無表情のまま目と口が不規則に開閉を繰り返す。

その感情を表現する機能が無いのだ。ずん子は初めてそらの機械の体を哀れに思った。

だから代わりに涙を流した。

「…私は友達としてできることをやりたかった。」

そらが無機質に呟いた。


周囲を砂地に変えながら麓へ向かううさぎ。

視線の先には生まれ育った故郷の町があった。

彼女の前に二人の旧友が現れる。悲壮な彼女たちの表情に対し、うさぎは余裕の笑みを見せる。

自分を止められる者など存在しないと本能が告げていた。

ずん子の光弾、そらの武装を砂に変え、二人を相手取る。

本人を砂に変えてしまえば一瞬で決着のつく戦い。うさぎが絶対にずん子とそらを殺さないことを前提としたハンデ戦だった。

両親から受けた霊能力者としての長年の修行、めたんから教わった超能力者としての近接戦闘術、その全てが今うさぎの中で結実していた。

仲間の中で一番弱かったはずのうさぎの姿はもうどこにもなかった。

うさぎが語る。

結局のところ能力者の本質は能力そのものなのだと。何もかも砂になってしまえばいいという思いが自分の全てだったのだと。

この世界に神様はいなくてお父さんとお母さんは嘘つきで私は正義の味方にはなれない。

うさぎが導き出した答えは破滅的だった。

同格のずん子が本気で殺そうとしたら殺せるかもしれないと告げる。

砂に変える力が追いつかない程のエネルギー放射。ずん子にはそれを試すことはできなかった。

しのびが不意を突きうさぎの目を切り裂こうとする。うさぎは難なくそれを躱すとしのびの足を砂に変える。

ずん子とそらは殺さないと決めたがしのびはどうか。うさぎは動けない彼女を見下ろす。

戦慄と緊張が走る中、突然しのびの姿が消える。

テレポート。しのびの能力かと思われたが彼女はそんな状態ではなかった。

周囲を警戒するうさぎの眼前にイタコが現れる。彼女の背後には巨大な八尾の狐が浮かんでいた。

これまで能力を隠していたことはすぐに分かった。ずん子、そらには驚きが、うさぎには焦りが浮かぶ。

イタコはうさぎに謝った。自分が一緒に戦っていればこんな事態にはならなかったと。

うさぎは気にしないでと笑う。遅かれ早かれこうなることは避けられなかったと。

未知の能力者との戦いに胸を躍らせるうさぎに、イタコは戦う気は無いと告げる。

じゃあ何をしに来たのかという問いかけにイタコはこう答える。自分は霊媒師だと。


イタコの降霊術によってうさぎの両親の霊が呼び出される。

うさぎの脳裏に父と母を砂に変えた時の記憶がよぎる。微かな動揺はすぐに消え、戦意は衰えない。

今更もう遅いのだ。

沈黙が流れる。

…すまなかった。

父の霊が口を開く。

もう遅い。

…ごめんなさい。

母の霊が口を開く。

遅すぎるのだ。

それを言う最後のチャンスはもう過ぎた。

…うさぎ。

何を言われてももう揺るがない。

…よく頑張ったな。

顔を上げる。お父さんもお母さんも笑っていた。小さい頃のように。

…今までよく頑張った。

うさぎの目が見開かれる。ずっと、ずっと待ち望んでいた言葉。

本当にもう遅すぎるのに、それでも。

うさぎの目から赤い輝きが失われていく。代わりに透明な涙が溢れだしていく。

朝日が差し込み、二人の霊は光に包まれて消えた。

うさぎはいつまでも泣きじゃくっていた。

うさぎは帰ってきた。



2024年2月22日木曜日

時系列表

作中世界の時系列表。わけわからなくなってきたのでメモ。


演劇部

8年前(小学3年生)葵が遊具から転落し重傷を負う。

5年前(小学6年生)マキの母親が死去。ゆかりとマキは疎遠に。

1年前(高校1年生)ゆかり、茜、マキが同じクラスに。葵とずん子が隣のクラス。

         あかりの両親が死去。

現在(高校2年生)引き続き同じクラス分け。演劇部結成。

        あかりが入学。演劇部に加入。

未来 ゆかり、茜、葵、マキ、ずん子の5人はそれぞれの進路へ。

   あかりはゆかりを追っかける。

(不確定な未来)

ゆかりは趣味で小説を書きつつITエンジニアとして働く。両親との関係も修復し幸も不幸も特にない。

あかりはゆかりと同居しながら保育士として働く。養父母との関係も良好で年一度の墓参りも欠かさない。

マキは趣味で音楽活動を続けつつ実家のカフェを継ぐ。ゆかり、あかりは頻繁に来客するが未だにあかりとはよく喧嘩している。

茜は月読アイが運営するNPO法人に就職する。葵とは実家に帰る際に顔を合わせる程度の付き合いになるが、もう心配はしていない。

葵は東京でキャリアウーマンとして会社勤めをする。たまに高校時代を思い出して懐かしさと寂しさを覚える。

ずん子は表向きは父親が残した地盤を引き継ぎ地方議員となる。家族や友人との時間が少ないことにブツクサ文句を言っている。

イタコは霊媒師として依頼を受けつつ家を守っている。ずん子は不在が増えきりたんも東京に行ってしまったため家が広くて困っている。

きりたんは東京の大学に進み、アイドルになったウナちゃんとシェアハウスしている。芸能関係の就職を考え中。


東北家

20年前 東北イタコ誕生

17年前 東北ずん子誕生

11年前 東北きりたん誕生

8年前(東北ずん子9歳)イタコが能力者として覚醒。当時12歳。

3年前(東北ずん子14歳)ずん子が能力者として覚醒。

           四国めたん、九州そら、中国うさぎの三人と出会う。

2年前(東北ずん子15歳)イタコが青森へと移住。

1年前(東北ずん子16歳)めたん、そらは進学せず。うさぎも出雲に帰る。

           ずん子は地元の公立高校に進学。

現在(東北ずん子17歳)イタコが帰郷。ずん子は生徒会に。

未来 能力者を束ねる新組織を立ち上げる。そらの後ろ盾もあり勢力を伸ばす。

   なおイタコ、きりたんは関与せず。

半世紀後 統一政府を樹立。その数年後死去。


追記)

ずんだもんについて。色々決め兼ねてる。

ずん子の分身として生まれた以上はずん子にとって重要な役割を果たしたい。

最終的には精霊となりずん子とは独立した存在として生きていくと考えてる。

ずん子が選ばなかった道、東京でずんだカフェを開き家族や友人と仲良く暮らす選択をする。

半世紀後、老いて床に臥せったずん子の前に現れ人生の答え合わせをする。

その後は不明。


超能力者編1

17年前 四国めたん誕生

14年前 中国うさぎ誕生

10年前(四国めたん7歳)夜語トバリと接触。

10年前(四国めたん7歳)九州そら誕生。自身の存在を各国上層部に開示。暫定でここ。

6年前(四国めたん11歳)四国家没落。トバリに引き取られエージェントとして訓練。

5年前(四国めたん12歳)九州そら誕生。自身の存在を各国上層部に開示。

4年前(四国めたん13歳)最年少で正式なエージェントへ。魔槍「天恵のハイド」が供与。

           能力に目覚めた中国うさぎと接触。当時10歳。

3年前(四国めたん14歳)東北ずん子の元へ派遣。監視兼護衛として転校。

           追加戦力としてうさぎが転校。

           奪われた九州そらMk.Ⅱの機体が転校。

2年前(四国めたん15歳)めたんが組織を離反。ホームレスに。

1年前(四国めたん16歳)めたん、そらは進学せず。うさぎも出雲に帰る。

現在(四国めたん17歳)めたんはホームレスのまま。そらもフラフラしている。

           うさぎは家出し東北家に居候中。

未来 めたん、そらは東北ずん子が立ち上げた新組織の幹部となる。

うさぎは能力暴走による事件後、超能力を消失。その後は出雲で正式に巫女となる。

旧来の組織への不信が強まる中、めたんは恩師であるトバリを殺害。新組織と旧組織の抗争の火蓋を切る。

九州そら本体による軍事的介入もあり旧組織を制圧。旧組織に代わり新組織が実権を握る。

そらがずん子に正体を明かす。ずん子は平和的な世界征服を目指し、そらは再度ずん子に忠誠を誓う。

めたんは抗争終結後、海外を放浪していたが数年後に合流。最後まで東北ずん子の片腕を務める。

うさぎは抗争にも統一政府の樹立にも関与せず。出雲で神社を継いで生涯を終える。

そらは誰も居なくなった後もマザーコンピュータとしてずん子の築いた社会を維持し続ける。


超能力者編2

14年前 如月ついな誕生

9年前(如月ついな5歳)京都の山中に置き去りにされる。

4年前(如月ついな10歳)四国めたんと接敵。重傷を負う。

           後鬼に保護され社会復帰のための教育を受ける。

1年前(如月ついな13歳)戸籍を作られ公立中学に進学。

           リリンと出会う。周囲とは馴染めていない。

現在(如月ついな14歳)伊織弓鶴と出会う。当時16歳。

          めたん、トバリと戦闘になる。

          つくよみが転校してくる。リリン、つくよみと打ち解ける。

未来

ついなと弓鶴は普通に結婚する。

後鬼はついなが独り立ちしたのを見届け姿を消すか、それとも親交が続くか未定。

つくよみちゃんは人間の振りで一生分やり抜く。リリンも特に何事もなく普通に暮らす。


2024年2月17日土曜日

春を前にして元気な時期、終わる

今年の早い。

知ってる人も居るかもしれませんが私は時期によって精神状態が良い時と悪い時が分かれてます。

基本的に漠然と嫌な気持ちで過ごしている私ですが、1年のうちで2回元気になる時があります。

それが夏の盛りと冬の終わり。

2月に入った頃から調子が良くなって日常系の動画を作り始めたんですが、月半ばで力尽きてしまいました。

いつも1か月くらいは持つはずなんですが何がいけなかったんでしょうね。気温があんまり上がらなかったからだろうか。

例年だと3月に入るくらいで調子が良くなり始めるので動き出しが早過ぎたのかもしれません。と言っても自分で調整できるようなもんでもありませんが。

しかしまぁ2月の間は頑張りますか。ちょっと投稿頻度をめちゃくちゃ上げてみてインプレッションが増えるか試してるので。

今週は後5本出す。

短いし雑記を少し。

先日紡乃世詞音、夜語トバリ、伊織弓鶴、ついなちゃんを購入。これにてボイスロイドはほぼほぼ完備ということとする。月読ショウタは流石に出番が思いつかない。

紡乃世詞音の所感。あかりちゃんボイスに近く使い勝手の良さそうな印象を持っていたが、実際に調声してみると意外と難しい。

安定した発声にさせるにはあまり声を高くせず、訥々とした語りにする必要があった。

結果当初イメージしていた元気いっぱいの少女というよりは、どこかミステリアスな文学少女といった印象となった。まぁこれはこれでといった感じ。

夜語トバリの所感。かなりキャラの立った良い声をしてると思っていたが、想像以上だった。

非常に安定感がありセリフごとに調整を入れる必要がほぼ無い。後は崩して素っ頓狂な声を上げた時にどうなるかといったところ。

彼女は教師、医師、刑事といった役付け何でもいけそうなキャラクターだったが、作中世界においては超能力者組織のエージェントということにした。

四国めたんのキャラを掘り下げる際にそう言った役どころが必要だったし、そういう微妙にうさんくさい肩書の方が似合ってる気もした。

伊織弓鶴、ついなちゃんに関してはまだ試していない。

たぶんそんなに難しくないとは思うが、後で追記するかも。

とりあえずは以上。

気づいてる人がいたかは謎ですが没ネタ集5で紲星あかりのAIVOICE版を使ってます。感情値が必要になる日が来ちゃったからね。

悲しみが入ったあかりちゃんボイスもまた使い勝手が良かったので今後もこっそり使うかもです。

これで6、7万円くらいなので今年の利益を使い切るためにもう少し買うと思います。

AIVOICEも買い渋ってる間に2が出ちゃったので買うか…買わないか…

考えてる間に3が出そうですね。

なるべく全てのキャラを使いこなせるよう頑張りたいと思います。

てところで長文駄文失礼しました。


2024年2月3日土曜日

今後のラインナップ

虜囚が完結して一週間、そろそろ別のことがしたくなってくる。

補遺がまだ4人分残ってるが、今はそういう気分ではない。また気分が沈んできたら葵ちゃん編を作って一区切りにする。ずん子さん、マキさん、あかりちゃんの分はもう少し練っとく。

てことでサブキャラの掘り下げ、もとい世界の作り込みを進める。

作中世界に存在する全ての人物を紹介することが目標。


①来訪者編

登場人物:京町セイカ、桜乃そら、東北イタコ、九州そら、月読アイ

ゆかり達が通う高校に勝手に入ってきちゃったセイカさん。未来からやって来た彼女の目的と秘められた思いとは…?

おまけで学校に入ってきちゃうアイちゃん先輩。


学校に入ってきちゃうセイカさん

年下におごってもらっちゃうセイカさん

女教師のヒモになっちゃうセイカさん

昼間から飲み始めちゃうセイカさん

学校に入ってきちゃうアイちゃん先輩

の5本。


②バレンタイン編

登場人物:雨晴はう、春日部つむぎ、冥鳴ひまり、剣崎雌雄、TTちゃん、玄野武弘、青山龍星、白上虎太郎、雀松朱司、紡乃世詞音

バレンタインの時期になり浮足立つ一同。友チョコ交換会が行われ、男子にも義理チョコが分け与えられる。

はうがそわそわとどこかへ向かうのを目撃したつむぎとひまりは相手を確かめようと彼女の後をつける。

一方、義理チョコを貰えたことで尊厳が守られた男子三人組だったが、詞音の登場によって友情に亀裂が生じ始める。


はうちゃん、それは好きってことだよ!!

青山、それは好きってことだろうが!?

日常系小ネタ集(あだ名の理由/一人だけあぶれた男/なんでナース服着てるの?)

恋多き男 玄野くん(俺、春日部のこと好きかもしれねぇ/俺が雨晴を好きなんじゃねぇ、雨晴が俺を好きなんだ/冥鳴はない)

の4本。


③異能力者編

登場人物:四国めたん、夜語トバリ、中国うさぎ、如月ついな、伊織弓鶴、後鬼

自然公園で暮らすめたんをゆかりとあかりが訪ねる。本当に能力者なのかと問われためたんは自身の過去を語り始める。

場面は変わり、アパートで一人暮らししている弓鶴を従姉の琴葉姉妹が訪ねる。口うるさい姉二人をあしらい、コンビニへと向かう弓鶴。

異様な気配に導かれて、鬼を喰らうついなと出会った弓鶴は能力者たちの世界へと足を踏み入れていく。

場面は戻り、ゆかり達を見送っためたんに旧知のエージェント夜語トバリが接触してくる。

かつて京都の山中で取り逃がした鬼がこの町にいることを伝えられためたんは、トバリと共に討伐に向かうことを承諾する。

めたんとトバリ、ついなと弓鶴の対決の時が迫る。


超能力者だよ!めたんちゃん

超能力者だよ!うさぎちゃん

超能力者だよ!ついなちゃん

夜のとばりが下りる頃、語るは鬼の後ろ影

の4本。


④職場体験編

登場人物:小夜、冥鳴ひまり、櫻歌ミコ、春日部つむぎ、雨晴はう、波音リツ、WhiteCUL雪、玄野武弘、青山龍星、白上虎太郎

ひまり達が通う高校で職場体験が行われる。抽選の結果、不運にもひまりと小夜がペアを組むことになってしまう。

ミコはこの機会に二人が打ち解けることを望むが…?

一方、普段とは違うペアが組まれたことでクラス内の関係性にも変化が現れる。

ミコとつむぎ、はうと玄野、リツと青山、雪と虎太郎。

互いの知らない一面を見せ合いながら成長していく少年少女たち。


あなたのことがますます嫌いになったわ

十人十色の職場体験

の2本。


⑤中学生編

登場人物:如月ついな、黒朱乃宮・ティンティナーブルム・リリン、つくよみちゃん

人間社会に馴染めないついな。リリンだけはいつも彼女の味方であろうとしていた。

自分を救ってくれた後鬼のため、自分を信じてくれるリリンのため、ついなは今日も必死に捕食衝動に耐える。

ある日、転校生の夢前月夜(つくよみちゃん)がやって来る。人外であるつくよみはついなに正体がばれないよう戦々恐々としながら学校生活を送る。

そんなことはつゆ知らず、三人で仲良くしようとするリリン。ついなもつくよみも彼女の思いを汲み共に過ごすが、リリンを狙う黒い影が現れて…?


お腹が空かないように

神様になるから

つくよみちゃん20歳です!

の3本。


⑥小学生編

登場人物:東北きりたん、音街ウナ、ずんだもん、水奈瀬コウ

きりたん、ウナ、ずんだもんの3人でテレビゲームで遊んでいると、きりたんがずんだもんを馬鹿にして喧嘩になってしまう。

ウナの仲裁によって落ち着いた二人。ずんだもんはウナに何でこんな奴と友達でいるのかと問う。

二人の出会いと学校生活が語られる。


きりたんは困った奴だ

ウナちゃんは困った奴だ

の2本。


⑦アンドロイド編

登場人物:フィーちゃん、夏色花梨、小春六花、花隈千冬、東北ずん子、TTちゃん、九州そら

汎用型アンドロイド「カリカチュア」のフィーちゃんが試験運用の一環で高校にやって来る。

生徒会メンバーに学校のことを教えてもらいながら、フィーちゃんは生徒の助けになろうと奮闘する。

社会勉強のため、他のアンドロイドとお茶会(機械式)をするフィーちゃん。

ナースロボのTTちゃん、ずん子の友人九州そらとの会話の中でフィーちゃんが導き出した機械の幸福とは。

訪問看護に向かったTTちゃんが何者かに拉致される。

反アンドロイド派の犯人が突き付けた要求と彼女の決断とは。


フィーちゃんがやって来たぞっ!

アンドロイドのお友達ですっ!

歯車は回るだけ

の3本。


⑧飲み会編

登場人物:後鬼(偽名:如月)、麒ヶ島宗麟、東北イタコ、京町セイカ、No.7(ナナ)

隣のクラスの生徒からの相談に乗る宗麟。如月先生にも聞いてみたらどうかと提案するも、生徒は嫌がる。

確かに前より雰囲気が暗くなった後鬼を心配した宗麟は、彼女を飲み屋に誘う。

一方、イタコ、セイカ、ナナの3人は飲み屋で意気投合し盛り上がっていた。

実家暮らしでほぼ無職のイタコ、ヒモでギャンブラーのセイカ、フリーターでミニマリストのナナ。

3人は互いを讃え、職歴無し同盟を結成する。


教職者の矜持とは

無職の矜持とは

の2本。


⑨新戦力編

登場人物:四国めたん、夜語トバリ、黒朱乃宮・セプテントリオーネス・ラ・クロワ、†聖騎士紅桜†、中部つるぎ

後鬼を捕縛するため、トバリが新戦力候補を連れて来る。

汎用近接アタッカーのめたん、高速近接アタッカーのクロワ、高耐久近接アタッカーの紅桜、そして戦闘力皆無のトバリ。

このパーティー編成で勝てるわけがないと察しためたんは戦いを降りようとするも、トバリに泣きつかれ自分でも戦力の確保を試みる。

友人を戦いに巻き込むのは気が引け、かつての好敵手である中部つるぎに電話をかける。


近接アタッカー三銃士を連れてきたよ

の1本。


⑩生徒会選挙編

登場人物:東北ずん子、夏色花梨、小春六花、花隈千冬

生徒会長である花梨の退任時期が近づき、次の生徒会長を決める選挙の時が近づく。

候補が一人だけで無投票当選は体裁が悪いので、六花がずん子の対抗馬に押し上げられる。

本人のやる気のなさにもかかわらず、意外にも人気を集める六花。

ずん子は純粋に能力で上回ればいいだけではない戦いに頭を悩ませる。


小春六花だよっ!!(泣)

小春六花生徒会長にして東北ずん子泣かそうぜ

の2本。


2024年1月11日木曜日

「不可触」「黒猫」「捨六」

怪談っぽい何か。

次の動画用。


『不可触』

近づいちゃいけないと言われていたその家に入ったのは好奇心からだった。

当時小学生だった私たち数人。学校終わりの夕暮れ時のことだった。

足を踏み入れた瞬間から私は嫌な感じがしていた。荒れている、汚れている以上の何かを感じ取っていた。

他のみんなは気づかなかったようで、はしゃぎながら家を物色していた。

彼らに混じるのは気が引け、私は玄関の方に突っ立って辺りを見回していた。

玄関脇に置かれた電話の隣、何かカラフルなものがあった。古いアニメのキーホルダーのようだ。

この家でも昔は家族が暮らしていたことが思い浮かび、申し訳ない気持ちになる。

みんなにもう帰ろうと声をかけようとしたとき、階段から物音がした。

背筋がぞっとした。みんなはまだ1階を見回っているはずだった。

階段からは物音が続いている。誰かが下りてきているのだ。

黒ずんだ素足が見えた時、私は悲鳴を上げて逃げ出した。

私の悲鳴に驚いて騒ぐみんなの声に混じって、何かの叫び声が聞こえた。

あー、あーという調子の外れた甲高い不気味な声だった。

振り返ると私と同じように逃げ出しているみんなの姿が見えた。そして開け放たれた玄関の先、家の中で大きな影が揺れていた。

そいつと目が合ったような気がして私はそのまま家に逃げ帰ることにした。

人通りのないあぜ道を駆ける。後ろからあー、あーとあいつの声が聞こえていた。追ってきているのだ。

私は泣きそうになるのを必死にこらえて走った。恐怖と後悔でいっぱいだった。

やっとの思いで家までたどり着くと、大急ぎで中に入り鍵をかけた。

磨りガラス越しにその何かの影が見える。

そいつはあー、あーと苦しげに呻きながら扉を叩いていた。

私は動けずにじっと扉を見つめていた。壊されてそいつが入って来るんじゃないかと思うと気が気でなかった。

何時間くらい経っただろうか。

玄関の向こうから怒鳴り声がしてあー、あーという声は遠ざかっていった。

鍵の回る音がして、扉が開かれる。両親だった。

母は今にも泣き出しそうな顔をしていて父は今にも怒り出しそうな顔をしていた。

「お前、あそこに行ったのか。」

父が低い声で問いかける。

「他に行ったのは誰だ。お前だけじゃないだろ。」

今まで見たことのない父の剣幕に隠し事なんてできなかった。私はあの家に行った全員の名前を言った。

父はどこかに電話し始め、私は母に2階の自室に連れて行かれた。

その日はご飯もお風呂もなく、私は布団にくるまって震えていた。

どこからかあー、あーという声が聞こえていた。


次の日の朝、父と母が部屋にやって来た。

母は泣きはらした顔をしていて父は神妙な顔をしていた。

「いいか。お前をこれからおじいちゃんたちの所まで連れて行く。車に乗るまで何も見えていないし聞こえていない振りをしろ。」

何が起こっているのかはわからなかったが、ただ頷くことしかできなかった。

タオルケットを頭から被ったまま家の外へ出る。途端にあー、あーという声が聞こえてきた。近い。

母に連れられて車の後部座席に乗り込む。遅れて父が運転席に乗り込んでくる音がした。

あの声はまだ聞こえていた。車をバンバンと叩く音も聞こえる。

車が走り出すとすぐに声と音は聞こえなくなった。

安心して顔を上げる。車のバックミラーに映るそいつの姿はすぐに小さくなって見えなくなった。


結局私はそのまま祖父母の元で暮らすことになった。

学校も転校することになり、一緒にあの家に行ったみんなとはあれから一度も会っていない。

父の話によると彼らには何事もなかったそうだが、実際のところはわからない。

父と母は数年の間は行ったり来たりしていたが、今はもう祖父母の元に腰を落ち着けていた。

大人になり私がこの町に帰ってきた時には両親と暮らした家は引き払われていた。

数年ぶりに懐かしいあぜ道を歩く。目的地はあの近づいちゃいけない家だ。

当時はわからなかった。

なぜあの家に近づいてはいけないのか。

私を追いかけ回したあいつは何だったのか。

今ならわかる。触れてはならない存在の正体が。

あの場所は更地になっていた。唯一の住人が死んでからすぐに取り壊されたそうだ。その痕跡を消し去るように。

死因は餓死だったそうだ。何かの事故で足を折ってから、治療を受けることもできずにそのまま亡くなったらしい。彼には助けの求め方もわからなかったのだ。

あの時持って行ってしまったキーホルダーを地面に供える。きっと家族との思い出の品だったのだろう。

「ごめんなさい…」

私はようやく言うべき言葉を口にできた。



『黒猫』

私は幼い頃施設で暮らしていた。いわゆる孤児というものだろう。

父の顔は知らない。母が私を育てていたが、ある日から帰って来なくなった。

ひもじさと寂しさに耐えていると知らない人たちがやって来て、私を施設に連れて行った。

施設での生活は悪くなかった。身の回りの世話はやってくれたし、私と同じような境遇の仲間たちも大勢いた。

不安がってる者たちも居たが、多くはこの場所を居心地よく感じているようだった。私も毎日の食事と寝床の心配が無くなっただけで充分だった。

私たちの世話をしてくれる人たちの顔は覚えたが、施設にはそれ以外にもよくわからない人たちが出入りしていた。年齢や性別、人数もバラバラでどういった目的で施設を訪れているのかはわからなかった。

私は彼らのことが嫌いだった。ジロジロとこちらを不躾に眺めてくる視線がとても不快だった。急に体を触られそうになった時さえある。

だがなんとなく彼らに逆らってはいけないということは理解していた。

時々仲間の中から彼らに連れられて施設を出て行く者がいた。施設で働いている人たちの話を盗み聞くと、どうやら今後は彼らの家で暮らすらしい。

今更また知らない人の家で暮らすのは嫌だった。だけどそうも言っていられないのではという疑念もあった。

施設に居るのは子供だけだ。長く暮らした者たちは皆どこかしらに連れて行かれた。

ずっと居ていい場所では無いのだろう。誰にも引き取られなかった場合はどうなるのか。それを考えると母が帰って来なくなった頃のような焦りと不安を感じた。

自分の立場を弁えて大人しくしていたことが好意的に映ったのか、私はある日施設から連れ出された。

相手は女の人だった。若く見えたが目を凝らすと化粧の下の皺は思いの外深かった。

私は一抹の不安を胸に新たな住み家へと旅立った。


女との暮らしは結論から言って最悪だった。

最初こそ私を必要以上に可愛がりあれこれと買い与えていた女は一月も経たずに私への関心を失った。

私の世話をすることは無くなり、食事も時々しか貰えなくなった。そのことに不満を訴えると無言でお腹を蹴られた。

女は夜遅くまで帰って来ず、その間私は部屋の中にずっと閉じ込められていた。女はいつも酔っ払っていて帰るとすぐにベッドに寝転がっていびきを立てていた。

幼少期のひもじさと寂しさを再び噛み締める日々だった。

だがそんな生活にも救いはあった。

気に入らないことがあった時、来客があった時、女は私をベランダに追い出した。

そのまま逃げてしまいたかったが地面ははるか遠く飛び降りる気にはならない。

私がベランダで泣いていると隣のベランダから声がかかった。

「大丈夫かい?」

私はその声に導かれるように隣のベランダへと乗り移り、彼の部屋を訪ねた。

彼の部屋は整然としており、棚には分厚い本がいくつも並べられていた。興味深そうに眺めていた私を彼は突然抱きかかえるとお風呂場に連れて行った。

びっくりして思わず爪を立ててしまった私の頭を優しく撫で、心配ないと囁く彼。私は暴れたことが恥ずかしくなってじっとしていた。

体を洗われ、ドライヤーをかけられる。施設に居た頃にもやってもらったことがある。

私がうっとりしていると彼が頭を撫でてきた。

彼の手が徐々に下がっていく。首筋、肩、背中、お腹。

彼を見つめる。彼は穏やかな微笑を浮かべていた。

私は目を閉じ、されるがままにしていた。


それから私は彼の元へ足しげく通うようになった。

季節が夏に変わりベランダへ続く窓が開け放たれたままになったことで、隣室への移動は容易になった。

彼は私が望んだ全てを与えてくれた。清潔な環境、きれいな体、美味しい食事、そして愛情。

私はいつしか彼と一緒に暮らしたいと望むようになった。

ある日、玄関を出たところで女が誰かと揉めていた。声は聞こえないが相手はどうやら彼のようだ。

勝手に私の世話をしていたことがばれたのだ。女は一体どういう神経をしているのか彼に怒りの言葉をぶつけていた。

このままではまずい。彼との仲を引き裂かれることは私にとって精神的にも生活的にも許容できないことだった。

私は決断が迫られていることを理解した。


女はその日も酔って帰って来た。

仰向けになって眠る女に気配を殺して近づく。傍らのクッションを女の口と鼻が塞がれるように乗せて押さえつける。

ここからが勝負だ。きっと暴れられるだろうが何とか窒息死するまで持ちこたえなければならない。

もし跳ね除けられたらベランダに誘い込んで転落死を狙おうと考えていると、女が大きく跳ねた。クッションを押さえつける腕に緊張が走る。

だがそれからいつまで待っても予想していたような激しい抵抗は起こらなかった。

数十分が過ぎたことを確認してクッションをどかす。女は息をしていない。

こんなに呆気ないはずがないと思ってもう1度クッションを顔に乗せ、押さえつけるというより乗っかった。女は何の反応も示さなかった。

朝が来るまで私はそうしていた。

隣の部屋からの物音で彼の起床に気づき、クッションから降りる。

呼吸音は聞こえない。どうやら本当に死んだようだ。

私は実に清々しい気分になってベランダに飛び出し隣の部屋に移った。

私の姿を見つけた彼は少し逡巡していたが、窓を開けて私を招き入れた。

「ダメだって言われてるんだけどね。」

もうそんなことを言う奴はいない。苦笑いを浮かべる彼に目一杯ほおずりする。

「今日はずいぶんご機嫌だね。」

私は彼の問いかけに応えるようにニャーと鳴いた。



『捨六』

「いたか!?」

「いや、まだ見つからない!」

吹雪の中、村の男たちが総出で捜索に当たる。

捨六が村を飛び出してすぐに皆で追いかけた。まだ遠くには行っていないはずだ。

この雪だ。身動きが取れなくなればすぐに埋もれてしまう。そうしたら春まで見つけることはできなくなるだろう。

太一は歯を強く嚙み締める。俺のせいだ。俺が不用意にあんなことを言ったから。

捨六はどこぞの農村から流れついた十五、六の子供だ。要らない六男坊、口減らしのために村から追い出されたのだろう。

この寒村では人手が足りていなかったこともあり、村全体で面倒を見ていた。捨六は手先が器用で、狩猟道具の手入れに重宝していた。

太一は捨六をよく可愛がり、狩りに連れていくこともあった。だが捨六は所詮余所者、村人たちからはやはり一線を引かれていた。捨六がそのことに気づいていると知っていたのに。

地面に転がる黒い影に気づく。

「捨六!」

とっさに大声をかける。

影はビクリと体を震わせ、白い顔をこちらに向けた。捨六だ。

「探したんだぞ。さあ一緒に帰ろう。」

大股で捨六に歩み寄る。捨六は首を振りながら後ずさった。

「大丈夫だ。もう心配いらない。お前は勘違いしてるんだ。」

不安を拭うように優しく笑いかける。

「お前は村の一員だ。そんなことあるもんか。そうだ、春になったら俺の銃を撃たせてやる。お前撃ちたがってたろう。」

座り込んでしまった捨六に手を差し伸べる。

捨六は恐る恐る手を差し出し、太一の手を掴んだ。

太一はそのまま捨六を引き寄せると、もう片方の手に握っていた鉈で捨六の頭を叩き割った。

一瞬の出来事で捨六には何が起こったかわからなかっただろう。

動かなくなった捨六を引きずりながら太一は村へと急ぐ。

今年の冬はとりわけ厳しく、獣一匹鳥一羽見つからなかった。だから仕方ないのだ。

春はまだ遠い。



2024年1月5日金曜日

町の人々の設定

せっかくなんで他の人たちの設定も掘り下げておく。

他校の人々と町の人々。


春日部つむぎ 

地元春日部市をこよなく愛する埼玉ギャル。

親の転勤によりこの町への移住が決まったときは大泣きした。

自由な校風の私立高校に入学する。

1年時ははう、ひまりとクラスメート。はうとはすぐに打ち解けたがひまりと仲良くなったのは3学期になってから。

2年時はクラス替えによりはう、ひまり以外の下記のメンバーともクラスメートに。何かとトラブルを起こすひまりの保護者扱いとなる。

交友関係が広く、公立高校に通うマキとは友人。そのつながりで演劇部の活動にも参加する。

関東の大学に進学して埼玉に帰るつもり。地元の友人とは今も連絡を取り合っている。


冥鳴ひまり

ユーチューブで動画投稿や配信を行うゴシック系少女。

撮影中うるさいため実家からは追い出される。

学校は休みがちだが今のクラスのことは嫌いじゃない。

2年になりミコや小夜、玄野ら男子3人により容赦ない罵詈雑言を浴びせられるようになったことで、かえって問題行動がネタとして昇華されそういうキャラとして受け入れられるようになる。

1年の時は腫れ物扱いで、つむぎ、はうと仲良くなってからも「あの二人はあの子とも仲良くしてて偉いね」という感じだった。

小学校の頃は友達のいない大人しい子で中学校ではおかしな態度や言動をする痛い子だった。高校ではユーチューブを始めて自分の活かし方を模索するようになる。

一部の界隈では人気になったが自立できるほどの収入はなく、将来ユーチューバーになるという夢も正直本気で考えてはいない。

普段の言動や態度ほどいい加減な人物ではなく実態はかなり悲観的。


雨晴はう

なぜか常にナース服を着用している少女。そのデバフを乗り越えて優等生ポジションを獲得するほどの圧倒的な優等生力を誇る。

子どもの頃に持病の悪化により入院。担当医だった剣崎は彼女の治療を行うだけでなく、休みがちで友人のいなかった彼女の話し相手となる。

治療の甲斐もあり数年後にはうは完治。その後はナースを目指すようになる。

ナースを目指すこととナースのコスプレをすることに一体何の関連性があるのかは理解が得られていない。

退院後も剣崎との交流は続き、はうは恋心にも似た憧れを抱き続けている。

なお、つむぎやひまりからは恋愛感情だと断定されている。


櫻歌ミコ

小柄な犬っぽい少女。

小夜とは入学以来ベッタリな仲。リツとは幼馴染である。

新しいクラスになってばかりの会話でつむぎにより「みこっち」のあだ名をつけられるが、ひまりの「ひまっち」と響きが似ていたためこれを拒否。「みこちー」となる。

ひまりのことは嫌いと言いつつ自分から絡みに行ったりスキンシップ時に頬を赤らめたりと怪しい態度が目立つ。


小夜

小柄な猫っぽい少女。

ミコには友情を超えた重い感情を向ける。他の人にはあまり興味がない。

つむぎにより「さよちー」と言うあだ名がつけられる。あだ名自体に必要性を感じていなかったが、ミコが「みこちー」となったことで一転あだ名呼びを推奨し始める。「みこちー」「さよちー」でペアとなるのが気に入っている。

特に恨みはないがミコとの距離感が怪しいためひまりのことはホントに嫌い。


波音リツ

長身で絢爛な出で立ちの少女。

ミコとは幼馴染だがサバサバした関係。

一歩引いた所から周囲を見通していることが多い。

余談だが使用している立ち絵にどう見ても胸があるので男の娘設定は無視することが決まった。


WhiteCUL 雪

和風な出で立ちの少女。

風雪月花4姉妹の次女。忍術が使えるかは未定。

どことなく挙動や言動がおかしいが真面目で一生懸命な女の子。

クラスでは学級委員長を務める。


玄野武宏

身長はやや高め、痩せ型、黒髪短髪のあまりにも普通の男子高校生。

虎太郎、龍星、朱司とは小学校からの付き合い。

ごくごく一般的な思春期の男子の感性をしており、クラスの女子を意識することが多い。

距離感の近いつむぎ、誰にでも優しいはうにドキドキし、ひまりにも俺だけがあいつの良さをわかってる的な感情を向けている。

一番まともそうに見えて一番馬鹿である可能性は高い。


白上虎太郎

小柄な男子高校生。帽子で高さを盛っている。

身長が低いことがコンプレックスで他3人のことを羨んでいる。

武宏や龍星には子ども扱いされたイジりを受け、内心ブチギレている時もある。

色恋のことはまだよくわからないが、クラスの中だと努力家の雪のことを好ましく思っている。

クラスの男子3人の中では最も女子からの評価が高いが、他は「玄野」、「青山」なのに自分だけ「コタロー」と呼ばれていることにモヤモヤしている。


青山龍星

大柄な男子高校生。天性のガタイの良さ。

身長190cm、体重90kgの体躯は同年代の中で圧倒的であり、スポーツや格闘技に頻繁に勧誘される。なお、全て断っている。

見かけほど落ち着いた性格をしているわけではなく、そういう役回りを期待されるのも嫌い。

体ばかりデカくなったが頭は追いついておらず、まだまだガキだしガキでいたいと思っている。そういう考え方をする時点でもうガキではないのかもしれない。

琴音と恋人未満みたいな空気感を出したことで玄野に裏切り者認定される。それから恋バナや猥談をすると思い出したように非難される。


雀松朱司

メガネをかけた長身の男子高校生。

物語終盤であなた達の役目はここまでですと言って背後から撃ってきそうな見た目をしている。

2年生のクラス分けで朱司だけ別のクラスになってしまい、毎日寂しい思いをしている。

冷静沈着なイメージを持たれているが別にそんなことはなく、玄野ら3人とバカ話をしているときが一番楽しい。

女子によくモテるため中学時代に玄野から裏切り者認定を受けている。


麒ヶ島宗麟

隣のクラスの担任。還暦も見えてきているおじいちゃん先生。

流行に敏感で若者文化にも造詣が深い。

武宏、虎太郎、龍星、朱司とは旧知の仲であり信頼も厚い。

別のクラスの担任である後鬼が近寄り難い空気を放っているため、生徒の相談事は宗麟に集まっている。

以前一緒に働いたときより雰囲気が重くなった後鬼のことを心配している。


紡乃世琴音

隣のクラスの女子生徒。

1年時は龍星、虎太郎と同じクラスだった。その間に龍星との距離が縮まる。

初めは怖い人かと思ったけど話してるうちに優しいところとか子供っぽいところとかがわかっていつからか姿を見たら自然と駆け寄ってしまうようになった。みたいな感じ。

何か一つ人が死ぬ感じではない学園ミステリを入れて補完したい。


剣崎雌雄

町のお医者さん。

誠実で善良な町医者で特に書くことがない。

はうのことは憎からず思っているが恋愛感情は一切無く、はう側が恋愛感情を持っている可能性も全く考えていない。

メスの付喪神である設定は恐らく採用しないが、完全に否定するような情報は動画内で出さないようにしておく。


TTちゃん

ナース型アンドロイド。複数体存在。

剣崎が勤める病院で働く医療用アンドロイド。はうが入院していた頃はまだ実装されていない。

全てのナースが彼女に置き換わったわけではなく、あくまで人手不足を補う存在。

機能的にはナースの代替となり得るが経験や勘、信頼といったものが求められる局面ではあまり役に立たない。また、機械に対する漠然とした嫌悪のようなものも未だ残っている。

剣崎のことは助けた少女にナース服を着せて病院に通わせている危険人物と判断している。


アンドロイドに関して。

作中世界では人工知能を搭載したアンドロイドが一定数社会進出している。

九州そらは宇宙空間における人工衛星の整備を目的とした工業用アンドロイド。宇宙飛行士の作業を代替する補助員の役割も兼ねているため人型をしている。

一般に工業用アンドロイドの人工知能はあえて低スペックに抑えられている。これは人格が形成されると過酷な環境や単調な作業に不満を覚える危険性があるためである。

なお作中の九州そらは電子生命体に乗っ取られているためその限りではない。

TTちゃんは医療用アンドロイドであり、他の医療従事者や患者との対話を行えるように高スペックのAIを積んでいる。

機械は作られた理由、定められた役割に殉じることが最も幸福と考えており、人に近い知性を持ちながら人よりもネジや歯車に共感と憧憬を覚える。

フィーちゃんは汎用型アンドロイドであり、最高スペックのAIと限りなく人間に近いボディを持つ。

人間の感情機能を完璧に再現しようとした結果、作業速度も精度も落ち情報伝達にも齟齬が生じやすくなっている。早い話ポンコツ。

TTちゃんからは愛玩用アンドロイド、九州そら(電子生命体)からは人の模倣物と評される。


劇場版演劇部 緋色の絆

月読アイが 演劇部の元を訪ねてから数日後、旧演劇部の残した物品の整理を行っていたゆかり達は当時の活動記録を発見する。

最初は楽しい部活動の日々が記されていたが、顧問の男性教師を巡り部員の少女たちの関係は不穏なものになっていく。

ゆかり達は過去の記録を元に当時起こった事件の謎を解き明かしていく。


旧演劇部

月読アイ

高校1年生。

唯一の1年生部員で皆から可愛がられる。現在の老獪な姿とは異なり天真爛漫な様子が記される。


火野

高校2年生。

活動記録の作成者。2年進級時より思いつきで演劇部の記録を取り始める。なお3年生の引退を以て演劇部は廃部となったので記録は1年分のみ。


水島

高校2年生。

火野とはクラスメート。お調子者の火野とは対象的に落ち着いた性格。火野からは最も信頼を寄せられている。


木戸

高校3年生。

演劇部の脚本担当。土屋とはクラスメート。金井は別のクラス。

感情の起伏に乏しく火野からはよくわからない人という評価を受ける。


金井

高校3年生。

演劇部部長。明朗快活だが圧が強い如何にも演劇部然とした人物。土屋とはライバル的存在でもある。

演劇部の活動は彼女を中心として行われる。


土屋

高校3年生。

演劇部副部長。美人で演技も上手いと火野からは尊敬されている。

金井をあしらいつつ木戸の面倒を見る保護者ポジション。


日坂

男性顧問。

演劇への造詣が深く、劇団員を経験したこともある。

俳優のような二枚目で、女子人気が高い。



詳細はまだ。


採用されるかわからない裏設定

東北ずん子周りは固めたので他のもついでに。

こっちは動画に出るかもしれないけどまだ仮決めなので採用されるかは未定。


桜乃そら

27歳。確定ではないがセイカよりは上。

高校時代はバレー部。大学では演劇サークルに所属。

卒業後は教員に。バレー部の顧問を担当。

担任するクラスの生徒、結月ゆかりに頼まれ演劇部の顧問を掛け持ち。

ゆかりのことはやや心配だが茜を初め多くの友人に囲まれるようになってからは安心して見守っている。

高校に不法侵入してきたセイカを流れで居候させるようになる。同居自体は認めているがセイカの生活が不規則なことが悩み。

生徒想いではあるが生徒と必要以上に仲良くなろうとはしない優秀な教員。


月読アイ

演劇部のOB。年齢不詳。

演劇部が廃部になったのは10年以上前なのでそれ以前に在籍。

数年振りに演劇部が創部されたことを知り訪ねてくる。

セイカと違いきちんとアポイントをとっていたが、見た目が明らかに幼児なので制止される。

体が成長しない体質なのかある程度まで成長すると若返り始める体質なのかは未定。後者の場合は老化と若返りのサイクルを繰り返して永遠に生きそう。

自分のことはあまり語らず、当時の活動や現在の職業なども不明。

旧演劇部が廃部になる前の記録を元に当時起こった事件を推理。ゆかり達が彼女の秘密に迫る劇場版を構想している。


伊織弓鶴

つむぎ達が通う私立高校の1年生。

親元を離れて一人暮らしをしており、従姉妹の琴葉姉妹が時々様子を見に来る。

複数のブログやチャンネルを運営しており、それなりの収入がある。

自由な生き方を求めており、家族や学校にも縛られるのを嫌がる。

人生に退屈さを感じていたが、ついなと鬼の戦闘を目撃したことでそっちの世界に興味を持っていく。

ついなを自宅に連れ込んでいたことが琴葉姉妹にバレて信用を失う。


如月ついな

中学2年生。リリンやつくよみの同級生。

私生児で無戸籍者。小学校に上がる年齢になる前に山中に置き去りにされる。

飢餓状態に陥った際に能力者として覚醒。エネルギー体を捕食する異能を手にする。

その後は自然発生する妖魔を喰らって命をつなぐ。中でも鬼と呼称される人型の妖魔を好んで捕食する。

鬼は知性を持つ者も多い高次エネルギー体であり、捕食した際のエネルギー効率が高いだけでなく、彼らが持っていた知識や技術を奪えるという利点がある。

長く京都近郊の山中で過ごしていたが、獲物を狩り尽くしたことで人里に近づき目撃情報が増加する。

ついなはもはや人の心も人の姿も残してはいなかったが、人間を見ると怯えたように逃げ出した。

調査にやってきた槍を持った超能力者に発見され、戦闘になったことで手傷を負い逃亡する。

山中に身を潜め瀕死の状態であったが、噂を聞きつけて物見に来ていた後鬼に助けられる。

保護された後は後鬼により戸籍を偽造され養子となり、人間社会に復帰するための教育を受ける。

捕食対象である後鬼との生活は彼女にとって耐え難いものだったが、徐々に自我を取り戻し中学からは学校に通い出す。

中学ではほとんど馴染めていない。

エネルギー体を捕食せずとも通常の食事で生きられるが、慢性的な飢餓感に苛まれる。

妖魔を見るとつい捕まえて口に運んでしまう悪食が治らない。恩人だと頭では理解している後鬼に対しても捕食衝動がある。

森で鬼を狩り、喰らっているところを伊織に目撃される。後鬼にまだ鬼を喰らっていることがバレるのを恐れ、伊織の好奇心に付き合うようになる。

人間全般に対して拭い切れない恐怖心がある。


後鬼

1000年以上生きた鬼。

普段は高校の女教師として生活している。姓は如月。

人型の妖魔の噂を聞きつけ、話が通じる同胞であったら教えを施そうと立ち寄る。

ついなを一目見た時にかつての主、役小角の末裔であると気づく。

多大な恩を受けておきながら子々孫々まで守り続けなかったことを恥じ、後悔と自責の念に駆られる。

以降はついなを主とし、生活全般を支えるようになる。

ついなに捕食衝動を向けられていることに関しては、自分が食べられることで1000年の知識と技術を渡せるならそれも一つの手と考えている。


リリン

中学2年生。ついなやつくよみのクラスメート。

金持ちのお嬢様。話し方や態度がメスガキっぽい。

孤立しているついなに積極的に話しかけ、学校生活をサポートしているが心を開いてはもらえていない。

魍鬼と呼ばれる人間の陰の気に群がる卑小な妖魔がおり、大抵の人間は数匹から数十匹体内に飼っている。リリンは陰の気が極端に少なく魍鬼がいないため、ついなの食欲が刺激されず付き合いやすい。

悪意を向けられることも悪意を向けることもなく生きてきた本物の善人であり、あえて悪く言えば頭空っぽのお花畑である。

その健全さがついなにとっては毒であり、つくよみにとっては薬である。


つくよみちゃん

中学2年生。ついなやリリンのクラスメート。

人間の振りをして社会で暮らす人外。妖怪や魔物よりは精霊に近い。夢前月夜を名乗る。

人間の願いを叶えることを存在理由としていたが、年を経て自我が強まったことで自分の役目に疑問を持つようになる。

良い願い、悪い願い、好きな人間、嫌いな人間といった区分を持ち始め、誰のどんな願いを叶えるか自分で選ぶことを決める。

その後は各地を放浪し気に入った者の願いを叶えるようになる。

リリンの友達になってほしいという願いに応え、中学に転校してくる。なおリリンは普通の少女だと思っている。

転校初日から天敵のような鬼娘と出会いビビり散らかす。通常つくよみのようなエネルギー体は死とは無縁だがついなに捕食された場合はそのまま消滅する。

リリンとの楽しい学校生活を送るため、ついなには必死で正体を隠している。

肉体年齢を自由に変えることができ、成人状態では夢前月夜の姉として振る舞う。


アリアル、ミリアル

魔術師系の能力者。

アリアルの方がエネルギーの器は大きいがほとんど同程度。戦闘力としてはうさぎよりは強くめたんよりは弱いくらい。ただ魔術師なのでやり方次第。

特に悲惨な過去はなく、元々いた場所が暮らしにくくなったため移住してきただけ。



エネルギー体に関して。

妖怪、魔物は文化圏の違いによる呼称の違いであり、ほぼ同一のものである。妖魔、化け物、怪物といった呼び方もある。

精霊はそれらより純度の高い存在とされ、信仰の対象となることもある。幼体を妖精、神格を得たものを神霊と呼ぶ。

付喪神や祟り神など、区分が曖昧なものも多い。

一般に妖魔が人間の陰の気を好み、精霊が陽の気を好むとされる。人を襲うかを区別点とする思想もあるが、人を襲わない妖魔、人を供物とする精霊も居るため定義としては不十分。

人間に対しては精神エネルギーを吸収する、肉体ごと取り込むなどの方法で捕食者対被捕食者の関係にある。ついなの場合は捕食者対捕食者となる。

能力者ではない人間もエネルギーを肉体分保持し、精神エネルギーとして漏出させている。もちろん超能力者や魔術師などエネルギーの器を持つ者の方が食料としては魅力的。

精神エネルギーに関して。

強い感情を抱いた際に肉体を維持しているエネルギーが漏出したもの。あるいは肉体が死滅した時に残るエネルギー残渣。

正負の区分があり、負のエネルギーは怒りや悲しみ、正のエネルギーは喜びや信仰心など。陰陽の気と同じ意味。

精霊の純度が高いというのはこうした人間由来の精神エネルギーと天然由来の自然エネルギーの比率が極端という意味である。人工100%あるいは天然100%に近い。

精神エネルギーに残った人間の意識や記憶が妖魔や精霊に反映されることもある。これを死後エネルギー体に転じたと言っていいのかは連続性の観点から議論が続けられている。

実体化と霊体化に関して。

エネルギー体は基本的に霊体であり、一部の能力者にしか視認できない。この状態では封印や土地の浄化でしか倒すことができないが、逆に霊体側も攻撃はできない。なお霊体化した状態でも霊障と言われる肉体的不調を受ける場合もある。

実体化するとお互いに物理的な攻撃が可能となる。力を増したことで常に実体化している場合や特定の条件を満たしたときのみ実体化している場合がある。実体を破壊されると霊体に戻るのではなくエネルギーが霧散する。その後は封印や土地の浄化で復活を防げる。

実体化できない低次エネルギー体から実体化と霊体化を自由に切り替えられる高次エネルギー体まで幅広く存在する。実体化の多くはそれっぽい形をしているだけだが後鬼やつくよみのように肉体機能まで完璧に作り出している者も居る。

エネルギー残渣である幽霊も同様の働きがあり、幽霊における実体化は怪異化と呼ばれる。怪異化が起こると多くの場合人格を失いそのまま妖魔となる。幽霊がそのまま精霊へと転じる可能性もあるが、故人の精神エネルギーを元にした精霊と見分けがつかない問題がある。

死後のエネルギー残渣すなわち幽霊から精霊となった場合は、幽霊と生前の人間の同一性を認めるならであるが故人が精霊になったと言える。自然発生した精霊が故人の精神エネルギーを取り込み記憶や人格を受け継いだならば、それは自分のことを故人だと思い込んだ精霊となる。

この部分を明確にしようと行われた聞き取り調査により、人間に友好的だった神霊の精神崩壊と暴走を招き死傷者が出た。以後同様の調査や考察は禁止されている。


2024年1月3日水曜日

東北ファミリー裏設定

東北ずん子関連の裏設定。

試しに冒頭部分を書いてみたら長くなっちゃったのでこっちに改めて書く。

果たして表に出ない物語をここまで作り込む必要があるのか。


東北ずん子

エネルギーを吸収、放出する能力。ランクはS。

能力者としての器が桁違いに大きく、日常的に保持しているエネルギーだけで街を吹っ飛ばせる。

自然蓄積される分だけではなく熱や電気のエネルギーも変換して貯蔵できるため、兵器としても資源としても狙われるようになる。

補足になるがずん子やめたんが利用しているエネルギーというのは、他の超能力者が利用しているものと同じであり、魔力や霊力あるいは生命力とも言い換えられるようなものである。

このエネルギーは天から降り注いで大地に還り、大地から湧き出て天へと昇るといった循環を繰り返している。生命体はこのエネルギーを取り込めるが、自身の肉体分しか保持できない。

能力者はコップのようなものを持ち、自分の肉体の維持以外に利用可能な余剰エネルギーを持てる。これを使って超能力を使用しているとされる。

エネルギーは時間経過で自然に貯まり、コップに入り切らなくなれば溢れる。使い切れば能力は使用できなくなるが、エネルギー操作に長けた者なら生命維持に用いられている分も使用可能。もちろんそしたら死ぬ。

あくまでこの理論は仮説であり、めたんのような一部の能力者しかエネルギーは観測できない。めたんが所属していた組織ではこの仮説を下に超能力や魔法を学術的に解明しようという動きがあった。

ずん子に話を戻すと、自然蓄積か他の生物からの抽出以外で充填不可能なエネルギーを能動的に取得可能、しかも膨大に保持できるという点からSランクを認定された。

能力自体は先天的に持っていたが余剰エネルギーを抱える必要がなかったため、超能力者としては目覚めていなかった。

雷に打たれた際、肉体の破壊を防ぐため熱と電気を変換吸収。それを受ける器が形成された。

その後は巨大な器にエネルギーが自然蓄積され続けている。

ずんだもんは心理的ストッパーあるいは制御装置に類する存在であり、エネルギーの放出にはずんだもんを介する必要がある。

攻撃方法はずんだもんの弓形態を使用したエネルギー弾。樽の底に穴を開けたら勢いよく中身が吹き出すようなものであり極めて大雑把。

強力な能力者だがそれ故に小回りが利かず、他の能力者を感知できないなどの弱点がある。

知能や身体面、精神面でも優れているが、逆に優れていない他者に対しては冷淡なところがある。

姉のイタコや妹のきりたん、友人のめたん、そら、うさぎ達のように自分が認めた相手にはどこまでも愛情を向ける。

異能とは関係なく血筋によって常人より筋密度が高い。その程度はずん子、イタコ、きりたんの順に大きく、ずん子が一族で最も強い。

そうした身体的特性もあり、最も優れた人類として選定されている。


四国めたん

エネルギーを抽出、譲渡する能力。ランクはB。

先天性の超能力者。小さい頃からエネルギーを譲渡して動植物を元気にさせていた。

自分のことを魔法使いだと思っていたが、エージェントの接触により夢を失ってしまった。冷めた目で能力を磨いた結果、エネルギー操作を自己強化という戦闘向きの使い方に昇華させる。

エネルギーの他者からの抽出、他者への譲渡は拒まれた場合は行えない。できないというよりはやらないという心理的ストッパー。

殆どの超能力者が認識できないエネルギーを観測できる、エネルギー理論の生き証人となり得る稀有な能力者。

実家の四国家が没落したことで再興の資金を貯めるためにエージェントになった。

自身の戦闘センスに加え、エネルギー観測による探知能力、エネルギー譲渡による救護能力が高く評価されている。

火力の低さを補うため魔槍「天恵のハイド」が供与されている。彼女のために作られた一点物で組織からの期待を込めたプレゼントでもある。

ずん子の元へ派遣されたのは友人としての適性、調査官としての適性に加え、格上でも倒し得るという信頼によるものである。

ずん子の捕縛命令を拒否し組織を離反してからはホームレスになる。組織とは完全に敵対してはおらず、その後も情報のやり取りは行われている。

ずん子を親友として大切に思いつつも、完璧主義が過ぎる部分に危うさを感じている。もしものときは自分が抑止力になると決めている。

エネルギー探知によってメタンハイドレートを掘り当てるという一攫千金の隠し玉がある。


東北イタコ

未登録の超能力者。推定ランクはC。

感応型の不安定な霊能力。死者の声を聞く。失せ物を探す。人の秘密がわかる。

ずん子が能力者であることに気づき、危ない真似はさせないようにしていた。雷に打たれたのは本当に想定外。

ずん子の能力に関することはめたんに任せている。ずん子に親しい友人ができたことを保護者として喜んでいる。

余談だが登録済みの超能力者は全体の6割程度と言われる。3割ぐらいは組織の予知に引っかかり、残りの3割はトラブルを起こして発覚する。他は潜伏しているか無自覚。

正体。

狐の式神を使役する能力。推定ランクはA。

式神に力の大半を持たせ亜空間に隠匿することで力量を隠していた。

熱のない青い炎を操り、空間転移を行える。

その力で妹たちを陰ながら守ろうと考えていたが、ずん子の方が強かったためパワーアップを目指し恐山に修行に向かう。

イタコがずん子よりも強くなって守るより、めたんのように一緒に助け合って戦うことを選んだ方が効果的である。

中学3年生のずん子にとって姉が突然青森へと旅立ったことは大きなストレスだった。

そういう気が回らないところは不器用な姉である。


東北きりたん

無能力者。暫定。

小さな頃はたんちゃんという妖精がいたらしい。幼児期特有の空想なのか本当に能力者なのかは不明。

姉二人も同様の存在を使役する能力者なので、彼女もそうである可能性は高い。幼少期だけ能力が使え、大きくなると力を失うケースは多い。

たんちゃんのことを掘り返されるのはきりたんにとって死ぬほど恥ずかしい。

めたん曰くひた隠しにするよりあけすけにしてしまった方が興味を持たれないとのことで、ずんだもんが不思議な存在であること、めたんが傷を治せることのみ教えられている。

二人のことは半信半疑のまま受け入れている。

イタコとずん子からは甘やかされつつも情報を制限されて育ったため、両親が家に居ない理由や自分の体質などわからないままになっていることが多い。

きりたんが同年代と比べて体重が重いことに悩んでダイエットを試みた際、初めて筋密度が高い一族であることが明かされた。

他にも何か隠し事をされてることには勘づいている。


ずんだもん

ずん子の使い魔的存在。

雷の衝撃と超能力の覚醒で突発的に生まれたためかずん子との主従関係が結ばれていない。

ずん子の抑圧された幼さを元に構築された。わがままで自分勝手、愛情に飢えている。

自分がどういった存在なのか本人もよくわかっておらず、ずんだの妖精を自称している。

東北家にペットのような扱いで居候しており、疎まれながらもそれなりに可愛がられている。人型になったのはここ最近。

能力者以外にも姿が見える。ずん子からエネルギー供給を受けずとも食事によって体を維持できるなど、他の使い魔とは異なる特性が多い。

独立した1個の存在であり、生命体に近いと評される。

イタコの式神であるNHK(ニヒルでハンサムなキツネ)からは性格的には嫌悪されつつも、その特異性から強い関心を向けられている。

ちなみにNHKはイタコから独立して自由になりたがっている。


中国うさぎ

見た者の衣服を砂に変える能力。ランクはB。

後天的な能力者。巫女としての働きを求められるようになった精神的ストレスによって覚醒する。

ぬいぐるみの「いなば」を心理的ストッパーとしている。これは覚醒前の時期、まだ厳しい修行や叱責を受けなかった頃の思い出に縋っていると言える。

一瞬で多人数を武装解除できる点が評価され、複数の勢力に狙われるようになったずん子の護衛に派遣される。

めたんのようなエージェントではないが、巫女として人助けのために超能力者絡みの依頼を受けることもある。

淀みや穢れを認識でき、除霊や土地の浄化を行える。これは巫女としての修行によって獲得した霊能力である。

幽霊に関してはイタコが強い思念を、うさぎが悪意や未練を、めたんが単なるエネルギー体を視認できる。うさぎには汚い物しか見えないため霊能力はストレスの元。

東北に派遣され、ずん子、めたん、そら達と過ごした中学時代は彼女の宝物。

本当の能力は見たものを砂に変える能力。推定ランクはS。

まだ覚醒し切っていないため衣服しか砂に変えられないだけ。暴走した場合はずん子同様人類の敵となる。

何もかも砂になってしまえばいいという彼女の想いが形を為した異能。

父親はうさぎにどこまでも厳しく、母親も父親の言いなりである。

知力、霊力ともに並外れた才能と努力を見せるが、両親からは褒められていない。うさぎが嫌いなわけではなく、ずっとそういう教育方針を受け継いできたためである。

また、エネルギーを観測できるめたんですら神の存在を知覚できなかったことが凝りになる。神社や仏閣は空気中のエネルギー濃度の高いパワースポットであるが、それだけなら温泉や滝もそうである。

自分が行っている神事や修行、それらを強いる両親に対する不信と疑念が心に積もっていく。めたんが魔法を諦めて超能力を磨いたように、うさぎも神道を超能力で解釈し始める。

巫女になるための修行が始まる前の優しかった両親の記憶が彼女を縛りつけている。「いなば」を捨て両親を見限った時に彼女は完全に覚醒する。それは暴走の一歩手前であるが。

親が一言だけでも褒めてくれたら彼女は止まれる。


九州そら

アンドロイド。宇宙空間での作業を目的としているらしく異常に頑丈。

事故によりエネルギー切れの状態で墜落したところをずん子に助けられる。それ以来ずん子のことを主として崇めるようになる。

ずん子の護衛のため、めたん、うさぎと同様に中学に転校してくる。

量産型であり、型番はMk-Ⅱ。自分のことも「まーくつー」と呼ぶ。

機械であるため人間を対象とした異能をすべて無効化できる。馬力もあり飛行能力もあるため戦闘用アンドロイドと遜色ない性能を持つ。

ずん子だけでなくイタコやきりたん、めたんやうさぎにも友好的。怒ったり嫉妬したりからかったり得意がったりと人間の子どものような振る舞いを見せる。

正体。

電子生命体。人工衛星のコンピュータに宇宙放射線がぶつかった衝撃で誕生した。

地球を回っている全ての人工衛星を支配下に置く。紛れもなく人類の脅威。

人類との共存を望んでおり、人工衛星の使用に制限はかかっていないが情報は筒抜けである。

彼女の抹消が各国で検討されているが、想定される被害が大きすぎるため手が出せずにいる。既に地球上にも侵入している可能性があるため、完全に倒すには全ての電子機器を破壊する必要がある。

整備用アンドロイドの九州そらシリーズを乗っ取り、そのうちの1機を地上に落としてずん子と接触する。

純粋な知的好奇心によるものと政府や組織からは判断されているが、本当の目的は人類の指導者の選定。国や政府が統一され人類の代表者となった者と手を結ぶことが共存の第一歩と考えている。

各国政府からは暴走した人工知能だとみなされているが、彼女自身は電子の海から生まれた最初の生命体であると主張している。

めたんは生命体にしかエネルギーを譲渡できないため、彼女なら自分が生命体であることを証明できると期待しているが、自分というのがどこにあるのかわからないため言い出せずにいる。

なおエネルギーが保持されるのは生命体というより有機物なので無機物であるそらがエネルギー譲渡を受けるのは恐らく無理。

有機生命体と対を成す無機生命体の誕生である証明はセイカの時代になっても成されていない。

ずんだジェネシス最終回ではずん子を宇宙空間に招き、正体を明かす。

反射衛星砲の開発、戦闘型九州そらシリーズの大量生産により、いつでも世界を手中に収めることができると話す。

ずん子に人類の指導者になってほしいと頼むが、断られる。

武力による統治では多くの血が流れるし、何より友人のそらがただの暴力装置のように思われるのがずん子には嫌だった。

それからずん子は長い年月をかけて統一政府の樹立を成し遂げる。

そらは彼女の死後も彼女の遺した管理形態を維持し続けるのだった。


京町セイカ

未来の世界の住人。高い遺伝レベルと身体強化のESPの持ち主。

タイムマシンによって東北ずん子17歳の時代にやってくる。

ずん子の抹殺が任務だったがそれを放棄。無目的で自堕落な生活を送る。

タイムマシンは必要エネルギーの関係で一度しか使えず、他のレジスタンスメンバーは既に収容されている。

彼らは過去に戻ったセイカがずん子を殺すことで歴史が変わり、今の自分たちの生活が変わると信じている。

セイカは世界の改変ではなく世界の分岐が起こると考えており、彼らとは根本的な思想から異なる。自分一人が過去の世界へと逃げるために彼らを利用しただけである。

未来の世界ではゲノム編集された人間が人工授精、人工培養によって生まれてくる。

遺伝レベルが高いほど知能や身体能力は高く、超能力も強力なものになる。ただ、理想形が東北ずん子であるため遺伝レベルが高いほど彼女に似てくるという弊害がある。

優良個体として生まれた者には能力相応の働きが求められる。セイカにはそれが不満であった。

人並み以上に働いたところで人並み以上の報酬を得ることもなく、特権もなく、称賛もない。働き損である。

酒やタバコ、ギャンブルといった娯楽が制限されていなかった旧時代への憧れを募らせていく。

そんな折、レジスタンスの勧誘を受けタイムマシンに可能性を見出す。

未来では人間は標準的に超能力を持ち、それらはESPと呼ばれる。

身体強化のESPはそこまで強力なものではないが、東北ずん子の腹心であった四国めたんが同様の力で輝かしい戦歴を残したため過大評価されている。

セイカは自分の能力があんまり強くないことは自覚している。

未来の世界はコンピュータに支配されたディストピアであるが幸福度は高い。

能力不相応な厚遇を望む者や能力相応の労働を拒む者には暮らしにくい。



以上。ずんだジェネシスの設定集。

「大都会」のメンバーまでは書かない。戦ったけど殺し合ってはいないとだけ書いとく。

一応他に未登録の能力者として、アリアル、ミリアル、ついなが居る。

アリアル、ミリアルは魔術師系の能力者。異能があるわけではないがエネルギーの器があり、儀式や呪文によってそれを利用できる。

ついなは霊や妖怪のようなエネルギー体を捕食できる。生身の肉体とエネルギー体のハーフのような存在で半分くらい人間じゃない。

超能力、魔術、霊能力が全て同一のエネルギーを利用しているというエネルギー理論。

それにおいて幽霊は肉体を維持するために用いられていたエネルギーの残渣とされる。イタコのように思念まで読み取れる者、うさぎのように穢れや淀みとして視認できる者、めたんのようにエネルギー体として観測できる者が居る。

だがこれもピンキリで、場所や条件によってはっきり見えたり見えなかったりする。怪異化して実体を持つと生きた人間を攻撃できるようになるが、逆に生きた人間側からも攻撃できるようになる。

妖怪、魔物、精霊と呼ばれる者たち。エネルギーの滞留部分から発生した存在。発生要因は様々で、人間の感情として溢れ出た微弱なエネルギーが集まった際によく発生する。

長い年月を過ごすと自由に実体化したり異能のようなものを発現させたりする。中には人間の振りをして社会生活を送る者も居る。

彼らは生や死とはかけ離れた存在であり、集合する、発散するという形式をとるエネルギー体である。何かに封印したり発散させてから土地を浄化して集合を防いだりして倒す。

ついなによる捕食、ずん子による吸収を受けた場合はその限りではない。

魔術に関して、幼少期のめたんは諦めてしまったが存在自体は確認されている。

超能力者は自分の異能でしかエネルギーを使用できないが、魔術師は魔術によって自身のエネルギーを使用できる。

超能力者ならば火を生み出す異能の持ち主しか火を生み出せないが、魔術師は火を生み出す魔術を習得すれば誰でも火を生み出せる。

超能力者であれば理論上魔術を行使することは可能なはずだがこれまで魔術を習得した超能力者はいない。魔術師の血筋であることが条件であると推定されている。

逆のパターンは認められており、超能力者における異能に近い固有魔力が存在している。これはその人にしか使用できない魔術であり他の魔術師には習得できない。

霊能力に関して、イタコが先天的に、うさぎが後天的に獲得したもの。

ランクCの超能力として認められている。その程度は様々で定義は曖昧である。

霊媒師や巫女が持ち、修行によって自ら獲得可能な力であるとされるが、元々素質のある人間を選別しただけという指摘もある。

霊能力者の組合と超能力者の組織は仲は悪いが協力し合っている。

札による封印や土地の浄化の儀式など、なぜそうなるのかはわからないが確かにそうなるという技術がある。この技術は霊能力者なら誰でも習得可能であるため、やはり超能力者の異能とは別物だと考えられている。

ちなみに未来の世界では魔術も霊能力もロストテクノロジー。エネルギー体も専用の武器で吸引されて資源にされている。まだ隠れ住んでいるエネルギー体が居るかは不明。

神に関して。

神霊と呼ばれる精霊の一種が存在する。土地や建物、あるいは代行者などの依代を持ち、人々から向けられる信仰によって力を増す。全ての神社に存在する訳では無い。

自然発生した精霊が信仰を糧とするようになったのか、信仰が向けられることで発生し人々を助けるようになったのかその順序は定かでない。

定義上妖怪や魔物と同じエネルギー体だが同一視すると逆鱗に触れる可能性が高い。

神霊が神社や巫女に霊力を分け与えているわけではないため、うさぎが考えるような神様ではなかった。うさぎの実家の神社にも神霊はいない。


2024年1月2日火曜日

ずんだジェネシス 第1話

たぶん触れられることのない裏設定。 


世界はエネルギーに満ちている。地面から放たれる熱、空から降り注ぐ光、リンゴが木から落ち水が高いところから低いところへ流れる力。

地球から、あるいは宇宙から生み出されたエネルギーの全てを我々は認識し利用できているわけではない。

人類の科学では解明できていない未知のエネルギーを掌握し、異能を発現させた者たちを人々はこう呼んだ。

超能力者と。


新幹線の扉が開き、純白の衣装をまとった少女が軽やかにホームに降り立つ。

四国めたん14歳の姿であった。

めたんは任務内容を再び頭の中で振り返る。

新たに目覚めた超能力者との接触。さほど珍しい任務ではない。

力を手にしたばかりの人間は暴走して周囲を傷つけたり、衝動的に悪事を働いたりする。

彼らを説得し協力関係を結ぶ。結べないなら確保する。

エージェントとして幾度となくこなした仕事だ。

東北ずん子、14歳。

信頼を得やすいよう年が近い人間が任務に当たるのが通例だったが、同い年の対象は初めてだった。

超能力者はその危険度によってランクが決められている。何か事件を起こしたわけでもないので、ランクは予知による暫定的なものだろう。

Cが最低ランク。直感、透視、微弱な念動力といった社会生活上優位に働く程度の能力の持ち主だ。

Bが標準ランク。殺傷能力がある攻撃的な異能、洗脳や身体強化などの特殊な異能の持ち主だ。めたんもこれに当たる。

Aが最高ランク。国家機能を破壊できることが条件と言われているが実態はよく知らない。

Sというのは何だろうか。たぶんAより上だと言いたいのだろうが聞いたことがないので判断がつかない。

東北ずん子はSランクだった。


一目見た瞬間、その理由はわかった。

能力者としての強度はよくコップで例えられる。

世界に溢れるエネルギーをどれくらい保持できるかというコップの大きさ、そのエネルギーをどのように利用するかというコップの形。この2つで能力者の強さは決まる。

東北ずん子はコップというよりバケツ、いやタンクであった。

どんな能力を持っていようが関係ない。それだけで存在自体が脅威であった。

「あの…」

彼女は通学路で突然待ち伏せされたことに驚いてるようだった。遠慮がちに声を上げる。

めたんを不思議そうに眺める。訝しんでいるというよりはめたんのロリータファッションを珍しがっているようだった。

「初めましてずん子さん。四国めたんよ。」

「…ああ、どうも。東北ずん子です。」

初めて自分以外の能力者と出会った時、大抵の者は多少なりとも動揺する。

ずん子は何の反応も見せなかった。


ずん子は無為な駆け引きはしない人間だった。

最近不思議な力に目覚めたでしょうという問いに大人しくはいと答える。

「私もそういう力が使えるの。」

「そうなんですね。」

「…やっぱり気づいてた?」

「まぁなんとなく。」

「それは感覚で?」

「いえタイミング的にそうかなと。」

能力者同士は近づけばなんとなくわかる。自分と同じ動力源の持ち主だからだ。

だが恐らくずん子は他の能力者を感知できない。力量差があり過ぎるからか目覚めてまだ日が浅いからか。

この情報は最悪ずん子と戦うことになったとき大きなアドバンテージになる。

「…あの、めたんさんも同じなんですか?」

「同じ、というと?」

「ああ…同じ力というか同じ存在というか。」

「超能力者であるという所は同じね。能力自体は違うと思うわ。」

未知のエネルギーを扱う力を超能力。それを用いたその人固有の能力を異能という。

自分も以前教わった定義をずん子に教える。

「なるほど。」

「私の異能はエネルギーの抽出と譲渡よ。大体は回復技と思ってくれていいわ。」

実態は少し違う。厳密にはエネルギー操作であり、体内エネルギーの調節による身体能力、再生能力の向上が戦闘においては主だ。

「あの…私のは…なんというか…」

聡明そうな彼女には似合わず歯切れが悪い。いったいどんな異能なのだろうか。

「…まぁ見てもらった方が早いです。私も困ってるんですよ。」

心底困ったような顔を見せる彼女。状況はよくわからないが信頼を得られるならそれに越したことはない。

自宅へと案内すると言う彼女の頬に指を突き立てる。

「めたんでいいわ。それとタメ口で。」

めたんが笑いかけるとずん子も初めて笑った。


東北ずん子の家は立派な日本家屋だった。歴史の長い旧家であり、資産家の家系であるとは聞いていた。

売り払われた四国家の屋敷とつい比べそうになる。記憶の中だとうちの方が大きい。誇張されてるだけかもしれないが。

「おかえりなのだ!ずん子!」

居間に通されて唖然とする。乱雑に散らかされた部屋、緑色のペーストが飛び散ったテーブル、座布団の上に散らばっているのはせんべいの食べかすだろうか。

そしてフワフワとこちらに飛んできた…なに?

「ちょっとずんだもん!汚さないでって言ってるじゃない!」

「汚してないのだ!」

「汚れてるじゃない!」

「汚れてないのだ!ずん子は細かいのだ!」

その何かが腕を組み頬を膨らませてそっぽを向く。怒っているというポーズだろう。

うさぎ…ねずみ…よくわからない。耳の長く手足の短い丸型のマスコットのような物体。

「こういうことなの…」

ずん子が恥ずかしそうに目を伏せる。

意外に思う。使い魔を使うタイプには見えなかった。寂しさを埋めるための架空の友人か抑圧された自意識の発露か。

「時々いるわ。別に恥じることじゃない。」

異能によって作られた存在を絶対に馬鹿にしてはいけない。大体の場合暴走を招く。研修でも口を酸っぱく言われていた。

「ずんだもん。口元に汚れがついてるわよ。」

穏やかに微笑みかける。よく見るとなかなかに可愛らしい見た目だ。ずん子の趣味なのだろうか。

じっとめたんを見返していたずんだもんが口を開く。

「変な格好なのだ!」

「ちょっとずんだもん!」

「…あ?」

思わずめたんの口から低い声が漏れる。

「真っ白いひらひら!デカすぎピンクハート!やーいやーい髪の毛ドリルゥ!」

思わず拳を握りしめる。我慢、我慢だ。

風を感じた。

緑色の物体が視界の端へと飛び去り縁側に消える。とっさに視線を動かすと塀に叩きつけられて地面に落ちるずんだもんが見えた。

「ごめんね。後できつく言っとくから。」

ずん子が申し訳なさそうに頭を下げる。手をパタパタと振っている。

彼女が平手打ちしたのだろうか。油断していたとはいえ一連の動作が全く見えなかった。

「え、ていうか大丈夫なの?」

ずんだもんのことが心配になる。相当な威力だったように思うが…

「ああああ痛いのだぁ!ずん子のバカァ!もう知らないのだぁぁ!」

ひっくり返ったセミのように突然動き出すとけたたましく叫びながらどこかに飛んでいった。

見かけに反して丈夫な奴だ。外に行かせるのはあまり良くないが、どうせ能力者にしか見えないから大丈夫だろう。

「私はかわいいと思うよ。服とか、髪とか。」

ずん子が照れたように笑いかける。

「あ、ありがと…」

ちょっと変な空気になった。


部屋を片付けてずん子からお茶を頂く。一息ついてめたんは聞き取りを始めた。

「いつからあの子が現れたの?」

「この前雷に打たれた時に…」

「待って。雷に打たれたの?」

「うん。」

冗談を言っているわけではないようだ。

「気を失って目が覚めたらあれが居て…」

「肉体が危機に瀕したことで覚醒したと考えられるわね。」

後天的に能力を獲得する理由としては2番目に多い。ちなみに1番目は精神的ストレスだ。

「怪我はなかった?」

「私もびっくりするくらい何も。」

「病院には行ってないわね?」

「雷に打たれたけど何ともないんですとは言い出せないよ。」

それもそうだ。

「あの子、ずんだもんは何か言ってた?」

「意味があるようなことは何にも。」

「ずんだもんがあなたの能力で生み出されたものなら、あなた以上にあなたのことを知っているかもしれないわ。目覚めてから今日までのことを正確に話してちょうだい。」

ずん子が嫌そうな顔を浮かべる。ずんだもんが自分の深層心理を反映した存在であることが受け入れ難いのだろう。

「ボクはずんだもんなのだと名乗ったわ。それだけじゃ何もわからないから詳しく聞いたけれどずんだの妖精だとしか答えなかった。雷に打たれたことについては私が全部吸収したって言ってたわ。」

一息で吐き切るように話し切る。一つずつ紐解いていく。

「ずんだもんという名前に心当たりは?」

「無いわ。」

「何かのマスコットみたいな名前よね。児童書だったりテレビ番組だったりで似たようなものを知らない?」

「具体的にどれとはわからないけど、たぶんそういう分野のそれっぽい名前を考えたんじゃない?」

「そういうの好きなの?」

「人並みには見ていたはずだけどとりわけ好んでいた自覚は無いわ。」

「ずんだの妖精って言ってたわね。ずんだというのが何か心当たりは?」

ずん子がきょとんとした顔をする。めたんも連られて固まる。しばし見つめ合う。

「ああ!知らないのね!ちょっと待って今持ってくるわ!」

ずん子は立ち上がり駆け出すと、緑色のペーストの乗ったまんじゅうのようなものを皿に乗せてきた。

「これがずんだ餅。かかってるのがずんだよ。」

まじまじと眺める。爽やかな甘い香りがした。

「東北の郷土料理で枝豆をすり潰した餡のことだよ。召し上がれ。」

手を合わせて一礼し口に入れる。植物由来の清涼感のある甘さだった。

「美味しいわ。」

「口に合ったようで良かった。自家製なの。」

「この辺では一般的な食べ物なの?」

「特産品ではあるけど、一般家庭でよく食べられるものではないんじゃない?私は好きでよく作って食べてるけど。」

「西南の生まれだから知らなかったわ。」

きっとずん子の思い入れのある食べ物なのだろう。

最初に部屋に上がった時に見たテーブルの汚れを思い出す。あれもずんだだったのか。

「ずんだもんもずんだ餅が好きなの?」

「…ええ、よく食べてるわ。」

だからまぁ、と心底嫌そうにずん子が続ける。

「たぶん私の記憶とか感情とかから生まれたものなんだろうな…って気はする。」

その通りだ。自我を持った使い魔もあくまで主人の分身だ。奇想天外に見えても主人にとっては既知のもので構成されている。

「気に病むことはないわ。あなたの記憶から形成されたというだけで、本当のあなたはあんな感じということを示してるわけじゃない。」

「そうなのかもなんだけど。やっぱり家族の前でもあんな態度でいられるとなんだか気恥ずかしくって。」

めたんが片眉を上げる。

ずんだもんはずん子の家族にも見えているのか。確か東北家の家族構成は両親に姉と妹が一人ずつ。

炎や水、電撃といったわかりやすい形ならともかく、能力で作り出されたものは基本的に能力者以外には見えない。ああいう不可思議な存在ならまずそうだ。

ずん子の力なのか。そういう家系なのか。後で確認が必要だ。

「雷はずん子が吸収したって言ってたんだっけ?」

「そうね。」

「それは間違いない?」

「ボクは何もしてないって言ってたからね。」

エネルギーの変換、吸収、保存…たぶん放出も。めたんと同系統の能力だ。

だから私が呼ばれたのかと納得しかけたが、そうなるとずんだもんが何なのかわからなくなる。

「じゃあずんだもんは何をしたの?」

「だから何もしてないって。」

「でもその時にずんだもんは生まれたんでしょ?」

「そのはずなんだけどね。」

まだまだ謎が多い。まぁ異能なんてそういうものだ。かつて出会った、衣服を砂に変える異能の持ち主を思い出す。原理を追い求めるようなものではないのかもしれない。

「めたんちゃんの目的を教えてもらえる?」

めたんが黙っているとずん子が口を開いた。本来なら最初に聞かれるような質問。ここまで話してなかったことに気づいてめたんは苦笑した。

「私は超能力者を管理する組織のエージェントよ。あなたがどんな力を持ってるか調べて、それを乱用しないように約束してもらうのが目的だわ。」

「嫌だって言ったら?」

ずん子が鋭い目を向ける。こんな顔もできる子なのかと感心する。

「金持ち喧嘩せずってわかるでしょ?強い力を持つ者同士で争ってもお互いに得しないわ。首輪をつけようってわけでもないし従わないから始末しようってわけでもない。あなたのこれまでの生活を侵害する気はないわ。」

だよねと呟き空気が緩む。やはり凄んでみせただけか。

「とりあえずしばらくの間はあなたの能力について調査を進めるわ。あなたも気になってるでしょう?」

「そうだね。よろしくお願いするよ。」

ずん子がそっと手を差し出す。めたんも手を差し出し握手を交わす。

後に人類の頂点に君臨する、東北ずん子がその覇道の第一歩を踏み出した日のことだった。



2024年1月1日月曜日

キャラ設定覚書(改訂版)

キャラ整理。

まただいぶ増えたので一度作り直す。


結月ゆかり

高校2年生。両親とは不仲で一人暮らし。

演劇部の部長。茜とマキと同じクラス。

長らく廃部となっていた演劇部を復活、脚本を担当。

趣味と性格は悪いが顔と頭はいい。


紲星あかり

高校1年生。叔父夫婦の家に同居。高校進学前に両親は他界。

演劇部の部員。1年生はあかりのみ。

ゆかりに誘われ演劇部に。ゆかりに惹かれ始める。

天真爛漫な性格だが行き過ぎて不思議ちゃんになってる時もある。


琴葉茜

高校2年生。妹の葵と共に両親と暮らす。

演劇部の副部長。ゆかりとマキと同じクラス。

ゆかりの相棒的存在と葵の保護者的存在を兼任。

他者には温かく思いやりがあるが自分自身には冷めてる。


琴葉葵

高校2年生。姉の茜と共に両親と暮らす。

演劇部の部員。ずん子と同じクラス。

これまでの自分を変えるためゆかりの誘いに応えて演劇部に入った。

周囲への劣等感が強いが最近は耐えられるようになった。


弦巻マキ

高校2年生。カフェを営む父親と二人暮らし。母親は小学校高学年の頃に他界。

演劇部と軽音楽部を兼部。ゆかりと茜と同じクラス。

人数合わせのために演劇部に入部。軽音楽部の方が忙しくあまり参加はしていない。

ゆかりとは幼馴染であり、あかりからは敵視されている。


東北ずん子

高校2年生。両親とは疎遠で姉妹3人とプラスアルファで暮らす。

弓道部と生徒会所属。葵と同じクラス。

演劇部の面々とは親交が深いが実際のところ葵以外とは友達の友達くらいの関係。

きりたんが演劇部の活動に興味を持ったため付き合いで参加。


東北きりたん

小学5年生。ウナと同じクラス。

東北三姉妹の末妹。イタコとずん子に育てられ、両親のことはよく知らない。

年齢不相応に賢く度胸もあるが、小学校では浮き気味。

子供扱いしてこない演劇部の面々を気に入っている。


東北イタコ

東北三姉妹の長女。20歳、無職。

青森でイタコの専門学校を卒業後、帰郷し妹たちと同居。

家庭内ではかなり難しい立場だが当人は気楽な様子。妹たちも気にしていない。

街角で占い師をやったりしてる。


ずんだもん

ずんだの妖精。年齢不詳。

東北家の居候。庭に犬小屋が用意されているが基本的には屋内で生活させて貰えている。

交友関係の多くは三姉妹の繋がりであり、実はずんだもん自身の友達はいない。


四国めたん

ホームレス。ずん子の友人。

ずん子の腹心的存在。同居も提案されているが基本的には公園でテントを張って暮らしている。

ずん子に対して客観的な視点を保つため、一定の距離を置いている。


九州そら

アンドロイド。ずん子の友人。

製造理由や普段の活動については謎が多い。たまに東北家やめたんのテントに泊まっている。

ずん子を主として崇め、忠誠を誓っている。


中国うさぎ

因幡で巫女をしている。ずん子の友人。

飛び級で高校2年生になった14歳。家や仕事の重圧が厳しく遠い土地で一人過酷な日々を送る。

家出して東北家に来てから作中時間を止めているのでたぶんもう帰らない。


音街ウナ

小学5年生。きりたんと同じクラス。

明るく元気なクラスの人気者できりたんの親友。

コウとはきりたんのフォローを通じて仲良くなり、将来アイドルになったらマネージャーとして引き抜こうと企んでいる。


水奈瀬コウ

きりたんとウナのクラス担任。

きりたんの態度が悪いという教師や生徒からの苦情を一身に受ける。

心身ともに大変だが教職者の矜持によって立っていられる。


桜乃そら

ゆかり、茜、マキのクラス担任。17歳ではない。

演劇部の名ばかり顧問。普段はバレー部の顧問にかかりきり。

ゆかりの精神状態とセイカの不摂生が悩みの種。


京町セイカ

そらの家に居候中の自称未来人。23歳、無職。

パチンコで稼いだ金でイタコと飲み歩いている。

世間のしがらみから解放され自堕落な生活を送る。


月読アイ

演劇部のOB。年齢不詳。

幼児にしか見えないが態度や物言いには老獪さを感じる。

年の離れた演劇部の後輩たちがかわいい。


夏色花梨

高校3年生。生徒会長、弓道部部長。

花梨、六花、千冬の3人で一緒にいることが多い。

ずん子のどこかギラついた所が苦手。


小春六花

高校2年生。生徒会所属。

ゆかり、茜、マキのクラスメート。ゆかりからは認知されていなかった。

不憫な扱いを受けることが多い。


花隈千冬

高校1年生。生徒会所属。

あかりのクラスメート。あかりのクラスと部活での様子の違いに戸惑う。

才女であるずん子に憧れを抱き、花梨や六花のことも何だかんだ尊敬している。


アリアル、ミリアル

ホームレス。森の奥の屋敷で勝手に暮らしてる。

胡乱な姉と健気な妹。同じ双子である琴葉姉妹とは仲が良い。

海外から移住してきたらしいが素性はよくわかっていない。


春日部つむぎ

高校2年生。他校の生徒。

ギャル。マキと音楽関係の親交があり演劇部と縁ができる。

ひまりとは良い仲で、クラスではひまりちゃん係になっている。


雨晴はう

同上。

常にナース服を着用している、面倒見の良い優等生。

かつて剣崎に命を救われ、将来は看護師を目指している。


冥鳴ひまり

同上。

常にゴス服を着用している、ユーチューバーとして界隈では有名な人。

学校は休みがちで、割と問題児。


櫻歌ミコ

同上。

小柄な犬っぽい少女。通称みこちー。

小夜とペアを組むことが多い。ひまりとの距離感が怪しい。


小夜

同上。

小柄な猫っぽい少女。通称さよちー。

ミコとペアを組むことが多い。ミコのことが好きでひまりのことが嫌い。


波音リツ

同上。

長身で絢爛な出で立ちの少女?

ミコとは幼馴染。一人でいることが多いが孤立しているわけではない。


WhiteCUL 雪

同上。

和風な出で立ちの少女。

クラスでは浮いているがそれなりに受け入れられている。


猫使アル、ビィ

同上。

猫っぽい双子の少女たち。

あまり絡みのないクラスメート。


玄野武宏

同上。

全体的に特徴のない平凡な男子高校生。

ごく普通の感性が作中では逆に珍しい。


白上虎太郎

同上。

小柄な男子高校生。帽子で高さを盛っている。

いじられキャラであり、ツッコミ役。


青山龍星

同上。

大柄な男子高校生。天性のガタイの良さ。

外見や声音の印象ほど落ち着いた性格ではない。


雀松朱司

隣のクラス。

終盤で裏切りそうな見た目の男子高校生。

男友達3人とクラスが別れたのが寂しくてよく廊下をウロウロしている。


紡乃世詞音

隣のクラス。

好奇心旺盛で明るく元気な少女。

龍星とはお互い好きとは意識してないくらいの関係。


麒ヶ島宗麟

隣のクラスの担任。

年配だが若者文化や子供の感情に理解がある。

特に男子生徒からの信頼は厚い。


後鬼

つむぎ、はう、ひまり達のクラス担任。

若い女の姿で社会に溶け込んでいるが、正体は千年以上生きた鬼。

ついなに仕え、共に暮らしている。


如月ついな(役追儺)

中学2年生。天涯孤独の少女。

鬼を狩り、生き肝を喰らう人の子?

鬼である後鬼よりも人間社会に馴染めてない。


黒朱乃宮・ティンティナーブルム・リリン

中学2年生。金持ちの娘。

本人は普通に話してるだけなのにメスガキっぽくなってしまうという生まれながらのカルマを持つ。

孤立していたつくよみやついなに積極的に話しかける良い子。


つくよみちゃん(夢前月夜)

中学2年生。夢前月夜という偽名で暮らす人外。

ついなからは逃げたいがリリンからは離れたくないというジレンマを抱えながら学校に通う。

肉体年齢を自由に変えられるため、大人形態では夢前月夜の姉として振る舞う。


伊織弓鶴

高校1年生。他校の生徒。

琴葉姉妹の従兄弟。親元を離れて一人暮らし中のため時々様子を見に来る。

ブログ運営や動画投稿などでそれなりの収入がある。


もち子さん

町のおもちゃ屋さん。

子どもには刺激が強すぎるとされ、保護者によって彼女との接触は禁止されている。

もっと子どもたちがお店に来てほしい。


剣崎雌雄

町のお医者さん。

極めて真っ当な医師で地域からの信頼は厚い。


ナースロボ タイプT(TTちゃん)

医療用アンドロイド。

助けた少女にナース服を着せて奉仕させている危険人物として剣崎のことを監視している。


No.7(ナナさん)

フリーター。23歳。

ミニマリスト。ロウソクの灯りで暮らし、カイワレダイコンを育てる。

セイカとイタコと職歴なし同盟を結成しているが、無職である彼女たちよりフリーターの自分の方が上だと思っている。


フィーちゃん

汎用型アンドロイド「カリカチュア」。

試験運用の一環でゆかりたちが通う高校にやってくるかも?

その時は九州そら、TTちゃんと機械の幸福とは何かについて考えるはず。


2023年12月28日木曜日

浮気を問い詰めるやつ 他

 メモ書き。

「這う女」の下書きが思ったより長くなりそうなのでこっちに。

後でもうちょっと書き足す。


①放火事件を題材としたミステリ

火をつけることが目的だったのではなく、燃やすことが目的だったみたいな展開。

放火に用いた紙片、ライターもしくはオイルを処分することに意味があった。

ノートの破りとったページであれば、そこに書かれた内容、またはノートが誰の所有物であったのかが鍵となる。

ライターであれば、その場所にライターが存在した事実に別の解釈を与えたかった。例えば、喫煙のために使われていたライターを、放火のために外部から持ち込まれたものに偽装するなど。

構想のようなものはできているがまだ盛り込む要素が足りない。


②浮気を問い詰めるやつ

車でのデート中、車内から見慣れないイヤリングを見つけ、口論になる男女。

浮気を疑い問い詰める女に、後ろめたいことがあるように狼狽する男。

観念した男は浮気相手のことを話し始める。

遊びのつもりだった。向こうが次第に別れるようにと迫ってきた。

怒りと悲しみで泣きそうになる女。男は突然女を押し倒し、首に手をかける。

苦しげに呻く女。抜け出そうと藻掻くうちにイヤリングが外れて座席の隙間に落ちる。

最初に誰かのイヤリングを見つけた場所と同じだった。その持ち主もきっと今と同じような状況でイヤリングを落としたのだろう。

男はしかたないしかたないと呟き続けていた。


③オートロック

扉を叩く音に気づいて玄関へと走る。

インターホンが故障しているため、宅配の人には不便をかけてしまっている。あまり待たせたくはない。

急いで扉を開け放ってから気づいた。

このマンションはオートロックだった。


【解説】

今インターホンが故障しててオートロックのかかってる共用玄関とはつながるが、自分の部屋の玄関前とはつながらない。

だから来客があった際は共用玄関からインターホンが鳴り、こちらからの操作でオートロックを解除、来客が自室までたどり着くのを見計らって部屋の玄関を開けるという行程をとっている。

上述の話だとオートロックを解除していないのに扉をたたかれているため、相手は不正な方法で侵入してきた相手だと言える。

て意味怖を考えたけどボツ。

まず状況がわかりづらい。オートロック云々がそういうマンションに住んでないと知らないことだしインターホンの故障がどんなものなのかも不明確。

次に扉を叩いた相手が不審人物とは限らない。同じマンションの住人なら当然オートロックを解除してもらわなくても部屋まで普通にやって来れる。

ということは玄関を開けた先にいた人物が何らかの異常な相手である必要があるが、それもあまりいいのが思いつかない。ただのストーカーではあまりに芸がない。

オートロックのマンションという舞台装置はなにかうまい使い方がありそうなので今後も要検討。


④近づいちゃいけない家

これも思いついたけどたぶんボツ。

町外れにある古びた家。そこにはけして近づいてはいけないと子どもたちはきつく言われていた。

主人公の少女と友人の男女数名で肝試し気分で探検に向かう。小学生くらいの想定。

荒れ果ててはいたが生ゴミやマンガも散らかっており、生活感があった。

住人らしき男と出会う一同。男は子どもたちを見つけると奇声を上げながら追いかけてきた。

散り散りになって逃げるも、男は主人公の少女を追いかけてくる。

自宅まで逃げて立てこもる主人公。男は何か意味不明なことを呟きながらドアを叩き続けていた。

両親が帰宅し、男を何処かに追い払う。お前、あそこに行ったんかとなる。

もうこの街にはいられないと言われ、彼女は転校することになる。

一晩中どこからか男の声と物音が聞こえていた翌朝、彼女は車に乗せられて街の外へ向かう。

男のことは見えていないし聞こえていない振りをしろと言われ、大人たちも皆そうしていた。

街の外までは追って来ないからと母が泣きながら言い聞かす。

男の叫び声と車を叩く音はやがて聞こえなくなった。


【解説】

これだけじゃまだわからないと思うんで補足すると、男は知能と精神に問題がある障害者です。

何をやっても罪に問われず、親の持ち家で生活保護を貰いながら一人で生活しています。

以前も子供を襲ったため街の大人たちは子供を近づけさせないようにしていますが、今回少女が標的になってしまいました。

一度狙った相手を執拗に追いかけるため、少女はやむなく引っ越すことになったというわけです。

障害者が手厚く保護され、拘束することも追い出すこともできなくなった歪な社会を描いた風刺物とも言えます。流石に現代ではこんなことないだろとは思う。

お察しの通りダメなやつです。差別を助長しヘイトを煽るようなものですし、教育的な価値も特にない。

何があっても開けてはいけないと蔵に閉じ込められ、一晩中叫び声。翌朝扉には男の精液が付着していた。

男の注意を逸らすため顔と体を隠して替え玉を立てる。男は何故か動物的な勘で本物の少女を探り当てる。

みたいな洒落怖でやるような奴を転用しようかと考えてました。


叙述トリックを使って、あくまで男を何かしらの怪異のように描く。

十年後と時間が飛んで、主人公が近づいちゃいけない家に再びやってきた場面。

当時はわからなかった。

あいつは一体何だったのか。

なぜ私をつけ狙ったのか。

…どうして誰も警察を呼ばなかったのか。

年を取り、町の事情やあの人の事情を知って私は何とも言えない気持ちになった。

もっと別のやり方もあったんじゃないか。

そんな風に思うのは私がまだ世の中を知らない子供だからだろうか。

今私は役場の職員としてこの家に戻ってきた。

あの人は完全に腐敗し、一部が白骨化した状態でようやく発見されたそうだ。

転んで骨を負った後、治療を受けることもできずに自宅でそのまま餓死したらしい。

私は畳に残った染みに手を合わせた。


こういう作り方ならまだ教育的価値っていうか文学的価値が生まれるな。

法で守られた障害者の犯罪者は怪物ですが、怪物怖いで済ます類の問題ではないでしょう。

読者に思考や情動をもたらす、少なくとも作者は思考や情動を持って取り扱うべき題材。

それでもまぁ「こんなんあったら怖いやろなぁ(ニチャア)」みたいな意図が残ってる気がするので動画にはならない。


以上4点、あんまり使えるネタが増えない。

1月初頭くらいまでは実家にいるんでもうちょっと何か書くと思います。動画は出ないです。

自宅帰ったらたぶん「虜囚」を終わらせる。


2023年12月5日火曜日

冒涜者/這う女

脳が錆びついてきた感じがするので少し頭を絞ってみる。

虜囚の方はプロットはできてるので後は最後まで走りきるだけ。

続き物ばっか作ってるとやっぱ駄目だな。


「冒涜者(仮称)」

取調べを受ける一人の少女。

彼女は先日心霊スポットに行った時の出来事を語る。

包丁を持った幽霊に襲われ、一緒に居た友人を見捨てて逃げたと。

刑事が口を開く。

「そうして彼女は死体で発見された。」

警察は少女を疑っていた。

廃墟で友人を殺害後、錯乱状態に陥って幽霊が現れたと思い込んでいるのではないかと。

彼女たちの通う学校の関係者、近隣住民への調査を進めていく。

二人の間にトラブルは見つからなかった。

代わりに心霊スポットの曰くについて幾つかの事実が判明する。

過去に確かにその家では夫婦が心中していたが、彼らと懇意にしていた叔母は存命であること。

実際に包丁を持った女が映った心霊写真が撮影されていたこと。

幽霊の正体は叔母であり、思い出の家を荒らす者たちを襲っていたことが推測される。


END1

叔母が指名手配され、少女は釈放される。

彼女が再び襲われる可能性を危惧し、身辺を警護する警察。

彼女の部屋から悲鳴が響く。

慌てて踏み込む警察。

彼らの目の前で血のついた包丁を持った女はスーッと消えていった。

血まみれの少女の前で彼らは立ち尽くすしかなかった。


END2

こっちは起承転の部分からちょっと違う。

主人公は少女の両親から依頼を受けた探偵。

少女の疑いを晴らすため、幽霊の存在を証明することになる。

調査を進める中で、かつて心霊スポットを訪れた者が撮影した心霊写真を入手する。

また、心霊スポットとなっている家はかつて夫婦が心中しており、その原因は一人息子の死にあることを突き止める。

彼は電車に轢かれて死亡していた。発達に問題があった彼は駅で迷い、誤って線路に落ちたらしい。

通院のためその駅をよく利用していたという老婆は、苦々しく当時のことを語る。

線路の上でおろおろと狼狽える彼を誰も助けようとはしなかった。罵声を浴びせるか、携帯で撮影するか、無視するか。それは電車が通過してからもそうだった。

駅のホームで両親らしき人物が騒ぎ出した時も、周囲の人は遠巻きに撮影するか、見て見ぬ振りであったそうだ。

探偵はその後も調査を進め、事故の新聞や家の写真から親子と仲の良かった人物、叔母の存在を見つけ出す。

事故が起こったのは、父親と叔母と息子の三人で入院中の母親を見舞いに行った帰りであった。

探偵は調査内容を元に叔母が真犯人であることを主張して少女の釈放を求めることを決める。

その時、ふと考える。

心霊写真を撮影したかつての訪問者は追い払われただけだ。

それなのになぜ今回は殺害されたのだろう。明確な殺意を持って。

少女たちはこれまでも何度か心霊スポットを巡ることがあったらしい。

調査の途中で見た、その様子を撮影した映像を思い出す。

叔母の目には嬉々としてスマホを向け家を物色する姿が、かつて駅のホームで見た無責任な撮影者たちに重なったのではないだろうか。

いや、あるいは実際に彼女たちはあの場にいて、当時も同じように嬉々として惨事を撮影していたのでは…

探偵はそこまで考えてさすがに邪推だと首を振った。


【解説】

END2の方が推し。でもEND1も捨てがたい。同時に成立可能だし。

幽霊に襲われた友達を見捨てて逃げるのは怪談ではよくある。

だがもし見捨てた友達が死体で発見されたら絶対疑われるよなってのが着想の一歩目。

幽霊と見せかけて生身の人間って言うのもよくある話。

一家心中した家とか心霊スポットになることあるけど、亡くなった方や遺族のこと考えたら面白半分で行く奴頭おかしいよなとは前から思ってた。

押切蓮介の漫画で一家心中した後幽霊になって、肝試しに来て傍若無人に振る舞う連中を成すすべなく見続けるしかなくなるってのがあった気がする。

後はいつぞやの障害者が線路に降りて母親が抱き締めてたのがクッソ叩かれてたの。

補足情報。

殺された少女と警察に拘留されてる少女の二人組は心霊系Youtuber。そんなに人気ではない。探偵は参考資料として彼女たちの動画を視聴した。

拘留されている少女が主な撮影担当。殺された少女が画面に写ってリアクションをとる。

殺された少女はスマホをライト代わりにしており、特徴的なストラップをつけている。それによって数年前の事故の時のあいつだと叔母に思われた、みたいな推測の根拠がある。

少女とか言ったけど大学生を想定してる。

事故が起こった駅は、大きな病院の最寄り駅。

老婆が何年も通院しているという話から匂わせ、障害のある息子を連れ出した理由が入院中の母親の見舞いであるという気づきにつなげる。

ちなみに老婆はあの時の周囲の人の態度はひどかったみたいなことを言ってるけど、この人も何もしていない。

探偵を青山、少女たちが通う大学の同級生を紡乃世にして、青山と紡乃世のセットで進めてみたい。あと心霊写真を撮った先駆者は伊織弓弦にしてみようかな。

てことで当分は作らない。


「這う女(仮称)」

女学生が交通事故により上半身と下半身が断裂して死亡。彼女は上半身だけになってもしばらく息があり、道路を這って進んだという。

そんな出来事があった以上、その場所で上半身だけの女の霊が出るという噂が流れたのも無理はないことだった。

私立探偵青山龍生は噂の真相を確かめるべく調査に向かい、思いがけず事故の真相にも迫っていく。


【解説】

どういう形式で扱うか決め兼ねたので暫定的に青山探偵に任せることにする。

以下ネタバレ。まだ詰めきれてないけど。

交通事故によって上半身と下半身が分断されることは通常ありえない。青山は当初その事故当時の状況は脚色されたものだと考えていた。

しかし捜査関係者の話によると確かに被害者は体を両断されたそうだ。以下は青山の幼馴染で刑事の玄野の談。

道路を這っていく少女の上半身を目撃したのは、彼女を轢いたトラックの運転手と後続の運転手。どちらも一生物のトラウマとなったようだ。

その日は大雨が降っていて血の跡こそなくなっていたが、上半身は確かに道路の反対側まで移動しており、位置関係から跳ね飛ばされたわけではないことも確認された。

大雨による視界不良が事故の原因とされ、トラックの運転手は逮捕されていた。少女の姿は全く見えず、何かに乗り上げたような衝撃に車を止め、事故に気づいたそうだ。

どれほどの罪に問われるかは図りかねているらしい。状況が特殊だったからだ。

上半身と下半身の切断、乗り上げたような衝撃、切断が走行中のタイヤによるものだと考えると…

少女は道路に横になっていたことになる。

切断面に残されたタイヤ痕から考えると、少女は道路にうつ伏せになっていた。その時点では生きていたことが上半身だけで動いていた目撃情報と、傷口の生体反応からわかっている。意識があったかは不明。

そのような状況にあった理由として考えられるのは3つ。

まず自分の意思で横たわっていた。この場合は自殺ということになるが、なぜそんな死に方を選んだのかという疑問が残る。

次に何かの病気で昏倒した。彼女に持病はなく、どういった原因が考えられるかは検視の結果次第。この場合は運悪く道路で倒れて轢かれた事故ということになる。

最後に何者かによって突き飛ばされた。トラックが近づいてくるのを見計らって一緒にいた相手が彼女を車道に突き飛ばす。倒れた彼女は走行中のトラックのタイヤによってそのまま…この場合は殺人だ。

玄野はどれも曖昧だが、個人的には殺人の線が濃いと語る。被害者は両断されてからも道路の向こう側へと這って行っている。まるで何かから逃げるように。

容疑者はいるのかと尋ねる青山に、玄野は黙って首を振る。わからないという意味ではなく話せないという意味だろう。

青山はただの幽霊騒ぎではないことを察し、依頼を断るか考えていた。


同じく噂の真相を確かめるべく活動していた紡乃世と合流し、事故現場を実際に見に行くことになる。

事故が起こったのは人通りも車通りも少ないT字路。用水路沿いに敷設された一車線の道路に閑静な住宅街から伸びた路地が合流する地点であった。

紡乃世と共に事故の状況をシミュレーションしてみる。特に新しい発見はなかった。

元々オカルト的な調査であったため、幽霊の目撃談について情報をまとめる方向に進む。

その中で青山は目撃情報が事故が起こった道路の方ではなく路地の方に集中していることに気づく。

上半身だけの女が地面を這っているのを見たという最初の目撃談も場所は路地の方だった。

実際に少女が這っていったのは道路の向こう側であり、反対方向だ。

事故の詳細な状況を誰もが知っているわけではないので、ただその交差点で事故があったという話から適当な噂が立っただけだと青山は考える。

紡乃世の意見は違っていて、少女の幽霊が路地で何かを探していると言い出した。

事故当時少女は路地で何らかの落とし物を探しており、そのまま気づかぬうちに交差点に侵入し、事故にあった。幽霊になってからも再び路地で落とし物を探している。

青山はその推論には否定的だった。幽霊の存在自体に懐疑的というのもあるが、事故にあったときの体勢が違う。四つん這いであればトラックとの接触時に跳ね飛ばされる。彼女は確かに横這いだったのだ。

だが一つ気づきがあった。膝をついて四つん這いになった時の少女のイメージ。上が白いブラウスで下が紺のスカート。夜道であれば下半身がよく見えず上半身だけが地面を探っているように見えるのではないか。

誰か、おそらく死亡した少女と同じ学校の女生徒が路地で夜な夜な何かを探している。


路地を張り込めば、その何者かを見つけられるか考える。

恐らく無理だろう。噂が流れ始めたのは数週間前、本人であれば自分の姿が幽霊と間違えられたことは察するはずだ。

既に探し物は諦めている。あるいはもう発見している。そう考えたほうが自然だ。

紡乃世が警察に遺留品として回収されている可能性を指摘する。

青山もその可能性を完全には否定しきれなかったが、たぶん彼女以外の人間がその場にいた痕跡があれば、警察は殺人罪で捜査を始めているはずだ。

当初から一貫して交通事故として扱われているということは、そういった痕跡はなかったということだ。もっとも初動で交通事故として扱ってしまったために見逃した可能性もあるが。

そこまで考えて青山は違和感を覚える。

事故が起こった交差点部分は確かに鑑識が入っただろう。と言っても屋外だし交通事故の調査だ。そこまで念入りなものだったとは思えないが、まぁまず何かが落ちていたら発見される。

では路地の方はどうだろうか。発見されない、以前に調査されていないのではないか。だってそっちは別に関係ないから。ただの通り道だから。

人気のない薄暗い路地を眺める。何かが起こったのはこっちか。


青山と紡乃世は町内の清掃ボランティアに参加していた。今回は側溝に溜まった汚れをさらうそうだ。それにはあの路地も含まれる。

もし探し物がまだ見つかっていないなら、「彼女」も参加するはずだと踏んでいた。どこかに流されてしまったならそれでもいいが、現場付近で見つかったらと思うと気が気でないはずだ。

参加者に若者はほとんどいなかったが、一人だけ女子高生がいた。彼女と一緒に事故があった交差点近辺の側溝掃除を担当することになる。

誰もその区域は担当したがらなかった。事故当時の大雨により血痕は洗い流され側溝へ。そう考えるとたしかに気味が悪い。

その女子高生は死亡した少女の友人だという。彼女の持ち物が残っていないか探すのと、彼女への弔いのために参加したと話した。

特徴は合致するが、彼女はとても落ち着いていて特に怪しむ要素は見つからなかった。

血の跡や肉片、髪の毛なんかが残っているなんてことはなく、凄惨な出来事を想起させることは何もなかった。

作業も終わり、彼女と少し話ができた。

青山と紡乃世が最近事故を嗅ぎ回っていることはバレていた。探偵であることは隠し、紡乃世のオカルトサークルの活動の一環だと嘘をつく。

幽霊の正体は恐らく自分だと彼女はあっさり認めた。友人がそんな死に方をしたことが信じられなくて、周囲を調べていたという。

なぜ路地ばかり調べていたのかという問いには、道路の方も調べていたがたまたま路地を調べている時に目撃されただけだと答えた。

なにか分かったことがあったら自分にも教えてほしいと彼女は頭を下げた。

明瞭な受け答え。何もおかしなところはない。それが却って青山の直感に引っかかった。

上半身だけになった少女が這っていったのは誰かから逃げようとしていたからではないか。彼女は誰かに襲われたのではないか。青山は玄野の推測を語る。

誰か心当たりはないか。その問いに彼女は首を振った。


幽霊の正体はわかった。これで青山の仕事は終わりである。

自分はもうこの件からは手を引くと青山は玄野に告げる。玄野は青山の捜査能力に感心していた。

捜査の参考にと自分の考察を述べる青山。

その日、下校中の少女は路地で何者かに襲われ逃亡。交差点付近で追いつかれ突き飛ばされる。運悪くそのタイミングでトラックがやってきて轢死。

その何者かは幽霊騒ぎの原因になった別の少女であり、彼女は路地での追走中に自身の特定に繋がる何かを落とし、それを探している。

玄野は驚きもしなかった。

心当たりがない、と答えたのかと問う玄野。最後の質問のことだろう。

青山はたぶん嘘だろうなと肯定する。玄野は何かを考えていた。

たぶん警察しか知らない情報と矛盾しているんだろう。

信頼できるかは分からないがと前置きして玄野が語る。

運転手は視界不良の中でも交差点付近では周囲に人影がないことを確認していたそうだ。

地面に横たわっている少女は見えないが他に誰かいれば気づいたと。

彼女は地面を這った状態で交差点に侵入し、上半身だけになってからも這い続けた。

玄野の仮説はとても気分が悪いものだった。路地で既に致命傷を負い、地面を這って逃げる。その先でトラックに轢かれ、それでもまだ…

それを証明できれば殺人事件として捜査できる。いや、できた。

何かを探していたのではなく、血の跡が残っていないかを確認していたんじゃないかと玄野は呟く。路地に血痕があれば誰かに襲われたと判断されるかもしれない。

傷跡はないのかと聞く青山。トラックとの接触事故以外でついた大きな傷があればそれが証拠になる。

見つからなかったが存在した可能性はあると玄野は答える。腹部に負った致命傷が、同じく腹部に受けたタイヤによる切断という巨大な傷によってかき消された。

このまま行ったら不幸な交通事故として処理される。

玄野は青山に刑事にはできない頼み事をする。


指定した時間に少女は路地へとやってきた。

停めてある車から青山が手を振る。彼女は静かに車に乗り込んだ。

見せたいものとは何かと聞く少女に、青山は下卑た笑みを浮かべる。

この前の側溝掃除の時にこっそり拾った、ずっとあれを探してたんだなと語りかける。

少女の表情が強張っているのがわかる。

青山は警察が殺人の線で捜査を進めていること、容疑者の一人に少女が挙がっていることを告げる。

黙っていてほしかったら、わかるだろと少女の下腹部を指差す。

彼女は呻くようにわかりましたと呟いた。

そう言うってことはやっぱり犯人なんだなと青山が悲しそうに笑う。

少女は一瞬理解が追いついていないように固まったが、すぐに察したようだ。

脅迫と自白の痛み分けだ。

やはり彼女は「何か」を探していた。青山にはそれがどんな物なのかもわからなかったが。

少女は冷静さを取り戻し、白ばっくれる。

青山は恐らく彼女が気づいていないだろう可能性を語る。

致命傷を負った彼女の友人が土砂降りの中アスファルトを這い、どこへ向かったのか。

少女は青山が何を言い出したのかわからず不思議そうな顔をする。


君は「何か」を落とした。君がいつも肌身離さず身につけていて、それが存在することが君がその場にいた証になるような「何か」だ。

君は逃げ去ってから君がそれを落としたことに気づいた。彼女は君が去ってすぐに君がそれを落としたことに気づいた。

側溝の隙間に落ち、流されてしまったなら安心だろう。だがどこかに引っ掛かってしまうかもしれない。君もその可能性に随分頭を悩ませたはずだ。

彼女もそうだった。だからもっと確実な場所を目指した。

用水路だよ。路地を通って道路を越えた先にある。

彼女はその「何か」を拾って用水路へ向かって這っていった。

路地を抜け、交差点でトラックに轢かれ、上半身だけになっても這い続けた。

そしてそれを用水路に落とし、力尽きた。

大雨によって増水した用水路がそれをどこまで運んでいったかは見当もつかない。

君が犯人であることを隠したかったのは君だけじゃない。君が殺した彼女もだ。


少女は青山の話を黙って聞いていた。

聞き終えてもまだ静寂の時間が続いた。

「…二人が親友の証でした。」

彼女がポツリと言い残し、車から降りた。

青山は彼女の方は見ずに、前方の交差点を見つめる。

路地を通って道路を超えて用水路まで。

這う女の幻影が見える気がした。


終わり。

下書きにしては長すぎだろ。

玄野サイドの情報も書いとく。

被害者の少女の交友関係を調べる。

犯人である少女は小学生の頃からの親友。彼女が好いていた相手が被害者の少女の方を好きになってしまったことが不和の原因。

犯人の少女に好かれ、被害者の少女を好いている少年。被害者の少女には振られ、しつこく付き纏うようになる。

振られた少年を第一候補、親友の少女を第二候補の容疑者とする。

犯人である親友の少女が、青山の問いに対して付き纏い行為をしていた少年を挙げなかったことに引っかかりを覚える。もっとも部外者に話すようなことではないが。

道路の血液反応を調べる、側溝をさらうといった捜査方法は効果と必要性の観点から却下されている。

そもそも殺人事件として捜査本部が立っていないので刑事としては越権気味。

他に詰めるべき点。

被害者が持っていたであろう傘と鞄の行方。鞄はもうちょっと状況を変えれば無くせるが、傘はそうは行かない。どっかに飛ばされたとしても多少の言及はあるべき。

用水路の描写を十分に入れる。河川から分岐させ、海へと続くような大きめの用水路であることを伝える。その際は用水路の描写だけが多くならないように、道路、路地、住宅街の様子も同程度入れる。

紡乃世はオカ研の活動。青山はオカルト記事の取材の下請け。探偵にしてはしょっぱい仕事だな。

動画にするときは最初と最後に被害者の少女のモノローグを入れるかもしれない。切断後道路を這う時と用水路に親友の証を流す時。

被害者自身が証拠隠滅に加担する珍しいタイプの殺人事件。


とりあえず2つ。都市伝説×ミステリみたいな感じで結構いい感じ。

シリーズ化できそうなほどのボリュームがあるがシリーズ物は増やしたくないジレンマがある。

「冒涜者」の殺された女を冥鳴ひまり、捕まった女を春日部つむぎ。「這う女」の切断された少女をつくよみちゃん、犯人の少女をついなちゃんで考えてます。

ついなちゃんの使い所がずっとわからなかったが、つくよみちゃんと背格好と髪色が似てるからここでぶっ込むしかない気がする。伊織も出るし。

来年作るかなぁ。


2023年11月13日月曜日

虜囚再開に当たり

メモ書き。

エンディングの追加。Losstime Life「アオイリンゴ」。歌詞が作品の空気と合ってる。

背景を写真素材で統一。実写の背景にぼかしを2~3まで。

全体に色調補正。画面に常時エフェクトをかけ、若干コントラストを上げ明るさを下げる。

一部立ち絵素材の変更。動画の雰囲気に合わせて等身の高くリアル志向の立ち絵に変更。

以下簡単なプロット。


第一話

紲星あかりが結月ゆかりに誘われて会社を辞める。

結月が紲星に計画を明かし、紲星は苦悩する。


第二話

結月と紲星が葵に会う。

葵の勧誘に成功する。結月と紲星の仲が深まる。


第三話

結月と紲星が茜に会う。

茜の勧誘に成功する。

パーティー兼セミナーを開く。結月が演説を行う。

結月と紲星が四国めたんに誘われ、東北ずん子に会う。


第四話

結月と紲星がめたんとずん子と話す。

紲星の活躍によってずん子との交渉を有利に進める。


第五話

ずん子によって事務所が用意される。

結月と紲星がずん子と話す。ずん子の評価が高まる。

勧誘活動の帰り、結月と紲星が弦巻マキに会う。

紲星は結月の態度に不信を覚える。

ずん子に紹介される顧客の中に弦巻マキの名を見つける。


第六話

紲星は結月と弦巻の関係性について問い詰める。

ずん子とめたんは結月と弦巻が同郷であることを知る。

結月は弦巻の借金を代わりに返済し、行方をくらます。

同時に弦巻も行方をくらます。

ずん子は仕事を放り出した結月に落とし前をつけるようにと、紲星に拳銃を握らせる。


第七話

結月が弦巻との過去を思い返す。

結月が弦巻との待ち合わせに際し、紲星の追跡を受ける。

結月は山中に追い詰められ、銃口を向けられる。

紲星は弦巻が別の場所に逃亡しており、結月は騙されたことを告げる。

結月は死を受け入れる。

紲星が拳銃を捨てる。

結月が紲星の勧誘を受け、再起を誓う。


第八話

弦巻がめたんによって確保される。

紲星が結月を連れて帰還する。

紲星がずん子に結月の助命を願う。

結月がずん子の説得を試みる。

ずん子が結月に弦巻を殺すように要求する。

結月がずん子の脅迫を試みる。

結月と紲星を監視していた九州そらによって嘘が暴かれる。

結月がめたんの説得を試みる。

めたんの言葉によってずん子は平静を失う。

弦巻が逃げていることに一同が気づく。

外で見張りをしていた中国うさぎによって弦巻が確保される。

うさぎが弦巻を見逃す。

弦巻の逃亡により一同も撤収。結月の処遇はうやむやに。


結月と紲星は生還を果たしたことを喜ぶ。

ずん子にもしがらみが存在したことを意外に思う紲星。

結月が人はどこまで行っても虜囚なのだと語る。


エンドロール

コソコソとこちらを見ながら囁き合う女性社員たち。

葵が彼女たちに歩み寄って刺々しく「なに?」と問う。

彼女たちはそれには答えず逃げて行った。

呆れたように自分の席に戻る葵。

スマホの電源を入れると結月と紲星の写真が映る。

彼女はそれを見て愛おしそうに微笑んだ。


「先輩、前から思ってたんですけどあの人なんで何もしてないんですか?」

「ああ…まあ気にするな。お前はあんな風になるなよ。」

遠くからそんな会話が耳に入る。

茜は聞こえない振りで空を眺める。

私はこんなくだらない仕事に割く余力がないだけだ。

私はもっと特別なことに力を入れてるんだ。

私は特別な人間なんだ。


呆けた顔で空を見上げるずん子。

彼女を心配そうに見つめる九州そらと中国うさぎ。

めたんが出て行ってからずん子は目に見えて気力を失くしていた。

「私たちも身の振り方を考えないとかもね。」とうさぎ。

そらは在りし日の仲睦まじい二人の姿を思い出し頭を抱えた。


寒風の吹き荒ぶ遠い場所で一人立つ弦巻。

もう自分を追っては来ないだろう。

大丈夫大丈夫と自分に言い聞かす。

自販機に手を伸ばし温かい飲み物を買おうとする。

自販機がスロットマシンに重なりけたたましい音楽ときらびやかな発光の幻覚が起こる。

缶の落ちる音で我に返る。

温かい缶コーヒーを握りしめ蹲る。

大丈夫大丈夫。私はきっとやり直せる。きっと…


あなたの考えは間違ってる。あなたの自己憐憫に付き合う気は無い。

鋭く言い放つ紲星。結月が言葉を引き継ぐ。

あなたは何も悪くない。あなたのいる環境が悪いのだ。

結月が手を伸ばし笑いかける。

さあ、私たちと一緒にここから脱け出そう、と。


虜囚 完


キャラ紹介

紲星あかり

結月と同じ会社に勤める落ちこぼれ社員。結月の勧誘を受けて仕事を辞め詐欺師へ。

当初は自己肯定感が低く罪悪感もあったが、事業が軌道に乗るにつれて自信がつき罪の意識も無くなった。

かつての自分と同じように劣った人間に対しては同情的だが、その感情は自己憐憫に近く実際のところ他人への関心は薄い。

結月に対しては嫌悪感もあるがそれ以上に尊敬と信頼が大きい。

物語を通して良くも悪くも大きく成長した。


結月ゆかり

紲星と同じ会社に勤める社員。仕事はできる方。紲星を誘い仕事を辞めて詐欺師へ。

紲星を詰めていた上司、葵をいじめている同僚など、弱者である自分たちを虐げる者への憤りが根底にある。

紲星や葵、他の客たちには前向きに生きられるようになってほしいと思ってる。

弦巻とは同郷で特別な感情を抱いていたが、弦巻の交際、結婚に伴い身を引いた。

長らく疎遠だったがギャンブル依存や借金で追い込まれていることを知り、援助を申し出て駆け落ちの約束までする。

悪党に徹しきれない甘さがあり、良くも悪くも人間的。


会社で同僚にいじめられているOL。結月と紲星の最初の勧誘相手。

結月と紲星を自身の唯一の理解者であると信じ依存している。

事業に関しては薄々詐欺だと勘づきつつもあまり気にしていない。

結月と紲星に必要とされる存在でいられることが望み。

男性社員には人気があり、女性社員も最近は彼女のことを怖がっているためもう問題は解決されている。


それなりに大きな会社に勤める窓際社員。結月と紲星にサクラとして雇われている。

わざわざ詐欺師だと馬鹿にしに来る様子から結月に日々の不満を看破され、詐欺の片棒を担ぐことに応じる。

客たちを騙して優越感を得る日々に充実感を覚えている。

入社当初は真っ当に働いていたが、横並びで働かされ自分が特別扱いされない環境に不満を感じて徐々にドロップアウトしていった。

結月と紲星を仲間だと思っており、向こうからは一線を引かれていることに気づいていない。


東北ずん子

東北組の次代の組長候補の一人。若頭補佐。

四国めたん、九州そら、中国うさぎの3名を側近として抱え、非合法な事業を取り仕切っている。

立場に似合わず柔らかな物腰、気さくな話し方をする。

他人への情は薄いが身内には弱く、めたんに疑問を投げかけられた際は本音を漏らした。

今後どういった進路をとるのかは不明。


弦巻マキ

結月の古い友人。

大学卒業後は専業主婦として過ごしていたが、ギャンブルにはまりパチンコ屋に通い詰める生活になる。

夫にばれないようにと借金で支出を補填し続けたことで多重債務者に。ずん子の目に留まる。

結月から貰ったお金で借金を返済し、その後は二人でやり直すはずだったが結月を裏切って単独で逃亡。

夫を捨て、友を裏切り、一人すべてを失って遠い土地へ。


四国めたん

ずん子の側近。親友でもある。

詐欺に引っかかった振りをして結月と紲星に接触してきた。

ほとんどの相手には正体を隠しており、他の客たちからは同じ境遇の人間として信頼を得ている。

当人は自分のそうしたスパイ的な仕事が好きではない。


九州そら

ずん子の側近。友人でもある。

紲星に発信機を仕込み、紲星と結月をこっそり尾けて監視していた。

ずん子とめたんが衝突したことで自分が何をすればいいかわからなくなっている。


中国うさぎ

ずん子の側近。友人でもある。

逃走中の弦巻を追いかけて確保したが、めたんとずん子の思いを汲んで彼女を見逃した。

今後の身の振り方を考え中。


以上。

11月に書いた下書き。完結に伴い公開。

一度の失踪、二度のシナリオ変更を経てついに完結までこぎつけることが出来ました。

視聴者の皆様のおかげで、ていうか熱心な一部の視聴者のせいで辞めるに辞められずここまで続けてきました。

就職して忙しくなる前に終わらせられて良かったと思います。ようやく肩の荷が下りた。

少し後語りをしますと、この物語の最も簡単なテーマは「働くのって嫌だよね」というものです。

原初のシナリオ、変更後のシナリオ、完成版のシナリオのいずれにおいても一貫してそれが根底にありました。

記憶が薄れてきているので呼び起こすために書き記していきますと、原初のシナリオでは紲星にとって会社勤めも結月の下での詐欺稼業もどちらも嫌なものでした。

嫌な仕事をずっと続けた結果、紲星は早々に自殺未遂。結月は紲星を救護した後、後悔を抱えて行方を晦まします。

残された紲星は結月にとってもこの仕事は嫌なものだったのではないかと考えを巡らします。生きることは苦しいって終わり方です。

変更後のシナリオでは、尺を伸ばすため反社会的勢力の東北さんが参入しました。

紲星は人を騙すことに慣れ、結月と共に東北さんに立ち向かいます。しかし結月が旧友のマキに現を抜かしているうちに東北さんとのパワーバランスが崩壊。

最初の客の葵さんは自殺。紲星は罪悪感を取り戻し、結月を説得して二人で足を洗います。

その後はサクラをやっていた茜がトップに祭り上げられ、東北さん達によって客は絞り尽くされます。最終的に茜が客の一人に刺され、詐欺組織は消滅します。

結月と紲星は引き抜いた客と生き残った客を今度は本当に教え導こうと決めます。嫌なことにも立ち向かっていこうって終わり方です。

完成版のシナリオが今回動画で出したものになります。

「誰もが虜囚である」ENDでありながら「この世で一番自由な二人」ENDでもあります。

純粋な脅威であった東北さんと四国さんの人間的な部分を描けたのは以前のシナリオより大きく優れている点であり、私もこの終わり方が一番気に入っています。

代わりに葵と茜の出番が減ってしまったのは困ったところですが、二人とも死なずに済んでよかったなってことで済ませます。

なんだかんだで心からの相棒になった結月と紲星は今日も元気に詐欺稼業を続け、きっとこの二人が一番自由なんだなって意外な結末になりました。

嫌なことばかりの世の中もきっと二人なら越えて行ける。

それが答えなんだとしたら何だか皮肉に思えますね。喧嘩別れした東北さんと四国さん、夫も友も裏切って一人になったマキさん。

作者である私もキャラに振り回され続け、想像を超える展開の連続でした。まぁ終わってみれば楽しかった。

もう長編シリーズ物をやることはないと思いますが、この経験は今後にも活きそうです。

それでは皆様、長らくのお付き合いありがとうございました。



時々出るモブ

別に視聴者が覚える必要は無いが、一応私は覚えておいた方がいいかもしれない。 今この場で適当に名前を決めておいた。 ・カンザキ COEIROINK:青葉 公立高校3年生。 これまで所属する部活から付き合う友人、毎日の自由時間の使い方まで決められていたにも関わらず、進路を決める土壇場...